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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『舞いあがれ!』の番宣を観て

先日『舞いあがれ!』の番宣について少し書きましたが、改めて。

ヒロインの舞はよく熱を出したため、両親は相談し、祖母の住む五島列島で暮らすことになります。ちなみに父の浩太を演じるのが高橋克典さん、母のめぐみを演じるのが永作博美さんです。永作さんも、福原遥さんのお母さんを演じる年齢になったのですね。そして祖母の才津祥子を演じるのが、高畑淳子さんです。ちなみに祥子の白髪は高畑さん自前とのこと。

何をしてうまく行かない舞に祥子は、
「できんなら、できることば探せばよかとぞ」
と教えます。その後舞はばらもん凧を目にし、飛行機に憧れ、やがて大学に入ってからは、人力飛行機を作ることになります。公式サイトの人物紹介にもありますが、
「幼いころから⼈の気持ちを察するのが得意な⼀⽅、⾃分の気持ちを抑えてしまうところがあったが、五島列島の祖⺟や⼈々とふれあい、変わっていく」
というキャラ設定のようです。

一方で兄の悠人、横山裕さんが演じていますが、ちょっと変わったところのあるお兄さんという設定です。朝ドラでは変わったお兄さんが時々登場するようですが、この日とは勉強好きでしかもプライドが高く、しかも東大阪という工場の町が嫌いと来ています。

なおこの舞には梅津貴司(赤楚衛二さん)、望月久留美(山下美月さん)という幼なじみがいます。その他に東大阪の人々、五島の人々も登場しますが、哀川翔さんが五島の船大工の役とはちょっと意外でした。そして五島の若者である山中さくらを長濱ねるさんが演じていますが、長濱さんは先日の西九州新幹線の開通式の時、ゲストとして長崎駅に来ていた由。五島がどのように描かれるのか、興味があります。

さらに貴司の父親で、お好み焼き屋の主人、勝を演じるのが山口智允さん、その妻で貴司の母雪乃を演じるのがくわばたりえさんです。この勝は近鉄バファローズのファンです。ところでこのお好み焼き屋、かつてトップリーグの近鉄ライナーズに所属していた、「大阪のおっちゃん」トンプソン ルーク選手の行きつけの店を思わせます。ラグビーと言えば、久留美の父親で、松尾諭さんが演じる佳晴が、かつて実業団ラグビーの選手だったという設定です。

あとノーサイドというカフェも登場しますが、今回の番宣ではそこまで触れられてはいませんでした。舞と久留美のアルバイト先のようなので、いずれ存在感を増してくるのかとも思われます。

それにしても今度こそは、ヒロインの人生をきちんと描く、普通の朝ドラであってほしいなと思います。それと以前も書いたことがありますが、私としては朝ドラは大阪局制作の方を観ることが多いです。朝ドラとの親和性が高い土壌のように感じられます。


飲み物-コーヒーと砂糖とミルク
[ 2022/09/25 01:15 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

小檜山氏の朝ドラnote記事と長編漫画のよくない例

まずおわびです。下記の小檜山氏の記事、コピペしたままで下書きに入れていたつもりが、公開となっていました。一体何のことかと驚いた方もおられたでしょう、失礼いたしました。

でこの記事なのですが、9月23日に更新されているので、その日の放送回の分と思われます。しかしこれが、なぜが第118回となっています。朝ドラは週5日の放送で、金曜日の放送終了時点で5の倍数になるので、第120回の間違いでしょう。こういうところはきちんと改めてほしいです。私も時々ミスってしまうこともありますが、見つけ次第修正はしています。まして朝ドラを売り物にしているnote記事で、有料会員でないと全文見られないシステムなのであれば、もう少し気を付けてほしいです。

追記-この投稿にコメント↓を頂いています。それによると、小檜山氏が第114回の記事を投稿しておらず、第115回の分を第114回として投稿-ここで1回分のズレが発生-したことに加え、別々の2つの記事を共に「第117回」としていることから2回分のズレが生じているとの由。ご親切にありがとうございます。

『ちむどんどん』第118回 美味しいものを作り、食べさせ続けること
https://note.com/54seikobi85/n/nbe4e0136488e

で、やんばるへ戻る暢子の送別会に関してなのですが、

最終週へ向け、ちょっと押し込め気味だけども、東京との別れです。
・田良島
  田良島はこうなることを予測していたとか。和彦の目標である沖縄に関することの執筆は、東京ではまだできないということでしょう。
・矢作
 店は畳むか? どうするか? 矢作が引き継ぐことになりました。いろいろあったけど、彼なりの問題点を克服し、念願の店まで構えたのだから目標達成です。よかったよかった。井之脇海さんの説得力よ。
・重子
 重子は中原中也の詩で見送りつつ、沖縄に来て欲しいと和彦に言われます。生前は理解できなかった夫。でも、その夫の思いが宿る沖縄に行くことでわかることもある。できなかった家族との和解が実現できました。そりゃ波子も泣くわ。

とあります。

いきなり2か月経ってすべてが解決していることへの疑問は、この記事には書かれていません。こういう点も当然指摘するべきかと思いますが…で、まずおかしいのが、
「和彦の目標である沖縄に関することの執筆は、東京ではまだできないということでしょう」
です。これは逆に「東京でなければできない」のではないでしょうか。寄稿先の出版社は東京にあると思われますし、編集者と会うにも都内に住んでいた方が便利でしょうし、何よりも先日も書いたように、この時代はまだネットが普及していません。やんばるに住んでいることが、デメリットにもなるでしょう。

その意味でも和彦は、沖縄に戻っている時こそ、智と勝負に出たりするのではなく、自分の足であちこち歩いて取材をするか、あるいはその手がかりをつかむようにするべきだったかと思われます。嘉手苅さんの件はどうなったのでしょうね。

あと矢作は店を引き継ぐようですが、ここで気になるのは、かつて店を潰した矢作が、今後何かで融資を受けることができるのか、それだけの信用があるかどうかということです。それから中原中也に関しては先日書きました、このドラマにはあまり馴染みがいいとは思えません。

そして多江に関してです。

そしてここで多江が、ここにいない房子に会うように促します。思えば三郎と色々あった、そんな相手を多江は気遣っている。なんか多江をかわいそうだのなんだの言っていた界隈も知っておりますが、何が幸せでそうでないか決めるのはあなたたちではないでしょう。

実際多江は三郎との間に子供もいる(結局登場しないまま終わりそうですが)にも関わらず、暢子から何かと言えば三郎、房子とセットで見られている感があり、その意味ではやはり同情せざるを得ないところもあるでしょう。

