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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2022年09月

『ちむどんどん』第25週感想-4

第124回の気になった点です。

  • 黒板にメニューを書くのはもう少し後のような気がします
  • そば定食がカフェのごはんみたいですね
  • 仏壇のそばの席てちょっと…
  • 早苗はともかく正男って…たまたま帰ってたの?
  • 出オチ感のある金吾
  • 今になって歌子に手紙をくれる下地先生
  • 優子「いつもの熱なんですよね?」
  • マンシェットの巻き方
  • 暢子「何でいつもこうなってしまうわけ?」
  • 良子「また歌子がこんなことに」
  • 飲食店は業務用と家庭用の厨房は別にしなければいけないのでは?
  • フーチバジューシーは病院に持ち込めるの?

やんばるちむどんどんが完成して、真っ先にまもるちゃんがやって来ます。ここで初めてまもるちゃんが「マーサンヤー」(うまい)と声を発します。それはそうと、黒板にそば定食のイラストが描かれていますが、これはもう少し後の時代ではないでしょうか。それに盛り付けもカフェ風で、おばあたちにはよくても男性には足りないような気がします。

そして杉並のちむどんどんでも、またフォンターナでもそうだったと思いますが、皆が美味しいと言ってくれて暢子が目を輝かせる、何だかいつもこのパターンのようですね。あと早苗はともかく、ブラジルに移住した正男が戻ってくるのて、ちょっと偶然過ぎるのではないかと思います。「たまたま」帰っていたのかも知れませんが。

そして金吾。何だか出オチ感が半端ないのですが、それはさておき。ハワイでパイナップル農園を経営して、美人の奥さんもいて、その奥さんの次に良子を愛していると、本人の旦那さんの前で言うところが天然ぽいです。しかしこの人こそ、賢秀ニーニーの言う「ビッグなビジネス」の体現者です。製糖工場の息子であったとは言え。

ところで自宅を改造したせいか、一部の席が仏壇の隣になっています。これはちょっと抵抗ありです。そしてぽっと見、ステージと飲食コーナーとに分かれているせいで、ちょっとイベント会場のようにも見えてしまいます。ともあれお客が出入りする中、歌子の民謡の師匠でもある上原照賢が来て、下地先生の激励の手紙を歌子に渡します。しかし結婚式の時ではなく、暢子の店がオープンしたタイミングで手紙が来るのですね。

さて肝心のニーニーが現れません。電話をしたところ1週間間違えていたようで、まあこの人らしくはあります。そして歌子のライブ(と言うべきでしょうか)も行われ、初日は大盛況でした。問題はこれからどうやってお客さんをつかむかでしょう。しかし後片付けをしていた歌子が、急にテーブルに突っ伏し、救急車を呼ぶ事態となります。

病院(どこであるかは不明)では、優子が「いつもの熱なんですよね?」と尋ね、医師が首を振ります。この会話から見る限り、いつもの熱と違うことを、この病院では把握していると取れます。とすると、歌子はここに通院していたのでしょうか。ともかく原因不明、あとは本人の気力と体力と言われてしまいますが、その後歌子が一旦目を覚まします。

優子、良子、暢子そして夫の智が病室に入ります。この時歌子は点滴を受けているようなのですが、何だか目立ちませんね。それとこれはツイッターでも指摘がありましたが、血圧を測る時に、腕に巻くマンシェットから出るゴム管は、上腕部を走る上腕動脈よりも内側にしないといけないのが、逆に外になっていたようです。

暢子は「何でいつもこうなってしまうわけ?」、良子は「(やっと幸せになれたのに)また歌子がこんなことに」と口々に言いますが、どう考えても歌子の病気を放っておいたのもよくないでしょう。一度東京で検査をして、これといった原因が見つからなかったわけですが、その後何もしなかったのでしょうか。まして歌子は、杉並の店を手伝っている時に発熱し、その時やんばるへ戻っているわけですが、その前に一度病院に行かせるべきだったのでは。

このため、ちむどんどんも開店早々休業となっていました。そもそもこの店、暢子と和彦、優子だけで回すには広すぎると思います。これまたいつもそうですが、暢子が自分で捌ける以上のキャパの店を持ち、結局誰かが手伝いに来なければならない状況を生み出しているわけですし、また開店前に徹夜でそばを打ち、さらにその後休む間もなく開店と接客で、歌子には民謡を歌わせているわけですから、健康な人でも具合が悪くなるかと思います。

その責任を感じたのか、暢子は翌日病院に行く前に、歌子が昔熱を出した時に、お母ちゃんが作ったとフーチバジューシー
(ヨモギ入り炊き込みご飯または雑炊)を作ろうとします。しかし病院にそういうものを持って行けるのでしょうか、何よりも歌子は物を食べられるのでしょうか。

確かに暢子は責任を感じているかも知れませんが、しかし、彼女の言動に今一つそれらしさが見えないのです。それよりも優子や良子(学校は?)が病院にいるのなら、彼女たちのためにお弁当でも持って行った方がいいのではないでしょうか。『芋たこなんきん』で健次郎が脳出血で入院した時、待合室の家族にお弁当が届けられたのを思い出します。あと飲食店の厨房は、業務用と自宅用と分けることになっていますが、ここでは共用しているようですね。


さて『ちむどんどん』を振り返って。今回はドラマあるあるなのでしょうが、狭いコミュニティで、顔見知り同士が仲良くなる、あるいは結婚するというパターンです。しかしこの場合、いつもの登場人物ばかりと言った印象になりやすく、その意味で多少マンネリ化しがちなところもあります。

結局外部から、それも異なった価値観を持つ人物がやってくる可能性が低く、仮にそういう人物がいても、結局は主人公の価値観に合わせてしまう描写になってしまいます。特にこの朝ドラでは、暢子の価値観に皆が合わせがちで、彼女に対して直言するとか、あるいは全く違った見方でものを言う人の存在は、かなり限られていました、矢作とか、あるいは対立はしなかったものの愛などは、違った見方、違った価値観を持っていたと思います。

結局そういう中で、しかもみんなから支えられる形で、ヒロインやその周辺の人々が動くと、どうも予定調和的で、どっちみち暢子の思い通りになるのだろうなと思ってしまい、事実その通りになっていました。この辺りが何となくつまらないと言うか、如何にもご都合主義のように見えてしまいます。次作はせめて、ヒロインが苦労もし、努力もする作品であってほしいものです。


飲み物-コーヒー
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[ 2022/09/30 01:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 74その2

『武将ジャパン』大河コラム、後半部分の記述への疑問点です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第37回「オンベレブンビンバ」
 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン) 
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/09/26/171052


1.本作は、誰かが一つ間違えた瞬間がハッキリとわかります。
前回の稲毛重成も、その瞬間がありました。畠山重忠の惣検校職を与えると時政に持ちかけられ、一瞬乗り気になった。顔がパッと明るくなった。
ああいう反応をしたからには、稲毛重成が清廉潔白にも思えなくなる。罪に対して処罰が重いことは確かですが。

稲毛重成は、元々これに加担していた疑いありという説もありますし、何よりも重成でなくても、ああいう役職を与えると言われたらそれは乗り気になるでしょう。別に本作だけではなく、他の作品、仮に武者さんが批判している作品であっても、そういうシーンは少なからず出て来ます。

2.尼御台に知らせるか?と尋ねられると、「しゃしゃり出てくるからそれはいい」と憎々し気に返す実衣です。
彼女はどうにも尼御台こと政子の権力を軽視しています。いつまでも姉と妹でもないのに、どうにも危うい。

