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ベイカー寮221B/Baker House 221B

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いだてん第1回「夜明け前」

のっけから『西郷どん』関連で恐縮ですが、公式サイトやSNSは今月31日を以て運営修了=削除となりますので、コンテンツを保存したい方はお早めにどうぞ。

さて新大河『いだてん~東京オリムピック噺~』(以下、いだてん)が始まりました。第1回はニュース映画を多用し、昭和と明治とが行ったり来たりの中、最後の最後で主人公の登場となりましたね。

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昭和34(1959)年、噺家の古今亭志ん生は娘の美津子と寄席へ向かっていた。

しかし高速道路の工事中ということもあり、タクシーは一向に進まなかった。やっと寄席に着いた志ん生は、浅草から芝まで駆けた男を主人公にした『富久』(とみきゅう)を聞かせる。その頃外務省の運動会では、オリンピック招致の最有力候補とされた北沢がアキレス腱を断裂し、平沢和重に白羽の矢が立った。平沢はミュンヘンでの選考会で、小学校の教科書のオリンピックの項を持ち出し、アジアで開催するべきと主張する。これにより、昭和39(1964)年の東京での開催が決定した。

昭和35(1960)年、志ん生はまたも高座でオリンピックの話をしていた。自分もオリンピックをかじったことがあると言う。ここで時代は明治末期へ飛び、青年時代の志ん生、本名美濃部孝蔵は、自堕落した日々を送っていた。その中を1人のフロックコートの男が、車夫の清さんにフランス大使館へ行くように命じる。この男は柔道の父嘉納治五郎であった。フランス大使館についた治五郎は大使のジェラールから、前年のロンドン大会の写真を見せられ、オリンピック参加を勧められる。これはクーベルタン男爵の意向であった。

オリンピックについて色々聞かされた治五郎は、すっかりその気になる。そして治五郎の勤務先東京高等師範学校では、教授の永井道明が、奇しくも次のオリンピックが開かれるストックホルムから帰国していた。しかし永井は、日本人は体が小さいから時期尚早であると言い、スポーツでなく肋木体操を奨励していた。永井は実際にロンドン大会を見ており、「ドランドの悲劇」と呼ばれるマラソンでの出来事を話し、勝負にこだわるのは醜いと言う。しかし嘉納は諦めきれず、文部省に行って、日本体育会会長の加納に掛け合うことにした。

しかし加納は、義和団事変の際の各国の兵士の写真を見せ、日本人が体格面で劣っていること、子供たちに強靭な肉体を授けることこどが使命と強調し、一部エリートが参加するオリンピックに反対する。

その後千駄ヶ谷の三島邸の園遊会で、嘉納はこの計画を大隈重信に打ち明ける。そこには三島家の長男で、横浜正金銀行副頭取の弥太郎もいた。嘉納は融資を申し出るが、既に融資をしているうえに、弥太郎は大のスポーツ嫌いであった。そこへ弥太郎の弟弥彦が、野球ボールを追って庭に飛び込み、ちょっとしたパニックになる。弥彦は学生たちで作る天狗倶楽部のメンバーだった。大隈はオリンピック構想を皆に話すが、嘉納は融資を断られた上に、スポーツを楽しむと言いつつバカ騒ぎをする天狗倶楽部を快く思わず、決意しかけたオリンピック構想を白紙撤回しようとする。

しかしフランス大使館でスタジアムの設計図、そして日の丸が描かれたポスターを見た嘉納は、白紙撤回をあっさり退けて承諾し、ジェラールを喜ばせる。そして嘉納は一人で着々とオリンピック参加の準備を進め、日本体育協会を立ち上げる。さらに呼び出した弥彦に、世界記録に挑戦することを勧める。しかし反対派の加納、永井らとは平行線を辿る一方だった。そして再び昭和35(1960)年、志ん生の許をある青年がガールフレンドと訪ねて来る。満州にいた父が残した葉書を手掛かりに、弟子入りを申し出て来たのだった。

