ここのところ『麒麟がくる』と他の戦国大河の、特に『真田丸』との比較について書いています。またタイトルに関していえば、『真田丸』の脚本担当である三谷幸喜氏の、次の大河である『鎌倉殿の13人』についても触れています。
大河ドラマのタイトルも実に様々です。昔は原作付きの作品が多かったので、その原作のタイトルをそのまま取った物もありますし、『風と雲と虹と』のように、原作とは違ったタイトルをつけた物もあります。それ以外に主人公となる人物の名前を持って来た物も多く、タイトルを見ただけで誰を描いているのかがわかるので、かなりわかりやすいといえます。あと『太閤記』のように、このタイトルならこの人物というケースもあります。
大河60|NHKアーカイブス
一方で、主人公の人物像や行動に関連してはいるものの、そのものずばりではないタイトル、さらに今年のように、それ自体が主人公の願望を現しているようなタイトルもあります。その中には、原作のタイトルをそのまま持って来た物(『樅ノ木は残った』、『春の坂道』、『峠の群像』など)も多く見られます。元々これは前述のように、80年代頃までは原作付きが当たり前だったせいもあります。特にこの『春の坂道』ですが、戦国から泰平の世までの道のりを意味しており、主人公の理想を表現しているという意味で、『麒麟がくる』に近い物があります。ただこの場合、主人公自身が坂道を歩いて行くという点が、『麒麟がくる』とはやや異なっています。
あと『春の波涛』という大河もあります。これも原作がありますが、タイトル自体は大河のオリジナルです。これが何を意味するのか、実はあまりきちんと観ていないので、残念ながら現時点ではよくわかりません。
来年の『青天を衝け』は、渋沢栄一自身の漢詩がもとになっています。これもちょっと珍しいです。『風林火山』に近いですが、もちろん「風林火山」そのものは孫子の言葉が元になっており、山本勘助が作ったわけではありません。
ところでその『青天を衝け』、今のところNHK ONLINEにアップされている記事は2つのみ(1つは会見動画)です。実はこれは、再来年の『鎌倉殿の13人』と全く同じです。このせいで、来年の大河が一瞬どちらだがわからなくなることがあります。それとやはり来年のは多少弱いというか、地味に感じられます。無論これは、三谷幸喜氏がかなりアピールしているせいでもあるのですが…。制作側は考えておかないと、その次の作品に話題を持って行かれそうです。
しかし三谷さん、動画の最後でああ言うところが如何にもこの人らしくはあります。詳しくはまた。
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