実衣は実朝の乳母ですから、その辺りの権限は強いのではないでしょうか。後に出て来る時元の不満(自分と実朝の待遇に差があり過ぎる)も、恐らくは、こういうところに端を発しているように見えます。

3.そのころ鎌倉では、のえが泰時の妻・初にマウンティングしていました。
なんでもどこかで京都の話をするようです、初が一生縁のない話だと返せば、まだ若いのに、と意外そうに答えるのえ。
彼女は夫に出世して貰いたくてたまらない。高い官職についてもらって、向こうで雅に暮らしたいようで、りくそっくりですね。
本作では、源頼朝や大江広元のように京都を捨てたらよいのですが、そうでないと危険であり……。

のえとりくとは違いますね。りくは伊豆の領主時代に結婚している以上、夫にはっぱをかけて出世させて来たところがあります。一方のえは、既に地位を得ている義時と結婚しており、それによって自分もそれなりの待遇をと目論んでいるふしがあります。

あと「京都を捨てる」と言うより、「如何に京都(朝廷)と距離を置くか」でしょうか、この場合は。

4.そしてここで注目したいのが、飲食物と食器です。
茶碗で茶を飲んでいると思われ、高坏には「点心」が盛られています。
点心というと、現代日本だと飲茶で楽しむ軽食としておなじみですが、この時代は、抹茶と共に中国から伝わった茶菓子を「点心」と呼びました。
(中略)
亀屋清永の「清浄歓喜団」は、香りが強烈ではあるものの、一度は味わう価値があるお菓子であり、『平清盛』に続いての大河出演と思われます。
義時が八重に片想いしていた頃は、軽食はせいぜい餅かドライフルーツでした。それがこんな茶と点心を楽しめるなんて、凄い進歩じゃないですか。
手にしている茶碗も、薄くて軽い、宋の白磁でしょう。

これが茶であれば、茶の話題がもう少し登場してもよさそうなものですが…。それはともかく、
「義時が八重に片想いしていた頃は、軽食はせいぜい餅かドライフルーツでした。それがこんな茶と点心を楽しめるなんて、凄い進歩じゃないですか」
時代が進歩したと言うよりは、そういうのを楽しめる身分になったということでしょう。庶民はやはり干し果物などを食べていたと思われます。この間の、政子が高価な紙を取り寄せる描写しかりです、一方で時政と時房は餅を食べていますし。

あと点心云々。元々点心とは、ここに出て来る茶菓子(私はあらすじと感想で揚げ菓子と書いています)のことで、
「亀屋清永の「清浄歓喜団」は、香りが強烈ではあるものの、一度は味わう価値があるお菓子であり、『平清盛』に続いての大河出演と思われます」
とも書かれていますが、ここの商品、以前やはりこのコラムに、坂東の食物との比較で出て来た覚えがあります。しかしその時は、比較としてあまり適切ではありませんでした。またこういうのを書きたいのであれば、あらすじとはまた別の記事で詳しく書くべきかとも思います。
ちなみに「清浄歓喜団」のURLです。

https://www.kameyakiyonaga.co.jp/year01.html
(亀屋清永サイト)

5.時元も、もう終わりましたね。悪い方向へ踏み出した。
人はなぜ教訓を間違えて学ぶのか?
時元は、父・阿野全成が頼朝生前に粛清されなかったことを教訓とすべきでした。彼は無欲であり、それで生き延びた。

この回で初登場の人に、「もう終わった」もないかと思いますが…実際乳母子である自分なら、もっと出世してもいいはず、そういう野心はあったでしょう。

6.彼女(注・実衣)はことあるごとに自分と政子の違いをわきまえず、軽んじるようなことを言ってきました。そんな母から政子とその子を軽んじる態度を学んだら危険でしかありません。
実衣はむしろ率先して政子親子を重んじる姿勢を、やりすぎと思えるぐらいに徹底すべきでした。
今となってはもう手遅れで……よりにもよって義村の前で本心を語ったことが、後々響いてくるでしょう。

既に前にも書いていますが、実衣は実朝の乳母です。頼朝に取っての比企尼、頼家に取っての比企能員と道の関係を思えば、大体察しがつきます。そして時元の実朝への待遇の不満が、後々響くとありますが、実際彼は実朝暗殺後挙兵して討伐されています。ただこれはあくまでも北条の視点であり、逆に北条は既にこの時、朝廷から将軍を迎える手筈を調えており、源氏の血を引く者たちは、その企てに邪魔であると言う理由で滅ぼしたという説もあります。

7.それにしても……義村は裏切ったのでしょうか?
彼はなんだかんだで、いつも義時についていることを踏まえれば、ある意味忠実といえます。
義村は美味しい立場にいます。
有力御家人として突出しているだけに、陰謀の助力を頼まれ、それを義時に売り飛ばせばうまい汁だけが待っている。
実によい位置を手に入れました。
頼朝生前は不満があったけれども、義時がそうなりつつある今は楽しくて仕方ないでしょうね。

この場合「裏切った」には
時政を裏切った
義時を裏切って時政につくが、その時政の言を裏切って義時に洩らした
の2つの意味がありそうですが、この場合は後者にも取れると思います。
そして有力御家人として突出しているということは、敵を作りやすく、その本人も時と場合によっては裏切り者として狙われやすいため、うまく世渡りをして行かなければ、生き残ることはできません。ですから、ただ単に「よい位置を手に入れた」とは言えないでしょうね。

8.時政が謎の掛け声を言い出します。
「オンベレブンビンバ~オンベレブンビンバ~」
どうしちゃったのかと実衣。ついに頭にきちゃったのかと声をひそめていると、なんでも「大姫のおまじない」だそうです。
これを唱えればいいことがあるとかで、政子も覚えていると自信満々。
「ウンダラホンダラゲー」
そして義時もまた覚えていると言い出し、真面目な顔で。
「ピンタラホンチンガー」
こうなると一同黙っていられないのでしょう。時房が「プルップルッ」と続き、政子が「ちょっと!」と止める。
実衣が集中して思い出そうとしています。
「ウンタラブーポンパー……違う。ああ、全成殿がいてくれたら」
「がんばって!」
「ウンタラプーソワカー」
「近くなったんじゃない!」
「プルップ!」
時房、プルプルはもういいから。
「ウンタラ……ウンタラクーソワカー」
それだ! それよ!
そう言い合いながら、義時はそれでいいと言い出します。
「ボンタラ! ボンタラよ!」
「ボンタラクーソワカー」
一同はそれだということで、何度も笑いながら繰り返しますが、正しくは「オンタラクソワカ」だとナレーションでツッコミが入ります。

ここの部分、かなり長いのですが、要は時政の「オンベレブンビンバ」が元々大姫が教えたまじないであり、本当は何であったかということで、その場にいた一同が、めいめい自分が考え出したまじないを出し合う場面です。尚、この後にナスの畑の話も登場します。恐らくこれが、最後の父と子の団欒であろうと時政も思っているわけで、楽しくもちょっと切ないシーンでもあります。
しかしその後の部分なのですが、

9.楽しいようで、決裂している北条家。
同じ言葉を聞いていても誰一人一致せず、間違った結論を出す。
これは感動的なのかどうか。
私にはあまりに酷いと思えます。

うーむ、どこをどう解釈したらこうなるのでしょうか。
「一致しない」「間違った結論」などと言われても、別にこれは北条が今度どうあるべきなのかといったシリアスな話題でもなく、あのまじないは何だったかな、これかあれかとみんなで談笑し合っているわけでしょう。

