あまりにも面白味に欠けた第40回「天正の草履番」(サブタイがそもそもあれですが)について、こういう感じなら楽しめたという感じで、リメークしてみようと思います。実は小説ブログでやっている方法なのですが、主人公の出るシーンを多少削り、戦関係も盛り込んでみました。尚万千代と万福は最初から小姓の設定で、他の人物の設定もかなり変えています。
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おとわは南渓から、万千代が松下でなく井伊を名乗っていることを知らされた。実はこの件は南渓が焚き付けたものであった。万千代の実母しのもこのことで龍潭寺を訪れ、夫がひどく悩んでいると打ち明ける。おとわ自身、井伊家再興の気持ちがないわけではなかったが、近藤康用の手前遠慮せざるを得なかった。
浜松で万千代に会いたいと思ったおとわだったが、元領主である以上、勝手に井伊谷を離れるわけにもにも行かず、浜松城へ手紙をやり、松下に戻すよう諭すことにした。手紙は、龍潭寺を訪れていた松下常慶が届けることになった。常慶も、このことで頭を悩ませていた。
万千代はその手紙を読もうとはしなかった。そこで万福が代わりに読んだところ、やはり自分が思っていた通りだった。万千代もこれで悩むようになり、家康の側近の一人である本多平八郎(忠勝)に不審がられて、思い切ってこの件を打ち明けることに決めた。
忠勝はこれを家康に伝え、家康は龍潭寺宛てでおとわに手紙を送った。それには、没落した井伊家の出身であるがゆえに、他者に揉まれて逞しくなるであろうということ、そしていずれ元服させ、戦に連れて行く予定であるといったことがしたためられていた。家康は常慶にも同じ手紙を持たせ、源太郎としの夫妻もこれに同意した。
実際家康は、次の戦の準備に追われていた。その目的は、失われた駿河と遠江の所領を取り戻すことにあった。まず、武田に付いていた奥平貞能と子の貞昌を帰参させ、自らの娘である亀姫と貞昌を目合わせた。さらに武田勝頼との戦に備え、奥平父子に長篠に城を築かせた。
その頃京には、今川氏真が滞在していた。またその前年、室町幕府を事実上滅亡させた織田信長も、従三位参議に叙せられて京にいた。信長はさらなる難敵である一向一揆を抱え、しかも徳川家康の失地回復のことも考えていた。それはほかならぬ、武田との直接対決を意味していた。
氏真は幕府の消滅を受け、今川家を復興するために、公家たちに働きかけていたが、そんなある日蹴鞠の会に誘われる。しかも信長がその場に臨席するというのである。信長自身は蹴鞠には興味がなかったが、公家との付き合い上やむを得なかった。父の敵で、今や天下人となった信長が来るということで、氏真はあることを考え付く。
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しかし思うのですが、おとわが直虎の頃から領民のため云々と言ったり、万千代が井伊再興をと言ったりしていても、何ら具体性が感じられません。これは『天地人』、そしてやはり『花燃ゆ』などと共通するものですが、何か底が浅いというか、聞こえのいいことを言っている割に、それがどう実現されるのかがよくわからないわけです。『天地人』の「愛」なども、恐らくはその典型でしょう。むしろ最初からどうなるかがわかっている大河の方が、より深く入って行けるものがあります。
それから視聴率について。普段はあまり触れないのですが、最近の数字を見る限り、この大河も安定の超低空飛行のようです。BSではどうなのか知りませんが、地上波では11パーセント台のようで、戦国物は他の時代より全般的に高めということを考えれば、実際は『花燃ゆ』とさほど変わらないような気がします。むしろ戦国物としては最低視聴率の可能性もありそうです。NHKはこの数字から、何を学び取ることになるのでしょうか。
ところで先日の『風林火山』再放送は、上田原の戦いの回でしたが、戦闘シーンが素晴らしい。間に合わせでなく、ちゃんとロケをして撮影しているので、かなり臨場感がありますし、また板垣信方役の千葉真一さんの殺陣もいいです。やはり戦国大河であれば、ところどころに合戦シーンを盛り込んでほしいものです。それとやはり、どうしても2年連続で戦国をやるのであれば、登場人物ができるだけ重複しないようにすることでしょう。その意味でも今年は失敗したようです。
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