北海道の地震で被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。最近、自然災害が多いですね。
ところで先日書いていますが、『篤姫』の長州征伐そして薩長同盟の描写について。この時は同盟締結までがかなり速く、しかもかなりあっさりと決まっています。主人公を出さなければならない以上、尺を多く取れないのは理解できます。しかも主人公は薩摩出身ではあるものの、既に徳川の人間です。義理の息子である家茂が、いよいよ第二次長州征伐(再征)のため大坂へと赴くことになり、それが嫁である和宮共々辛いというのも無理からぬことではあります。そして和宮の母である勧行院の死も、大奥としては大きなものであることもまた事実でしょう。
しかし第一次長州征伐、大久保一蔵の「非義の勅許」の件などが出て来ないのは、何とも物足りない気がします。この大河では、小松帯刀の存在感があるのはいいのですが、その反面、大久保、西郷の両名がやや頼りない感じです。そしてやはり、同盟のシーンでの坂本龍馬の存在が結構大きく、小松に長州の気持ちを分かれと言わんばかりの態度は、通説ではあるもののちょっと疑問です。これもあらすじと感想で触れてはいますが、『西郷どん』の小松が長州に複雑な気持ちを抱いていて、その気持ちが、「相手が何か言うまで頭を下げるな」に込められていると見えただけに、つい比較してしまうのかもしれません。
さらにこの同盟というか盟約そのものが、1回ですんなり決まったような印象があり、それもまた物足りない印象を受けます。小松の兵器購入のシーンでなく、同盟にこぎつけるまでの難航する様子に尺を割いた方がよかったようにも思います。それから、薩摩と長州と雄藩の連合で新しい政をというセリフが登場しますが、これはのちの明治政府をにらんでのことなのでしょうか。ただこの時期明治政府はちょっと早いようにも思えます。これが現実味を帯びてくるのは、第二次長州征伐で幕府の軍が長州にぼろ負けしてからでしょう。
あと酒肴が出て来るシーンが多いように見えます。私は『篤姫』をすべて観たわけでなく、そのためDVDで観返したところもありましたが、今回もう一度観返して、改めてこういう作品だったのかなとも思っています。
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