遅くなりましたが、まず台風の被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。
『相棒』シーズン6の「寝台特急カシオペア殺人事件!」について、
「神隠しの山の始末」のあらすじと感想 で少し触れています。都内で起きた爆破事件絡みで、新年早々容疑者を札幌まで護送するように命じられ、特命の2人が容疑者と共にカシオペアに乗り込みます。ちょっと『オリエント急行殺人事件』的な乗りで、空き部屋に仕掛けられたビデオカメラがかなり重要な役割を果たしています。その後函館で容疑者が下車しても一件落着とはならず、札幌に到着した後も容疑者が逃げ出したり、ホテルで爆破事件が起こりそうになったりと波乱続きです。ちなみにこの時のゲスト出演者で、後に『相棒』のレギュラーとなった人物がいますが、誰だかおわかりでしょうか。回答は後日お知らせします。
また同じ『相棒』のシーズン15、警察官となった冠城亘が再び特命に戻って来ますが、その第1回の「守護神」で、『刑事コロンボ』を参考にしたと思われる描写が登場します。まずネイリストの来栖初恵が、人を呪い殺したと言い、そのうち3人目の被害者の靴紐の結び方が不自然であると、杉下右京が見抜くシーンです。実は被害者は靴紐をイアン・ノットで結んでいたのに、見つかった時は普通の蝶結びになっていて、それは他人が靴を履かせて紐を結んだことを意味していました。コロンボの「自縛の紐」も、明らかに自分で結んだとしては不自然な結び方の靴紐から、誰かが殺したという結論に至ります。
それから弁護士がネイルサロンに入って来て、名刺を見せて去って行くシーンですが、初恵はそれに乗せられて、名刺の住所を訪ね部屋へ入ります。初恵の真意はその弁護士を殺すことにありました。しかしこれは杉下の罠で、部屋の中には家具さえもなく、特命の2人と捜一コンビが初恵を待ち構えていました。これもコロンボの「権力の墓穴」に似たようなシーンがあります。上司に容疑者の住所を故意にちらりと見せたことで、上司はその住所に行って逮捕しようとしますが、実はコロンボ自身が借りていた部屋であり、本当の容疑者である上司をおびき寄せるための策でした。
『古畑任三郎』がコロンボをベースにしているのは確かですが、『相棒』はコロンボやホームズを含め、その古畑をもベースにしています。これは関連本に記載されています。こういう種明かしがちらちらとなされるのは、観る側としては楽しみでもあります。
あと昔のネタをリメイクするのも結構やっていますね。こういうのを追って行くとまた面白いのでしょう。
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