桂小五郎が久々に登場です。しかし、長州の書生たちの兄貴分なのですから、もう少し登場してしかるべきかとは思います。それから英国公使館焼き討ちのその後がまるでないのですが、これはどうしたことでしょうか。あと、この焼き討ちとセットで、高杉の御成橋強行突破、そして将軍家茂への「いよう…征夷大将軍!」の掛け声と続くのですが、ちょっと時間端折り過ぎな感じです。それと、なぜ高杉はいつも白っぽい着物なのでしょうか。黒い羽織の方が、夜間の襲撃は保護色になるように思えますが。しかも、この御成橋突破も、『花神』では陣笠に陣羽織で、戦闘モード全開でしたね。ある意味幕府への宣戦布告なのですから、そういういでたちでもよかったかと。
その後高杉は、久坂たちとは袂を分かち、10年の賜暇を得て長州に戻り、東行庵を結ぶわけですが、そこで文が雅から、夫の浮気を知らされるというわけです。しかし、そのようなことをわざわざ知らせるでしょうか。そして文は、小田村伊之助に頼み込んで、藩庁のある山口まで、藩主夫人の世話係として赴くわけですが、これもちょっと無理やりな感じです。この頃から、藩主夫人や長子が国許に帰ることが許可され、その点では間違いではないのですが、文個人が藩主や藩主夫人にお目通りを許されるということは、果たして可能だったのでしょうか。最終的には、久坂は上士として採りたてられるわけですが、それにしても、伊之助があちこち行かされ過ぎな気もします。
結局久坂は山口ではなく、馬関で攘夷を決行しようとします。文も結局馬関まで行くわけですが、これも疑問です。そもそも山口まで夫に会いに行くこと自体、この当時の感覚だと、はしたないから止めなさいといわれるでしょう。しかも、この時代は戦場は男だけの場であり、そこに女房がやって来るというのも如何なものでしょうか。そもそも女性を主人公にするというのは、男ばかりの所に敢えて行かせるとか、ことさらに史実に絡ませるというものではないような気がするのですが。何よりも、文がやたらに史実に絡む部分を作り出すことに、視聴者は違和感を覚えているのではないでしょうか。
ちなみに次回は『妻と奇兵隊』だそうで、また女性たちの登場場面が増えることが想像出来ます。しかしこれが、どうも視聴者離れ、視聴率低下を招いているように見えて仕方ありません。しかし、これに関して制作サイドのコメントは何ら出て来ないのも妙なものです。なぜか出演者に、すべて責任が被せられてしまっているという状況も、どうにかするべきでしょう。これはやはり、現場監督のプロデューサーと、脚本家が責めを負うべき問題です。そして、そういう脚本に沿って演技をしなければならない出演者には、同情したくなります。
これは女優さんもそうですが、特に男性の出演者、北大路さんとか高橋英樹さん、百合之助役の長塚京三さんといったベテラン陣や、東山さんや大沢さんなどに関しては、もっと骨太な大河で見たいものです。全員とは言いませんが、この中の何名かでも、スケジュールの都合さえつけば、来年の『真田丸』に、数回程度でもいいので、引き続き出演してほしいです。来年の大河がどうなるか、もちろんまだ何ともいえませんが、そしてこういう言い方は何ですが、少なくともこの『花燃ゆ』よりは、まだ本来の大河らしいのではないかと思えるし、そういう作品にこそ出演してほしい人たちだからです。
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