10.そして課題も見えてきた。
先程の会話で、のえが『源氏物語』を話題にしました。共通の認識としての教養があれば、話は通じ易くなる。
『麒麟がくる』では、駒、駒に伝えた光秀の父、駒の話を聞いた光秀が“麒麟”が何であるか共通認識があるから、話が進んでいました。
当時の北条一家にはそれがない。
だからこうして楽しそうに酒を飲んで浮かれはしゃいでいても、同床異夢に陥ってしまうのではないでしょうか。

さてこれもどうでしょうか。
互いが互いの意見を、さほどシリアスでない場で述べ合うのは別に悪いことでもないと思いますが。それとのえは、あの場で源氏物語や京都のことを話題に出そうとして、全然相手に受けていませんでした。あの場での共通の話題は、寧ろ実朝のことだったのではないでしょうか。

それとここでも『麒麟がくる』。もうこれは武者さんの病気と言うか、これこそ唯一無二の理想と言った作品であり、ことあるごとに、これを引っ張り出さないと気が済まないようですね。そしてその後で

11.人は、同じ血を引いているとか、愛があればわかりあえるほど単純でもありません。
教養、宗教の教義、そして法律など。人ではない“基準”を用いて頭の上に置くことで、意見の一致ができ、秩序が保たれます。

「人ではない“基準”を用いて頭の上に置く」て、具体的にどういうことでしょうか。要は一族だけという理由だけでは、寧ろしがらみもあって意外とばらけやすく、そのため、組織をまとめるための方針なり、法的基準なりが必要と言いたいのでしょうか。

12.源実朝が義盛の館から帰ろうとしています。
そのとき義盛が、鎌倉殿を「武衛」と呼びたいと言い出しました。唐の国では親しい仲を武衛と呼ぶと。誰から吹き込まれたのだと時元が言っています。
「そうだそうだ、みんな武衛だ」
そこへ三浦義村がやって来て、執権殿が心配していると実朝を連れ出します。
この場面では、哀しいかな義盛も悪い方へ踏み出しました。
義盛は勘違いした。
鎌倉殿という権力者と距離が近づきすぎた。鎌倉殿なら俺にいいようにしてくれるんじゃねえか。そう勘違いするようになりました。

まずここですが
「誰から吹き込まれたのだ」と言っているのは八田知家ですね。
そして、「そうだそうだ、みんな武衛だ」は、ここの部分だけ見ると義盛のセリフに見えますが、実は義村のセリフで、こう言いながら和田館に入って来て、実朝を連れて行くわけです。そもそも上総広常に「武衛」呼びを勧めたのはこの義村ですからね。しかしこういうの、原稿にする前にもう一度チェックして貰えないものでしょうか。
あと義盛は、登場シーンを観る限りそこまで色気を出していたと言うよりは、寧ろこの人の地の部分が出ていたように思います。

そしてこれより少し後の部分では、

13.そもそもが、あの「武衛」呼びだって義村のでまかせ由来です。
並の神経の持ち主ならば、罪悪感からか、やってやった満足感から自分が発信源だとこぼしていてもよさそうなものですが、それを義村はしません。

とあります。
ならば尚更義村がこのセリフを言ったことをきちんと書き、それに関連付けるべきでしょう。

14.たとえば今週のサブタイトル「オンベレブンビンバ」が出た時点で、推理合戦が始まりました。
検索をして何も出てこなかった時点で、私は放棄しました。イタリア語由来もありますが、これはありえないとわかります。
時代がもっとあと、戦国時代末期で、かつスペイン語、ポルトガル語、ラテン語由来ならあるかもしれない。
外国語の知識があるからには、登場人物の頭に浮かんでもおかしくはありません。
しかしこのドラマの人物では誰一人としてイタリア語を知らない。
ゆえに候補から外せます。
それでもこうした現象が起きるのはなぜか。
SNSでそういうことを呟き、誰かにハマれば拡散され、自己承認されたようで気持ちがよいでしょう。
しかし、そこが危険な気がするのです。
「オンベレブンビンバ」は、話の中身を理解するうえでさして役に立ちませんよね。
SNSではドラマをネタにしたハッシュタグも多く、画面写真を貼り付けた大喜利状態にもなっています。

このサブタイ、確かにネット上で色々詮索されてもいたようですが、皆も遊びでやっていたこともあり、そこまで目くじらを立てる必要もないかと思います。私は話題に上っていたオランダ語とイタリア語の組み合わせかと思いましたが、何だか不自然だから、あるいは仏教関係の言葉かなと思いました。それにこの言葉、放送前は何も登場人物が使っていると決まっていたわけではありません。そこまで突き詰めて考える必要もないでしょう。
それに皆楽しみながらやっているのですから、それをSNSでつぶやくなと言う必要もないと思うし、話の中身を理解するうえで役に立たないなどと言うのも、武者さんがそう思っているわけで、時政の心情が現れているなと受け止める人もいるのではないでしょうか。

そしてこちらは前半部分ですが、こういう記述もありました。
「義時が、今までで最も輝いているのではないでしょうか。
彼には邪悪な喜びも味わって欲しい」

一方で、これは一度過去の投稿で引用したものですが、武者さんは小檜山氏名義でこういうツイをしています。

https://twitter.com/Sei_Kobeee/status/1562261701617397760
「義時のなんちゃら」系のお菓子、一体何を味わえというのか!と怒りながらひっくり返したくなるな…。義時の心の味なんて、むしろ食べたくない。

何だか矛盾していますね。


飲み物-グラスに入った黒ビール
[ 2022/09/30 00:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 74その1

『武将ジャパン』大河コラム、前半部分に関する記述への疑問点です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第37回「オンベレブンビンバ」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)


1.彼女にやや子ができたと報告されて驚く時政は、一呼吸置いて、嫁は取らぬという小四郎を説き伏せたのは自分だと嘘をついています。
知らなかったと驚く行政に、これで恩を売れたと考えたか、時政は「高野山への下知状」を自分名義で書くように命じます。今回の訴えを退けて、尼御台は関係ないと高野山に伝えようとしました。

説き伏せたの前に時政は「結び付けたけたのはわしだからな」と言っています。説き伏せたのみならず、結び付けた、だからお前にも孫ができることになると恩を着せたいと考えるのなら、この一言はやはり外すべきではないでしょう。

2.やはり時政は小悪党でしかなく、そもそもは頼朝の舅という一点突破でここまできました。持っているスキルは人脈と好感度だけだとわかる、秀逸な導入部ですね。

小悪党というのは言い過ぎかと思います。元々伊豆の小領主であったのが、頼朝の舅というだけでなく、頼朝を匿い、さらには挙兵させることにより、彼自身も分不相応とまで言える地位に昇りつめたわけです。しかし根が坂東武者である彼にしてみれば、それ以上の官僚的な仕事は手に余ったと言うわけでしょう。

3.しかし時政の破滅は、現代社会でも陥りやすい罠が多分に含まれています。能力がないのに、なんとなくコネでトップに立つ。
どう能力がないか挙げてみましょう。
・理詰めで物事を考えられないから、口論になったら、義時にも広元にも到底勝てない
・文章が書けず、文官である二階堂行政を頼る
・頼るにしても、大仰なデマを元にした人脈アピールから入る
・そもそも訴訟を裁くだけの知能がない

