今回はずばりこれです。
信繫と三十郎の別れ 信繫が三十郎に、内通者のふりをして戸石城の門を開け、兄信幸の軍を入れるように命じます。三十郎は、常に一心同体と(多分)思っている信繁の命令を喜んで引き受けますが、信繫はさらに、その後も戸石城に留まるように言います。これは当然なことで、内通者が、自分が裏切った相手と城を出て行くはずがありません。しかし三十郎はこれがどうにも耐えられないようで、かなりの戸惑いを見せます。信繁が人質として赴いていた上杉家の春日山城から、大坂へ旅立つ際に一度別れ、そしてやっと再会できたかと思っていたら、また離れ離れで、三十郎も何ともやるせないものがあったのでしょう。
パペットホームズでは、「本当に困った校長先生の冒険」の最後の方で、ホームズが深夜、ワトソンに別れを告げて221Bを去って行きます。オルムシュタイン校長を脅迫し、その証拠であるケーキをモリアーティ教頭に突き付けられたためですが、寝ていたのを起こされ、ことの次第を聞かされたワトソンもまた、おおいに戸惑います。しかし、これ以上ワトソンを巻き込むわけに行かないホームズは、自分を信じてくれと言い残して単身窓から抜け出し、姿をくらませてしまいます。このシーンが、BGMの「ビートン校迷宮のテーマ」とも相まって、かなり重々しさを感じさせます。
しかもこの証拠のケーキ、正しくはケーキのデコレーションですが。モリアーティ教頭はマイクロフトでなく、弟のシャーロックに罪をなすりつけるために、それを一部食べてしまっています。元々ケーキのデコレーションにはこうありました。
「マイクロフト・ホームズ 尽きることのない友情に感謝する ウィルスン・ケンプ」
この件は、ケンプがいわばマイクロフトと組んで、校長を脅迫したわけです。しかし教頭は「マイクロフト」の部分を食べてしまい、ホームズの部分だけを残して、犯人はお前だとシャーロックを問い詰めます。しかしシャーロックの方は、如何にも彼らしく、なぜケンプはフルネームなのに、ホームズはそうでないのか、疑問に感じていました。
このホームズ兄弟の確執には、なかなかシビアなものがあります。しかしシャーロックの奇行と成績の悪さに、兄として、生徒会長としてかなり苦労して来たであろうことを思うと、いくらか同情の余地はありそうです。一方真田家では、勝者となった信幸は、敗者の父と弟を救うため、同じく勝者である舅の力を借りながら奔走することになります。
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