ヘンリー・バスカーヴィル。正典の『バスカヴィル家の犬』の当主ですが、ここでは裕福な家庭の子女が入るディーラー寮の生徒です。彼は不思議な犬を見たということで、ホームズに相談しにベイカー寮の221Bにやって来ますが、ホームズはレストレードが持ち込んだ、不思議な暗号の解読に忙しくて相手にしてくれません。そこでワトソンが乗り出すことになります。ワトソンが出て来る辺りは原作通りです。ワトソンは彼についてディーラー寮の部屋へ行き、あまりの豪華さに驚きます。
「うん、僕の家はお金持ちだからね」
この辺はBBC版とちょっと似通っていますが、それはともかく、ワトソンはさらに別のことで驚きます。それは、ヘンリーがメアリー・モースタンを自分の彼女だと言っていることでした。その前の「愉快な四人組の冒険」(原作は『四つの署名』)でメアリーと知り合い、片思いを続けて来たワトソンにはショックな出来事でしたが、ヘンリーは自分の彼女だと主張し、2人でデート中に不思議な犬を見たのだと言います。ともかくワトソンは、ヘンリーが見た謎の犬を探すことになります。
ヘンリー・バスカーヴィル(右)とワトソン
(シャーロックホームズ公式サイトより)
ヘンリーの父は犬を避けようとして木にぶつかり、亡くなります。息子のヘンリーも犬が大の苦手でした。ワトソンはメアリーから事情を聞こうとしますが、メアリーもどうやらヘンリーと親しそうなこと、さらに幼馴染のステイプルトンの存在や、思ったほど簡単に行かないことなどで悩みます。そしてホームズから助言をもらい、犬の言葉がわかるシャーマンにその謎の犬の通訳を頼みますが、謎の犬はその言葉を理解しませんでした。おまけにヘンリーは、気合を入れて犬と対峙するべく、再びメアリーと一緒にやって来たのですが、やはり犬を見て逃げ出してしまいます。これはメアリーを少なからず失望させました。しかもその前に、ヘンリーは靴下の片一方を失くしていました。この犬の事件に靴下、そしてメアリーとステイプルトンが絡み、いよいよ難解になってしまってワトソンは頭を抱えます。ところでこのヘンリーのパペットは、三谷さんがウィリアム王子に似せたということで、実際そっくりです。
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