先日の三谷氏関連投稿で、明智光秀医師説について触れましたが、それで思い出したのが、蘭方医を主人公にした『風雲児たち~蘭学革命(らんがくれぼりゅうし)篇』です。2018年の正月時代劇で、やはりと言うか『真田丸』の出演者が多く出たのでも有名です。少し前に、『麒麟がくる』の今川義元役の片岡愛之助さんより、『真田丸』で大谷刑部を演じた愛之助さんが好きだと書きましたが、この時演じた前野良沢もなかなかいい雰囲気でした。解体新書の編纂が主なテーマですが、良沢絡みで一節切(ひとよぎり、尺八の前身とも言われる)が出て来たのも、その時代らしさがあって、しかもちょっとさりげなくていいものです。これに関しては、こちらのページに関連記事があるので置いておきます。
『風雲児たち』撮影は快調!200年以上も前の一節切(ひとよぎり)に命が吹き込まれました。
(番組スタッフブログ、NHK ONLINE)
しかし大河とか朝ドラはかなり早めに削除されるのに、一昨年の正月時代劇のサイトはまだ残っているのですね。この機会に色々再発見することもできそうです。尚、番組公式サイトはこちらです。
(風雲児たち~蘭学革命篇)
『麒麟がくる』が三谷大河だったら云々と言い出したのは、戦国大河としてはやはり構成に疑問があり、これなら独特の世界観はあるにせよ、三谷氏に頼んだ方がよかったのではないかと思ったのに加え、山本耕史さんが主演だったらどうなるかという点にも興味があったためです。山本さんと言えば、三谷大河の常連ですからね。無論それ以前に、それまで描かれて来た人物や描写を殊更に変えてしまったり、登場人物に深くかかわることで史実であるのに、やけに端折ったりするのは控えた方がいいかと思います。また大河のみならず、脚本に問題があるというドラマ批判は何度か目にしたことがありますが、やはり一番の責任は制作統括にあると思われます。現場の指揮官ですから。
無論ドラマ内容や放送形式によって、あるいは出演者によって、同じプロデューサーでもかなりイメージが変わることもあります。信じられないかもしれませんが、前出の『風雲児たち~蘭学革命(らんがくれぼりゅうし)篇』、実は制作統括の一人があの土屋勝裕氏ですー『花燃ゆ』の制作統括のプロデューサーです。尤も土屋氏の場合、他に手がけているドラマを見ても、大河よりこういう単発とか数回シリーズの時代劇の方が向いているのかも知れません。しかしそれを考えれば、やはり大河の在り方そのものが再考の余地ありかと思ってしまいます。一方で演出が吉川邦夫氏で、こちらは『真田丸』やパペットホームズでも三谷氏と組んでおり、こちらは間違いなくプラスに働いたでしょう。
それと『麒麟がくる』は、福田靖氏の脚本ではいけなかったのでしょうか。ちょうど制作発表の頃、福田氏脚本のネットドラマと、他のノンフィクションの類似性が問題になったせいもあったかも知れませんし、また福田氏本人は、『まんぷく』の脚本に恐らくは重点を置いていたのかも知れません。しかし滅多に朝ドラを観ない私でも、『まんぷく』は面白く観ましたし、長谷川さんをあそこまで立花萬平というキャラに作り上げた手腕は評価できます。『龍馬伝』の脚本担当でもあったわけですし、ダブルで脚本と主役(『まんぷく』は準主役)という可能性もあったでしょう。どうにかできなかったのかと思います。私も朝ドラの方の長谷川さんは好きなのですが…。
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