ざっとですが、シーズン11の第9回「森の中」、第10回「猛き祈り」(実質2回分で1エピ)を観直したので、あらすじを書いておきます。
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非番の日、甲斐亨はキノコ狩りに行った先で瀕死の重傷を負い、病院に収容された。知らせを聞いて病院に駆けつける悦子。通報は公衆電話からのもので、しかも通報者は名を明かさなかった。そして甲斐の手には、女性の髪が絡まっていた。杉下と捜一トリオは、現場に最も近い公衆電話を見つけ、さらにキノコ狩りの場所の近くに、入り口に馬と鹿の浮彫がある、まろく庵という家を見つけて事情を聞きに立ち寄る。
その家の住人たちは身に覚えがなく、甲斐のことも知らない言う。杉下は手洗いに立つふりをして、ある部屋へ忍び込み、中が空洞になった竹筒を発見する。さらにその部屋には、この家のかつての主の写真もあり、ワゴン車には新しい傷があった。今はその人物、伏木田辰也の娘真智子と、それ以外の人物が共同で生活をしていた。その中の最年長者である生方は、来るなら捜査令状を持って来てくれと一喝する。
甲斐は記憶を失っており、杉下や捜査一課の面々も、悦子のこともよくわからないようだった。また父親である甲斐峯秋は、すぐさま病院に駆けつけるふうでもなかった。そんなある日、まろく庵の住人の一人である坂口が、見舞客を装って甲斐の病室に入り込み、彼を殺そうとする。しかし記憶を失った甲斐には、その人物が誰であるかわからず、難を逃れることができた。
まろく庵に捜査が入った。生方、真智子、そしてやはり住人である、長尾恭子の3人は示し合わせ、甲斐が恭子を襲ったため、生方や他の男たちが甲斐を痛めつけたのだと話す。しかし杉下、甲斐がむやみに人を襲うような男ではないことを知っていた。甲斐の言葉にあった鈴の音に、ヒントがあると杉下はにらむ。またまろく庵の住人の男たちは、前科がある者ばかりだった。刑事部長内村と参事官中園は、そ知らぬ顔で彼らに捜査を続けさせる。
峯秋はこの事態を憂える。その後甲斐の記憶はわずかに戻って行った。病室に来たのが坂口であることもわかり、また、自分が襲い掛かった人物が、恭子であることも明らかになる。また、真智子が甲斐を車に乗せて通報したことも明らかになったが、どう考えても真智子だけで甲斐を車に乗せるのは難しかった。恐らくこれは真智子と恭子が2人で乗せて、恭子が後部座席で、甲斐の様子を見ていたと考えられた。
途中甲斐は正気付くが、まだ暴行が続いていると思い、目の前の恭子に反射的に飛びかかった。このせいで恭子の髪が甲斐の手に絡みつき、首を絞めた後が残った。しかしこの騒ぎでハンドルを切り損ねた真智子は、車をぶつけ、そのはずみで甲斐は頭を打って昏倒したのである。しかし、なぜまろく庵の住人たちは、その事実を隠したかったのか。それは甲斐が、彼らの触れられたくない秘密に触れたためだった。
表向きは伏木田辰也はガンで闘病生活を送り、入院せず医師の往診を受け、半年前に死亡して、死亡後は内々で葬儀を済ませたことになっていた。実際、やせ衰えた彼の姿を目にした者もいた。この推理を話す杉下に、それは空想だと生方。そこへ角田が現れ、往診した医師も、葬儀を執り行った葬儀屋や僧もいないことがわかる。実は彼は多くの人々の死を嘆き、即身仏となるべく体から脂肪をそぎ落とし、地中の棺に入って、まだ生きている証に鈴を鳴らしていたのである。
甲斐はキノコ狩りに来て、たまたまその鈴の音を耳にし、空気を送り込む空洞の竹筒を見つけて、不審に思っているところを生方に見られた。まろく庵で彼は、個人としては理解するが、違法行為であると話す。これは杉下も同じことを言った。そして庵の住人たちは、このままではまずいと思い、彼を半殺しの目に遭わせたのである。この件で住人たち全員が、事情聴取を受けることになった。一方甲斐は、順調に回復して行った。
そんな彼の病室を、和服姿の老人が訪れた。その老人は即身仏になった伏木田辰也だった。しかし甲斐はそもそもこの人物に会っておらず、その時まで写真を見たこともなかった。それは幽霊ではないかという杉下。その後杉下が花の里にいると、峯秋がやって来た。息子に取って、これは潮時ではないかと話す峯秋に、杉下は、甲斐が仕事に復帰する意志であることを伝える。
その後例の森を二人が訪れるが、伏木田辰也が入定した場所は甲斐にもわからなかった。探し回る2人の前に真智子が現れ、甲斐に謝罪する。その場所の目印になるような物はすべて外したと真智子。そして、3年3か月後に掘り起こすので、その時にまた会いたいと告げて去って行く。杉下は、恐らくその時まで遺体は見つからないだろうと言った。
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この2つのエピで、伏木田辰也の娘、真智子を演じているのが、『風林火山』の由布姫役の柴本幸さんです。1シーズンに1度は出て来る、山間の村で起こる事件的な内容ですが、なかなかシリアスでもあり、何やら奇々怪々たるものもありました。ところでまろく庵の住人、生方を演じていたのは山本學さんですが、こちらは『直虎』の甚兵衛のような善良そうな人間ではなく、何やら複雑なものを抱えて生きる人物といった雰囲気がありました。
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