『ガリレオ』第1シリーズ放送終了後、映画『容疑者Xの献身』とタイアップする形で放送された拡大版で、2004年当時の設定になっています。助手の栗林が、ナビゲーター役を務めています。ドラマ中に、大学時代の湯川と草薙の場面が挿入されており、この時草薙は殺人の濡れ衣を着せられて、湯川に無実を証明してもらうよう頼み込むわけです。湯川はこの当時から、若者らしいカジュアルな服装でなく、シャツにベストにズボン、ちょうど三つ揃いのスーツの上着を脱いだような、似合ってはいるものの、どこか年齢不相応な服装です。ただし、准教(2004年当時は助教)になってからの湯川のような、人を食ったような雰囲気はまだありません。若き日の湯川を演じているのは、三浦春馬さんです。
さて2004年、湯川が助教授になったことを知った草薙が、研究室に捜査協力の依頼にやって来ます。だめもとで、現場付近は海岸で、水着姿の女の子が沢山いると話したところ、湯川は関心を示します。これが、湯川と草薙の初めての共同捜査でした。その後この2人は、共に捜査をすることになるわけですが、ドラマ本編では、草薙よりも内海薫、そして岸谷美砂と行動を共にし、推理を行うという設定になっています。この時は、学生の塩野谷あかりが捜査に絡むため、彼女の存在が、内海、そして岸谷といった女性刑事の存在をほうふつさせるものとなっています。
事件そのものは、とある金属専門加工会社の前社長の息子が、何者かに殺され、住まいが全焼するという不審なものでした。そこで湯川と草薙が捜査に向かったわけですが、いつものこのドラマに見られる倒叙の形、犯人が冒頭の部分でそれとなく浮かび上がる設定とは、多少違った趣向になっています。何人かの登場人物に、それとなく犯人らしき雰囲気をちらつかせてはみるものの、かなり後になるまで犯人は特定されず、そして、犯人自身が湯川にヒントを与えるという点も特徴的です。これには、湯川の捜査デビューという点も考慮されているようです。結局犯人は、その息子の父親の前社長なのですが、叩き上げながら金属加工について優れた論文を発表した人物でもあり、それがいわば殺人に活かされたわけです。
また、この中で湯川と草薙はビーチバレーに参加し、女の子たちから脚光を浴びることになります。夜になって彼女たちと何を話しているかと思いきや、物理学の話ばかり。彼女たちも最初はかっこいいとか新鮮だと思って聞いてはいますが、あれを何日も繰り返されると飽きるでしょうね…たぶん。ちなみに塩野谷は、警察官になることを決め、多少は女らしくイメージチェンジをして研究室に向かい、「恋とビキニで大学生活を充実させる」などと口にしてみたものの、なぜそれが大学生活を充実させる、全くわからないとにべもない口調で返す湯川。そんな湯川に「全くわかってない…」と一人かこつ塩野谷。この辺の女心の読めなさは、やはり変人ガリレオというべきでしょうか。
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