この時代と現代社会は必ずしも同じ基準での比較はできません。逆に言えば坂東武者のいい部分を残しているとも言えますし、鎌倉幕府のありようによっては、彼でも対処できたかも知れないのです。その代わり脇が甘く、常に御家人の反乱を招きかねなくもあるわけで、そこを義時が詰めようとして対立することになります。

それから「大仰なデマを元にした人脈アピール」とは、具体的にどのようなアピールのことなのでしょうか。

4.もはや鎌倉はコネでどうこうできる場所ではありません。その流れについていけない、いつまでもアップデートできない時政が哀れだ。

コネというか人脈はこの時も必要であったかとは思います。ただ時政の場合、いざという時に頼りになる人物に任せなかったことが最大の敗因と言えるでしょう。

5.実に素直でよい人です。父が若い後妻に入れ込んだ挙句、異母弟(亡くなった北条政範)の下に置かれても恨んでいない。

これは前回の分でも書いていますが、母親の身分が違う以上、それを当然と割り切っていたふしもあります。それと
「父が若い後妻に入れ込んだ挙句、異母弟(亡くなった北条政範)の下に置かれても」
とありますが、父は若い継室に夢中で、その2人の間に生まれた異母弟とでも書いてほしいところです。またこの当時は正室が亡くなれば、継室を娶るのは当然であり、義時と比奈もその意味では似たようなものでした。

6.大江広元が慈愛に満ちた目で彼女を見守り、次の書状を書くよう促します。
時政の前とでは表情が全然違いますが、理由はわかる。何も学ぶ気が無かった時政に対し、政子は心構えが違うのでしょう。

これはどうでしょうね。寧ろ時政は今までの経験で物事を判断したがるし、そもそも比企能員もそうでしたが、こういう昔ながらの坂東武者とは肌が合わない人物でした。ならば寧ろ、政子の方がいわば扱いやすく、まだしも協調できると踏んだのではないでしょうか。

7.その点を政子が気にしていますが、だからこそ女性が書いているとわかり、御家人たちも喜ぶと広元が答える。
どうやら彼は、自分の活躍だけでなく、見出した人物の成長する様に充足感を覚えるようです。
「王佐の才」(王者を支える才能)の持ち主ですね。
これはなかなか大事な指摘です。

これが実朝であれば「王佐の才」と言えたかも知れませんが、執権代行とも言うべき政子の場合は、こう言うべきなのかどうか…。あと政子の場合、この回だけ見れば「慣れない仕事を何とかこなしている」印象であり、だからこそ広元に一任したいと言い出したようにも見えます。

8.問い詰めると同時に「向こうも同じことを考えているかもしれない」と重ねてプレッシャーをかけ、さらには「政範の魂が見守ってくれている」とまで言い出す。
りくは冷静さを欠いていますね。
支離滅裂で意味がわからない。鎌倉殿の座を狙うことと政範は関係ないし、京都での暗殺は知らないにせよ、政範を殺した朝雅を頼るのだからもう無茶苦茶です。

支離滅裂でしょうか。無論我が子可愛さゆえの母親の愛情ではあるでしょう(形こそ違えどこれは政子も同じ)。そして敵対する以上は、義時サイドも同じことを考えていると思っても不思議ではありません。また彼女は、朝雅が政範を殺したことももちろん知りません。そして鎌倉殿を娘婿の朝雅に継がせるということは、ゆくゆく自分たちの子孫が継ぐと言うことであり、それを成し遂げたい、きっと政範の魂が見守ってくれる、志半ばで世を去ったあの子のためにもと言っていますね。

9.実朝では頼りない、おとなしすぎるとかなんとか言いくるめようとするのですが、義村は「威勢がよすぎて潰れたお方」のことをほのめかします。
源頼家のことですね。義村は、すでに時政の理論の危うさに気づいている。会話をしながら計画の確実性を探っているのでしょう。
しかし、そんなことに露とも気づかないのか、時政は、三浦が庇護している頼家の息子・善哉のことを持ち出します。
まだ六つだけれども、鎌倉殿にしたらどうか。頼家が泣いて喜ぶだろう。そう情に訴えつつ、善哉が幼い間は誰か別の人を立てると言い始める。

この義村を呼ぶシーンですが、まず
「(実朝が)おとなしすぎる」
のではなく、その後の
「周りの者が調子に乗る」
方が時政には面白くないのではないでしょうか。そして
「そんなことに露とも気づかないのか」
ではないでしょう。「威勢がよすぎて潰れて行ったお方もいますが」と義村が言ったところで話題を善哉に変えていますし。あと「頼家が泣いて喜ぶだろう」は時政ではなく義村のセリフですね。

義村「頼家様が聞けば涙を流して喜ばれると思います。しかしながら、善哉様はまだ幼うござる。そこはどのようにお考えで?」

10.重忠が所領をたくさん持っているからとか、立場が良いとか、そういうことではなく、人間として大事だった。
りくやのえと対比したくなります。
この二人は、露骨に夫が持つステータスを愛しています。地位が安泰で、高みに昇れば昇るほど心地よくなる。そのために夫が危険な目に遭おうが関係ない。
最終的に、ちえは本領を継ぎ、畠山の名は残りました。
再婚相手は足利義純ですが、重要なのは、女性の土地継承でしょう。
中世まではこうしたことはあったものの、近世以降廃れてゆき、明治維新以降は女性の権利に対してさらに制限がかかってしまった。

りくとのえはまた別でしょう。りくにしてみれば、伊豆の小領主であった時政に嫁ぎ、その間伊豆に再び戻って農作業をやったりもしていますし、この夫婦は彼らなりに満足していますし、互いを思ってもいるわけです。ただ時政はいささか不相応な役職に就き、りくは我が子可愛さの情が強く、またプライドが高かったせいで墓穴を掘ることになります。
それと女性の土地継承ですが、同じ中世でも室町時代になると女性の継承権は弱くなり、子供たちの中で優秀な者が継ぐようになります。そして近世になると、嫡子(嫡男)相続となってしまいますね。


飲み物-ビールと夜景

[ 2022/09/29 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第25週感想-3

まず第123回の気になった点です。

  • 相変わらず包丁の使い方が危なっかしい暢子
  • なぜか房子を送りに行かない暢子
  • バスの後から走って来る暢子
  • 急に半年が過ぎる
  • 懐かしい名前(早苗、金吾)が出て来る
  • 金吾はパイナップル経営者なのをなぜ良子が知っていたか
  • 家をあんなにしたらプライベートな空間なくなりませんか?
  • 博夫「延期するしかないってこと?」暢子「できるわけないさ」
  • あの厨房で保健所の許可下りたの?
  • 暢子またしても包丁が…
  • 暢子「大丈夫(までできる)」?
  • 歌子「諦めない」
  • この時の三角巾の方がとがっていない
  • 起きて起きてと言うけれど少し寝かせてあげなさい

歌子が大里親子を送って帰ってくると、暢子が1人でゴーヤを刻んでいます。この手つきがやはり危なっかしいです。それはそうと、本来ならば房子を送りに行くはずなのですが、房子は優子が1人でバスに乗せて見送ります。すると暢子がいきなり現れ、バスの後を走って追いかけて「また来てください」と叫ぶのですが、こんなことしなくても浜辺に3人で行くか、バス停で2人を待つかして、一緒に送ればいいと思うのですが。

そして麺はカラキを練り込むことになりますが、このカラキ、シナモンの一種のようです。しかしどんな植物なのか、ツイッターでは詳しく紹介されていません。これは後述しますが、この手の情報発信をもう少し改善してほしかったです。そして家の中には運天製麺という、名護の製麺会社の社長が来ており、麺の打ち合わせをします。ところでこの運天さんを演じているのは、『鎌倉殿の13人』の足立遠元さん、大野泰広さんです。武蔵に戻ったかと思ったら、沖縄で麺を作っていたのですね。しかし暢子、ちゃっかり値段を値切っています。

そしてあっと言う間に半年が経ちます。店は「やんばるちむどんどん」と言う名前に決まり、11月24日にオープンと決まりました。しかし沖縄だと、11月下旬でもあの格好で大丈夫なのですね。それはさておき。この半年の間に家の工事をして、厨房も改造し、その他色々な手続きもあったかと思いますが、このドラマではやはり描かれずじまいです。しかし居間まで客席にしたら、プライベートな空間なくなりませんか?

