あれこれも、もう65回目の投稿となりました。70まで行かせるべきかどうか思案中です。今回は、まず大坂から。
大蔵卿局と牢人たち なぜか急にしおらしくなったと思った途端、やはり「牢人たちは大嫌いじゃ」の大蔵卿局。『真田丸』の終盤、最も注目を集めた人物の一人でしょう。実際の大蔵卿局はここまでではなく、むしろ大野修理と信繁(幸村)の対立を描いた作品が多いのですが、修理=本当は善人、大蔵卿局=本当は善人だけどいちいち反対するうざい存在と設定したのは面白い。しかし「お上様と秀頼様をお守りする」には、牢人たちの力が不可欠なのですが、そのうえで大嫌いじゃなどと言うのが、何とも憎々しい印象ではあります。必要悪と割り切っておけばよかったのに。
壊れた茶々 団右衛門の遺体が担ぎ込まれた城中に、夢遊病者のように現れ、しかも皆こうなるといった意味の言葉を吐く茶々。天守閣に砲弾が撃ち込まれた時もそうでしたが、自殺願望をもはや隠さなくなっているようです。本来茶々は豊臣を守るために、家臣を叱咤激励する役どころではあるのですが、この茶々は周囲の思惑をよそに、戦がどうなろうが、もう取るべき道は決まっているのでしょう。もはや豊臣はどうなってもいいと諦めていたのかも。秀頼の方は、まだどこかの大名になる希望は捨てていないのでしょうか。しかしそれもこの戦に勝つという、きわめて難易度の高い条件付きなのですが。
徳川と上杉 かみ合わなさそうでいて、何となくかみ合いそうでもある、古い戦友といった趣のこの二人。この戦に大義がないとお屋形様はいつもの口ぶり、それに対して大御所の腹の内はといえば、恐らくこうではないかと。
豊臣を滅ぼすのが儂の大義じゃ、しかしお主にはわかるまいのお…。
ところで上杉のお屋形様、今回は一人での登場ですが。いつも兼続とセットなのに珍しや。まあこの場では、兼続の出る幕はないのも事実ですが。それにしても「義」と「理想像としての信繁」、心理学的に見ると、何やら非常に興味深い人物ではないかと思われます。
間者与左衛門 九度山からついて来た九兵衛が戦死、そして江戸から作兵衛について来た与八も、見てはいけないものを見たせいで、命を落としてしまいます。あの時見て見ぬふりをしておけばよかったのに…与左衛門が間者であること、やはり知らなかったのでしょうね。しかし与左衛門も、やはりなかなか只者ではないようです。いきなり口を塞いで火箸で刺すなど、普通の人間ができる技ではありません。なにやら出浦昌相を連想しますが、最終回は出浦さん出て来るのでしょうか。
信繫ときり ついに、信繫と結ばれる「影の主役」きり。最初は梅、次に茶々、そして春と自分の前に立ちふさがるハードルを何とか乗り越え、やって二人だけになれてよかったねと思いきや
「あと10年早かったらよかったのに」
いや、これが彼女の身上でしょう。ナレが少々長すぎた感があるのが残念。とはいってもナレ退場というのではなく、最終回にも出て来そうな予感はします、千姫を秀忠の元に送り届けるように言われているし-しかし、彼女で大丈夫なのでしょうか。
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