しかし何よりも、ここでどうかと思うのは
「何が幸せでそうでないか決めるのはあなたたちではないでしょう」
この書き方は如何なものでしょうか。「かわいそうだのなんだの言っていた界隈」はいくらか察しがつきますが、何もここまで上から目線の書き方をしなくてもよさそうなものです。

それを言うのであれば、先日ご紹介した『武将ジャパン』大河コラムでは

保身に走る時政はなんと小さく醜いことか
時政とりくの老成できないバカップル
(政子は)なんと貞淑で素晴らしい女性なのでしょうか

などと書かれていますが、こういうのも別に武者さん=小檜山氏が決めることではないでしょう。第一、視聴者としてドラマの感想を述べているだけなのに、気に入らなければ一概に否定するのもどうかと思います、なぜスルーしないのでしょうね。

二ツ橋が説得してもこなかった、そんな房子の元へ暢子は向かいます。そしてペペロンチーノ対決。
朝ドラとして構造がよくできていて、送別会でこれまでの回想シーンが出てきます。思えば暢子は無謀だった。でも、それでいろいろなものを変えてきました。
そしてペペロンチーノ対決をする暢子。勝ったら沖縄に来て欲しい! そう強引に約束しようとします。じゃあオーナーが勝ったら? 決めていない暢子。勝ったら赤の他人になるとツンケンする房子。

「構造がよくできていて」とはちょっと妙な表現かと思います。また回想シーンはその前の回でもやたら登場していて、出せばいいというものでもなさそうです。それはともかく送別会を抜け出して、閉店したフォンターナに行って、今からペペロンチーノ対決だなどと言うこと自体、普通に考えて他人の迷惑を考えていないなと思います。こんなことをするよりも、セリフできちんと説明させれば済む話ですが、制作サイドがやりたくないのでしょうね。
 
勝敗はあいまいになっているようで、これは房子が沖縄に来ると示される終わり方です。

いずれにしてもこの朝ドラは来週までで、あらすじには房子が来ると書かれています。しかし勝敗を決めるシステムもよくわからない、暢子がかつての上司に沖縄に来るように要請する、何よりもまたペペロンチーノ対決…こう言うシーンに尺を取るくらいなら、何の前触れもなしに、房子が沖縄へやって来る方がまだ納得できます。

ところでこういうツイがあったのでご紹介しておきます。

https://mobile.twitter.com/ShunsukeTodo/status/1572726736240148480

こちらは朝ドラではなく漫画関連ですが、手塚治虫氏の『漫画の描き方』という本の図が添付されており、長編漫画のよくない例として以下のような点が指摘されています。

かんじんの中心テーマが途中でそれてしまっている
しりきれトンボ
横道がさらに枝葉に分かれ、どれが本スジかテーマかわからない
スジがぎくしゃくしてかたい
スジがひどくこんがらがっている
ひとりよがりで不親切
スジのうえに意味のないふくらみがある
枝葉が多すぎてわかりにくい

『ちむどんどん』にも、かなり当てはまるかと思われます。

尚この本は、手塚氏の漫画全集の別巻のようで、Amazonその他で入手可能です。

飲み物-ミルクティ2
[ 2022/09/25 00:15 ] その他 | TB(-) | CM(2)

『ちむどんどん』第24週感想-5

第120回で気になった点です。

  • 早くも2か月が経ってもう送別会(その間の過程は?)
  • 暢子とか和彦は友達がいないのでしょうか、いつも来てる顔ぶれが同じですが
  • また重子の詩の朗読
  • 多江に言われてそのままフォンターナへ行ってしまう暢子
  • またペペロンチーノ対決。このドラマ、対決とか勝負とかが好きですね
  • ところでこの対決、誰がジャッジするの?
  • 暢子のパスタの食べ方にやはり違和感
  • 「オーナー、沖縄に来て下さい」

暢子たちが帰っていつの間にか2か月が経ち、何事もなくやんばるに帰ることができるようです。このドラマが面白くないと言われるのは、こういう物事の過程を描かないのが一因なのですが…たとえば矢作にちゃんと話はしたのか、重子にも話したのか、そういったシーンが全然なく、なぜか暢子の思惑通りうまく行ってしまっているのですね。

あと送別会に来る顔ぶれも、いつもと同じですね。要はヒロインが自分の夢をかなえる上で、色々な人々とあまり関わりを持っていないと言うべきでしょうか。それにしても田良島さん、しょっちゅう顔を出しているようですが、そんな暇な部署にいるのかと言いたくなります。こういう時でも、例えば後から遅れて駆け付けると言うのであればまだわかるのですが。それと重子の詩の朗読。しかし思うのですが、中原中也の詩とこのドラマはどこか馴染みにくいような気がします。

それはともかく、多江に言われてそのまま送別会を抜け出し、フォンターナへ行ってしまう暢子もおかしい。一番世話になった人なら、既に挨拶を済ませておくなり、日を改めて挨拶に行くなりするべきでしょう。いい大人になっているはずなのですが、この人はそういう部分は全然成長していませんね。送別会に来てくれた人たちにも失礼かと思うのですが、あるいは暢子を不在にすることに、何か理由でもあったのでしょうか。

そしてフォンターナ、事もあろうにここでペペロンチーノ対決。このドラマ一体何なのでしょうね。ことあるごとに対決とか勝負とか、高校生かと言いたくなります。確かに暢子は外見も中身も、高校生の頃から大して変わっていないとは思いますが。

しかし勝負を申し込んでおきながら、どうやってジャッジするかも考えていない暢子。結局房子を引っ張り出してペペロンチーノ作って、思い出作りをしたに過ぎません。しかし思い出作りをするのであれば、たとえば和彦とフォンターナに行って、お客としてひと時を過ごすという方法もあったはずなのですが。しかしこのペペロンチーノ対決、様々な意味で暢子らしいなとは思います。それと房子に対して「沖縄に来て下さい」はどうかと思います。「機会があったらいらしてください」くらい言えばいいのに。

それから『舞いあがれ!』の番宣をやっていました。こちらはすぐ熱を出す女の子とちょっと変わったお兄さんという、歌子と賢秀のようなキャラの兄妹が登場しますが、ただこの女の子、主人公の舞はきちんと医者にかかって転地療養となり、母の実家のある五島で過ごすうちに、ばらもん凧と巡り会うことになります。こちらについてはまた改めて。


飲み物-エスプレッソ2
[ 2022/09/24 01:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 73その2

『武将ジャパン』、大河コラム第36回関連記事、前半部分への疑問点です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第36回「武士の鑑」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/09/19/170929


1.そのころ戦場では、義盛の不意打ちがあっさりと見破られていました。
なぜわかったのか?
義盛は慌てふためいていますが、やはり兵法書理解の差でしょう。
進軍の際にズンズン歩いて鳥がバタバタと飛び去っていたら、一目瞭然でバレてしまいます。そもそも重忠は高所に陣取っています。
義時はまっすぐ来る相手に備え、守りを固めていました。