また賢秀ニーニーをはじめ、早苗だの金吾だのと言った名前が実に久々に出て来ます。金吾はハワイでパイナップル農園を経営しているようですが、なぜ良子がそれを知っていたのでしょうか。そこへ運天製麺から電話で、電気系統のトラブルで麺を納品できないという知らせが届きます。何やら図ったかのようなトラブルです。
そして博夫は尋ねます。
「延期するしかないってこと?」
暢子は答えます。
「できるわけないさ」

確かにここは延期するか、あるいはそばを楽しみにやって来る人を喜ばせたいのなら、せめて50食ほど準備しておけば十分ではないでしょうか。しかし暢子は注文していたのと同じ数、余裕を見て100食分作るという荒業に出ます。かくして製麺未経験者が駆り出され、材料も近所の人々の厚意にすがると言う、如何にも暢子らしいやり方で麺作りがスタートします。

そばを包丁で切って行く暢子。しかしやはり危なっかしそうな手つきです。ちなみにこの時の包丁は、父賢三の形見のようですが、何だかこちらも久々に見たような気がします。と言うか、あの包丁はどこに行ったのだろうと正直思っていました。それとそばを切るのであれば、専用のがあるとは思うのですが…。ともあれ暢子、「大丈夫」と皆を励ましたつもりなのでしょうが、皆かなり疲れています。それでも歌子が「諦めない」と言い、暢子は気をよくします。

翌朝、男性陣は疲れて雑魚寝をしています。そして暢子たちはやっとそばが100食分仕上がり大喜びです。しかしあの厨房なのですが、確か厨房とその外の仕切りがないと保健所の許可が下りないのですが、あそこ、仕切りがなさそうに見えるのですね。それと三角巾、今回のはあまり先がとがっていませんね。それにしても皆疲れているんだから、もう少し寝かせてあげればいいのに。


『ちむどんどん』を振り返って。今回は公式の情報発信です。公式サイトやツイッター、そしてインスタがあるにはありますが、意外に沖縄独自の料理や習慣についてあまり触れられていない、あるいは触れていても、あっさりしている印象があります。また公式サイトには予告アイテム(今週はカラキとジーファー)というのがありますが、これはその週が終わらないと見ることができません。これはちょっとどうかなと思います。

そして下の画像についです。沖縄の結納盛りと呼ばれるもので、暢子が和彦との結婚を決めた日のツイートです。赤いお菓子が、如何にもおめでたい気分を醸しだします。

沖縄結納菓子

しかしこれは内閣府沖縄総合事務局のものであり、公式のものではありません。なぜ公式はこういうツイを流さないのでしょうか。多くのツイはドラマの内容とかお知らせ、あるいはドラマの中で登場した料理の情報ばかりです。

しかも今回は沖縄が舞台の1つですし、鶴見も沖縄の出身者が多い地域です。それを考えると、沖縄独自の習慣や服装なども、もっとアピールしていいでしょう。そして沖縄料理も地元の人や沖縄出身の人、沖縄に関心のある人なら、名前を聞いただけでどのような料理か大体想像がつくと思われます。しかし残念ながら、そこまで詳しくないという視聴者もいるでしょう。それを考えると、ただ料理と名前を紹介するだけでなく、どのようないわれがあるのか、どのような材料を使っているのかといったことを、もう少し流してほしいものです。これはイタリア料理も同じです。

それからヤギを連れて歩く人がいましたが、ヤギも沖縄では食材で、ヤギ汁にして食べられます。そういう食習慣なども、もう少し情報として流してほしかったですね。


飲み物-アイスコーヒー5
[ 2022/09/29 01:00 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第25週感想-2

第122回の気になった点です。

  • 急にやってくる大里五郎
  • なぜか突っ立っている姉妹と和彦
  • 五郎が会った人なのに奥さんの遺品?
  • 「お父ちゃん」不在
  • そしてなぜ「優子さんのおかげ」?
  • 健彦がいない
  • どうも唐突に感じられます

この回、どのような事情なのか、優子が主人公で戦争の記憶を絡めた回となっており、まるでこれだけがスピンオフのようでした。まず房子が尋ねて来たのは、今は東京で町工場を経営していた大里(おおざと)五郎という人物が、与那城優子と秀夫と言う人物を探していることがわかったためでした。全国の沖縄県人会に問い合わせが回り、房子が三郎から頼まれてやって来たのでした。そして与那城とは優子の旧姓でした。

五郎、そして足の悪い彼の介添え役としての、娘の悦子がやって来ます。五郎は既に島の言葉も忘れていました。そして悦子は、五郎の亡くなった妻の遺品の中にあった、ジーファー(簪)を渡します。

優子はジーファーを握りしめます。五郎は沖縄での戦争の際、焼け残った小屋に逃げ込んだところ、そこで優子や秀夫の姉の時恵を看取ったのでした。両親は機銃掃射で既に亡くなっており、時恵も最早長くはもつようには見えず、しかし自分は食べられないからと、五郎に小さなおにぎりをくれます。そして時恵は妹と弟がいること、見捨てたのではなく、必死に探したけれど見つからなかったと伝えてほしいと言います。

そして時恵は、ジーファーを妹に渡してほしいと亡くなる直前に言います。それは時恵の宝物でした。時恵は亡くなる直前に水を欲しがり、五郎は少しだけ水を持っていましたが、自分の今後のことを考えて、水を飲ませることはできませんでした。

それが五郎の心の重荷となっていました。優子は生きているのか死んでいるのか、わからなかったと言い、涙を流しながら五郎に礼を述べます。そばに立っていた姉妹と和彦もその様子を聞いていました。そのジーファーに、弟を守れなかったことを詫びる優子。その夜優子は浜千鳥の踊り(ツイッター情報)を披露します。そして翌日、浜辺で祈りをささげた優子と房子は打ち解け、房子は初めて帰って来た故郷にただいまと言い、優子さんのおかげですと言って去って行きます。

と、それまでとはかなり違った雰囲気なのですが、かと言って疑問点がないわけではありません。まずなぜジーファーがなぜ五郎本人が持っていたのではなく、亡くなった妻の遺品の中にあったのか、それも不思議ですし、そもそもこの人が来るということは、前もって連絡されていたのでしょうか。アポなしでやって来ても、優子が必ずしも会えるとは限らないのですが。

あと子供たちがなぜか突っ立っているのも変ですし、それとこれもツイッターで指摘されていましたが、せっかく優子が踊っているのだから、賢三の写真を誰か持って来て、お父ちゃんも仲間入りさせてあげればいいのになと思います。そして最後のシーンの房子の、「優子さんのおかげです」も疑問。寧ろ房子が尽力したと思うのですが。そして何よりも、家の中に健彦がいないのですが、もう寝てしまったのでしょうか。

