相変わらず歴史が描かれない大河ですね。家康が家臣の前で妻子を殺したことを反省し、そして高天神城攻めが始まるのですが、その裏方の様子に、長々と時間を割いています。案の定武田氏滅亡までの時間が極端に短い、これはないでしょう。
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石川数正は自刃しようとするが、本田忠勝が止める。家康は家臣の前で、瀬名と信康を死なせたことを反省し、力を貸してくれと頼む。また万千代は榊原康政に、腹を割って話すように勧めたのはそなたかと訊かれ、先代に倣ったと答える。そして徳川に織田の援軍も加わり、高天神城攻めを本格化させるが、信長は降伏はさせるなと伝えていた。高天神城は兵糧攻めのため、周囲の砦用に材木が必要であり、奥山六左衛門と中野直之が一役買うことになる。二人は横須賀城で、軍議に加わる万千代を見て嬉しそうだった。
一方おとわは、戦のない世を作れないかと考えていた。天下布武を目指す信長に、今の時点では誰も逆らえなかったが、毛利とつながりのある安国寺恵瓊は、信長が高転びすることを示唆していた。そして六左衛門と直之は、高瀬と同じ方言を使う者を間者とみなし、本陣へ連行する。そして万千代は、高天神城の水切りに成功して二万石の加増となった。万千代は井伊谷の安堵を最早望んではおらず。また六左衛門と直之を家来にしようとしていた。そんな折高天神城から、降伏の矢文が来たことを常慶が伝えに来るが、最終的には武力を使うことになる。
敵を味方にする家康の策を知ったおとわは、政次を忍びつつ竜宮小僧の井戸に行き、直之がいるのを見つける。直之は自分は井伊谷の番人になる、殿が女子であったこと、その井伊谷が潰れ、ならば自分が万人になると決めていた。しかしおとわの、戦をせぬという戦が自分の弔い合戦であるという言葉にうなずく。そして武田勝頼は追い詰められ、天目山の戦いで自決する、その首は晒し首にされ、織田方の武将たちによって、かつての武田領が支配されることになる。そして駿河を統治することになった家康は、三つの盃に酒を満たし、妻子を弔った。
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今回の疑問点です。
例によっておとわの「戦無き世」、この時代にありえない話です。これについては次の投稿で詳しく 高瀬と同じ方言即ち武田領、すなわち間者。単純すぎ おとわがまた尼姿で、父兄参観よろしく横須賀城に来るのが不自然 家康の「降伏を促す」「敵を味方に」は、戦国時代の包囲戦であれば珍しくない話なのに、それに反応してみせる万千代は今まで何を学んでいたのか 直之のセリフが、何かこれまでの辻褄を合わせたような長口上なのがおかしい 天目山の戦いまでの展開が端折りすぎ しかも勝頼が洞窟のような所にいるが、どう見ても、関ヶ原敗走後に身を潜めていた石田三成に見える ご丁寧に晒し首、本当に生首の好きな大河ですね あと3回ですが、段々録画視聴も苦痛になって来ました。あらすじがもう少し簡単になるかもしれませんので、その点ご了承ください。以前から朝ドラ的という表現を使っていますが、これ朝ドラにしたら、すべての場面がそれなりに決まりそうです。しかし大河として観ると実に緩い。あと上杉祥三さん、『風林火山』の「おのれおのれ」の高遠さんが、織田方の水野忠重役で登場していましたが、明智光秀役の光石研さんといい、『風林火山』出演者が、ちょい役、あるいは数回登場といった感じで出ていますね。(橋本じゅんさんを除く)
ところで『風林火山』関連でもう一つ、この高天神城攻めが志賀城攻めと重なって見えます。要は家康が降伏させ、使者を立てて開城をと主張するのに対し、信長は武力を使えと言う。志賀城は、勘助が降伏を望むのに、晴信は総力攻めじゃと言い、美瑠姫が小山田信有に助けられることになります。そういえば勘助の内野聖陽さんは、『真田丸』の家康ですが、あの時の家康は高遠にまで攻め込んで来てもいました。今回『風林火山』で、高遠頼継を演じた上杉さんを出したのは、『真田丸』の高遠での家康とも関連付けているのでしょうか。
それと『風林火山』第35回の紀行で、久能山東照宮が紹介されていました。この紀行の最後の部分に、家康が駿河を取るといったナレがありましたが、だから今回は高天神城で、駿河を取る設定なのかなともついつい思ってしまいます。時代背景もあるにせよ、やけにだぶる気がするので。
それにしても南渓の天下布武発言、もう少しでどうのこうのと、何やらこの時点で、その後の世界を知っているが如き物言いです。和尚はタイムスリップして来た人物なのでしょうか。
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