ラグビー関連です。まず代表キャップを持つ選手たちが、自宅待機の子供たちに向けて、SNSでメッセージリレーを行っています。発案者は、ここでも度々ご紹介している村上晃一氏です。
代表大野均ら「元気を」SNSでメッセージリレー
またサンウルブズの選手が、11日に日本を始め、世界5カ国から同時トレーニング生中継を行いました。外国籍の選手はそれぞれ帰国中であり、そのため5カ国からの中継となっています。
サンウルブズ選手ら世界5カ国から同時トレ生配信
(いずれも日刊スポーツより)
サンウルブズは今シーズンがSR最終シーズンですが、試合ができないこの時期を逆手に取って、アピールしていますね。一方日本協会でも、当然ながら在宅勤務となったり、出張のキャンセルが行われたりしています。
(4/8更新) 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた対策について
(日本ラグビーフットボール協会公式サイト)
ところで、以前トップリーグの選手が、コカインの不法所持で逮捕され、協会サイドが試合を休止する措置を取ったことについて、クレームが出たことをご紹介しています。実はそれに関する記事が2つあるのですが、まず産経ニュースです。
【ラグビー通信】中止の理由はコロナでなく薬物 日本協会が失ったもの
(産経ニュース)
そしてスポーツニッポンの記事です。
ゴタゴタ続いたラグビー界に見た“一筋の光” アスリートによる意思発信の大切さ
(スポニチアネックス)
両方とも、コンプライアンス教育のために試合を中止したことには異論を唱えています。残念ながらその後の拡大でトップリーグ、選手権共々中止となってしまいましたが、協会がコンプライアンスを云々した時点でも、それなら無関係な選手は試合をさせてくれと言う意見が出て来るのも、無理からぬ話ではありました。さらに産経の方では、こう書かれています。
しかし、あるチームの関係者は「個人の犯罪で、リーグに関係するすべての人の1年間の努力を無駄にするのは不合理。誰もが中止の理由は新型コロナウイルスの影響だと思っている。それをこういう形にして、どういう効果があるというのか」と、広く連帯責任を問う姿勢を批判した。
実際私も、これなら3月いっぱいをコロナウイルスによる休止期間とし、その間にコンプライアンス教育をすればいいと考えていました。ただスポニチの記事が、協会のコンプライアンス対策の曖昧さ、及び選手からの意見を中心に置いているのがはっきり窺えるのに比べると、産経の方はタイトルに「薬物」が入ってはいるものの、協会のコンプライアンス対応のまずさに関して、どこか明確さを欠いているように見えます。
また産経は「関係者の声」という記述がありますが、これが選手のことなのか、それ以外の関係者なのかがはっきりしません。2ページ目に「チームの関係者」が出て来る以上、1ページ目の「関係者」は選手のことなのでしょう。しかし選手会と明言しているスポニチに比べると、やや曖昧な表現です。産経の場合、3月16日付で選手会が反論という記事が別にありますが、こちらは比較的短めの記事ということもあり、やはり1ページ目は「選手会から反発の声が上がった」とすべきでした。
それと産経の記事でもう一つ思うのは、最後のこの部分です。
日本協会は、2015年W杯後のTL開幕戦で、チケットは完売であるにもかかわらず、約半分が空席という失態をおかし、選手の信頼を裏切った経緯がある。昨年のW杯の熱気を、来年秋に始まる新リーグにつなげることが求められる日本協会だが、選手の信頼をつかみきれない状態では道は険しいものになりそうだ。
恐らく橋本記者としては、協会へのさらなる批判として、この部分を書いたのでしょう。しかしこの4行は本当に必要なのでしょうか。協会の対応のまずさという点はともかく、ここで2015年大会直後のTLを持ってくるのは、やや話が飛び過ぎた感もあります。選手の信頼を裏切ったとも書いていますが、ならばチケット完売にもかかわらず、TLに空席が多かったのが、「どのような形で」選手の信頼を裏切ったのかをはっきりさせるべきでしょう。
そしてその次に登場する「選手の信頼をつかみきれない」ですが、この表現もちょっと曖昧です。恐らくこちらは2015年ではなく、今回のことを言っているのでしょうが、もしそうであれば、対応のまずさと、選手たちのプレイの機会を奪わないでほしいということをきちんと指摘するべきです。そしてこの記事はトップリーグに限定するべきでした。日大の件と最後の4行とを加えたために、せっかく声明文の内容を明らかにしているにもかかわらず、焦点がぼやけてしまった印象があります。
ありがちな感動話と受け止める人もいるかも知れませんが、その意味ではスポニチの記事の方が、要点を抑えているし、何を言いたいのかもはっきりしているように思われます。
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