この回を観て思うことですが、優子が姉の行方を探していたとか、簪の話などを日常的にしていたとか言うのであれば、今回のような展開もまたありだし、一種の伏線回収となったでしょう。しかしそうでないため、何か唐突に感じられてしまいます。五郎が優子の行方を探していたという設定なら、最終回間際ではなくもう少し前に持って来て、それからまた新しい物語を始めて行くというやり方もあったはずなのですが…。言っては何ですが、何かテコ入れのようにも見えます。で、次から最終回まではまた暢子の店関係になるのでしょうね。

しかし、この浜辺の光景や独特の形の簪を見ると、『西郷どん』の奄美大島編を思い出します。

それと今までを振り返って。
これは先日も書いていますが、暢子の経歴に関して。

東京に行きたい!で単身上京して、たまたま出会った三郎にフォンターナを紹介される
披露宴の席で沖縄料理を口にするお客を見て、独立を宣言、沖縄料理店を立ち上げる。そして鶴見で食い逃げしていた矢作に再会し、その後自分の店の料理人として迎える。しかし妊娠が分かり、房子から一旦見送るように言われるも、開店を強行する
ちむどんどんというその店は当初は売れるが、2か月ほどで客が来なくなる。改装と称して一旦休業し、売り物の沖縄そばの味を再検討する。するとたまたま近くのスナックで仕事をしているリリィという女性が、豚肉を持って現れ、それが味の決め手となる。リリィは、賢秀が出たり入ったりしている養豚場の娘で、賢秀からなぜか出て行けと言われ、水商売をやっていた
ちむどんどんは再び客が入るようになり、暢子は男児を出産する。その後4年間その店をつづけるが、1984年の春に帰省した際に故郷で農業をすることに決め、店を矢作に譲ることにする。
やんばるへ帰って農業を始めた暢子は、沖縄料理の勉強会を始め、その時のおばあたちの言葉がきっかけで、再度店をやりたいと思うようになる。そして実家をレストランに改造することを思いつき、近所の人たちが木材を調達してくれて、改造計画が始まる。

観ていて思うのですが、彼女の場合長期計画があってそれを実現させるとか、自分の技をじっくり磨き、その道を究めるというものがありません。料理の技は磨いているのかも知れませんが、その腕前が披露されなくなっています。とどのつまり、自分の思いつきとか、何となくやってみたいからといった理由で次のステップに進んでいる感があり、その部分にやはり共感ができないのです。

しかも三郎のフォンターナ紹介、リリィ(清恵)が持って来てくれた豚肉、そしてやんばるで近所の人が木材を持って来てくれるところなど、何らかの形で、他人が無償で助けてくれることが前提となっています。最初のフォンターナの紹介くらいはまだ納得できますが、その後の豚肉を探すとか、レストラン建設をするなどというのは、本人もきちんとリサーチしてしかるべきでしょう。

この朝ドラのOPテーマの歌詞、最後の部分には「大丈夫、ほら、見ていて」とあります。普通の朝ドラのヒロインに当てはめた場合、「ほら、(努力して成長するところを)見ていて」なのでしょうが、これを暢子に当てはめた場合、「ほら、誰かが助けてくれるから見ていて」といった意味に取れてしまうのです。


飲み物-ミルクが注がれる紅茶
[ 2022/09/28 01:15 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(3)

『鎌倉殿の13人』第37回「オンベレブンビンバ」あらすじと感想-2

第37回後半部分です。


朝雅は親能と立ち話をしていた。時政から、鎌倉殿就任を依頼する文が届いたのである。朝雅は鎌倉でこの先何が起こるか全く読めん、ひとつ間違えると命取りぞと朝雅。親能もそれにうなずく。その鎌倉では実朝が食膳の魚に手を付けようとするものの、小骨が気になっていた。取って差し上げると千世は言うが、実朝は渋る。遠慮しているのですかと尋ねる千世に、もう満腹だ、今度頼むと実朝は言って席を立つ。

実朝は和田館に出かけようとするが、急な外出は母から止められていると時元。しかし実朝はあそこは心が落ち着く、八田の兵を警固につけると言う。実衣は和田館で何をするのかと呆れるが、ただゆっくり過ごされるようですと時元から言われ、暗くなる前には連れて帰るようにと時元に命じる。尼御台にも話しておいた方がと時元は言い、実衣はこう答える。
「それはいいわ、しゃしゃり出てこられたら困るから」

和田館では義盛が、自らの武勇伝を実朝に聞かせる。義盛の弁舌は時にタメ口になりながらも冴え渡り、頼朝の偉大さを強調していたが、実はそれは義盛ではなく上総広常のことだった。警固の知家も、巴もそのことを指摘したが、細かいことはいいんだよと義盛が言ったことから、巴との間でたわいない喧嘩が始まり、実朝はそれを面白そうに見ていた。その頃のえは初に、京の話を聞くべく、政子と千世に会いに行こうと誘うが、初は気乗りがしなかった。のえはいずれ義時に高い官職について貰い、京に戻るつもりでいた。

政子は千世に頼朝も実朝同様小骨が駄目であったこと、親子はおかしなところが似ると話すが、のえの方は賀茂の祭で、千世が斎王を務めたことがあるかと尋ねる。しかし政子は斎王を知らなかった。源氏物語にも出て来ますとのえは言う。政子は思い出したと言うものの、話題を実朝に戻したため、のえはまたも祭の話を始める。政子はのえを牽制するが、のえは千世殿の話を聞くために集まっていると思ったと言い、千世にいささかわざとらしく謝る。

時政は義村と胤義が待つ部屋へ入り、実朝の身柄を今宵ここへ移して出家する旨の起請文を書かせ、平賀朝雅を鎌倉殿とし、政子や義時の口を封じるつもりだった。時元は、鎌倉殿は本日も和田の館に向かわれると言い、それを利用して身柄を確保することになった。その言葉を信じていいかと義村は尋ねるが、時元は自分が実朝の乳母子にも関わらず、扱いが違うのが不満だと言う。義村は納得し、時政は細かい点の説明に入る。りくはこの計画にすっかり気をよくしていた。

しかし時政はどこか浮かぬ表情だった。この期に及んでおじけづいたとは言わせないと言うりくに、腹は括っておると時政。そして、お前の喜ぶ顔をそばで見ていられたらそれで満足と言ったため、りくはだったらもっと喜ばせてくれ、りくは強欲にございますと耳元で囁くように言う。時政はよう分かったとりくを抱き寄せた後、夜までにやっておきたいことがあるからと出て行く。その頃義時はこのことを義村から聞かされていた。どうせあの女子の手引きだろうと義村。

平賀朝雅を鎌倉殿にという話は、正気の沙汰ではないと2人とも思っており、義村は時政は嘘をついている、朝雅になれば善哉が鎌倉殿になる目はないと言う。しかし義時は知らん顔を決め込み、義村に時政に従って行動するように指示する。政子はこの計画を止めさせるように言うが、義時にしてみれば、時政に誰の目にも明らかな謀反を起こして貰わないと、信頼を失うのは自分達だった。そこへ時政がやって来る。伊豆からうまい酒が届いた、実衣にも声をかけたから一緒に飲もうと言うのである。その頃りくは政範の遺髪を手にし、祈るような気持でいた。

