ホームズ関連です。昨年暮れに出版された『シャーロック・ホームズ語辞典』(誠文堂新光社)という本があります。著者は北原尚彦氏で、絵の担当はえのころ工房(ミステリー関係のイラストで有名)さんです。辞典というと、ちょっととっつき難そうな印象がありますが、ソフトカバーで値段も1600円+消費税と、かなりお手頃な辞典です。どちらかといえば、今までのホームズ関連作品や映像、登場人物に関する豆知識と言った方がいいでしょう。
無論ホームズ関連といえば、日暮雅通氏の翻訳書『シャーロック・ホームズ大百科事典』なども有名です。ただこういった本は翻訳書であるため、日本国内のホームズ関連作品を知るうえでは不便でした。その点この本であれば、今までホームズを基にした作品をものした作家や、パペットホームズや『名探偵コナン』のように、日本で制作されたホームズ関連作品、さらには、海外のホームズ関連TVシリーズの、主演俳優の声を当てた俳優さんについても触れられています。
映像作品の場合は、そのワンシーンがイラストで紹介され、概要、主演俳優などがわかりやすく紹介されています。尚主演俳優の項もあり、こちらも本人のイラストつきです。その上で、例えばグラナダ版やBBC版でそれぞれ主役の声を当てた、露口茂さんや三上哲さんについても紹介されていますし、パペットホームズの場合は、三谷幸喜氏と山寺宏一さんについての紹介があります。『ミス・シャーロック』及び竹内結子さんについても書かれています。
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また146-147ページは、ホームズ関連本らしく、ベイカー街221Bの居間を俯瞰した様子も描かれています。さらに各国のホームズ本の画像があったり、巻末には「ホームズが歩いた時代のロンドン」と「ホームズ事件すごろく」もありますし、とにかくイラストが豊富でそれだけでも楽しめます-ただ、ゴドフリー・ストーントン(スリー・クォーターの失踪)と、ロバート・ファーガスン(サセックスの吸血鬼)が着ているラグビージャージーが、もう少し19世紀的だったらなとは思います。無論、今時のジャージーに比べると十分クラシックではあるのですが。
ホームズの名言も出て来ます。その中の1つ、
「一滴の水を見ることによって、自分の見たことも聞いたこともない大西洋やナイアガラの滝の存在を推理できる」
これは、パペットホームズのOPの最初に登場します。その他登場人物は言うに及ばずですが、特にホームズに頻繁に登場するメアリーという女性(コナン・ドイルの母親がメアリーという名前だったことにちなむ)、そのキャラごとに描き分けられたイラストがついています。これは、ホームズ初心者にはかなり親切と言っていいでしょう。
もちろんシャーロキアンに取っても、かなり楽しめる本でもあります。最近なかなか外に出られないから、ホームズ関連で何か読みたいという人に、お勧めの一冊です。
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