兵法書がどうこうと言うより、義盛は脇から攻めると口にしており、重忠もまたそれを見抜いていた以上当然かと思います。現に戦場で重忠は、敵軍に和田がいないと言っていますね。それとここでは鳥が飛び立つシーンなどはありません。

2.周囲に武士や郎党が集まると、あの計算高い義村ですら、こう宣言します。
「手を出すな! 誰も手を出してはならぬ!」
総大将同士が組み合って戦うなんて、それこそ兵法書通りじゃない。
それでもあの義村すら天意に呑まれたように見守るしかない。

武者さんとにかく兵法書にこだわりたいのは分かりましたが、この場合は昔から共に戦って来た戦友同士が敵味方となったことで、いわく言い難い何かにかられたからと思われます。

3.この二人の勝敗は何が分けたのだろう?
天命の差でしょうか。この場面はかなりおかしいように思える。なぜ重忠はとどめを刺さないのか?
私は天命ということにしたい。
重忠を見る義盛も、泰時も、義村も、何かに打たれたような顔になっている。
もう重忠は人ではない何かになったのかもしれない。
こんなにボロボロなのに荘厳です。

そもそも重忠は戦をしに行ったわけでもなく、また坂東武者の潔さにこだわっている以上、自分が有利になった状況下であっても、相手を討つのをよしとしなかったからではないでしょうか。

4.誇り高く、己の命より名を守った重忠。そんな巨大な星からすれば、保身に走る時政はなんと小さく醜いことか。
大江広元も、執権殿は強引すぎたと振り返っています。
御家人たちのほとんどは畠山に罪がなかったと語り、八田知家も同意。

先日も書きましたが、時政には時政の考えがあってのことです(りくの考えと言うべきかも知れません)。但し、そのやり方はあまりうまくなかったと言えるでしょう。仮に時政がりくほどの策謀家であれば、もう少し重忠をうまくあしらい、自分達の評価も落とさずに済んだ可能性もあります。無論この場合、別の形でトラブルが発生することもまたありますが。

5.「畠山殿を惜しむ者たちの怒りを、誰か他のものに向けては?」
またまた広元が恐ろしい提案をしてきました。
罪を誰かに押し付けよ、とのことですが、では誰に?
「重成に?」
時政が義時にそう言われてギョッとしています。

重成の場合、史実では最初からこれに加担していたと言われてもいるわけで、処刑されるのもやむなしではありました。ただ三谷さんの脚本では欲に目がくらみ、最終的に濡れ衣を着せられたという設定となっていますが。そして広元の「恐ろしい提案」ですが、取りあえず時政の面目を保ち、ことを極力穏便に解決するには、これしかなかったのではないでしょうか。

6.「わしはな、皆の喜ぶ顔を見ていると、心が和むんじゃ」
そうしみじみと語る時政は、やはり天命が理解できておりませんね。
時政はりくの言いなりだ。悪女とそれに翻弄される男、いわばマクベス夫妻のように思える。
時政とりくの老成できないバカップル。いたずらに歳っただけで、成熟はしていない。
この手の組み合わせは悪女論で語られがちですが、堕落させた女と堕落する男、悪いのはどちらなのか?
時政は優しい。気のいい頼り甲斐のある男。
その本質は不変のまま、しかし低い方へと流されました。

この『鎌倉殿』に於けるマクベスについて、別のコメントでも目にしたことがありますが、ちょっとそれはどうかなと思ってはいます。あとバカップル呼ばわりは、武者さんがりくを嫌いと言うこともあるかと思います。もっと客観的に見れば、それぞれの立場があることくらいはわかるでしょう。

その一方で、
「この手の組み合わせは悪女論で語られがちですが、堕落させた女と堕落する男、悪いのはどちらなのか?」
とあり、女性であるりくを一方的に責め立てるのは、やはり気が進まないようでもあるわけで、寧ろこういうことに対する武者さんの心理を知るうえで、興味深くもあります(これは小檜山氏名義の朝ドラ評も同じ)。
あと以前も書いていますが、りくを演じる宮沢りえさんが、三谷さんはりくをこれまでの悪女と同様には書きたくないと言っていたと、そうガイドブックでコメントしています。

それと本質的に時政は坂東武者で、御家人は昔からの仲間であり、幕府の中枢は身内であるため、そこが見方の甘さにつながったとも言えるでしょう。

ところで時政の「和む」という言い方について

「『和む』という時政の言葉も、サイコパスでもなんでもなく、普通の人間がやらかしがちなよくある過ちでしょう。ダメ大河でもありがちで、具体例を挙げますと、2019年『いだてん』でこんなシーンがありました」

とあって、『いだてん』と『青天を衝け』に対する批判というか誹謗中傷と言うべきものが長々と書かれているのですが、例によって例の如くなのでここでは省略します。

7.所領の分配を尼御台に任せると言い、広元もこれには納得です。
別に恋愛感情ではなく、このあまりに尊い何か特別な存在に心酔しています。
広元は色気がある方ではない。
比企能員が設定した宴で美女たちのお酌を受けていてもムスッとしていた。
そんな広元が甘ったるくなるとすれば、それは尊敬できる相手だからです。

と言うより、広元はそもそも比企能員のような武者に馴染めていないし、政子に対しては、頼朝の未亡人という意味で尊敬はしていても一線を超えることなく、寧ろ時政にぶつけるとすれば、彼女ほどの地位でないと難しいと読んだからではないでしょうか。しかし「甘ったるくなる」と言う表現もどうかと思います、「女性に寛容な態度を取る」とでも書いてほしいものです。

8.政子本人は断ろうとしますが、それでも広元は、尼御台から御家人に所領を与えてやって欲しいと粘る。
自分が口を出せば政(まつりごと)が混乱すると警戒していました。彼女は頼朝の言いつけを心に留めている。なんと貞淑で素晴らしい女性なのでしょうか。

りくがあまり好きでない(しかし女性であることで否定はできない)ものの、政子は大好きと言っていい武者さんらしさがここでも現れていますね。無論彼女も、かつては夫のすることにあれこれ言っていたわけで、尼となってから、いくらかは卓越した物の見方をするようにはなりました。

9.「そのさき、あなたが執権になるのですか?」
「私がなれば、そのためになったと思われます」
「私が引き受けるしかなさそうですね」
「鎌倉殿が十分に成長なさるまでの間です」
政子にそう言う義時。この対話は重要だと思います。
姉も、弟も、どちらも権力が欲しいわけでもない。

