あらすじでは触れなかった、仁と未来の写真の変化についてここで書いておきます。仁がタイムスリップした際に、現代から持ってきたこの写真、最初は手術前に、未来の病室で2人で写っているものでした。タイムスリップ後もしばらくは問題はありませんでした。しかし、吉原の鈴屋の主人の手術を行うことになり、これに失敗すれば野風が身請けされるという事態に直面します。幸い手術は成功し、野風の身請け話もなくなったその後、2人の画像にプラスの要因が加わり、リビングで一緒にビールを飲む姿に変わります。食い入るように写真を見る仁でしたが、実は咲も、鈴屋の主人の手術道具を揃える際に、書物の間からこぼれたその写真を見てしまい、複雑な気持ちになります。
その後ペニシリンを作るようになると、写真はさらにプラスの要因が増して、バーベキューを楽しむ2人の姿になります。しかしその後は、佐分利が嵌められたり、仁が刺客に襲われたり、また、ペニシリン製造所が荒らされたりして、写真の2人も、リビングでビールを楽しむ姿に逆戻りします。さらにその後、野風に新たな身請け話が持ち上がり、写真の未来の姿は段々と薄くなって行きます。そんな時、思い出作りにと野風は仁と未来を招待し、そのうえで仁と一夜を過ごそうとするのですが、その時仁の袂から落ちた写真の未来は、いくらか濃い色に戻っていました。しかしその後、半鐘の音を聞きつけた仁は火事場に急いで、負傷者の治療に当たります。数日後、さらに色が薄くなった写真に仁は愕然とします。
同じ頃、野風の身請け話が正式に決まり、体のお調べ、つまり健康診断の依頼が仁の元に舞い込みます。その頃仁は、写真に起こった変化について仮説を立てていました。つまり、野風が身請けを前向きに考えたことで、一時的に未来の姿が濃い色に戻ったということは、野風が身請けされるのが、未来にとっても一番いい方法なのだと。そのため、野風に乳癌の疑いがあるのを知りつつも病名を伏せ、身請けをさせようとします。しかし仁のその姿勢を咲はなじります。また、仁は咲がひそかに自分を想っていることに気が回らず、写真を見せたり、未来のことを話したりしたことに対し、龍馬から一喝されます。
結局仁は野風の手術をすることにし、自分の決心を鈍らせないため、未来がかなり薄くなっている写真を木箱に入れて、埋めてしまいます。手術成功後、その箱を掘り出して中を確認すると、写真は全くその影を留めていませんでした。これにより仁は、写真により一喜一憂することからは解放されたのですが、その前に平成22年の10円玉を偶然見つけていました。仁がタイムスリップしたのは2009年、平成21年ですから、その1年後から幕末にタイムスリップした人物がいるわけです。それは誰なのでしょう。そして、写真と共に伏線となる仁の頭痛、タイムスリップ前のみならず、野風の手術前にも起こり、第1シリーズの最終回では、額を直そうとして足を踏み外した仁の頭の中で、動悸のような音が聞こえます。変化の前兆のような形で現れるこの頭痛、何を暗示しているのでしょうか。
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