本題に入る前に。先日クランクアップしたこの『真田丸』、肝心の最後のシーンは未公開とのこと。どのような仕掛けが隠されているのでしょうか。あるいはパペットホームズの最終回のような、これからまだ続きがありますよといった展開の可能性もありかも。
第42回「味方」とパペットホームズの共通点ですが、まずあらすじでも書いた通り、一人部屋と二人部屋の違いからです。当初、信繫(幸村)は秀頼の意向ということで、一人部屋、しかも寝室は別という待遇でした。これは馬廻り役という、秀吉の直参であったことも無論関係していました。しかしその件で、後藤又兵衛が信繁本人に苦情を呈し、結局二人部屋を願い出ます。
信繫は長宗我部盛親と同室になります。実は盛親は、部屋が広すぎるので不安を感じており、信繫が来たことを喜んでいました。こういう展開も三谷さんらしいといえます。一方又兵衛は明石全登が同室、キリシタンである全登が、主の祈りを唱えることにストレスを感じています。これは一人部屋二人部屋云々より、誰と同室であるかという問題ともいえそうです。又兵衛も盛親と同室なら、そこまで気にならなかったのかもしれません。(盛親は気になったかもしれませんが)
パペットホームズでは、4つの寮のうちアーチャー、ベイカー、クーパーの3つの寮は二人部屋です。(ただし、アーチャー寮の生徒で女番長のイザドラ・クラインだけは一人部屋です)その一方で、裕福な家庭の子女が多いディーラー寮は一人部屋で、自室には本人の肖像があり、ベッドも天蓋付きであったりとかなり豪華です。ホームズの兄マイクロフトもこのディーラー寮で、生徒会長らしく、部屋にはタイプライターもあります。
マイクロフトがディーラー寮で、弟のシャーロックがベイカー寮なのはなぜなのか、パペットホームズの中でアイリーン・アドラー先生が指摘する場面があります。ホームズは明確な回答を避けますが、何か理由がありそうです。ホームズの家も、ビートン校の理事を代々務めるような家柄ですが、恐らくは敢えてディーラー寮に入らず、ベイカー寮を選んだということなのでしょう。
実は、信繁が一人部屋から二人部屋に移るシーンで思い出したのが、このシーンです。尤もこちらは又兵衛にいわれたせいもあり、今後のために敢えて相部屋を選択したわけですが。また、大野修理がこちらの部屋だと案内するところも、「バスカーヴィル君と犬の冒険」で、バスカーヴィルがワトソンを自室に案内するのとちょっと似ています。これは中の人が同じということもあります。
それから空の御文庫に信繁が立ち尽くすシーンは、これも学校を去る前、生活委員に追われるホームズが、保健室のドアの前で立ちすくむシーンを連想させます。この人だけはと思っていたアドラー先生が、不在であることに動揺し、何度も保健室を訪ねるホームズと、かつて治部や刑部と過ごした御文庫が、全く違う姿になり、どこか寂しげな信繁とはどこか似ています。
アドラー先生といえば、パペットホームズでは保健の先生であり、家康の薬を調合する阿茶局にそのイメージが重なります。この阿茶局も、家康に対して歯に衣着せぬ言葉をぶつけ、「怖いおなごよ」と言われるわけですが、アドラー先生がホームズたちのみならず、恋人のノートン先生、果てはオルムシュタイン校長にまで思い切った言葉をぶつける点とそっくりです。
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