『相棒』に月本幸子が登場したのは、シーズン4の「ついてない女」からです。幸子の夫は、闇金である城代金融の仕事を任された司法書士でしたが自殺し、その後彼女は城代金融絡みのヤクザである、向島の情婦となっていました。そして夫の命日、幸子は向島の殺害を図り、自分は香港へ高飛びします。しかし向島を銃で撃った時に、コートに血がついてしまい、慌ててベンチコートを代わりに羽織って車に乗りますが、途中でその車の調子がおかしくなります。
その時、当時の「相棒」だった亀山薫が助け舟を出し、幸子は亀山の車で成田へと向かいます。無論杉下右京も一緒でした。しかし幸子は2人が警官であることを知り、身バレを恐れて新宿からリムジンバスに乗ることにします。しかも杉下は例によって、ベンチコートが他の服装と合わないことを指摘しており、幸子はリムジンバスに乗る前に新しくコートを買って、ベンチコートをバス停に残して乗車します。しかし杉下は、ベンチコートは忘れものだと言ってバスに乗り込み、そのまま一緒に成田へ向かうことになります。
バスの中の杉下は、幸子の言動を不思議に感じていました。幸子はヨーロッパに行くといっていながら、香港にも向かう予定でいたのです。これではかなりの強行軍です。もちろんそれ以外にも言葉の端々には、明らかに取り繕っていると思われる部分がありました。一方亀山は、そのベンチコートのロゴから、とある草サッカーチームのメンバーを調べていました。そしてチームのメンバーに、向島の名前を見つけます。
杉下はバスの中ということで、鑑識の米沢守も交えてメールで幸子の背景を洗い出しており、幸子も杉下が何をしているか薄々感づいていて、落ち着かない様子です。そして杉下に、自分はついていないのだと過去を語り始めます。その間に亀山は、向島の住所がダミーであることを知り、本当の自宅の所在地を聞くため城代金融に乗り込み、その結果向島の自宅へと足を踏み入れます。そして杉下のアドバイスにより、虎の毛皮の敷物をめくったところ、その下の貯蔵庫に、弾丸を浴びたもののまだ生きている向島を発見します。
バスが成田空港に到着し、幸子が搭乗しようというその時になって、携帯の電池が切れた亀山は、つけて来た城代金融の社員の携帯を使い、向島を見つけたことを伝えます。幸子の高飛びの計画はは水の泡と消え、またも自分はついていないといいますが、幸子が香港で接触するはずだった相手も、当局に逮捕されていました。寧ろ、日本の警察に逮捕されてよかったですよと杉下は幸子に言います。実際香港での逮捕は日本よりもシビアだろうと思われます-昨今の香港の映像は、それがエスカレートした状態に見えます。
後に幸子は刑務所の脱走騒ぎに巻き込まれ、出所してからはハウスクリーニングサービスの社員から、食品会社社長の間宮の家の家政婦となります。しかし間宮から求婚されたことに裏があると思い込み、警察を呼んだことでこの話は終わってしまいます。その後杉下の紹介で「花の里」を任され、昨シーズンの終盤で福祉関係の仕事に就くまで、女将として杉下、神戸、甲斐、冠城やその他警視庁関係者とも顔なじみになりました。しかし今後花の里はどうなるのでしょう。
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