再び明治末期。嘉納は反対をものともせず、日本体育協会の上に「大」をつけ、大日本体育協会を立ち上げた。そして天狗倶楽部を訪ね、選手を選び出すための予選会の話を持ち出して同意を得る。さらに羽田にグラウンドを作り、マラソン選手の選考のため、線路沿いに横浜まで走って折り返すルートを選んだ。出場選手の旅費や滞在費は協会持ちで、車夫の清さんも参加することになった。しかし嘉納は、医師に止められている酒を飲んだせいか、入院を余儀なくされるがものの、当日は何としても駆け付けたいと決意する。助教授の可児徳は優勝カップまで準備していた。

韋駄天を募りたいという嘉納は、その夢まで見たと言い、可児は吉兆であると言う。そして天狗倶楽部の協力を得てグラウンドは整備され、清さんは早稲田の学生と偽って参加した。予選が始まったが、途中で参加者たちは落伍して行く。しかし雨の中を、帽子の染料で顔を赤く染めた男が、ゴールに向かって走って来た。その男こそ金栗四三である。しかもタイムは世界記録を更新していた。

志ん生は高座でこう言った。
「正に不可能を可能(嘉納)にした」
客はこの洒落に大笑いする。

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全体的に映画のような印象を受けました。やはり現在(昭和30年代)と、過去が行きつ戻りつしていること、ニュース映画が多用されていることもあるのでしょう。恐らく次回から、大河らしい感じになりそうです。

第1回の感想でこう書くのも何ですが、受け入れられる部分もあり、受け入れにくい部分もあるというのが正直なところです。今後どちらが大きくなるかによって、視聴を続けるか否かが決まりそうです。宮藤官九郎さんらしい癖のある脚本だなと思います。

ところでオリンピックに関してですが、旅費その他は国が持つとしても、この当時は純然たるアマチュアでした。従って、トレーニングの費用、あるいはコーチを雇う費用などは、選手本人が負担せざるを得なかったのです。『炎のランナー』などに、その様子が描かれています。そのためスポーツに打ち込めるだけの余裕がある、そこそこ裕福な家の子弟が多かったともいわれ、この天狗倶楽部の三島弥彦などはその典型のように見えます。ちなみにラグビーも、1990年代までアマチュアリズムを通したため、選手と休業手当の件でもめた例があります。

この天狗倶楽部ですが、そういえば、昨年の第1回でも「天狗」が出て来ましたね。あの、大砲の実験をしていた人物です。そしてここでも相撲が登場です。それと押川春浪、この人は冒険小説の第一人者といわれています。小学校卒業後、あちこちの学校を転々として、最終的に東京専門学校(早稲田大学)に入学しています。弟の押川清は野球選手で、日本のプロ野球の設立に尽力しています。

しかし私としては、志ん生を出すのもさることながら、嘉納治五郎についてもっと描いてもよかったかなとも思います。物事がやけにとんとん拍子に行っている感がありますので。無論今後じっくり描かれるのかも知れませんが。

それからサブタイトルですが、第1回が「夜明け前」、第2回が「坊ちゃん」とくれば、これはもう近代文学作品のタイトルそのままです。今後もこれで行くのかもしれません。本当はサブタイはオリジナルであってほしいのですが、一昨年のようにやたらにもじった感がないのは評価できます。

なお今回は、「史実を基にしたフィクションです」というテロップが予告の後で登場します。無論私は大河自体、史実がベースのフィクションというか、史実をフィクションでつないだものだと思っていますし、クドカン氏もそうコメントしています。しかしこうしないとクレームが来るのでしょう。特に近代を描く以上、こういう「お断り」を出さないと難しいということもありそうです。ただフィクションということは、何でもありと取られてしまいがちなので、それもまた難しいところではあるかと思います。

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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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