昨日の続きになります。ワールドカップ関連のライターとして、永田洋光氏の名前も以前挙げています。この人もジョセフHCに肯定的ではなく、解任しろという趣旨の記事を書いていました。しかしどう考えてもプロのライターが、個人の好き嫌いでヘッドコーチやチームをディスっているようにしか見えないのは、やはり如何なものかと思いました。別にすべてを持ち上げる必要はないのですが、すべてを否定するのも、特に自国開催とはいえベスト8まで行ったチームの全否定をするのも妙なものです。これがオールブラックスレベルのチームならともかく、日本は今回が初めてのベスト8、しかも1次リーグ全勝で、ジョセフHCの強化も多分に貢献しているはずなのですが。
それから『ラグビーマガジン』についてです。12月号を読んだ方ならおわかりでしょうが、田村編集長の記事と、森本優子氏の編集後記にメディアミールについて書かれていました。このうち田村氏の方は、神戸のメディアミールが最高峰とあって、画像もあるので、どのような物であるかを窺い知ることができます(P79)。しかし同じ号の森本氏の編集後記(P146)には、流石にNZやUKのは素晴らしかったが、日本のは会場ごとにばらつきがあると書かれています。無論日本はこれらの国とは違って今回が初めての開催であり、それは致し方ない部分もあるかと思いますし、味スタ(東京スタジアム)の、機内食をレンチンしたようなパックを渡されて、これが「おもてなし」か、その後に現れたグレアム・ヘンリー氏(元ニュージーランド監督)に恥ずかしいと書かれているのはどうかと思います。
実際森本氏によれば「機内食のような」関係者向けのご飯に関して、ここまで言うのであれば編集後記などで書かず、ちゃんと写真付きで問題提起をしてほしいものです。そうした方が、今後のラグビーのみならず、スポーツイベント関連での参考にもなるでしょう。無論ヘンリー氏がどう思ったかは定かではありません。また同じ森本氏ですが、最新号で日本語版の『ワールド・イン・ユニオン』が流れなかったのはおかしい、誰かへの忖度(この場合斟酌の方かと思われます)かなどともあります。一応「下衆の勘繰り」とフォローされていますが、こういうのも編集後記で書くより、ワールドカップ関連の記事で書いておくべきでしょう。
ラグビーマガジン、通称ラグマガも創刊されてからかれこれ半世紀近くになるでしょうか。私がこの雑誌の存在を知った時は、無論その間、唯一の専門誌としてラグビー情報を発信し続けて来たのは、評価するべき点です。しかしやはり年数が経つにつれて、段々とマンネリ化して来る部分もありますし、正直言って編集部の平均年齢も高くなって行きます。また外部関係者のコラムもかなり多くなっており、編集部が手がけた記事が少なくなっている印象も受けます。ラグマガ自体が変革するべきなのでしょうか、それともプロリーグ睨みで競合誌ができた方がいいのでしょうか。
スポーツ関係の出版社も、かつてあった会社が今はなかったりと、なかなか経営は難しいようです。勢い大手出版社や新聞社が発行することになりがちですし、紙媒体そのものが昔に比べると少なくなっているのもあるでしょう。しかし今回のワールドカップ関連では、思った以上にムックや特集号が売れていたのもまた事実です。ラグビー関係では専門誌ではないものの『ナンバー』があり、またワールドカップの時には、『サッカーダイジェスト』の日本スポーツ企画出版社が、ラグビーダイジェストの名でムックを発行しています。ラグマガ以外の専門誌というのがどの位伸びしろがあるかわかりませんが、実験的に出してみるという方法もありかと思います。
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