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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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炎のランナー描写関連

この作品ですが、一種の群像劇であり、主な登場人物として
ユダヤ系の大学生エイブラムス
スコットランドの牧師リデル
イングランドの貴族で大学生のリンゼイ
この3人が挙げられます。
エイブラムスの、ユダヤの血を引くがゆえにイギリス人になりきり、祖国と家族のために走ろうとする精神が描かれる一方で、リデルの伝道師であるがゆえに、勝負と信仰を秤にかけざるをえず葛藤する姿、はたまた自分は楽しむためだけに走るというリンゼイなど、その走ることに対する姿勢は様々です。エイブラムスは言うまでもありませんが、リデルは後に王太子と話をした際に、ラグビーでは敵だが、今度は味方でよかったという言葉をかけられます。いうまでもなくラグビーはイングランドとスコットランドで別々ですが、オリンピックはイギリス代表で同じチームというわけです。

そしてケンブリッジブルー。淡いブルーに少しばかり緑を落としたような微妙な色合いです。エイブラムスたちはこのブルーで縁取りされたウエアを着て、濃紺の縁取りのオックスフォード勢を打ち負かします。なおブルーはスポーツ選手への称号でもあり、ラグビーやボート、クリケットなどのいくつかの種目で、オックスフォードとの対抗戦に出た場合は、このブルーの称号が与えられます。ちなみに日本人では、現在七人制強化に関わっている岩渕健輔氏がケンブリッジブルーです。ところで1980年代から90年代にイングランド代表で活躍したロブ・アンドリュー氏によると、このブルーのブレザーやタイを、すべて自腹で揃えなければならない由。

それからこの新入生勧誘で、フェビアン協会も登場します。そういえば昔習ったという人もいるでしょう。ウェッブ夫妻によるイギリス型社会主義で、ここのメンバーはケンブリッジブルーでなく赤のタイをしています。

パリ五輪のアメリカ代表団は、プロコーチの指導のもとトレーニングに励んでいます。彼らが着て居るのはスウェットの上下で、胸には流石というべきか、星条旗があしらわれています。

また王太子の来訪をヘンリー5世と関連付けていますが、このヘンリー5世はフランスに対して巧妙な外交を行い、最終的に百年戦争を再開した人物です。この場合の「外交」は、リデルの日曜日の予選出場をどうするかということですが。ただし実際のリデルは、かなり前にこのことを知っていたといわれています。確かに、船に乗る前にいきなり新聞記者から知らされるのは、いくら何でもフィクションでしょう。

そのリデル、酒も煙草もやらない、プロテスタントの典型的な牧師です。日曜日のスポーツも厳禁です。服装とか礼拝の様子などから、質素を旨とする長老派のようにも見えます。礼拝中『神はわがちから』と言う讃美歌を歌っていますが、この讃美歌は著名な讃美歌作者のアイザック・ウォッツによって作られたものです。彼は非国教徒であり、『もろびとこぞりて』(Joy to the World)の歌詞もこの人物によるものとされています。この非国教徒というのも、リデルと通じるものがあり、彼の礼拝の雰囲気は冒頭に登場する聖公会の聖堂での礼拝とはかなり異なります。一方でこのリデルは「フライング・スコッツマン」というニックネームがあり、作品中では同じ名前の列車でロンドン入りするシーンがあります。

パリのスコットランド教会(というべきでしょうか)で、このリデルが礼拝をするシーンもありますが、この時はイザヤ書第40章が登場します。苦しむイスラエルを慰める章です。何か暗示的なものを感じます。

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[ 2019/03/01 01:30 ] 映画 | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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