時政は盃を干しながら、「オンベレブンビンバ」と口にする。子供たちは怪訝な顔をするが、大姫が教えてくれたまじないじゃ、これを唱えるといいことがあると時政。子供たちは口々にそれは違うと指摘し、めいめいが自分の考えた呪文を披露する。そんな中実衣が記憶を手繰り寄せて口にしたのは「ボンタラクーソワカー(オンタラクソワカ)」だった。時政は久々に上機嫌だったが、りくはいいのかと話を振られると、不意を突かれたように、今日はあいつはいいんだと答える。

庭先には、政子が昔を懐かしんで作った畑があり、ナスが植えられていた。しかし時政はもっと間を開けて植えろと言い、義時や時房も手伝うことになる。父と子供たちの時間はゆったりと流れて行った。そして実朝は和田館を辞し、義盛は実朝に親しみを込めて、武衛と呼んでもいいかと尋ねる。唐の国では親しい間のことを武衛と呼ぶと言い、知家がだれがそんなことを吹き込んだのかと問い詰める。そこへその張本人、義村がそうだそうだと言いつつ武装した兵と現れ、この先は三浦がお連れ致しますと頭を下げる。

義村は実朝を連れ去るが、気になった知家は義時にその件を打ち明ける。義時は、一行が向かったのは名越の北条館であると睨み、それを聞いていた政子もうなずく。義時は兵を出すことを決めた。そして義村からの知らせとして、実朝が北条館に「押し込められている」状態であることを時房が伝え、政子は企ての無謀さに驚き、なぜ父上は気づかないのかと言う。義時は、父上は気づいていると言う。

昼間何故時政が皆を集めたのかと義時は政子に尋ね、政子はお別れを言いたかったのだ、事と次第によっては自分たちを殺すつもりではないのかと答えるが、実際は違っていた。時政はこの企てはうまく行かないこと、りくの言う通りにすれば必ず行き詰まることを知っていたが、敢えてその道を選んだのである。どうするつもりかと政子に訊かれ、父上は恐らくと義時は言いかけるが、あなたのことを聞いているのですと政子は強く言う。義時は泰時に、お前をなせ父のそばに置いたのか、父の覚悟を知ってもらうためだと告げる。

義時は立ち上がり、執権北条時政謀反、これより討ち取ると宣言するが、泰時は父を止め、政子は命だけは助けてくれと頼む。しかし義時は、それをすれば、北条は身内に甘いと日本中からそしりを受ける、此度の父上の振舞いは許すわけには行かないと、泰時を従えて出て行く。一方で時政は実朝に、起請文がないと、じいは死ななくちゃならねえんですと哀願する。意を決した実朝は筆を執り、何と書けばいいのかと尋ねる。
「速やかに出家し、鎌倉殿の座を平賀朝雅殿に譲る」
実朝は義時に相談したい、母上とも会いたいと言うが、時政はそれはならぬと言う。ならば書けんと筆を置く実朝だが、時政は太刀を抜き、実朝の前に立ちふさがる。


いよいよ牧氏事件の核心部分に入って行きます。ところでこのサブタイトル「オンベレブンビンバ」ですが、放送前はオランダ語だ、イタリア語だと様々な説が飛び交っていたようです。実際「オンベレブン」はオランダ語で「比類のない」、「ビンバ」はイタリア語で「少女」なのですが、どう考えてもオランダ語とイタリア語をくっつけるのも不自然で、また発音が若干違うのではと思い、仏教用語かとも考えていました。実際は「オンタラクソワカ」でしたね。しかしなぜこれが「オンベレブンビンバ」になったものやら。

ところで実朝の和田館行きはほぼ日常化しているようです。そして義盛もまた実朝の来訪を喜んでいるようで、自分の輝かしい経歴を熱弁を振るって聞かせるわけですが、しかし、実はそれは上総広常の経歴でした。しかも帰り際に、実朝のことを武衛と呼んでもいいかとまで言う始末で、何やら広常と自分を同一視しているかのようにも見えますが、実際は実朝はこの時右近衛権中将で、この場合唐名は「羽林」です。ところで義盛の館の歩き巫女、如何にも予言者といった感じでしたが、彼女はあの時だけ登場したようですね。

一方で政子は、千世とのえとの会話の場を設けます。しかしこの場合、のえの格好がどうも普段着に見えるのですが、これでよかったのでしょうか。そしてのえは、京のことに関しては自信があるとばかりに、賀茂の祭(葵祭)の話を始め、千世にその話題を振ろうとします。政子に対してマウントを取ろうとしているようにも見えます。しかし政子が実朝の話題に持って行くので、のえは面白くありません。このいくらか棘のある女子会のシーン、『真田丸』にも登場しましたね。ところで彼女たちが食べているのは揚げ菓子のようですね。

時政、りくと子供たちの板挟みになりつつ、敢えて無謀と思われる方を選択します。「オンベレブンビンバ」を巡る各自の解釈、ナスの植え方など、恐らく最後となる父と子の時間が流れて行きます。その後和田館から戻る実朝を、義村が名越の北条館へ連れて行き、実朝は時政の姿勢に戸惑います。そして義時。自分の父を討ち取るべく立ち上がります。ここでの義時のセリフは、前半部分でちえが口にしたのとほぼ同じです。あれを教訓としたのでしょうか。

京では平賀朝雅が、鎌倉へ戻るなどとんでもないと考えていました。そしてこの人物もまた在京御家人に討ち取られることになります。ところでこの大河では、この朝雅こそが政範を殺した張本人であり、その彼を鎌倉殿にと言うのも如何にも妙な話ではあります。それから先日投稿分の後鳥羽上皇の似顔絵、慈円はどう見ても天狗に見えますが、大天狗と言われた自分の祖父、後白河法皇のイメージをだぶらせているのでしょうか。

飲み物-アイリッシュコーヒー2
[ 2022/09/28 00:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第37回「オンベレブンビンバ」あらすじと感想-1

第37回の前半部分です。


各地の所領を巡る訴訟が相次ぐが、その中には三善康信の所領もあった。しかし時政は評定裁定から締め出されており、恩賞の沙汰より後は、執権宛ての訴状は政子宛てとなっていた。既に実朝もこれを認めており、時政は面白くない。その時政は二階堂行政から、義時とのえの間に子供ができたと聞かされ、結び付けたことを自分の手柄にするが、行政は意外な表情をする。その行政に時政は、高野山に訴えは退けるという下知状を自分の名で書くように迫る。訴訟から政子を退けるつもりだった。

一方りくも、義時が時政を厄介払いしたがっているのを知り、父親を何だと思っているのかと腹を立てる。りくは政子や義時への復讐を考えていた。りくは政子の前に現れ、こう告げる。
「何もかも思い通りになると思ったら大間違い。この鎌倉を動かすのは、私の夫です」
政子は答える。
「もう父上を振り回すのはおやめなさい」

行政は時政名義の書状を義時に見せ、京に送るべきかと伺いを立てていた。義時は今後後訴訟は尼御台が行う、ご自分の引き際を考えるようにと引退をほのめかす。父親に向かってようそんなことが言えるなと時政。しかし義時は、父親だから申しており、そうでなければもっと手荒なことをしていたとにべもなく、この先は父上の出方次第では、今まで粛清された御家人たちと同じ道を歩むことになりかねないと釘をさす。時政は言う。
「だんだん頼朝様に似て来たな」

お褒めの言葉として受け取っておくと義時。親子で争うのはうよくないと時房が諫めるも、すべては父上次第と義時は斬り捨てる。そして実衣の子である時元が実朝に仕えることになり、千世からも挨拶を受ける。そして泰時は義時のたっての願いで、義時自身に仕えることになっていた。不服か、もっと晴れやかな顔をしろと言う義時に、生まれつきである、ならばご自分をお責めくださいと泰時は答え、義時は苦笑しつつ。自分のすることを見て学ぶように言う。

