政次亡き後、直虎は現実から目をそらそうと、一人龍潭寺の部屋に籠って碁を打ち続けるようになります。その一方で北条が武田に参戦し、徳川は窮地に立たされますが、瀬戸方久から武器を調達し、中村屋与太夫に話をつけて船を徴用し、堀江城主大沢基胤に対して反撃を開始します。これにより、今度は龍雲丸たちが窮地に陥ります。
まずあらすじからです。
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川名の隠し里にいたなつや祐椿尼に、政次の訃報が届けられた。気丈に振舞うなつ。そして直虎は龍潭寺の一室に籠って、碁を打ち続けていた。近藤にどう対処するべきか、今宵来るはずの政次と話し合うと言う。政次はまだ、直虎の中では生きていることになっていた。直虎は、受け入れがたい現実から逃れようとしていたのである。
そして徳川は井伊谷三人衆と共に引間城へと進軍し、氏真が逃れた掛川城を落とす予定でいた。粘る今川を抑えつつ、掛川へ向かう作戦をとることにした徳川家康のもとへ、調略に携わっていた松下常慶が戻って来た。常慶は鉄砲を手にしていた。軍事物資を調達したいという商人がいることを知った家康は、その商人を連れて来るように言う。それはあの瀬戸方久だった。
その頃龍雲丸は龍潭寺を訪れ、直虎の姿に驚くものの、あれで幸せなのかもしれないとも思う。直虎は龍雲丸の姿を見たが、記憶を失っているようだった。龍雲丸に、戦に気をつけるようにと南渓。気賀では、既に徳川への内通が始まっていた。徳川が信用できるかどうか疑問を抱く龍雲丸は、子分たちに逃げ支度を指示した。一方で、直虎の奇行はまだ治らなかった。
年が明けて永禄12(1569)年、三国同盟の崩壊から北条が参戦し、徳川を苦しめた。堀江城主大沢基胤は堀川城を攻め、方久たちはどうにか逃れるが、多くの者が取り残され、大沢の家臣から、徳川と戦うように命じられる。そして与太夫は徳川につくと言った。龍雲丸たちは城の隠し港から逃げようとする。しかも彼らは、大沢の兵に引っ立てられる気賀の住人を目にしていた。
龍雲丸は堀川城の灯を落とし、大沢軍を撹乱する。そして気賀の民を逃がすべく、隠し港に誘導すると、そこに中村屋の船団がやって来た。しかしその船から矢が放たれる。方久と徳川についた与太夫は、家康から民を逃がし、大沢の首を取るという目的のために、船の徴用を命じられたのだった。しかし指揮官である酒井忠次の作戦は冷酷で、民を助けずにそのまま攻め落とすという方法だった。
そして直虎は、三人衆の一人、鈴木重時が持参した碁石と辞世の句により、初めて我に返る。現実に引き戻される直虎はその後眠ってしまい、夢の中で、龍運丸によく似た男を殺そうとしていた。飛び起きた彼女のもとへ、今度は方久がやって来る。気賀が徳川に襲撃されたことを、知らせに来たのだった。
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ということですが、何やら少女漫画的展開です。要は政次がいなくなって、その喪失感から引き籠ったわけですが、自分が手に掛けておいてそれはないだろうと思います。意図的に引き籠って、自分に有利な情勢になるまで待っているようにも見えます。直虎は、直親やその他の井伊の男たちがいなくなった後も、同じような状態になっていますが、戦国の世に、何とも甘い考えであるといわざるをえません。
また方久や龍雲丸の登場も、絶妙のタイミングというか、実に都合よく出て来ている感じです。要は、最初から彼らの存在を念頭に置いているわけですから、当然といえば当然ですが、その一方で、肝心の徳川家康のキャラが未だ完成していないように見えますし、武田信玄も出て来る様子がありません。信玄はともかく、家康がここまで描かれなくて、どうやって虎松の仕官に持って行くのでしょうか。
それと酒井忠次の描かれ方もどうかと思うし、オリジナルキャラをここでどんどん退場させて行くのもちょっと乱暴でしょう。直虎とその周辺はかなり甘めに描かれているのに、いっぽうで殺戮とか生首とかを平気で持ち出したり、政次や龍雲丸との疑似恋愛のようなシーンを長々と出したり。最近の大河に必ずしも当てはまるかどうかは別ですが、大河とはもう少し品のある物ではなかったのでしょうか。
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