「
ガリレオとシャーロック・ホームズ 」の第二弾になります。海外ドラマを観るということは、ある意味カルチャーギャップを楽しみながら観ることです。無論それが面白い場合もあれば、ちょっとしつこすぎてやっていられないという場合もあります。原作のホームズ、そしてその派生作品に関して言えば、やはり濃厚にイギリス的な存在ではあると思います。ホームズ好きな人、イギリス好きな人に取っては観ていて面白い作品がかなりあるのですが、しかしやはりどこか異質なものもあるわけで、そういった点をすべて踏まえたうえで観ている人は多いかと思います。
その一方で、これは日本人の特質とでもいうべきでしょうが、海外の事物を自国流にアレンジして、より身の丈に合った形に作り直すという傾向があり、時に独自進化を遂げ、ガラパゴス化とも呼ばれます。そしてホームズ的な存在(ホームズに限らずですが)を、現代の日本に合わせた形でアレンジしたのが、ガリレオではないかと考えられます。もちろんガリレオ以外にも、ホームズの類型と捉えられる探偵、刑事が登場する作品はありますが、特にガリレオの主人公である湯川学のキャラクターは、かなり類似性があるといえます。パペット版のホームズにもいえることですが、日本人の手を経由して生まれ変わったホームズと捉えることも出来ます。パペットも舞台はイギリス的ですが、パペットの造型やキャラ設定、効果音等々、かなり日本的な発想が採り入れられています。
パペットホームズは、日本でお馴染みの学園ものにアレンジされています。かつて、やはり学校を舞台にしたホームズ関連の映画で、『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』という、スティーヴン・スピルバーグ製作の作品があり、こちらも寄宿学校の生徒であるホームズが、転校生のワトソンを連れて、色々なトラブルに首を突っ込むわけです。これは
こちら でも触れています。ただパペットは、ほぼすべてが校内で完結するわけで、その分先生や生徒が様々にキャラ設定されているわけですが、映画の方では校内で完結するわけではなく、実際に殺人事件が起こる点、そしてホームズに彼女がいる点などで大きく異なります。ちなみに、この映画の日本語版でホームズの吹替えをしたのが、山寺宏一さんです。
目下放送してもらえないかと考えている
時代劇版ホームズ なども、もちろんこの日本的アレンジのホームズの一つです。イギリス的なものだけでなしに、日本人の物の見方に立ったホームズを作ることで、それぞれが相対化出来るとも思われます。まあ、元々ホームズはイギリス人であるわけですから、この場合ホームズという人物ではなく、謎解きを理論化する存在と言い換えた方がいいかもしれませんが。
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