では第41回「入城」のあらすじです。結構この回にも、あれこれ面白い要素が散りばめられていますが、それは後ほど。それから信繁が幸村と改名していますが、今回は一応信繁とし、必要がある時に幸村を入れることにします。九度山を脱出し、大坂城入城を決めた信繁ですが、どうやって姿を暗ますのでしょうか。
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信繫は大坂入りを決め、春や内記、きり、そして佐助に九度山脱出計画を告げる。その一方で大坂城には、既に各地から牢人たちが集まっていて、元黒田家家臣、後藤又兵衛や、豊臣家家臣の毛利勝永もその中にいた。彼らは城内に入って木村重成に名を名乗り、引き換えに大量の小判を手にして、豊臣軍に名を連ねていた。そして駿府では、豊臣家が牢人を募集している件を、本多正純が家康に伝えていた。
家康は、牢人どもも所詮は烏合の衆であると一蹴し、秀頼ももう少し大人しゅうしていれば、一大名で追われたものをと口にする。実はそういう秀頼こそ、家康の望むところであった。しかも豊臣家は、片桐且元がいなくなり、大野修理(治長)がすべてを一手に引き受けていた。さらに家康は、真田はどのようになっているかと正純に尋ねる。今のところ大坂入りはしていないと答える正純に、見張りを増やすよう家康は命じる。
江戸の真田屋敷では、すえが夫となる石合十蔵と共に伯父の信之に会っていた。作兵衛の乳を吸っておった子がと、信之は感慨深げだった。そんな折河原綱家から、将軍秀忠が大坂へ出陣する旨を聞いた信之は、豊臣の終焉を感じ取る。その信之にはもう一つ悩みがあった。こうの子信吉と、稲の子信政のどちらを嫡男にするかだった。剣術は信政の方が優れていたが、信吉の方が年上であり、こちらは信政相手の稽古でケガをしていた。
それぞれの母たちは息子たちを叱った。稲は、信吉が落とした木刀を、信政が足で向こうにやったことを戒め、こうは、ケガをするのは信吉の不覚が招いたことであると諌めた。そして父である信之は、息子たちを大坂に遣って、自分は体の不調から残ることを決めた。これは、息子たちに自立してほしいという気持ちもあった。そして稲共々、信吉を嫡男とすることを決める。これにはこうが大いに喜んだ。
そして見張りが増えた九度山に、竹本義太夫が訪れる。その日は村人の労をねぎらうために、宴が催されており、竹本も宴席に加わる。竹本の前で、九度山の暮らしが楽しいと語る信繁に、村人九兵衛が、なぜ大坂に行かないのだと問い詰める。信繁はそれには答えず、宴で雁金踊りを披露する。しかしこれこそ、九度山脱出の策であった、踊っていた信繁や春、内記にきり、そして佐助は次々にその場を去り、二度と戻っては来なかった。
竹本はしばらくの間宴を楽しんでいたが、やがて注がれた酒を口にして、それが米のとぎ汁であったことから、謀られたことを悟る。長兵衛が、この先の廃寺を探そうと言い出すが、行ってみた寺には誰もいなかった。高野山だから寺は多いととぼける長兵衛に構わず、竹本は従者と信繁たちを追う。その信繁は九兵衛の案内で山を下り、京に入った。信繁の九度山脱出を知った家康は、大坂入りを阻止すべく、服部半蔵を上方へと向かわせる。
半蔵は佐助ともみ合いになるが、そこへ信繁たちがやって来たため、戦うふりをして逃げ出してしまう。そして信繁はきりに手伝わせ、徳川方を欺くため、老人に変装して大坂入りをすることに決める。大坂城入りした信繁は、既に入城していた牢人たちの好奇の視線を浴びながら、厠に行き、変装を解いて裃姿になった。そして、木村重成の前に進み出て幸村であると名乗り、秀頼への目通りを許される。
秀頼から、徳川を二度にわたって撃退したのはまことかと聞かれ、それは父の安房守と訂正する大野修理を尻目に、自分であると答える。さらにその場で、10万の兵を養うにはそれ相応の兵糧が必要であること、既に大坂城下の米を買い占めているという修理に対し、堺を抑えて米を買い占めることを提案する。信繁の入城を喜ぶ秀頼。その後信繁は大蔵卿局と会い、そして茶々にも久々の対面をする。
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今回興味を引いた点をリストアップしてみると
真田家の人物が踊りながらいなくなるのに『サウンド・オブ・ミュージック』を連想 秀頼がもう少し凡庸であれば生かしておいたというのは、確かに家康の本音かと 家康が何度も真田家を口にするのは老いのせいか、それとも忘れられぬ仇敵であるせいか 将軍秀忠は「上様」、秀頼は「殿様」の違い 牢人(傭兵?)を雇わせ、米を買い占めさせるのは実は徳川の企み などなどです。「あれこれ」でもう少し詳しく書くかもしれませんが、ここに来て仕掛けが、大坂の陣らしく?多彩になったようにも思えます。無論ホームズ関連もありますし、また九度山での、徳利に入れられていた米のとぎ汁云々にも、あることが含まれているように思えます。
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