まず大河『平清盛』に関して。私はリアルタイムで観ていないため、後でDVDで観たのですが、この作品には確かに従来とは異なった演出方法がありました。それもまた観る観ないで二分された一因かと思います。ただ合戦の描写などはそこそこ納得できるものでした-平治の乱が、『花燃ゆ』の大田絵堂の戦い同様、冬でなく夏になっていましたが。
あと後白河法皇を演じた松田翔太さんが当時20代後半で、老けメイクを施しても、今一つ50代の法皇の雰囲気ではなかったのは惜しいところでした。さらにこの作品は、和歌が出て来るシーンが何度かありましたが、それが如何にも和歌風なフォントで、しかもカラー文字で登場したのには、やや違和感を覚えもしました。
同時期に放送されていたBBC『SHERLOCK』でも、メールの本文(日本語版)を字幕で出す場合に、確か似たような手法が使われていましたが、個人的には、こういうやり方にはあまり同意できませんでした。尚この『SHERLOCK』も第2シーズンまでは楽しめましたが、その後本来の謎解きがやや薄れた感があるのに加え、メディアがやたらに取り上げたことへの反発もあって、結局最終シーズンは観ないままでした。
今でも好きなのはグラナダ版、あるいは三谷幸喜氏の人形劇(パペットホームズ)や映画『ミスター・ホームズ』であったりするので、どちらかといえば「シャーロック」より「ホームズ」を重視しているのかもしれません。ただ『ミス・シャーロック』は好きでした。日本人女性のバディ物と言う、ホームズ関連では異色の存在というせいもあるでしょう。
フジ系の『シャーロック』に関しても、関連投稿で書いているように、BBC版同様どこか原作を意識させられている部分はありましたし、ちょっと凝り過ぎではないかと思われるところもありました。これも前に書いてはいますが、以前日テレ系列で放送されていて、リアルタイムで何度か観た『臨床犯罪学者・火村英生の推理』の方が、私としては受け入れられるようにな気がしました。
有体を言ってしまえば、この主人公2人(火村とアリス)も結構ホムワト的な存在ではあるのですが、原作はもちろんホムワトではなく、あくまでも有栖川有栖氏の作品となっています。まあ広い意味で言えば、『ガリレオ』も『相棒』も、人物設定はいくらかホムワト的ではあるのですが、ストーリーを多少それらしき物にとどめるのか、あるいはホムワトのパスティーシュ的な物として制作するのか、また後者の場合、時代背景その他をどう動かすかで、受け止める物に多少の違いは出て来るでしょう。
何やら無理やり『平清盛』からホームズ関連にシフトさせた感が無きにしも非ずです。敢えて共通点を探すとすれば、『平清盛』で重盛を演じた窪田正孝さんが、『火村英生の推理』ではアリスこと有栖川有栖を演じていたという点でしょうか。
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