どうでしょうね。義時の場合は、いずれ自分が執権にと考えていて、取りあえず冷却期間を置いたようにも見えますし、この人が権力を握ったら握ったで、色々な事態が出来することになるのですが。

あと

10.幼主が成長するまで母が政治を行うことを、東洋史では【垂簾聴政(すいれんちょうせい・御簾の向こうで政治を聞いている)】と称します」

たぶんこれを出してくるだろうなと思いました。ただし必ずしも幼帝の母親というわけでもなく、当時の皇后や皇太后が政を行っていたと言うべきでしょう。かの西太后も、そうだと言われています。

11.7月8日――尼御台の決めた恩賞の沙汰を二階堂行政が読み上げています。
動揺したりくが「執権殿をさしおいて政子がしゃしゃりでるとは!」と怒り、政子が口出しすると政(まつりごと)が混乱すると責めている。自分だって散々引っ掻き回していることは全く無視。
時政は怒り、脇息を蹴り飛ばします。
りくも驚くほど、時政は激怒しているのでした。

はっきり言って、政子と義時の密談など、りくは知る由もありません、政に関わらないと言った政子が権力欲を出して、ああいう場に出てきていると思ったでしょうし、しかも執権たる自分の夫を差し置いてとなるわけですから、怒りをぶちまけたとしても無理はありません。しかし
「政子が口出しすると政(まつりごと)が混乱すると責めている。自分だって散々引っ掻き回していることは全く無視」
とありますが、政が混乱するとは言っていません。りくが言っているのは
「なぜ政子がしゃしゃり出るのです」
「政に関わらないはずではなかったのですか」
であり、なおかつ父である執権殿(時政)を差し置いたことで憤懣やるかたないわけです。
それと
「自分だって散々引っ掻き回している」
と書くのなら、どこをどう引っ掻き回しているのか具体的に書いてほしいですね。


飲み物-ボトルとコルクとワイン
[ 2022/09/24 01:15 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 73その1

『武将ジャパン』、大河コラム第36回関連記事、前半部分への疑問点です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第36回「武士の鑑」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)


1.時政は狡猾です。爺様(じさま)こと三浦義明の仇討ちだとして三浦一門をけしかけている。

時政の場合は、武蔵が欲しくて御家人を煽っている感じですね。脇も甘いし。狡猾というのは、自分を利するためにずる賢く立ち回ることであり、寧ろ三浦義村の方がそういう形容がぴったり来そうです。

2.感情に流される義盛と、感情を一切断ち切って進む義村がそこにはいます。同族、同時代、似たような環境でこうも違うとなると、先天性の個性があるのでしょう。

「先天性の個性」と言うより、ここは「持って生まれたものの違い」とでもしてほしいです。

3.今でこそ湘南リゾートのイメージが強い由比ヶ浜ですが、この浜では結構人骨が発掘されます。
当時から「処刑あり、火葬あり」といった調子で、かなり大量に出てくるんですね。
(中略)
今年の湘南は、爽やかなイメージではなく日本版『ゲーム・オブ・スローンズ』こと『鎌倉殿の13人』観光を展開していて、なかなかシュールなことになっていますね。

いつから『鎌倉殿』が、日本版『ゲースロ』になったのでしょうか。武者さんの個人的願望でしょう。

4.間が悪いのが北条泰時です。義時の継室・のえが実は悪女であることを伝えようとして、怒鳴り返されます。
「今はそれどころではない!」
時房に出直すよう諭され、廊下に出た泰時は彼女とすれ違うのですが……なにやらお腹を抱えて苦しそうな表情をして、うめいています。

当初はのえのことで、何か別のことが発覚したのかと思ったのですが、どうもそうではなさそうでした。しかしもう義時も感づいているでしょうし、のえも妊娠している以上離縁は難しいでしょう。

5.ちょっと気になるのが泰時の性格です。
彼は空気が読めません。
どこかギスギスした雰囲気で、父も叔父もイライラしているとなれば、察することもできるはず。しかし彼はそういうことが苦手です。一言で言えば不器用なのでしょう。
そんな夫の欠点を補うのが初でしょう。
これまでも義時と泰時の間でクッション的な役割をこなしてきました。
彼女がいないところだけに、泰時もああなってしまったと。

「そんな夫の欠点を補うのが初でしょう」とあるのですが、無論この回に初は出て来ませんし、彼女がいないからああなったとも一概に言えないかとは思います。私としては、そういう泰時の性格がやや鬱陶しく感じられますが。

6.実朝は下文を取り下げたいと戸惑っています。あんな卑劣な騙され方を祖父にされて気の毒ですが……それでも義時は、一度取り下げたら威信に傷がつくと認めません。
これは世の真理かどうか?
一度決めたことを撤回することの是非とは面白いものです。義村あたりなら案外あっさり取り下げるかもしれない。

征夷大将軍たる人物と、御家人の義村を同列に論じることはできないのではないでしょうか。重みが違いすぎます。

7.『真田丸』の真田昌幸はホイホイ方針を変えて、「朝令暮改の何が悪い!」と開き直っていましたね。
そうすることで「この表裏比興が!」と言われることをどうでもいいと割り切れた。性格が左右しますね。彼は少数派です。

こちらも、なぜ鎌倉時代と戦国時代を同列に論じるのか不明です。ついでながら『真田丸』の昌幸の性格は、戦国という混とんとして掟破りが当たり前とも言える時代とよくマッチして、かなり面白いものがありました。

8.そもそも時房は、北条家の中でも立場が強くありません。異母弟である北条政範の下にいるような立ち位置であるからこそ、りくからも手厳しく言われる。

母親の身分の違いでしょう。りくの子である政範は、若くしてそれなりの官位も貰っており、異母弟と言えども時房は頭が上がらなかったわけです。

9.畠山は必ず討ち取るという時政に、しなだれかかります。
「しい様はいかないで」
「わしは御所に残って鎌倉殿をお守りする」
醜悪の極みを見せつける男女。この姿を覚えておきましょう。
我が身可愛さだけを考えている下劣さ。重忠とちえが蓮の花のような清浄の極みだとすれば、これは泥そのもの。
同じ夫婦愛でも大違いだ!

何だか時政とりくが、「醜悪の極み」だの「我が身可愛さだけを考えている下劣さ」などと言われていますが、時政には時政の考えがあったわけで、一概にこう表現するべきかどうかはかなり疑問です。一方で重忠とちえも「蓮の花のような清浄の極み」などと書かれていますが、何だか気恥ずかしくもあります。無論武者さんがそう思うのならそれでいいのですが、ただあくまでも個人レベルでの話です。
せめて
時政とりくは何とでも武蔵を手に入れておきたく、そのため畠山を討つ必要があった、一方重忠はこの事態にどう対応するべきか悩み、わずかな手勢を連れて、ちえと言葉を交わした後鎌倉へ向かう。この時の別れが、夫婦の永久の別れとなった。
くらい書いてほしいです。

10.なお、この一連の場面で、時政がりくを叱りつけた理由に「女子は黙っておれ!」という言葉はありません。
これは現代への配慮だけでもない。
巴御前のような女武者もいるし、当時は性的な役割分担がそこまで強固ではありませんでした。
本当に畠山は謀反を企んでいたのか?

