『麒麟がくる』第1回のざっとしたあらすじと感想その1です(75分放送なので、何度かに分けて投稿します)。
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天文14(1547)年、美濃の明智荘は頻繁に夜盗の襲撃を受けており、その中の一人が持っていた鉄砲は、領主明智光安の甥、光秀を大いに驚かせた。土岐源氏の血を引く光秀は、その武器を手に入れることと、見聞を広めるために京や堺を見て回ろうと考えていたが、叔父の光安はそれを許さなかった。光秀はかつての学友である斎藤義龍(高政)に会いに行き、その父である斎藤道三に、偶然を装って夜盗のこと、鉄砲のことを持ち掛けようと決意する。
城の入り口で出会った義龍は、光秀を道三に会わせてくれた。道三は稲葉山城内で、数珠を作るべく小姓たちに珊瑚玉を数えさせていた。道三の妻小見の方は、光秀の叔母であった。道三は珊瑚玉がいくつあるか、義龍と光秀に尋ねる。義龍は1500か600ほどだと答えるが光秀は2000以上あると答え、しかもその理由を即答してみせる。さらに光秀は京そして堺行きのことを道三に頼み込むが、道三はそれによって何の得があるかと尋ねる。光秀は鉄砲のことを話し、堺でそれを買い付けると同時に、病の叔母小見の方のために、医師を連れてくると約束する。
館に戻った光秀は、背を向けて中に入る。子供の頃、悪いことをして帰った時に尻をぶたれるために、わざと背を向けて入ったその名残だった。光秀は母牧に黙って京行きの約束をしたことを伝える。館は一転して、光秀の旅支度で大騒ぎとなった。牧は、そなたは土岐源氏の血を引いておると、息子を励まし、光秀は馬に跨って京を目指した。
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やはりというか、『軍師官兵衛』的な雰囲気が感じられます。これから無名の若者が大志を抱いて旅立っていく、如何にもそういった印象を受けます。前川さんも脚本に加わっているせいでしょうか。民の平穏という意味では『西郷どん』をも連想させます。しかしその一方で、気になったのが田園風景です。CG加工をしているのではと思うような色合いで、これは本来の色でやってほしかったものです。それから登場人物の衣装、鮮やか過ぎないでしょうか。当時の庶民の着物は麻で、それも草木染であることを考えると、あそこまで鮮やかになるでしょうか。何か化学繊維のようなのですが。無論斎藤道三とか、ある程度の身分の人物は絹を着ていましたが。一方ストーリー展開は比較的地道な印象ではあります。
それとこれは昨年からそうなのでしょうが(あまり観ていないのでよくわかりませんが)、OPの活字フォントがやけに大きくて横長なのも気になります。『花燃ゆ』から『西郷どん』までのOPのフォントでいいのではないでしょうか。それとこれは凝った感じにしたかったのでしょうが、紅蓮の炎を思わせるようなオレンジ色がバックに登場するのは、ちょっと馴染めないものがありました。これも観ている内に慣れてくるのかもしれませんが。これを、昭和末期から平成にかけての大河のようだという声をネット上で見かけたのですが、政宗信玄辺りは違っていたかと思います。あとOP終盤の人々のカメラ目線にやや違和感あり。
光秀が野盗と戦っていた時に鉄砲を見て、しかも自分の家来が撃たれたことで、急に鉄砲鉄砲と言い出すのが気になります。この場合、まずどのように守るかを十分に考えたうえで、あの武器も欲しいものだと言うのであればわかるのですが…。京の医師を連れて来るというのも、実際特定の人物を知っているというわけでもなく、ただ連れて来たいというのは、少々無謀に思えなくもありません。それにしてもこの時代、美濃での鉄砲普及率はそう高くなかったのですね。『風林火山』ではその前年の河越夜戦で鉄砲が使われていて、勘助が福島彦十郎にその鉄砲で狙われる設定になっていました。しかし光秀の家来の方は、あまり痛そうに見えませんでしたがかすったのでしょうか。
何やらのっけから批判がましいことを書いてしまいましたが、今後またどうなるか、その展開を見てみたいと思います。ところで稲葉山城の城下で、子供たちが毬杖(
『炎立つ』についてのあれこれ 3 参照、また
『山河燃ゆ』感想-1 でも破摩投げといって、似たような遊びが出て来ます)をやっていました。この遊びは後に小学校体育関連書籍で紹介されていますが、その著者の1人が『いだてん』に登場した可児徳です。
石川さゆりさんは、流石に着物姿が板についています。ただあの時代ああいう縞柄はあったのでしょうか。それと長谷川さんは、着物を着るにはちょっとスリム過ぎるような気もします。
しかし明智荘の米蔵、人が1人乗っただけで屋根が壊れてしまっています。イナバの物置きがない時代故致し方ないことではありますが。
斎藤義龍役の伊藤英明さん、『病室で念仏を唱えないでください』の主人公のお坊さんですね。あと岡村さんに菊丸の役はよく似合います。チコちゃんにも、あの格好で出てみてはどうでしょうか。
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