糸の下駄が吉之助の頭に命中して流れて行ったため、吉之助は糸に自分の草履を与えるものの大きすぎ、結局は糸を背負って、捕らえた鰻を渡すために大久保家まで行きます。さらに吉之助は糸のために草履を作り、迷惑をかけたと思う糸は、返礼として小物入れを作って吉之助に渡します。糸は海老原家との縁談をまだ決めかねており、それを見ていた大久保正助は、糸を密かに思っていたものの、当の糸は吉之助を思っていることを知ります。
その頃仙厳園では御前相撲が行われていました。下加治屋町郷中の総代、つまり代表は吉之助でなく村田新八に決まり、新八も本番に向けて意気込んでいたものの、当日になって腹具合が悪くなり、土俵を汚してはならぬと吉之助が代役を買って出ます。本来届け出のない者が出場することはできませんが、それが吉之助と聞いた島津斉彬はこれを認めます。そんな吉之助を応援し、菓子を賭けたのは斉彬の養女於一(篤姫)でした。吉之助は勝ち上がり、決勝戦で糸の縁談相手である、海老原重勝と対戦することになります。
新八の代役として土俵に上がる吉之助(鈴木亮平、左)
吉之助は重勝が足首を負傷していることを知りますが、わざと負けることも、相手の弱い点を突くこともせず、四つに組んで勝ちます。それを見た斉彬は自分も名乗りをあげ、吉之助と組むことになりますが、吉之助はひるまずに斉彬を投げ飛ばし、そのため西田町下会所の牢に入れられてしまいます。しかしそこには奇妙な姿の先客がいました。下男がその男を殺そうとしたため、吉之助はその下男を失神させ、妙な先客を背負って逃げ出します。実はこれは、すべて斉彬の仕組んだことでした。
この男ジョン万次郎は、かつて漁船が漂流してアメリカの捕鯨船に助けられ、その後しばらくアメリカで暮らすものの、故郷の土佐の母に会いたくて密かに戻って来ていました。アメリカでは愛のことをラブと言い、結婚も好きな物同士のラブによるものだと聞いて吉之助や正助たちは驚きます。このこともあって正助は吉之助に、糸に会って縁談を断らせるべきと言いますが、吉之助はその意を汲むことができません。どうも吉之助はこの辺に疎い人物で、それが後々まで続きます。
しかもこの時吉之助には、伊集院家の娘須賀との縁談が来ていました。結局糸は重勝と結婚することになり、この時点で一見丸く収まったかに見えますが、後に子供ができないことを理由に離縁されてしまいます。それはともかく、2人の男女はそれぞれ違う相手と結ばれることになり、「ラブ」とも無縁で、正助の骨折りも水泡に帰した感はありました。しかし最後に糸は、子供の頃から吉之助さぁをすいちょりもしたとそっと打ち明け、去って行きます。
吉之助に思いを打ち明ける糸(黒木華、左)
無論この一連のことはフィクションと思われますし、その当時薩摩の男女がここまで思いを打ち明けるなどというのも、恐らくはなかっただろうとは思います。しかし描かれ方としては面白いものがあります。またこの第5話と第6話は艶事だけが描かれているわけではなく、その裏で進行している事案ももちろんありました。次回はそれについて書く予定です。またこれに関して、以前ご紹介した鈴木祐司氏の記事がありますのでご紹介しておきます。
大河ドラマ『西郷どん』は“出会いと別れ”の物語~林真理子&中園ミホの魔法で今後は静かにブレーク!?~
ここに登場する満足度は、面白かったか否かの5段階評価で、今のところ関東地方でのみ実施されているようです。最近満足度とか視聴熱、視聴質などなど様々な指標があってちょっと戸惑います。専門家の分析には不可欠なのかもしれませんが。
それから記事中の「テレビウォッチャー」のリンクですが、現在売り出し中のドメインに飛ばされますので、興味のある方は下記リンクからアクセスしてください。
スポンサーサイト