産経新聞が、『麒麟がくる』第1回のツイートをAI分析したところ、高評価が7割だったとのことです。
視聴率好発進の大河「麒麟がくる」 高評価7割 「大塚」さん登場に歓喜 AIでSNS解析
なぜNHKでなく産経なのかはともかく、記事中のOPのかっこよさ云々も、私は正直な話あまりそう思わなかったし、現段階ではこの大河自体ちょっと微妙かなと思っています。あと19パーセント台は、男性主人公の戦国大河としては普通ですね。これも少し前に書いていますが、明智光秀を主人公とした理由として、今の時代に似ているから云々と言うよりは、やはり数字が取れること、そして光秀の新事実が見つかったからというのが大きいかとは思います-しかし『いだてん』だって、最初は15パーセント台だったのですけどね。むしろこの場合、色に関して低評価であったという方がうなずけます。衣裳担当の黒澤和子さん、戦国時代にはとても派手な色が使われていたとのことですが、ああいう化学染料で染めたような着物は当時あったのでしょうか。どうも疑問なのですが。ツイート利用、また黒澤さんの仕事に関してはまた書きたいと思いますが、一応戦国大河での「色」をここで比較しておきます。
ここ何年かの戦国大河は、あそこまで派手な印象はありませんでした。まず『真田丸』の衣裳ですが、その当時の生地や染織方法を考えれば、こちらの方が妥当に思えます。左から真田信幸、松、梅そしてきり、それから梅のアップです。
また『おんな城主 直虎』に登場する、当時大都市であった駿府でさえも、あのような鮮やかな色彩の服装の人はいませんでした。右下の女性の服装も色は鮮やかですが、もう少し抑えた色合いです。
そして井伊谷の風景ですが、農民たちは当然ながらあまり飾り気のない服装をしています。甚兵衛やその仲間たちしかりです。そして井伊谷城で宴を催すシーンですが、これを見る限り、むしろくすんだような印象があります。農民たちは野良仕事もするわけですし、今のように頻繁に洗濯をするわけでもないでしょう。その意味では、こちらの方が本来の姿ではないかと思われます。逆に、城主である直虎は派手目の格好をしていましたが。
それゆえ、この衣裳の色合いがどうにも不自然に見えてしまいます。確かに戦国時代は江戸時代と違い、社会が安定しない代わりに自由な雰囲気もあったでしょう。これは先日『軍師官兵衛』絡みで、官兵衛が涙を流すシーンは、『八重の桜』の時代とは事情が違うと書いたこととも共通します。また黒澤さんは『西郷どん』でも衣裳を担当していますが、こちらは幕末なのでやはり色的には抑えめでした。ただだからと言って、こういった化学繊維のような色合いの着物を着せるのはどうかなと思います。どのような資料を参考にしたのかは不明ですが、この色はやはり不自然に見えます。
画像は『真田丸』、『おんな城主 直虎』そして『麒麟がくる』公式サイトより
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