まず最後の
「本当に畠山は謀反を企んでいたのか?」
改行を忘れたのでしょうか。どうもそれまでの文章とはあまり関係がなさそうなので。
そしてこの「女子は黙っておれ」云々ですが、巴御前のような女武者なら戦国期にもいますけどね。

そしてなぜこのような記述があるのかと思っていたところ、このようなツイを見つけました。

https://twitter.com/Sei_Kobeee/status/1571740540647141376
大河ってそんなにいうほど「戦は嫌でございますぅ」と女どもが言ってましたか?あれだけ長い歴史のものなので全部見ておりませんけど。ミソジニー混じりのインターネットミームの類じゃないかと思っていますが。

この「戦は嫌でございます」はかの『江~姫たちの戦国~』で登場します。ですから他の大河ではともかく、この中ではそういうセリフが出て来ますし(と言うか、第1回からかなり凄まじい展開でちょっと驚きますが)、『花燃ゆ』にもいくらか似た表現があります。しかし武者さん的には、この大河はもう10年以上前のもので、10年ルールが適用されるのではないでしょうか。それとここに来て急にこういうことを言い出したのは、一体なぜなのでしょうね。

11.そうはいっても大軍勢で囲まれたら終わりだと三浦胤義が張り切ると、兄の義村が「黙っていろ!」と諭す。兄弟でも性格は正反対のようで、同時に兄として弟を導く気力もあまりなさそうですね。

ネタバレになりますが、この胤義は後に承久の乱で、京都方について兄と敵対することになります。それもあって、この頃から不仲であるという描かれ方になっているのでしょうか。

12.ここでちょっと気をつけたいのは、兵法の理解度です。
『孫子』や『呉子』などはこの時代にもあり、そういう書籍を読み、理解したとわかる武士の言葉も残されています。
とはいえ個人差があります。
布陣を理解している重忠と泰時は、漢籍を読みこなしているとわかります。重忠は「武衛」が「佐殿の唐名(とうみょう)」だと理解していたし、泰時は『貞観政要』を愛読していると判明しております。
そう言い合う義時と義村。これもこの二人の教養が滲んだ言い回しともいえる。
矛というのは古代中国の武器で、それを収めるというのは漢籍を読んでいれば出てくる言い回しです。時政や義盛は使わなさそうですが、その義盛が重忠との交渉役に選ばれました。

また漢籍ですか(苦笑)。ここで重忠は、武衛のことを理解しているとありますが、ドラマ中で上総広常に、頼朝のことを武衛と呼べと言ったのは義村ですね。

それと「矛」(鉾)ですが、古代中国に限らず日本でも使われており、特にこの鎌倉時代までは武器として使用されたとも言われています。また祭りでも鉾が登場することはあり、たとえば大阪の天神祭には鉾流神事(ほこながししんじ)がありますし、京都の祇園祭の山鉾巡行も有名です。古事記にも出て来ますし、少なくとも矛または鉾は何であるのか、知っている人は多かったでしょう。ちなみに天神祭の鉾流神事は10世紀半ば、山鉾巡行は9世紀半ばの清和天皇の時代に始まっています。


飲み物-スミスウィックのスタウト
[ 2022/09/23 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第24週感想-4

第119回の気になった点です。

  • 智に対して歌で返す歌子
  • 智と歌子の間に割って入る暢子
  • 和彦「ううん。(2人の結婚は)暢子のおかげ」
  • 和彦「僕の仕事はどうにかなるとしても、暢子は東京の店を手放すことになる」
  • 和彦「長年暢子が苦労して花を咲かせた店なのに」
  • 一人になる優子に「さみしくない?」と暢子、いや歌子不在で一人暮らしのの時があったのでは?
  • 暢子「うちはこの村で生まれた。女の子に生まれた。それは誰にも変えられない。それが今、うちはうれしくてうれしくてたまらないわけ」
  • 農作業をしているはずなのに暢子の軍手が汚れていない
  • 急に優子に「やんばるに移住したい」と言い出す暢子
  • 和彦「この島で長年の夢をかなえたい」
  • 優子「2人が自分たちのためにと決めたなら、うちはとことん応援する」

まず歌子が、健彦のリクエストに応えるつもりだったのでしょうか。ミュージカル的に、急に歌い出します。で歌い終わった後、智は結婚してくれと言います。しかし思うのですが、比嘉家の子供たち4人は皆、付き合わずにいきなり結婚しようと言い出しますが、「付き合う」という発想はないのでしょうか。それが不思議なのですが。

ともかく結婚が決まった智と歌子ですが、その間にいきなり暢子が入って来て歌子を抱きしめます。こんなところも暢子は空気が読めないなと思います。智も、今後を覚悟していた方がいいのではと思ってしまいます。しかし歌子が智と向かい合っている間、後ろからエールを送っていると思われる博夫、いい感じでした。ちなみに博夫を演じている山田裕貴さん、来年の大河にも本多忠勝役で出演ですから、また違った山田さんを楽しめそうです。

ところで和彦が「暢子のおかげ」と言っていますが、そもそものきっかけを作ったのは和彦ではないでしょうか。しかし和彦、せっかくやんばるに来ているのなら、仕事の参考になりそうなものをその辺りで見つけられないのでしょうか。

その和彦のセリフですが
「僕の仕事はどうにかなるとしても、暢子は東京の店を手放すことになる」
「長年暢子が苦労して花を咲かせた店なのに」
まず「長年苦労して花を咲かせた」のところですが、悪いけどそこまで暢子が苦労したようにも見えません。フォンターナだって三郎から紹介して貰い、オーナーは親戚に当たるわけですから、その分は差し引いて考えるべきでしょう。しかもメインの料理人は矢作ですし。

それと
「僕の仕事はどうにかなるとしても」
と言うのもどうかと思います。先日も書きましたが、この人は別に売れっ子の作家でもライターでもありません。またネット環境もないこの時代、フリーで仕事を貰って取材をして、図書館で資料を調べ、でき上がった原稿を郵送するわけですから、かなり大変ではないかと思われますし、記事の完成度のためにも1つ1つの行程はおろそかにできないはずなのに、この言い方だと片手間に仕事をしているようです。

