第21週第4話(第100回)と第5話(第101回)です。
第100回
舞の企画書には「町の人と工場の間にある心の壁を壊したい」とあった。町の人とのコミュニケーションを取りたいと言う舞に、安川は同意する。的場も無論異存はなかったが、2社でオープンファクトリー実施はやはり難しく、力を貸してほしいと舞は安川に頼む。補助金が出るかどうかと安川は言いかけ、渥美君知ってるよなと舞に尋ねる。
渥美はなにわバードマンで一期先輩で、浪速大学の准教授になっていた。都市ブランディングが専門であり、安川はOB会で渥美に会った際に、浪速大学と東大阪で協力して何かできひんかと話していた。この件で安川が渥美に口を利いてくれることになり、喜んだ舞はいそいそと事務所に戻った後すぐに営業に出て、山田を呆れさせる。
デラシネにはまたも北條が訪ねて来ており、第2歌集の話を持ちかける。しかし貴司はやりたいことが見つかったと言って、子供向けの短歌教室の話を持ち出す。しかも短歌教室は無償だった。北條は驚くが、貴司が教えているところは絵になると思い、短歌教室を取材して記事にして知名度と好感度を上げることにする。
短歌教室のことを考えていた貴司は、舞に、イベントはどうやって企画するのかと尋ねる。まず何を教えるかを決めるように舞は言い、何年生を教えるか、いつどこでやるんかと貴司に教える。一方で舞は、企画書の文章表現のアドバイスを貴司に求め、「町工場が手を取り合う」は「町工場がスクラムを組む」に直された。
企画書を見た渥美は二つ返事で引き受ける。うちのゼミ生に取っても、直接まちづくりに関われるチャンスやわと言い、学生を参加させることで人手不足を解消しようとする。それなら、他の工場も参加したいと言うかもと的場。規模が大きくなると市からの援助もしやすくなるため、舞は再び町工場の社長たちを集めて、学生たちの参加を伝える。
さらに市から援助が出ることになって一同は乗り気になる。このスクラムてのがええやんかと言う曽根。古田も皆でスクラム組んで、でっかいことをやりたいと言う。開催が決まったその後は、お客に何を作って貰うかが焦点となる。ワクワクするものがいいと舞が言うと、そら飛行機でしょという声がして、渥美が学生たちを連れてくる。
そして舞は皆のアイデアを基に、飛行機の設計図を描く。それに渥美と安川が手を入れ、大体の形が出来上がった。まずそれぞれのパーツを町工場で分担して作り、IWAKURAはネジを担当する。当日はお客にその飛行機を、職人がそばで教える形で組み立てて貰うことになる。舞は笠巻にその役目を頼み、家族も連れて来て貰おうと考えていた。
それに先立ち貴司の短歌教室が行われ、御園純も取材に来ており、当然北條も来て取材陣をせっついていた。そこへ1人の少女が入りたそうにしており、舞が仲間入りをさせる。子供たちは一様に満足しており、オープンファクトリーもこんなふうに行くといいねと純は舞に言う。
第101回
うめづで食事をしていた舞を的場が訪れ、舞は試作品を見せる。勝や店の客もそれを見て、試作品製作に協力する者も出て来た。なんぼで売るんと訊かれた舞は、オープンファクトリーで組み立てて貰い、そのまま差し上げますと言う。参加費は1000円だった。息子と行こうかなと客の1人は言う。
笠巻はIWAKURAに足を運び、作業着を返す。ホンマに長い間お世話になりましたとめぐみ。舞からは花束が手渡され、他の社員からも長年の労をねぎらわれる。あとは頼んだと言って事務所を出て行く笠巻に、舞はオープンファクトリーをよろしくお願いしますと声を掛ける。おうとうなずく笠巻だが、家族を連れて来られるかどうかは微妙だった。
舞は佐知子をうめづに呼び出す。子供の頃、舞は彼女とここに来たことがあった。佐知子は油まみれで働く父が嫌な年ごろで工場にも行かず、オープンファクトリーに来てくれないかと舞に言われるも、息子が殆ど喋らない笠巻を苦手としていた。それは佐知子も同じで、それが実家から足が遠のくきっかけとなっていた。
だからこそ来てほしい、笠巻は腕のいい職人で、若い職人に教えるのも上手で社員皆から慕われていると舞。さらに舞はオープンファクトリーのパンフレットを渡して、当日この飛行機を作るから、息子さんに渡してくれと言い、佐知子もうなずく。結局このイベントには、7つの工場が参加することになった。
オープンファクトリーは大盛況で、飛行機のパーツも足りていた。舞はものづくり体験イベントを担当していたが、そこへ佐知子と息子の正行がやってくる。正行もイベントに参加し、祖父である笠巻を見てためらうが、舞に案内されてテーブルに座る。笠巻は孫に、手取り足取りしながら飛行機作りを指導する。
舞は正行に、そのネジはおじいちゃんが作ったんやでと声を掛ける。驚く正行に、おじいちゃんネジ作んのめっちゃ上手やねんでと舞は教え、正行は祖父にどうやって作るんと尋ねる。ごっつい機械で作ると笠巻。そして正行は祖父の手製のネジを締め、飛行機を組み立てて行く。その2人を佐知子が見守っていた。
飛行機ができ上がった。正行が飛行機好きだと知った笠巻は、今度プラモデルの飛行機を作ってみるか、じいちゃんが教えたると言う。どんな飛行機が好きかと訊かれて、ボーイング747と答える正行。その後うめづでオープンファクトリーの打ち上げが行われ、舞に拍手が送られる。舞も立ち上がって手を叩いた。
2回目もあるのかと尋ねる穂積。渥美は、浪速大学としては継続したいと答える。工場見学の子供たちが大喜びし、模型飛行機も大人気だった。次はもっとパワーアップしたいと言う舞に、自分たちも参加したいと他の社長たちも手を上げ、御園純は次は準備段階から取材させてくれと言う。
舞が考えたオープンファクトリーに、かつてのなにわバードマンの先輩で、今は大学の准教となっている渥美が一肌脱いでくれることになります。そしてイベントは成功裡に終わり、また貴司の短歌教室も、子供たちに短歌に興味を持って貰えたようです。今後の課題は、この計画をどのようにして継続して行くかということでしょう。
そしてこのイベントを通じて、笠巻が孫の正行と会話を交わすようになります。元々職人肌の笠巻は、子供や孫からは距離を置かれる存在であったようですが、彼が作ったネジがもとで、孫との関係がスムーズに行き、今まで買っておいたプラモデルも役立ちそうで、こちらはめでたしめでたしでしょう。
ところで舞と貴司ですが、先日も書いたように、夫婦と言うよりは何かパートナー同士のように見えます。あと舞は梅津舞となっていますが、仕事の上では岩倉舞を名乗っているようですね。それと舞のPCのネジのステッカー、あれがなかなか可愛いです。
しかしここで飛行機を出して来たということは、今後舞は飛行機の世界に何らかの形で戻ることになるのでしょうか。浩太の死と言い、飛行機関係産業に加われなかったことと言い、今までも彼女は、自分の周辺に起こる変化をかなり素直に受け止め、特に飛行機に執着しなかったわけですが、それが彼女の本音なのかとも思うので。
そして
「町工場がスクラムを組む」
花園ラグビー場を擁する東大阪らしいです。あと渥美さんはやはりフロントロー体型ですね。