まず、先日の「北の関ヶ原5」で、「伊達がなぜ上杉領を攻撃しようとしたのか」を「攻撃したのか」と書いておりました。失礼いたしました。「しようとした」と単に「した」では全然意味が違いますからね、修正しております。さて北の関ヶ原は描かれませんでしたが、関ヶ原後の処理にいささか不満げな昌幸、そして骨を折った信之、上田城の旧城主と新城主の入れ替わりに加え、戦後処理が様々な形で登場します。
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関ヶ原の戦いが一日で終わったことに驚く信幸。そして秀忠軍に勝利を収めた昌幸は、石田軍大敗北を受け入れられず、徳川方の兵の陣を潰しにかかる。しかし既に大坂城が徳川に抑えられ、三成も捕縛されたため、信繫に説得されて、信幸にすべてをゆだねることにする。そして昌幸は徳川方に倒伏し、家康、秀忠と本多正信父子とで話し合いが持たれる。この場で、城攻めの最中に家康からの使いが来たと嘘を言う秀忠。家康は処分は真田の先送りにし、平野長泰を派遣して蟄居を言い渡す。
信繫は山頂が白くなった烏帽子岳を眺め、小山田茂誠に、あの山が三度白くなれば里に雪が降ると言い聞かせる。一方茂誠は、自分が使えた武田、北条、真田が悉く不運な目に遭うのを嘆くが、信繫は、真田はまだ滅びていないと言う。そして信幸は、父と弟を救うために大坂に出向こうとしていた。そこへ舅の本多忠勝がやって来る。彼らは殿に刃向ったと言う忠勝に、敵とて親子であり、兄弟であると言って出て行こうとする信幸。忠勝はその態度に感心し、共に家康に嘆願をしてくれることになった。
上田城に徳川の兵が監視役として入り、蟄居生活が始まる。姉の松は監視の兵の側で、関ヶ原で戦っていないのだから無罪だ、秀忠が勝ってに負けたようなものと平気で喋り、夫の茂誠に窘められる。昌幸は、信長が死んだ頃が一番楽しかったと言い、またこれからどうなるかと信繁に尋ねる。信繁は兄上次第だと答え、恐らく改易は免れず、牢人となることを覚悟していた。そして大坂では、信幸と舅の忠勝が、家康に二人の助命を求めていた。
自分に免じて助けてくれと言う忠勝は、ついには信幸と上田城に籠って、徳川軍相手に討死するとまで言い出す。結局家康は、死罪にはしないことを約束し、その代わりに父との縁を切らせるため、信幸の「幸」の字を捨てるように命じた。忠勝に取っては生まれて初めての徳川への反抗であり、信幸は舅に対して多大な恩を感じる。そして大坂城の西の丸では、大谷屋敷から移された薫(山手殿)、春、そしてきりが人質として生活していた。薫は信幸に会い、涙を流す。
上田に戻った信幸は、領地召し上げと高野山への流罪が決定したことを、父と弟に伝える。しかし高野山は女人禁制なので、山麓の九度山に家族ともども移ることになった。その後、昌幸の領地は信幸が統治することとなり、茂誠は信幸の家臣となり、作兵衛は引き続きすえの保護者に戻り、内記は引き続き昌幸に仕えることになった。出立の前の日、昌幸は病床の出浦昌相を見舞い、信幸に出浦を任せることにする。出浦は佐助の口を借りて、大坂城への攻め込み方を教えるのだった。そして新城主となった信幸は、信「之」と名を改める。
また出立前に、信繫は十六になったすえに会った。今後は信幸に身柄を預けようとするが、すえは自分の父は一人しかいないと答える。それは信繁ではなく、作兵衛だった。翌日、昌幸・信繁父子と内記は上田を発ち、九度山へ向かう途中で二人は大坂城に入って家康に会う。家康は、死罪にしなかったのは、昌幸からすべての物を取り上げて高野山麓に押し込め、生き地獄を味あわせることだと口にし、不敵な笑いを残して去って行く。信繁は片桐且元に呼ばれて、剃髪した寧(高台院)とも会う。
寧との会話の間に小早川秀秋が入って来るが、すぐに立ち去ってしまう。関ヶ原の戦い後、ずっと引き籠っていると心配する寧。その秀秋は廊下で、毛利勝永、明石全登、そして宇喜多秀家の幻を見て逃げ出し、庭先へ転げ落ちてしまう。この秀秋は二年後、不審な死を遂げた。また茶々の許へも且元が行くが、いずれまた会えるとあっさり面会を断る。真田屋敷に入った信繁は、春と再会して、舅の刑部の最後を聞かされる。また加藤清正が三成夫人のうたを連れて来て、三成の最後を知らせる。うたは話しているうちに、「あのお方は豊臣家のために…」を繰り返し、半狂乱になる。
母の薫が、とても九度山の生活に耐えられそうにないと見た信繁は、上方へ向かっている兄信之に、薫を託して上田に戻すことにする。翌朝、目を覚ました薫は、屋敷に誰もいないのに驚き、あちこちの部屋を覗いたあげく、大坂に到着した信幸にすがりつく。そして昌幸、信繫と春、内記、きりらは雪の中を九度山に到着する。今までとは違う質素な館を目にする一行。その様子を、九度山の村長である長兵衛と村人たちが見ていた。
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関ヶ原の石田軍大敗後、真田昌幸と信繁にも沙汰が下り、結局九度山への流罪となります。そして刑部は戦いの最中に自害、三成は斬首、そして寝返った小早川秀秋は、いきなりのホラー展開、関ヶ原で裏切った相手の幻に苛まれます。三成夫人のうたは何か取りつかれたかのように、夫は豊臣のことしか考えていなかったと口走り、信繫が大坂で出会った様々な人々が去って行ってしまいます。ちなみに昌幸夫人の薫、『真田丸』では分かれて暮らす設定ですね。『真田太平記』では九度山で暮らしていましたが。そういえば助命のために忠勝がはったりをきかせるシーン、あれも『真田太平記』に登場していました。
あと「烏帽子岳が三回白くなったら里に雪」は、お正月の『ブラタモリ』と『家族に乾杯』のコラボ番組で、堺雅人さん自ら口にしていました。あれが伏線でしたか。そして剃髪した寧ですが、今回の登場人物の中では、真田信之について長生きの人物で、大坂の陣後9年間生きます。また茶々、また会うからとあっさり追い返す辺り、如何にも彼女らしいというべきですが、押し花の山吹が印象的です。そういえば、小田原で彼女が利休から買った山吹の扇はどうなったのでしょうか。
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