今日はまずこちらからです。岡崎と浜松の対立が深刻になって行きます。しかし、もう主人公を絡ませず、徳川と織田だけで展開した方がよくはないでしょうか。
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家康暗殺を企てた近藤武次が、信康の家臣の縁者だったことが判明し、信康の家臣たちに、城下に住まず領地に戻るようにとの処断が下される。自らを責める信康は、功を挙げることで汚名挽回を図る。しかし酒井忠次は、信康を許すのに乗り気でなかった。一方で家康に息子の長丸(後の秀忠)が生まれ、万千代は命じられて岡崎城に知らせに行く。信康には嫡子がおらず、これに不安を感じた瀬名は側女探しを始め、おとわに手紙を送るが、おとわが徳川家の事情を知ったのは、瀬戸方久の言が決め手であった。その頃織田信長は、信康の正室で娘の徳姫からの書状により、側女探しのことを知る。
その頃信長の家臣、明智光秀が岡崎城を訪れて、信康に従五位下の官位を貰って、箔をつけることを勧める。しかし信康は何か危うい物を感じ取り、丁寧に断る。その後安土城が完成し、酒井は祝いに訪れるが、その時信長と明智光秀から、信康と武田が内通している証拠を突きつけられ、更にこれは浜松の指示かと問い詰められる。酒井は圧倒され、まずは調べてと安土を後にするが、家康はこれに怒る。織田に取って徳川は、大きくなりすぎては困る存在だった。しかも信康の側女はかつて武田とつながりがある人物だった。家康はこれで悩むが、母の於大の方が家康を訪れ、信康を斬るように命じる。
ある日化粧をしている瀬名の許へ、南渓と尼頭巾姿のおとわが訪れる。還俗したのではないかと問う瀬名。おとわは外を歩き回っても怪しまれないように、わざと頭巾をかぶっており、その場で取ってみせる。安産祈願のための訪問だったが、その時騒ぎが起きる。榊原康政がその場にいて、内通の疑惑により、信康を処刑すると言明する。ならば傅役の私がと身代わりにと、平岩親吉は言うが、信康は必ず戻って来ると言ってその場を後にする。そして今川氏真の許には、松下常慶が密書を持って訪れていた。その密書は扇で、炙り出しにより文字が浮き出る仕組みになっていた。それには徳川からの協力要請が記されていた。
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この回は徳川のシーンが長かったせいか、結構面白いという評価もあったようです。しかしそもそもこの大河は、おとわ絡みの創作シーンが多いため、たまに普通の大河ドラマ的なシーンが登場すると、面白く見えると言った方がいいのかもしれません。では今回の疑問点です。
相変わらず家康が家臣にサポートされている印象あり、しかもこの大河にありがちなことですが、信康処刑に至るまでの苦悩が描かれていない。むしろ、信康の方が自分で決断しているように見える。 瀬名も家康に側室がいること位知っていたでしょうに、男子が生まれて急に騒ぐのはちょっと要領を得ません。こういう確執は何回かかけて描くべきなのに、急に展開してくるからなおおかしい。 織田信長の服装がおかしい。元々の魔王スタイルがさらにエスカレートした感じがあり、カーテンか緞帳で作った衣装に見えてしまいます。いくら何でも、畳の上でブーツはありえないでしょう。 明智光秀と平岩親吉が年取りすぎ。しかも光秀はどちらかというと、白髪でなくて「金柑頭」だし、この頃は丹波攻めではないでしょうか。親吉はこの時まだ四十前で、小田原征伐に参戦しているはずなのですが。 瀬名が側室探しでおとわに手紙を送るのも何かおかしい。他に人脈があるはずでしょう。主人公を出すために必死だなといった感じです。 そのおとわが、外出の時は便利だからと尼頭巾というのもご都合主義な展開。さらに何度も書いてはいますが、農婦なのに打掛を羽織るのも変。 それから今川氏真への密書が炙り出しになっていますが、炙り出しは確か江戸時代からではなかったでしょうか。 竜宮小僧改め今度は「鬼ばばあ」ですか。この辺が朝ドラ的なんだなあ…。 そして於大の方役の栗原小巻さんですが、元々しっかりした顔立ちだからでしょうか、何かいかつく見えますね。それから信長が文鳥を撃つシーン、愛知県で白文鳥が繁殖されていたことにちなむのでしょうが、文鳥も確か、江戸時代になってから紹介されたといわれています。あと瀬名の紅が少ししか残っていないことが示唆的ではありますが、何か本末転倒です。こういうシーンに気を配るのなら、主人公の設定や、藤の花の作り物感もどうにかしてほしいものです。
それと『風林火山』と似通った点についても、これまで何度か書いていますが、今回は太郎と信康がそれぞれ「不幸な嫡男」という点でしょうか。尤もこの2人は、結構似通っている所があるにはあります。
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