仁は江戸へ戻ったが、今や坂本龍馬の監視役となった恭太郎から、龍馬とは交流を断つようにいわれる。その一方で仁は、龍馬の暗殺日を思い出そうとしていたが、そうすると必ずあの頭痛に見舞われるのだった。タイムスリップの前、未来が口にしていたような記憶があるのだが、肝心なところがこの頭痛のせいで思い出せずにいた。
慶応3年の年が明け、勝海舟の元を訪れた仁は、四候会議について聞かされる。その時仁は勝に、西暦で何年かを尋ね、勝は1867年だと教えた。そんな折、仁は2通の手紙を受け取った。1通は正に龍馬からの物で、2人で撮った写真が同封されており、その裏にこうあった。
「長いもの中より出でたる虫たちの江戸の芋にもすくいたるかな」
仁はこの意味を図りかねるが、咲は、芋は薩摩の名物であり、長芋とは長州と薩摩のことではないかという。長州と薩摩が、江戸に巣食うという意味なのだろうか。
もう1通は野風からの物だった。ルロンと正式に結婚することになり、仁と咲を招待したのである。横浜に着いた2人は、同室でいいかと野風に聞かれるが、それぞれ別室でと仁は頼んだ。野風は、2人がまだ結婚していないことに気付いて驚く。
ルロンと野風の前で、出されたコーヒーやワインをおいしそうに賞味する仁に、ルロンは、以前どこかでそういうものを飲んだことがあるのか、不思議そうに尋ねるのだった。一方咲も負けじとワインを注がれるままに飲み、泥酔して、翌日に寝坊をしてしまうことになる。
野風は仁に診てほしい患者がいるという。そしてある部屋に案内されるが、自分と野風以外には誰もいない。野風は、患者は自分だといい、着物を脱いだ。明らかに癌が再発しており、しかもリンパ液によって、10か所程度に転移していると思われた。野風は、自分は妊娠しているが、子供に影響はないかという。影響はないと答える仁。そして、生存率は2年で5割程度であることを告げる。それならば、子供を抱くことができるという野風。
翌日、結婚式が終わり、バージンロードを歩くルロンとウエディングドレス姿の野風。野風はブーケを咲の方に投げる。咲は怪訝な表情をするが、西洋の習慣で、投げられたブーケを受け取った女性は、次に花嫁になると聞かされる。その後咲は野風の妊娠と出産について、仁友堂でどうにかならないのかと尋ねる。仁は自分には産科の経験がないこと、この時代の麻酔では、帝王切開をするのは非常に厳しいことなどを伝え、いい産婆さんが必要だと口にする。
やがて江戸に戻った仁は、龍馬からの手紙を受け取るものの、以前龍馬から受け取った手紙が、そっくり無くなっていることに気付く。福田玄孝が、誰かが忍び込んだような形跡はあったが、それ以外の品や金銭には異常がなかったとも話す。もちろん、それを盗んだのは恭太郎だった。
その後、仁友堂が幕府から目を付けられていると、仁は勝に話す。龍馬は何をしたいのだろうかと不審に思う仁。勝は仁にいう、龍馬は大政奉還をしようとしているのではないかと。
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