この間の関連投稿の続きです。今回は派手めな色云々と言うよりは、その俳優さんに似合う色に関してです。同じ俳優さんであっても、衣裳によって随分イメージが変わることがあるものです。特に時代背景が違い、演じる役が違えば、それに応じて衣裳も当然かなり違って来ます。ただその人に似合う色、似合わない色というのはやはりあります。その例として今回触れたいのが、先日書いていなかった、風間俊介さん演じる徳川家康(松平元康)の衣裳についてです。
こちらが『麒麟がくる』で、徳川家康(松平元康)を演じる風間さんです。
この元康の服装に関しては、第20回のあらすじと感想で、ベージュ系の着物に茶の袴、赤の羽織というコーディネーションと書いています。ただよく見ると、ベージュというよりちょっとオレンジがかった色と言うべきかもしれません。全体的に暖色でまとめられています。
そしてこちらは『西郷どん』で、橋本左内を演じる風間さんです。
青の羽織とグレー系の着物、そしてこの画像には映っていませんが、袴もグレー系で全体的に寒色でまとめています。無論幕末ということに加えて、藩医という役柄設定もあり、あまり派手めな格好をしないという前提でのデザインでしょう。
(ちなみにデザインはどちらも黒澤和子さんです、黒澤さんは江戸時代以降を担当してほしいと思う一因です)
ご本人が童顔ということもあるでしょうが、個人的には、こちらの方が締まった印象があって似合っているように感じられます。余談ながらこの橋本左内は、越前松平家が藩主を務めた福井藩の藩医ですが、この福井は、かつて光秀も身を寄せた一乗谷が、信長によって焼き払われた後、多くの人々が移住した地でもあります。
これは『麒麟がくる』の他の登場人物にも言えますが、元康の服装がなぜ茶色に赤なのか、ちょっとわかりかねます。それもアースカラーに赤なら差し色効果があるのですが、茶と赤の取り合わせは何となくもっさりした印象なので。
ところでこの『麒麟がくる』はオレンジも結構登場します。門脇麦さん演じる駒の着物はいつもオレンジ系ですし、先日インスタの画像でご紹介した松永久秀役の吉田鋼太郎さん、この人の素襖も淡いオレンジ色です。そのせいもあってか、寧ろ女性用の服地に見えてしまうこともあります。それでなくても、彼の主君である三好長慶の衣裳がペパーミントのような色ですので、主従の服装が、さながらスイーツかアイスクリームかといった感じに見えなくもないのです。実際、こういうのは何を基準にして決められているのでしょうね。個人的には吉田さんも、三好長慶役の山路和弘さんも、もう少し渋めの色か、派手にするならいっそくすんだ赤などがいいようにも思えます。尚久秀の花火のような羽織、自爆する人物ということで花火のようなデザインにしたということですが、あまりこういうのは感心しません。
話が飛びますが、北条義時の本をamazonで見ていたところ、既に『鎌倉殿の13人』が謳い文句となっているのに気づきました。「2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」主人公、三上皇を配流した稀代の逆臣か」だの、「「鎌倉殿の13人」 主演小栗旬が演じる北条義時のことがよくわかる!」だの。ただ十三人の合議制ができた時期の将軍である、源頼家の関連本があまりないようです。無論これから出て来ることになるのでしょう。
(画像は『麒麟がくる』録画及び『西郷どん』公式サイトより)
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