『芋たこなんきん』の花岡町子は売れっ子作家でしたが、仕事の予定がびっしり書き込まれたスケジュール表にいつも向き合い、ひとつの仕事を削るにもかなり考えていて、仕事にきちんと向き合っているなと思わせるものがありました。そういう朝ドラの再放送を観た後でこの和彦の言葉を聞くと、この人は真剣に仕事に向き合っているのかと、どうしてもそのように考えざるを得ないのです。

あと暢子が優子に「うちはこの村で生まれた。女の子に生まれた…」と話し始めるわけですが、これも細部がきちんと描かれていないから、何を言いたいのかよくわからないということになりかねません。そして畑に立つ暢子。軍手がやけに白いのが気になりますが、様々な人の声が聞こえ、過去の自分を思い出しているうちに何かを決めたようで、帰宅するなり
「やんばるに移住したい」
と言い出します。

しかしこの場合「移住」ではなく、「帰りたい」ではないかと思うのですが…。で和彦も「この島で夢をかなえたい」と言っていますが、これに関しては前出の通りです。そしてその後、暢子の会話にやたら「ちむどんどん」が出て来ます。これは『あさイチ』でも指摘されていたようですが。とどのつまり、暢子は自分がちむどんどんするかどうかで、物事を判断しているようで、いくら何でもそれはないだろうと思います。

それにやんばるに移住するのなら、せめて重子とか猪野養豚場、そして鶴見の人たちにも知らせておくべきではないでしょうか。優子も応援するだけではなく、親としてその点を忠告しておくべきだと思うのですが、ただし、このお母さんはそういうタイプの人ではありませんからね。


飲み物-アイスコーヒー
[ 2022/09/23 01:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第24週感想-3

第118回の気になった点です。

  • 歌子「これからどれだけ生きても今日みたいに幸せな日はない」優子「うちもそう思ったことがある。お父ちゃんが死んでしまった日」
  • 暢子「いろいろあっても好きならちむどんどんするなら、まくとぅそーけー、なんくるないさ…であるよね?そうだよね?っちむどんどんするか、しないかだよね?」
  • また海岸で角力して今後を決めるの?
  • 賢秀から外掛けが弱点だと教えて貰う和彦
  • 優子「1人ではできないからここ(畑)は手放そうかと思っている」暢子「もったいない。こんなにおいしい野菜が育つのに」
  • 暢子「やんばるの野菜でおいしい料理をたくさん作りました」
  • 暢子だけが歌子が緊張しているのに気づいていない
  • 智がなぜあの格好なのかも気にせず、ゆし豆腐のことを口にする暢子
  • 何とか暢子を連れて行く和彦
  • 博夫「おとなしくしてくれない!?」

暢子の空気の読めなさがまたしても出てしまいましたが、まずその前に。カーテンを隔てた隣室で、暢子、健彦と寝ていた和彦は、隣の優子と歌子の会話を聞いてしまいます。

その内容から、歌子が智に好意を抱いていることを知るわけですが、しかしこんなに幸せな日はない、眠ってしまうのがもったいないと言う歌子に続いて、優子が、お父ちゃんが死んだ日にそう思ったというのは、あれは一体何なのでしょうか。まるでお父ちゃんが死んだ日が、幸せこのうえなかったかのように取れてしまうのですが。

そして畑に行く前の暢子は、和彦にこのようにまくしたてます。
「いろいろあっても好きならちむどんどんするなら、まくとぅそーけー、なんくるないさ…であるよね?そうだよね?っちむどんどんするか、しないかだよね?」
言っている本人も意味がわかっているのか、わかっていないのか。そして和彦はあることを思いつき、智を浜辺に呼び出します。

和彦は智に角力を取ろうと持ちかけ、自分が勝ったら歌子に告白しろと言います。和彦はその前にニーニーに電話を入れ、角力を取るようにとのアドバイスを貰い、智の弱点は外掛けだと教わります。そして外掛けを決めて勝つわけですが、あの智の足、痛めていたところではなかったのでしょうか。だったら勝っても当然だし、何だかすっきりしないシーンと言えばそうでしたが、和彦はどう思っていたのでしょうか。

しかし何だか既視感があるなと思ったら、例の鶴見での角力大会でした。暢子がサーターアンダギーを食べながら、脳震盪で病院に搬送され、付き添った後戻って来た愛に、和彦君どうだったと聞いた時ですね。その暢子ですが、ここの畑は1人ではできないと優子が聞いた時、もったいないと言いますが、優子も年齢的にしんどくなって来ていたのではないでしょうか。その辺を察してあげてもよかったのではないかと。

さてその夜の宴。暢子が「やんばるの野菜でおいしい料理をたくさん作りました」と言っていますが、正直言って、高校生みたいな言い方だなと思います。プロの料理人と良子からは言われているのですから、お口に合えば嬉しいですくらい言ってはどうかと思います。しかし歌子が緊張しているのには気づいていないようです。

そんな時智が、きちんとジャケットまで着てやって来ます。しかし暢子は、なぜ智がそのような格好なのかには目もくれず、(昨日言っていた)ゆし豆腐はどうなったのかと詰め寄ります。それにしても智の格好を見たら、この宴席には何か別の目的があるのかと、普通は気が付くものかと思うのですが、暢子はゆし豆腐のことしか頭にないようです。

とうとう和彦が、ちょうど智と歌子の間の位置にいた暢子を連れ去り、良子の夫博夫は一言
「おとなしくしてくれない!?」
同感です。と言うか、明らかに違う雰囲気であるのを読み取れない暢子、息子の健彦よりも子供に見えてしまいます。

それにしても、早く『舞いあがれ!』を観てみたいなと、最近とみに思うようになってはいます。


飲み物-ローズヒップティー
[ 2022/09/22 01:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『武将ジャパン』大河コラム関連投稿に関して及び小檜山氏の朝ドラ記事への疑問点

まず恒例の、武将ジャパンの大河コラムへの疑問点に関して。

今まであらすじの前半部分、後半部分、そしてMVPと総評の部分と、3回に分けて投稿していましたが、今回からMVPと総評の部分関連投稿を止めることにしました。特に今は、連日のように朝ドラ関連の投稿もしていることもあり、大河コラムだけで3回分の投稿をすると、他のテーマについてなかなか書けなくなるのがまず理由として挙げられます。

さらにMVPや総評のページは漢籍関連とか他の大河関連、または『ゲーム・オブ・スローンズ』関連などで似たような内容が多いのが、もう1つの理由です。ただ場合によっては、あらすじ部分に付け加える形で投稿する可能性もあります。

それと先日の『鎌倉殿の13人』に関して。書き洩らしていた点、勘違いしていた点があったので、ここでざっと書き出しておきます(当該投稿も一部直しています)

