パペットホームズにベインズという生徒が登場します。クーパー寮の3年生で、第6回「生真面目な証人の冒険」が初登場回でした。『ウィステリア荘』がベースであるため、それに登場するベインズ警部にちなんでいます。パペットホームズでは、口の利き方がやけに丁寧で嫌味ったらしく、しかもホームズを勝手にライバル視しており、さらには自分なりの推理を得々と披露するという設定です。しかも生活委員という、原作では警察関係者に相当する立場であり、2人の生徒の失踪事件で怪しいとみられたレストレードを、有無をいわせずモリアーティ教頭の許へと引っ張って行きます。
さらにホームズに問題を吹っ掛け、自信たっぷりに答えたホームズが実は間違えていたことから、自分の方が一枚上手であるといわんばかりの口調で去って行きます。これがホームズには面白くありません。しかし結局、失踪した生徒がレストレードの生真面目さを利用したものだとわかり、かろうじて穴に落ちていた彼らを助け出そうとしますが、そのホームズとワトソンを尾行して来たのが例のベインズでした。ここでもベインズは、流石はホームズさんと大げさにほめたたえます。ライバルといえばライバルなのですが、ホームズに取ってはいささか厄介な相手ともいえます。
その後、ホームズが校内何か所かに貼られたおかしな記号の解読をすることになります。こちらは『踊る人形』が元になっているわけですが、このおかしな記号をあちこちに貼っていたのはベインズでした。この時も解読できなかったホームズに、蔑むような言葉を投げかけます。かと思えば、最終回では校内を逃げ回るホームズを、生活委員として身柄拘束するところなのに、なぜか味方のような態度を取るなど、一体全体仲間なのか敵なのか、つかみどころのない人物でもあります。ちなみにこのベインズは、オルムシュタイン校長の甥でもあります。
ホームズの「ライバル」ベインズ、シャーロックホームズ公式サイト(現在は削除)より
ところでこのベインズの声を担当していたのは、浅利陽介さんです。この浅利さんは、『相棒』のシーズン15と16(初登場はシーズン14)で、青木年男を演じています。元々大の警察嫌いで、殺人を目撃しているのに通報しようとせず、証拠も出し渋った人物ですが、その後役所勤めをやめて警察官に転職し、サイバーセキュリティ対策本部に配属されます。しょっちゅう特命に情報をもたらしに来ますが、自宅では杉下、冠城両名の写真に画鋲を刺したりするなど、かなり屈折したところのある人物です。
彼の警察嫌いは、警察官であった父親との仲の悪さから来ていますが、その一方で父と仲のいい衣笠副総監とも接触しています。またこの青木年男もどこか嫌味でひねくれた物言いをするところがあります。要は
嫌味でやけに相手を意識した物言い 敵なのか味方なのかわからない態度を取る 身内やその知人に本人が所属する組織の有力者がいる こういった点でベインズとダブってしまいます。以前から、このことに関しては何度か書いてはいますが、今回はこの両者メインにしようと思い、こういう形で投稿することにしました。またパペットホームズでも、ホームズとワトソンの2人写真を壁に貼り、ホームズの写真にだけダーツを突き刺している生徒がいますが、それはベインズではなく、女子生徒のイザドラ・クラインです。このイザドラは問題児で、かつて盗みをさせた自分の手下を、ホームズに調べられてしまい、その後ホームズに恨みを持つようになるので、この点はわからなくもないのですが…。
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