ピエール瀧さんがコカイン所持と使用で逮捕されました。『いだてん』で足袋屋の主人を演じていましたが、今後は当該シーンはカットになるとのこと。いっそ嘉納治五郎が、「こはぜ屋」という足袋屋を作って、陸王を作ってはどうかと思ってしまうのですが…。かなりの作品に出演していただけに、今回出演作品の再放送やネット配信に影響が出そうです。しかしコカイン所持及び使用は立派な犯罪ですし、配信を止めなければかなりのクレームが来るのも事実でしょう。
ところで『相棒』に、スポーツシューズを扱ったエピソードがあります。シーズン11の「シンデレラの靴」ですが、こちらはシューズを作る話ではなく、とある企業の陸上競技部内の確執を巡る話です。
当初その企業、アポロン電機に所属していた麗子が、駅伝中のケガでタスキをつなげず、冷遇されたのを理由にアポロン電機をやめ、その後世界大会で銀メダルを取る快挙を成し遂げます。その後大学で教鞭を執る一方で、社長が変わった古巣アポロン電機から、監督就任の要請を受けます。しかしアポロン電機のコーチの高木はそれに反対します。
その高木が死体となって発見されます。高木は麗子の監督就任に強く反対しており、麗子にも疑いがかかります。特命の2人は捜査を続け、行きつけのスポーツクラブで麗子を見かけた甲斐亨が、ランニング後にマッサージを拒むという、元スポーツ選手らしからぬ麗子の言動を不審に思います。しかも彼女が走ったとされるコースのカメラに彼女の姿がないことから、麗子への疑いがますます疑いが強まることになります。
そんな折、前途有望な陸上選手で女子高生の遥がやっている調整が、アポロンの選手のそれと同じなのに杉下右京は気づきます。遥はアポロン電機のコーチの美枝と交流があり、しかも麗子は監督就任に当たって、遥を入部させる予定でした。遥は麗子と似た過去を持ち、陸上を止めることまで考えていて、麗子に相談もしていました。
しかし麗子の就任を巡って高木と美枝が対立し、高木は冷蔵庫から美枝の選手時代の血液を見せて脅します。それはドーピングをしていたという証拠でした。無論それは美枝の本意ではなく、高木が飲み物に薬を混ぜていたせいでした。美枝は同じ轍を踏ませたくないと、麗子の飲み物を故意にこぼすことで、かろうじて麗子のドーピングを防いだのですが、美枝自身の血液は保存されていたのです。
さらに高木は遥にも、間接的に妨害工作をしていました。ある大会で入賞した彼女を、暴力団関係者と同じ写真に収めたのです。結局美枝は高木をトロフィーで撲殺してしまいます。高木を殺した後、美枝は麗子にこのことを知らせ、麗子は驚いて階段から落ちたため、足をねんざしてしまいます。その後彼女はアリバイ工作を手伝い、高木のメールを偽装します。
その後美枝を一度会社に戻らせてそのメールを見るようにし、彼女が戻った時は高木が生きていたように取り繕います。さらに麗子は同じ時間帯にスポーツクラブに行き、ランニングをしたように見せかけますが、カメラに映像がなかったことからわかるように、実際は走っておらず、しかもねんざを隠すためマッサージを受けていなかったのです。
これに関しては、通勤スタイルのでタクシーに乗っていた麗子がスニーカーを履いており、タクシーを入り口ぎりぎりまで止めていたのを杉下と甲斐が見て、足をねんざしているのではないかと疑っていました。また高木の部屋の冷蔵庫の指紋が拭き取られていたことに、捜査一課も疑問を持ちますが、美枝が血液を持ち出した際に自分の指紋を拭いたためでした。
最終的には美枝が自白することで幕を閉じます。高木は遥への商品授与を暴力団関係者にさせることで、監督となった麗子を潰し、さらに美枝のドーピング疑惑を公表するという、かなり卑劣な手段に出ていたのです。
『陸王』では、企業スポーツを巡るスポーツ用品メーカーの駆け引きが描かれていますが、こちらは刑事ドラマらしく、企業のチーム内部での犯罪となっています。なお最後のシーンで、遥は新しいスポーツシューズを杉下と甲斐から受け取ります。それは麗子からの贈り物でした。
ところで前回と前々回の『相棒』に出演していた浦上晟周さん、『真田丸』で真田大助を演じていましたね。
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