『篤姫』関連その5です。これに関しては、あともう1度ほど投稿予定です。第47回「大奥の使者」(先の分で『大奥よりの』としていましたので、直しています)ですが、要するに幾島再登場回です。実際には年老いて病身であったということですが、この幾島は随分逞しい印象を与えます。しかし彼女が天璋院の前に出る時の雷SEは、ちょっとわざとらしくないでしょうか。そして西郷に手紙を持って行くシーン、これは史実らしいのですが、どうもこの二人のやり取りが、漫才(失礼)に見えてしまいます。
さらに幾島が西郷に対して、一度は命を捨て、二度も島流しに遭い、人の苦しみをおわかりのはずのあなたが、武力で幕府を倒すとはといったセリフが出て来ますが、これはいささか説得力に欠けるように思います。それよりも無辜の民を巻き込まないようにしてくれ、武力を使うと民が苦しむからという設定の方がいいかと思います。そして天璋院の手紙には、慶喜の助命について書かれていますが、実際はこの時の手紙で助命嘆願はしていません。徳川家安堵を願っていて、それが気になっているといったことが書かれています。なぜここで改めて助命なのか、ちょっとよくわかりません。
それとこの天璋院の手紙ですが、色々書かれているにしてもやけに長いです。あの『天地人』の直江状を思い出します。創作とはいえ、あそこまで長くする必要があるのかと思います。それから『西郷どん』に出て来た、山岡鉄舟の駿府行きはこれでは登場しません。この駿府行きが、後の薩摩藩邸での会見につながることを考えたら、あってもよかったのではないかと思います。しかしこの勝は、やはりそれらしく見えないのですね。むしろまともすぎて、松平容保や榎本武揚が無能扱いされている感じです。
そしてこれも史実ではないと思いますが、小松帯刀が西郷の陣中へ赴きます。しかし伊地知正治が彼を止めます。既にこの軍は薩摩の軍ではなく、新政府軍となっていました。自分は家老だと叫ぶ小松ですが、それはここでは通じないでしょうし、こう言う辺りが小物臭く感じられます。この大河での小松は、雄藩の家老にしてはどこか書生臭さがあります。これなら、むしろ長州大河の吉田松陰の方がしっくり来ます。しかしこの時小松を演じた瑛太さん、10年後に大久保利通役で、この軍は新政府軍であるというセリフを口にするとは思っていなかったでしょう。あと伊地知正治に、『塚原卜伝』の山本勘助がだぶります。
それから本寿院が酔っぱらって天璋院の部屋へやって来るシーンがあります。これもわざとらしいというか、朝ドラタッチだなと思います。わざわざ酒器を持って訪ねて来なくても、天璋院の侍女が、本寿院様がお部屋でかなり荒れておられますとか、そう伝えに来る設定でもよかったのではないかと。しかし高畑淳子さん、『真田丸』では、自称菊亭(今出川)晴季の娘、実は侍女でしたねそういえば。なお次は、この江戸開城前後のまとめで行くつもりでいます、一応。
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