  • のえは悪阻だが、その様子が『ちむどんどん』の暢子のそれより真に迫っている
  • 義盛の兵に弓を向けたのは畠山軍
  • その義盛の兜が如何にも昔風でいい
  • 乱の後の政子の「恐ろしい人」は、実朝に言わせた方がよかったかも
  • 義時が「鎌倉殿が十分にご成長なさるまで」と言っているシーン、確かに実際の実朝は13歳くらいだが、柿澤勇人さんが演じる実朝は十分に大人の雰囲気で、既に「ご成長」している印象しか受けない

あと武者さん=小檜山氏の『ちむどんどん』関連記事で、こういうのがありました(無料部分のみ)。

『ちむどんどん』第114回 健やかな心で
https://note.com/54seikobi85/n/nb4ab1fc90261

ますタイトルからですが、これは9月16日放送分についての記事であり、従って第114回ではなく第115回ですね。暢子の出産回です。そしてこの中で、三郎たちがちむどんどんで会食するシーンがありますが、

今回の朝ドラはどこぞのアレよりこれが上手で。まずはオープニングで、三郎と多江、そして重子という三人が和解する様が描かれるのです。これを結びつけたのは暢子で、にんじんしりしりーをつまみながらお酒を飲んで和解します。

「三郎と多江、そして重子」とありますが、もちろん重子ではなく、フォンターナのオーナーの房子ですね。個人的に、暢子がこの3人を同席させたがるのに、違和感を覚えますがそれはさておくとして、「どこぞのアレ」とは前作の朝ドラのことでしょうか。

そして賢秀が清恵を連れて来て、その場で強引に(指輪なしの)プロポーズをしてしまうわけですが、そこの部分について。

それに清恵も初婚ではないという引け目がある。それを優子に言おうとすると、優子は話は聞いているとにっこり。賢秀にはもったい無いくらいの人だと。

本来の小檜山氏のスタンスであれば、清恵が「初婚でない」こと、それを自分に言わなかったことにブチ切れるニーニーを、散々批判したのではないかと思います。実際付き合ってもいない以上、自分から過去に離婚歴があるかどうかを言う必要もないはずなのに、それに対して一方的にキレるニーニーはやはりおかしいでしょう。しかし小檜山氏、自分の推しの朝ドラでは、この辺りは随分あっさりしていますね。

その他にも、暢子が入院の準備をそっちのけで、ギリギリまでにんじんしりしりーを用意してるという記述がありますが、寧ろこれは病院へ持って行く弁当を用意しているわけです。しかもここでも「入院の準備をそっちのけ」まで書いているのに、暢子のこういう、物事の優先順位を間違えたかのような態度への言及もありません。

これも嫌いな朝ドラであれば、主人公に計画性がないと叩くのでしょうね。しかし普通の朝ドラのヒロインは、やむを得ない場合は別として、ここまでやるべきことを後回しにするでしょうか。


飲み物-琥珀のエール
[ 2022/09/22 01:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第24週感想-2

まず、台風の被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。しかし『ちむどんどん』、比嘉家はやんばるにあるのに、台風が来たのを見たことがありません。

それはともかく第117回の気になった点です。

  • 売店にいたところに智が豆腐を配達に来て、暢子が食べたいと言うオオタニワタリ(野草の一種)を今から取ってくると言って、歌子が一緒に行くといういささか都合のいい展開
  • 和彦「(やんばるでは)暢子が生き生きして、健彦もくたくたになるまで遊んで」←杉並でもあまり変わらないと思いますが
  • 和彦「僕の仕事は依頼を受け、原稿を書いて送ればいいから、どこに住んでいてもきるけど」
  • 和彦「暢子はせっかく出した店を手放すことになってしまうし」
  • 良子「やっぱりプロの料理人は違うね」
  • 暢子「うちもやんばるで畑をやって暮らしたいと思った」
  • レコード会社の関係者を名乗る人物を怪しむ智に反発する歌子
  • しかし歌子の格好はこういう所にくる格好ではない
  • 暢子「どこに行ってしまったわけ」
  • 歌子「そういう星のもと」「忙しい時に熱出して迷惑かけて辞めた」「しょっちゅう熱を出す女を」
  • 小屋の中のシーンがベタ過ぎる

売店に優子、暢子そして和彦がいます。歌子は外で健彦とシャボン玉をしています。暢子はやんばるの野菜を使った料理をしたいと言い、智にゆし豆腐の配達を頼みます。さらに暢子はオオタニワタリが食べたいと言い、智が山に行こうとしたところ、歌子も一緒に行くと言い出します。

比嘉家。和彦が自分の仕事は依頼を受け、原稿を書いて送ればいいからどこにいてもできると言い出します。しかし和彦がよほど名の売れた作家とかライターならいざ知らず、ネットもないこの時代、自分の足で取材をして、原稿を書いて郵送するしかないわけです。それを考えると、今の杉並にいる方がよほどいいかと思うのですが。

しかも「店を手放す」これを、そのためのお金を出してくれた人の前で言うべきではないでしょう。無論これも言い方次第で、暢子も今の店で腕を振るっているし、自分も将来的には沖縄に住むことを考えているが、当面はまず東京で仕事をして、コンスタントに仕事が入るようにしたい、そしてその節にはお世話になりましたとか、そのような言い方ならわからなくもないのですが。

良子、プロの料理人は違うと言っても、どうも観ている側としては、暢子より矢作の方がよほどプロの料理人に見えます。あと暢子、うちもやんばるで畑をやりたいなどと言っていますが、畑を持てば持ったで、結構大変なのではないでしょうか。

そして智と歌子。ああいう山の中なのに歌子の格好、スカートの裾が地面につきそうだし、しかも虫がいるかも知れないのにノースリーブだし…。そしてレコード会社の人から名刺を貰い、デビューに乗り気になるのですが、ここで歌子が心配になった智は、一度自分もその人に会おうと言い出します。

これが歌子は気に入りません。うちの問題はうちが自分で決めたい、うちはもう子供じゃないと言いますが、こういう決断を自分でできるほど、歌子は社会経験を積んでいるようには見えません。

しかもいい塩梅に?智が足をくじいて、小屋の中で2人きりになります。こういう2人きりの状況を作り出して、あわやキスさせるところまで持って行くのが、これまた昔のドラマのように見えてしまうのですが…幸いというか善一が探しに来て、結局2人は帰って行きます。しかし善一も急に中をのぞくのですね。

ところで歌子はストレス性高体温(心因性発熱)なのでしょうか。だとしたら何となく理解できます。

あと1981年に「ヤンバルクイナ」の存在が発表されていますが、それも結局ドラマには登場していません。


飲み物-アイスコーヒーブラック
[ 2022/09/21 01:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第36回「武士の鑑」あらすじと感想-2

