では、『真田丸』『天地人』それぞれの真田信繁(幸村)の描かれ方について、画像での紹介です。真田信繁(幸村)が上杉家と関わるのは
上杉家の人質となった時
大坂の陣
この2つであると思われます。尤もこの両方の作品では、それ以外にも、上杉主従が上洛した時に会う、あるいは『天地人』で、幸村の義姉である初音が実家から命を狙われ、それを兼続が助けるといったシーンでも、それぞれ上杉/真田の顔見せがありました。
まず今回は上杉の人質となるシーンです。これは以前「
真田丸「人質」と天地人「真田幸村参上」との比較 」でも書いていましたが、『天地人』で幸村が普段着のまま景勝に目通りしているのは、人質に行くということの意味を考えると、流石に無理があると思われます。
『真田丸』では、信繫と供の三十郎が、それぞれ素襖を着ています。やはり、このくらいの格好をしてしかるべきでは。
それから『天地人』で、兼続が海を見せたいからと幸村を連れ出し、槍紛失の件で説教して、その後「信じている」というシーンも、言ってはなんですが、転校して来て周囲に馴染めないヤンキー高校生と、担任教師といった感があります。そもそも直江兼続とは上杉家の家老のはずです、そんな暇があるのでしょうか。海を見せるのなら、景勝が連れて行ってもいいでしょう。『天地人』では当主である景勝よりも兼続との関係重視で、弟子入りして直江家に住み込むという、人質というよりは食客のようなことまでやっています。
実際『真田丸』では、景勝が信繁と三十郎を海へ連れて行く途中で、例の鉄火起請に出くわすわけです。その『真田丸』の兼続は、信繁に「貧民の力になるだけの余裕は、今の上杉家にはない」と漏らします。こちらの方が如何にも家老らしくはあります。
それから上田合戦の時の具足ですが、『天地人』ではこの時既に赤備えとなっています。うーむ、赤備えは大坂の陣限定だったと思うのですが。
一方『真田丸』の信繁、六文銭の旗を振って相手を陽動するシーンですが、こちらでは赤備えは着ていません。
そして最後に、真田父子です。こちらは『天地人』の昌幸と幸村です。
この昌幸が残念ながら、今一つ表裏比興の人物に見えない。いつも袋から蟹の脚?か何かを出してかじっている、気のいいおじさんにしか見えないのです。『真田丸』で、スルメばかり齧っている平野長泰を連想します。その『真田丸』の真田父子、やはり真田父子といえばこのイメージです。個人的に真田と上杉は、もはや『真田丸』で上書きされているせいもあります。
次は上杉家の描かれ方について書く予定です。
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