先日の鈴木祐司氏の『いだてん』関連記事で、SNS上でのラウド・マイノリティという表現があります(私は一部コミュニティの盛り上がりと書いています)。このラウド・マイノリティ、ノイジ―マイノリティと呼ばれることもありますが、何やらこの言葉は内集団バイアス、あるいは外集団同質性バイアスという言葉を連想させるものがあります。内集団バイアスも外集団同質性バイアスも認知バイアスの一種で、要は自分の属する集団がベストであるという発想です。
望ましいことは自分の集団、つまり内集団に起因し、望ましくない原因は外集団のせいにしがちな傾向があります。またドラマのみならず特定の現象に対して、自分が所属する一定集団への評価は高く、そうでない集団への評価は低いというのがしばしば見られます。無論好き嫌いや肯定否定はその人の自由で、人間は誰しもその傾向があるものですが、行き過ぎるとアンバランスになりかねません。好き嫌いで極端に走るのはやはりマイナスでしょう。
それと『まんぷく』コラムですが、3月7日放送分の「レビュー」が「即席麺演義」。よくよく中国好きですね。しかも新スープの開発は中国史にヒントがあるのだそうで(笑)。それから即席ラーメンとTVディナー、あるいはテイクアウトの中華料理の比較ですが、後の2つが出来合いの料理をオーブンまたは電子レンジで加熱するのに比べ、ラーメンは(カップ入りも含めて)お湯を入れるという調理方法なので、簡単に比較はできないかと思います。また、あのテイクアウト用容器は折り紙起源ともいわれています。
それと3月8日付の分の歴史観、日本人差別はこの時期に始まったことではありません。第二次大戦の一因はその差別意識という説もあります。この辺り突っ込みたくなる点が多いので、何かの折にまた書けたらと思います。それから先人の気概云々、具体的にどういうのか例を出してほしいものです。また本作のスタッフが先人を無視というのも根拠がないものです(というか、この手の表現がこのコラムには実に多い)。また日本嫌い云々のくだり、レオナルド(ハリ―杉山さんです)は万博に来ているのだから、それなりに日本に関心はあったでしょう。日本人の家庭に来るくらいだし。
しかも若手育成のための容器開発を批判、高級住宅街で揚げ物は通報されないかといった記述が延々と続き、ドラマの肝心な部分である、ヌードルをどのように揚げるかや、鈴が香田家で幸のことを話すシーンへの言及はなし。おまけにスタッフに対して
「どれだけ甘ったれてんだ」
などと書いていますが。それはドラマもろくに観ずに主観だらけで、歴史サイトにレビューとも呼べない代物を(恐らく報酬ありで)書いている武者さんのことではないでしょうか。
ところで、NHK「みなさまの声」で、『いだてん』に対する反響が紹介されています。これに関しては、また改めて書きたいと思いますが、この反響もかなり特徴的です。
(2019年3月9日一部修正)
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