以前、『花燃ゆ』放送時に少し触れたような気がしますが、『大河ドラマ読本』という本が洋泉社から出ていたことがあります。実はそれを読んだことがあるのですが、あまり面白くなかったのを覚えています。時期的に冒頭が『真田丸』で、表紙が『龍馬伝』、『篤姫』、『天地人』のそれぞれの主人公で、この3作品をはじめ、『新選組!』や『義経』が大々的に取り上げられています。しかしなぜか『風林火山』がその中にありません(その次の章では取り上げられていますが)。恐らくその辺りも、面白味を感じなかった一因であるかと思います。『花燃ゆ』が批判されていたのはまだわかるのですが。
また同じ会社から、同じ頃に『大河ドラマと日本人』なる本も出ています。こちらも確か立ち読みか何かでページをめくった記憶があるのですが、やはりさほど面白味を感じませんでした。『読本』の方は、松村邦洋さんが登場していましたが、こちらは星亮一氏と一坂太郎氏という、歴史に携わっている人々の対談になっています。しかし内容がどうも主観的というか、それぞれの好き嫌いで判断されているふしがあること、さらにDVDがあるにも関わらず、観ておられない作品があるということで、これでは大河全体の分析がきちんとできているのか、疑問に感じられます。実際ネット上で、この内容への違和感を目にしたこともありますし、アマゾンの書評でも批判的なものが見られました。
大河関連の本というと、今までの作品集大成をはじめ、色々な作品に言及するタイプの本が多いのですが、本当の話、もう少し突っ込んだ内容の物がないかと思っています。ただしディープに突っ込むにしては、1年というスパンで区切られていて、シリーズ物でないことから、ドラマそのものの変化や成長を見極めるのが難しいと思われます。昨今の大河の多くが面白くないというのは、スタッフやキャストもさることながら、主人公が出尽くした感があること、費用を掛けていないこと、SNSに頼り過ぎなこと(これは実際フォローしていてそう思います)、とかく過去の作品と比較されがちなことなど様々ですが、この、1年間で完結するという点にも問題はありそうです。むしろ今必要なのは大河を続けるべきか否か、続けるならこれらの諸問題を如何に解決するのか、それを論じた書籍ではないかと思うのですが…。
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