行く先々で仕官を断られ、しかも武田信虎を討つ野望に燃えている勘助は、平蔵が縁で真田幸隆の食客となり、幸隆から見込まれて、2人で海ノ口城に向かいます。その海ノ口城で勘助は知恵を授け、雪も降って来たことから、武田勢は引き上げざるを得なくなります。恐らく軍師がいるとにらむ晴信。そんな中晴信はしんがりを申し出、引き上げたと見せかけて奇襲を行い、見事海ノ口城を落とし、しかも即座に撤退を始めて、今度は勘助が驚くことになります。
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勘助は平蔵と共に、真田幸隆の書状を持って海ノ口城に行き、城主平賀源心に目通りする。武田の戦いぶりを見極めるのが目的だった。この牢人者が、兵法に通じた者であることを知った源心は、城についての感想を勘助に問う。この城は堅固ではあったが、勘助は合戦を前に、泥を塗るように具申する。渋る源心に、火矢が刺さった時の燃焼を防ぐためだと言う勘助。そして武田勢は、その海ノ口城を目指して進軍していた。
信虎は、この城は総攻めで、3日で落ちると踏んでいた。女子供を捕虜とし、他は撫で切りにすることで、信濃の国衆たちを脅かすつもりでいたが、予想外の反撃に遭い、しかも火矢を放っても城は燃えなかった。初陣の晴信は、雪が降り始めるのを気にしていた。実は源心も、同じことを考えていた。雪で動きが取れなくなり、武田勢は撤退することになると読んでいたのである。しかし源心も勘助も、井戸の水脈を絶たれる危険があることを感じており、甕や壺に水を張らせ、城が建つ山の斜面のところどころに埋めさせた。
勘助が水の様子を調べたところ、表面に波紋があったことから、武田の金堀衆が、水を断つために地下を掘っていることがわかった。しかし掘り進んで行く内に、急に土砂崩れが起き、平賀勢が矢を放った。武田方の教来石景政は反撃に及んだが、矢を射られたうえに藁を投げ込まれ、煙の中を引き返した。意外な事態に信虎は驚く。そして晴信は、この城には相当な軍師がいるとにらんでいた。その後雪も降り始め、武田勢は陣を退かざるを得なくなる。そんな折、晴信は父信虎に、しんがりを務めたいと願い出る。
雪で敵の追い討ちがまず予想できない時に、しんがりの栄誉をほしがる晴信を、信虎は小馬鹿にしたように笑う。退却して行く武田勢を見ながら、勝利の喜びに浸る源心だったが、勘助は追い討ちをかけないと、また春になって武田が攻めてくると忠告する。しかし源心は、疲れた兵たちを休ませたいうえに、うつけとして知られる晴信が、しんがりとはいえ引き返すことはないと多寡を括っていた。また、大井の援軍も城を去って行ったが、相木軍は留まった。
しかし、退却したと見せかけた晴信は、途中で馬を止め、兵たちを休ませて酒を振舞った後、海ノ口へ引き返した。しんがりは形ばかりで、はじめから引き返して奇襲するつもりだったのである。援軍も去り、不意を突かれた海ノ口城では、源心はじめ全員が奮闘するが、なすすべもなく敗れて行った。この時平賀夫人は自刃し、戦の行方を気にしていた娘の美瑠姫は、やはり自刃しようとしていたものの相木市兵衛に止められる。
結局晴信は兵300で海ノ口城を落とした。父信虎の8000の兵に比べたると微々たる数であった。しかしその後城に入った晴信は、即座に退却を始めるよう板垣信方に指示する。晴信に付き従っていた板垣は、それではお屋形様が喜ばれませぬと止めるが、晴信は、父を喜ばせるためのものではないと答える。そんな晴信主従を、天井裏からのぞき見る勘助と平蔵。しかしその時平蔵が弓を引き、晴信に矢を放ってしまう。
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昼にこれを観て、夜に『おんな城主 直虎』を観ましたが、どうもこちらを夜に持って来た方がいいのではないか、そう思ってしまうような、スリリングな展開でした。というか、直虎のキャラ設定と、城主編になってからの、朝ドラ的な展開がどうも気になってしまうのですが…こちらについては、また別に書く予定です。しかしじわじわと危機的状況が押し寄せているのに、隠し子の話題で1エピです。井伊谷はまだ平和ということなのでしょうか。
(2017年5月24日修正)
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