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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『JIN -仁-』完結編第8回番外編 蘭学と英語

『JIN -仁-』の番外編にするか、全く別の記事にするかでちょっと考えましたが、一応『JIN -仁-』の番外編にすることにしました。完結編もそろそろ大詰めですが、このドラマの中では、仁は一応蘭方医とされています。蘭方は、出島の商館に駐在していた医師たちから広まって行き、特に外科において優れていたため、彼らオランダ人医師の通詞(通訳)たちが、それぞれの流派を作るようになりました。また、日本人医師との交流もあったことから、蘭方は広がりを見せ、特に18世紀以後は、西洋の進んだ医学を採り入れるようになりました。また、眼科も元々蘭方のものといわれています。

しかしその当時、情報の伝達には時間がかかりました。『花神』の中で、イネ・シーボルトが、蘭方の本の一部が読めず、村田蔵六の宿を訪ねる場面が登場しますが、その本は、日本でいう元禄年間の出版で、既に幕末の段階では過去の物ともいえる書物でした。また蘭方、ひいては蘭学そのものも、次第にドイツ医学や英語に取って代わられ、ヨーロッパで唯一、日本との交易を独占していたオランダは、他国にその座を譲るようになります。

しかし、鎖国下の江戸時代で蘭方が芽生え、育ち、更にはオランダ人医師の元、外科の流派ができたというのも珍しいといえば珍しいことですまた蘭方を学ぶことにより、西洋の数学や幾何学も採り入れられる一方で、独自の和算も発展して行きました。しかし江戸時代はオランダと中国(清帝国)、朝鮮半島とは交流があったわけですから、実質的には鎖国でなく、限定交易と呼ぶべきでしょう。もちろんキリスト教の布教は禁止されていましたし、一般庶民が外国の文物に触れる機会は限られていましたが、それでも全くなかったわけではありませんでした。

元々こういう限定交易に踏み切ったのは、当時のヨーロッパの植民地政策もまた一因であったと考えられます。この情報がどのくらいまで把握されていたのかはわかりませんが、恐らくこのままにしておくと、早晩ヨーロッパのどこかの支配下になるのではないかという意識も、当時の支配者の間にはあったことでしょう。それを踏まえて、まずキリスト教を禁じ、最終的に、布教を伴わずに交易をするオランダ人と、清・朝鮮半島に限ったと見ることもできます。

また開国時、つまりペリーの来航により、欧米列強に門戸を開放することになった嘉永年間以降、幕末の時期にも、植民地政策を避けるべしという意識が渦巻いていました。この時はアヘン戦争が直近にあったため、あの轍を踏まない様にとの思いが、とりわけ強かったようです。『陽だまりの樹』にもその危機感が描かれています。結局薩長が主力となった明治政府樹立、その後の内乱の時期を経て、日本は独立国家の体を保つわけですが、この時も様々な苦心があったことと推察されます。

ちなみに当時、日本語を廃して英語を国語化すべきという意見もありました。急進的な欧化主義者といわれた森有礼の提案ですが、流石にこれは、英語教育を受けた層とそうでない人々との意思疎通ができなくなるとされ、却下されました。その代わりとして、翻訳が奨励されるようになりました。原語ではなく、日本語に置き換えられた書物を皆が読むことによって、西洋の文物を学ぶというスタイルのものです。

このため、明治以後はかなりの翻訳、または翻案本が出版されることになり、それが今に至るまで続いています。考えてみれば、自国の固有の文化や社会の中で暮らし、なおかつ自分たちの言葉で外国文学を読むことができ、しかもその時々の翻訳を読み比べてみることまで可能というのは、かなり恵まれたものでもあるといえるかもしれません。

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[ 2015/07/18 23:44 ] ドラマ JIN ー仁ー | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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