今回はまず過去の女性、あるいは夫婦を主人公にした大河の中で、大河で面白かったもの、あるいは大河でなくてもよかったものについて、書いてみようと思います。ただしDVD発売、あるいは総集編のみであっても、再放送が行われた作品に限っています、1967年放送の『三姉妹』はDVDが発売されていないので除外、また現代物も今回は除外しています。また総集編のみ、あるいは一部のテレビ再放送のみで観た大河には(*)をつけています。
大河で楽しめた作品
草燃える(*)
おんな太閤記
春日局(*)
毛利元就
功名が辻
篤姫
八重の桜
大河で楽しめなかった作品
花の乱
元禄繚乱(*)
利家とまつ
天地人
江-姫たちの戦国-
花燃ゆ
おんな城主 直虎
まず大河で楽しめた作品の方です。女性メインでありながら、男性の活躍も描かれているというのが主な理由です。『毛利元就』に関しては、結構男性パートと女性パートが分かれているところもあり、男性パートは結構楽しめました。それと、宮本信子さんの妙は結構よかったです。『功名が辻』は、主人公がやけに反戦的で、その意味で戦国らしからぬところはありましたが、秀次事件などはそこそこ描かれていたので、何とか合格。雰囲気的にはホームドラマ風で、翌年の『風林火山』とは、OP、本編共々かなり違った印象でした。
そして大河で楽しめなかった作品。『花の乱』は応仁の乱前の様子を描いていて、その意味では貴重なのですが、反面馴染みの薄い時代、公家風な雰囲気のある室町将軍ということで、いささか迫力に欠けたと見られた嫌いがあります。『元禄繚乱』は一番新しい忠臣蔵作品ですが、大石内蔵助夫妻の雰囲気がちょっと今一つ。今までなかった物を盛り込もうとして、いくらか失敗したようにも見えます。『利家とまつ』も、色々脚本やキャストを変えてみた結果、それまでの大河ファンが離反したようにも感じられます。『天地人』以降はいわずもがなです。
元々男性大河と女性大河を分けるべきなのかという疑問に加え、その女性大河のジャンルの半分以上が、少女漫画的なネタになっていることを思えば、最早存在そのものが否定されても致し方ないところです。
無理して大河にしなくても、土曜時代ドラマやBS時代劇などで十分作れるし、 そちらの方が大幅にアレンジしても、批判は少ないわけです。以前も触れたと思いますが、まずこういう番組でドラマ化し、反響が大きければ、その後手を加えて大河化することもできるのです。
そして大河の主人公というのは、やはり限られます。今年のように、統括のプロデューサーが、いくらこの人がいいと思っても、50話を作るのは無理がある人物もいるのです。なぜそこで、BS時代劇の企画が持ち上がらなかったのか、その点が如何にも不明です。自治体レベルで地元の英雄を大河化という声もあるでしょう。ならば群像劇にするしかありません。
実際次に戦国大河をやるのであれば、最上、上杉、伊達と周辺の大名たちの群像劇にしてほしいです。 それとこれは『直虎』第43回のあらすじ&あれこれで、どうせなら万千代が、小姓たちの間でもっと揉まれてもいいのではと書きました。結構海外ドラマなどでも、似たようなことがあります。『ホーンブロワー海の勇者』の第一話で、海尉心得(候補生)の間でもめ事が起こり、決闘することになりますが、
こういう男性の精神的成長のようなものが、特に最近の女性主人公物では描かれないなと思います。脚本家の人選もあるのかも知れませんが。
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