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ベイカー寮221B/Baker House 221B

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『篤姫』の江戸開城前後の描写 3

本当は『西郷どん』スペシャルその3について書こうとしたのですが、『篤姫』の終盤の方のDVDを観ていて、結構突っ込みどころが多いのに気づき、予定の3回を少し増やして、そのうちの1つを今日書くことにします。

まず第44回の「龍馬死すとも」。小松帯刀と坂本龍馬が交流があったのは事実でしょうが、小松ほどの大身の武士が、気軽に龍馬の宿を訪ねたりするようなことはあったのでしょうか。この大河では2人が大政奉還で平和路線を探ろうとしたのに、西郷や大久保が討幕を主張した形になっています。しかし小松も薩摩藩の人物であり、討幕の意志が全くなかったわけではないでしょう。その一方で、西郷と大久保が最初から討幕ありきで、小松と対立するように描かれているのも、ちょっとどうかなとは思います。小松はあの2人とは考えが違うというセリフを吐きますが、中の人といいこのセリフといい、『西郷どん』の大久保利通を思わせます。

それと岩倉邸がきれいすぎ(笑)。これは『八重の桜』や『西郷どん』の方が、リアリティがあります。まだ大政奉還の前だから岩倉村に滞在していて、かなりのわび住まいだったはずなのですが。さらに大奥の中で、大政奉還の噂があちこちで広まるという設定になっていますが、これも何やら井戸端会議的な描写です。大奥の描かれ方は、やはりどこか朝ドラ的なのですが、しかしここまで伝わりますかね…。

また大政奉還の際に、小松が1人だけ意見するというのもちょっと不自然。これも天璋院の「元カレ」設定だから、尺を多く割いているといった感じです。それとこの人物がどこか愚直というか、清廉潔白さのみが強調されている嫌いもあります-確かにこの人の諱は「清廉」ではありますが。しかし小松帯刀がこれだけ出て来るのであれば、やはり琵琶を弾いてほしかったものです。龍馬暗殺を暗示するのはお龍の月琴でなく、小松の琵琶でよかったのではないでしょうか。

その龍馬暗殺に関してですが、この描写にも多少異議ありです。急に刺客が階段を上るシーンが出て来て、しかも殺され方があっけなさすぎです。無論制作サイドも、今回はちょっと変えてみようとしたのでしょうが、せめて相手の太刀を、鞘で受け止めるくらいはやってほしかったです。龍馬暗殺のアレンジといえば、『新選組!』の鶏の皮談義を思い出します。あの時のプロデューサーも屋敷陽太郎氏でした。

それと第45回「母からの文」、このサブタイにもあるように、小松帯刀が天璋院の母、幸に手紙を書くように懇願します。要は薩摩に戻るよう勧めてほしいわけです。この時既に体を悪くしているのに頼みに行くのが、小松の必死さを物語っています。しかしこの当時、既に将軍家に嫁いでいる娘に母親が帰れというかどうか。無論幸も、一旦は向こうも覚悟しているからと断るものの、小松は島津久光の許可をもらい、手紙を書いてくれと頼み込みます。この辺も元カレ設定と言うべきでしょうか。

さらに王政復古の描かれ方、これもあっさりしすぎです。薩摩の蛤御門護衛も、山内容堂の、慶喜の辞官納地への異議申し立てもなしです。あれだけ龍馬や大政奉還を出して来ているのに、容堂公の出番がないのも如何なものでしょうか。また王政復古に関して、吉日ではないという異論が出ますが、今再放送中の『軍師官兵衛』で、似たようなセリフが出て来ています。こちらは中国大返し関連です。

一方大坂城にいる慶喜(この大坂城の映像、『天地人』でも使われたようです)は、未だ自分が主権者であることを外国公使に伝えており、天璋院は、薩長を怒らせると気をもむわけです。それでなくても薩摩御用盗が跋扈しており、庄内藩とは明言されずとも、薩摩藩邸が焼き打ちされたとの情報が飛び込みます。これが引き金になり、鳥羽伏見の戦いとなるのですが、ここで錦旗(これでは日月旗ではなく菊紋の旗)が翻ったため、朝敵となるのを恐れた慶喜は大坂から江戸へ逃げ帰ります。この朝敵認定と逃げ帰ったことが、またしても大奥中に知れ渡り、結局これによって、天璋院は慶喜に厳しい態度を取らざるを得なくなるようです。それについてはまた次回にします。

『西郷どん』の放送が始まった時、篤姫を密かに愛する設定になどとも言われたようですが、安政の大地震のシーンにしても、必ずしもそうとはいえないようです。やはり吉之助が愛した相手は糸どんでしょう。しかしこちらは、小松帯刀が初恋相手という前提で進められているだけに、小松がいわば私情で、殊更に天璋院を助けたがっているのではないか、そう思わせるシーンが多いですね。2人が異口同音に「戦は避ける」などとも言っていますし(両者の立場上このセリフはありえますが)。

無論『江~姫たちの戦国~』や『花燃ゆ』、『おんな城主 直虎』に比べると、主人公が気ままに動けない分、ありえないようなシーンは少なくなっています。ただ大奥の描かれ方が、やはり朝ドラ展開になっています。この辺は女性主人公であるため仕方ないのかもしれませんが、どうも乗りが軽くなってしまうのが難です。小松や龍馬の男性パートは、もう少しシビアにしてもよかったのではないでしょうか。

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[ 2018/10/22 11:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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