第36回「武士の鑑」後半部分です。


義時は行きかけて「しょんべんちびった」と言い、驚いた泰時がすぐに着替えを取りに行こうとするが、これは義時の冗談だった。

重忠は敵軍に義盛がいないのを見て、嚆矢を放つ。重忠が攻め入るのを実朝は懸念し、三善康信は数の違いに言及する。しかし八田知家は普通なら重忠の負けだが、御家人たちが畠山の潔白を信じ始め、身が入らずどう転ぶかわからないと言う。戦場では畠山軍が、和田の部隊が離れた所から自軍を攻撃していたのを目撃し、和田の兵に攻撃を仕掛ける。なぜわかったと義盛。

義時軍は正面から来る重忠を見て、守りを固めるように言う。そのため重忠は義時軍の背後に回り、泰時は太刀を抜いて応戦しようとするが、その重忠の後ろには義時がいた。2人は相まみえ、義時は刀身をへしおられたものの、今度は兜を捨てて再び重忠と争う構えを見せ、重忠も兜を脱ぎ捨ててこれに応じる。そして義時は馬上から重忠に飛びつき、2人とも地面に転げ落ちた。

歩兵たちがやってくるが、義村は誰も手を出したはならぬと制し、両者は短刀を抜いて応戦し合う。ついに両者は殴る蹴るの応酬となり、義時は何とか落ちていた短刀を拾い上げるものの重忠に奪われる。そして重忠は義時を仕留めたのか、ふらつきながら馬に乗り、その場を去った。

戦は夕方には終わり、時政は実朝に無事重忠の謀反を静めたと報告する。重忠はその後手負いのところを愛好季隆が射止めており、首が間もなく届くと時房が伝える。首を持ち帰ったのは義時で、重忠は逃げず、所領に戻って兵を集めることもしなかった。逃げるいわれ、戦ういわれがなかったからだと言い、ただ己の誇りを守ることのみに徹したと言うが、時政は面白くなさそうだった。その時政に義時は首実検を要求し、執権を続けて行くのであれば首を見るべきだと言い放つ。

大江広元も時政の強引さを批判し、御家人の間にも、重忠の無実を信じる空気が漂い始めていた。広元は誰かに罪を押し付けることを勧め、重成がその罪を被ることになった。時政は気乗りがしなかったが、最終的にはそれを受け入れ、重成は捕縛される。これは義時の策で、こうすることで御家人を時政から遠ざけようとしたのである。そして後始末は、自分で勝手に動き回った罰として義村にやらせることになった。

義村は時政の命令だと言って、重成の首を刎ねる。りくはこれで仇討ちができた、後は重成の分も長生きしていただくと夫に寄り添う。そして、これで畠山の所領は北条のものと言うりくに、時政は武功のあった者に分け与えるべき、皆の喜ぶ顔を見ていると心が和むと言うが、りくは不満げだった。一方義時は、所領の分配は政子に任せるという大胆な句を打ち出す。それでは政が混乱すると言う政子に、既に混乱の極みであると義時は言い、さらに重成の死に触れた政子に、命じたのは執権殿ですと義時は答える。

なぜ止めなかったのかと問う政子に、義時は、自分がそうするように勧めたからだと答える。重成は時政に退いて貰うための捨て石だった。恐ろしい人になったと政子は驚くが、すべて頼朝に教えて貰ったことだと義時は言う。父を殺すのではないかと政子は懸念するものの、義時は今の自分があるのは父のおかげだと言う義時。次の執権に就任するのかと訊かれ、自分が就任しては、そのために父を追いやったようでまずいと政子の就任を促す。

政子の執権職は、実朝が十分に成長するまでの限定的なものだった。政子も実朝には頼家の二の舞をさせたくはなかった。一方実衣は反発し、実朝に政治的実権を持たせないための策だと、実朝の前であるにも関わらず平然と言い放った。しかし実朝はこの討伐に責任を感じており、政子に一任することになった。一方で時政に関する訴状への署名は、かつての景時のそれをはるかに上回っており、いささかやり過ぎの感があった。

時政も自分が嵌められたことに気づくが、義時はこれはなかったことにすると言い、その場は何とか切り抜けるが、時政には御家人が反発するから、あまり前にに出るなと諫める。また恩賞の沙汰にしても、自分のまいた種と考えてくれと言い、時政は哄笑してやりおったなと言う。その後政子から恩賞が与えられるが、りくに取っては元々の執権である夫を差し置いてのこの行動が、如何にも面白くなかった。


まず「しょんべんちびった」などと言わせるのが、如何にも三谷さんらしくはあります。緊張をほぐす狙いもあったのでしょうが、戦場慣れしていない泰時は、かなり神経質になっているようです。そして和田義盛、自分たちだけあそこにいても、当然気づかれますね。

無論この当時の戦としては、このようなものでしょう。しかしどうも戦国大河の合戦のイメージを基準にすると、何だか陣形がばらけているようにしか見えないし、歩兵も足軽のように整然としておらず、正に武家政権の原初期の戦の一つの形ではあります。戦国期は戦が日常化することで、如何に効率よく戦うかが求められたことでかなりの変化を見せ、無論逃げること、撤退することもまた将の採るべきひとつの方法でした。あとこの頃の薙刀は刃が短く、これより後になるにつれて長くなり、さらにその後は槍が主な武器となって行きます。

義時と重忠、最初は騎馬で、中世ヨーロッパの馬上槍試合(トーナメント)と思われるような応戦、そしてその後は義時が相手を引きずり降ろしての乱闘。何やら喧嘩に毛が生えたようにも見えますが、それはさておき、短刀の取り合いに勝ったかに見える重忠は、そのまま馬に乗ってその場を後にしますが、生き残ったのは義時でした。重忠は愛甲季隆に討ち取られ、その首を持参した義時は、重忠は逃げもせず、また兵を増員しに戻ることもせず、己の誇りを貫いたと言い、暗に父の執権職が危ういと口にします。

見方によっては、重忠を討たせることもまた、父の失脚を狙うための策略であったとも取れます。それはともかく、牧の方(この大河ではりく)が騒いだこと、重忠との戦などの大部分はすべて『吾妻鏡』の記述によるものです。但し『吾妻鏡』では稲毛重成が最初から関与したことになっています。重成の弟の榛谷重朝もこの時殺されており、そして何よりもこの時、義時に男児(政村)が生まれたことになっています。この人の子孫の茂時は、鎌倉幕府滅亡の際、執権高時と運命を共にします。

個人的にはこの戦闘部分よりも、それに至るまでの方が面白くはありました。そして次回ですが、いよいよと言うか、平賀朝雅を巻き込んでの騒動となりそうです。


飲み物-ブロンドのエール
[ 2022/09/21 01:15 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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