第9回。史朗は友人の結婚式で独身と紹介されてとんだ目に遭ってしまい、それがもとで指輪を買うことを思いつきます。一方賢二は店長の三宅の浮気話と愚痴を聞かされ、パートナーを大事にすることの意味を改めて感じます。
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史朗の友人の菅沼晃一が結婚した。二次会で菅沼は、つい史朗が独身であると言ってしまい、出席していた独身女性たちが彼のもとに押し寄せる。史朗はこの時、結婚指輪をはめた既婚男性客がひどく羨ましく感じられた。それやこれやで史朗は料理を楽しむ暇もなく、やっと口にできたらできたで、このソースはアレンジできそうだなどと考えていた。一方賢二は飲み屋でオネエ座りをし、店長三宅の浮気と、娘に気づかれたけどうまく切り抜けたことを話していた。今後のことを悩む三宅に、賢二は浮気しなければいい、僕は全面的な味方じゃないと言い、別れるつもりがないならパートナーは大事にするべきとまで言う。
史朗は帰宅したものかなり空腹を感じ、ナポリタンを作って切り干し大根と一緒に食べる。一人の頃の晩飯はこんなものだったと思い出す史朗。そして、今品数の多い食事を作っているのは賢二のためであり、あいつの存在は健康にいいと一人思う。そうこうするうちに賢二が帰って来た。賢二もろくに食事をしておらず、史朗は梅茶漬けを作ってあげる。そして史朗は例の二次会のことを思い出し、お揃いの指輪を買ってやると言い出して、賢二をひどく喜ばせる。
しかし指輪はサイズのこともあり、適当に買って来る物ではもちろんなかった。男2人で行くのもためらわれるから、史朗は賢二に好きなのを買って来て、もやいで使えばいい、その方が安上がりだとまで言ってしまう。しかし合ってなかったら逆効果だと賢二は主張し、結局次の火曜日の夜に指輪を買いに行く。その頃上町法律事務所では、離婚の案件ばかりを抱えていた。家族がいないと寂しい、あるいは嬉しいといった会話の中で、所長の美江は、筧先生は一緒にご飯を食べる人がいるのでしょうなどと話しかけ、史朗は当惑する。
宝石店で賢二はあれこれ迷いつつ、とても嬉しそうにしていた。賢二は指輪に誕生日と2人のイニシャルを彫ってほしいと言う。どこか緊張している史朗だが、この辺りの店は男性同士で来る客も多いと聞かされる。そして実際、2人の指のサイズはかなり違っていた。指輪が楽しみな賢二は三宅に、奥さんにプレゼントでもしてみたらと言うが、三宅はそれでは浮気がばれると反論する。しかも贈り物は難しいと渋い表情の三宅に、俺は何もらっても嬉しいけどなと言い、シロさん賢ちゃんがパートナーで羨ましいよと三宅に言われてしまう。
そんなある日、史朗は夕食の準備をしていて米が切れているのに気づく。その日はパスタとミネストローネ、そしてカブのサラダにし、賢二はいつものように美味しそうに食べる。史朗は先日、一人でナポリタンを作ったことを話し、何となくわびしかったと言って、鞄から指輪の箱を出して渡す。しかし賢二は食事の最中でなく後で出してくれと頼み、その後早速指輪をはめてとても喜ぶ。2つで14万円と、史朗にしては大分思い切った買い物だった。
翌朝賢二は指輪をはめたまま起きてくるが、史朗が指輪をはめていないことに気づく。もしはめて行こうものなら、事務所が大騒ぎだと史朗は言い、賢二もどっちみち仕事中ははめられないだろうと言う。そんな史朗に、家にいる間だけでもつけてくれ、いや寝ている間だけでも指輪をはめてくれと賢二はせがむのだった。
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独身(実際はそうではないものの)を隠すために、史朗は指輪がほしいと思うものの、サイズとか、指輪の持つ意味については、やはりというかかなり無頓着なようです。案の定賢二にそれでは嫌だと言われ、2人で指輪を買いに出かけます。一方で史朗は、賢二のお蔭で食生活が健康的になったことを実感しており、さらに賢二は賢二で、店長に対してパートナーは大事だと説得します。それぞれがお互いを大事だと思う根拠は異なるものの、やはりいないと困る相手とは考えているようです。しかし賢二の存在は大事と心の内で言いかけたものの、健康にいいなどと修正するところがまた史朗らしくもあります。
ところで史朗が賢二のために梅茶漬けを作るシーンがあります。実はこの梅茶漬けに、かの『相棒』のワンシーンがちょっとダブります。シーズン10の「つきすぎている女」で、最終的に花の里の二代目女将になった月本幸子が、梅茶漬けと鮭茶漬けを、それぞれ杉下右京と神戸尊に出すところがあります。しかし実は右京さんは梅干しが苦手で、鮭茶漬けを注文していました。そそっかしいですねと神戸君が言う、あのシーンです。
<この回のメニュー、史朗と賢二の夜食>
<パスタ中心の夕食>
きのことツナとかぶの葉の和風パスタ
ミネストローネ
かぶのサラダわさびドレッシング
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