時政は縁側に腰を下ろし、現れた時房に「やることがねえってのは楽でいいなあ」と洩らす。時房は一緒に食べようと餅を2つ持っていた。固いのが駄目な時政のために、時房はどちらが柔らかいか感触を確かめていた。そんな時房に時政は、政所へ行って褥を取って来てくれ、どうせもう使わねえんだからと言い、尚も餅を確かめる時房に時政は尋ねる。
「お前はどちらなんだ。わしか小四郎か」
時房はおかしなことを申される、北条は一つだと言うが、時政にはその時房の笑顔が癪にさわった。時房は、兄上は父上を守ろうとしていると言い、やっと餅を渡すが、時政はそんなに触った餅は要らねえと慌てふためいたように言う。

政子は書状を認めていたが、政子は慣れない仕事に疲れていた。大江広元は文官に任せるよう提案するが、政子は自分で書くと主張し、泰時に肩を揉ませる。女性であるため、ひらがな文であることを義時は懸念するが、これぞ尼御台の文書である証と広元は言う。しかし最終的に政子は文官に一任することにし、広元は仮名を使用することを決める。政子は肩を揉ませながら時政について義時に尋ね、時政が何か企んでいることを知る。そして政子は泰時の揉み方が悪いと、、自ら泰時に手本を示す。

義時は広元に時政について尋ねるが、広元は御家人の気持ちを引き戻すのは難しい、それはあのお方もわかっているはずなので任されたいと答える。一方でりくは、実朝を鎌倉殿の地位から下ろし、やはり源氏の血を引く平賀をその地位につけるつもりであると時政に伝える。政子から力を奪うのが目的だった。

そして朝雅ときくの子がその地位を継げば、自分達は鎌倉殿の祖父母になると述べた上で、成り行きによっては、政子と小四郎を討つことになるやもしれぬ、その覚悟はおありかと時政に伝え、こう続ける。
「向こうも同じことを考えているのかも知れないのですよ」
りくは、志半ばで去った政範のためにも、成し遂げてほしいと時政に懇願し、いいお顔になられましたね、覚悟を決めた男の顔てこんなにも艶っぽいのですねと、その胸に顔をうずめる。

りくはまず三浦を味方につけ、三浦がつけば和田もつく、三浦を先に引き込んだ方が勝ちだと、自分の計画を打ち明ける。やがて三浦義村が時政の館に呼ばれ、時政は実朝がおとなしすぎて、周りの者が調子に乗るばかりじゃと言うが、義村は威勢がよすぎて、潰れて行ったお方もいると答える。

しかし時政はそれを遮るように、善哉は今いくつだと答える。6つになられましたと義村。そしてりくは、時政が善哉を鎌倉殿にしたがっていると言い、義村は頼家様が聞けば涙を流して喜ぶと口にしつつも、まだ善哉は鎌倉殿になるには幼かったが、善哉の元服までは平賀朝雅が鎌倉殿を務める計画を知らさえる。2人の野心を知ったた義村は、悪くない話ですと答え、りくは手を貸してくれますねと念を押す。

御所にはちえが呼ばれていた。ちえは重忠が発つ前に畠山の本領を譲り受けており、政子はその本領はちえの物だと言うが、ちえは謀反人の遺言には従えないと断る。従ってくれと義時は言うが、ちえは、北条は身内に甘いと言われると受け取ろうとしない。重忠は謀反人ではないと政子は言うが、ちえは謀反を起こしたから討伐されたのではないかと逆に聞き返し、武蔵へと帰って行った。後にちえはこの地で再婚し、畠山の名を遺した。

後鳥羽上皇は側近たちの前で何やら絵を描いていた。平賀朝雅の助言を聞きながら描いたのは、時政の似顔絵だった。似絵(にせえ)は上皇の得意中の得意であると慈円。一方藤原兼子は自分の似顔絵が気に入らなかったようで、破り捨てていた。上皇は畠山の件を尋ね、中原親能が一族すべて滅亡したと答える。力のある御家人が少なくなり、朝雅はしばらくは北条の天下と答えるが、既に上皇は、北条は時政と政子がやり合っていることを知っていた。生き馬の目を抜くとはまさにこのことよと上皇。そして描き上げた慈円の似顔絵は慈円本人が取り上げ、丸めてしまう。


時政が評議から外され、政子が尼御台として訴訟に加わることで、時政と義時の対立が表面化します。義時は時政が訴訟に関して、勝手に振舞うのを止めるように言い、時房は兄上は父上を守りたいのですと言うものの、時政は腹の虫が治まらないようです。そして、義時と政子への敵対を促すりくの意見に乗り気になります。りくにしてみれば、血縁関係にない政子や義時は、自分の野心のために滅ぼしたい相手でもありました。そして義村を呼んで、彼が乳母夫である善哉を、将来的に鎌倉殿にするという条件で味方に引き入れようとするのですが、あの義村が簡単に転ぶでしょうか。

その義村、威勢がよすぎて潰れたというのは頼家のことでしょう。いっそ頼家のように暴走してくれた方が、ある意味楽な場合もあるにはあります。実朝の場合は本人に非はなくても、周囲の思惑があれこれ絡みそうです。しかし先日も書いたのですが、柿澤勇人さん演じる実朝は既に大人であり、もっと若く頼りない実朝なら、高校生か、せめて20歳そこそこの俳優さんでもよかったでしょう。同じことが
まだ若いと言うか幼くて、魚を両手で持って食べる義時
富士の巻狩りでの元服直前の金剛(頼時→泰時)
にも言えるかと思います。

さて実衣の息子の時元ですが、元々は全成が捕らえられた際に連座させられそうになり、身内である北条一族から助命されて、父の領地に隠棲したとされています。その後、実朝が暗殺された際に、源氏の血を引く彼は将軍の座を狙おうとして、義時方の武士に討ち取られるわけですが、どうも将軍の座狙いと言うよりは、北条方が彼を討とうとして、挙兵したという説もあります。

そしてちえ。この人物は後に足利義純と再婚しています。姓からわかるように、かの足利氏の血を引く人物です。これによって所領を継承しますが、これには諸説あるようです。ともあれ、元々は平氏であった畠山氏は、この婚姻によって源氏となりますが、この人の6代後の子孫がかの足利高(尊)氏です。

互いが互いに何やら企てていますが、行きつく先はどうなりますやら。ところで後鳥羽上皇の似顔絵、パペットホームズのベッポを思い出します。このベッポの声を担当していたのが、梶原善さんでした。授業中先生の似顔絵を描いていて取り上げられてしまい、取り返してほしいとホームズに依頼して来るのですが、先生がある理由から絵を引き裂いてしまったため、結局取り返すことはできませんでした。そして、りくの
「何もかも思い通りになると思ったら大間違い」
は、今週で終わる朝ドラのヒロインに言ってほしいです。

飲み物-チューリップグラスのビール
[ 2022/09/27 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第25週感想-1

第121回の気になった点です。

  • 暢子の手紙朗読だけで終わるアバン
  • 野菜に泥がついていない
  • 健彦は5歳のはずなのにもう小学生なの?
  • 夜中に三線を弾く和彦
  • 暢子「食堂をやりたい」
  • 「みんな」が誰であるのか特定できない暢子
  • 和彦の大工云々のセリフはレストランにつなげるためのもの
  • 建物作るなら設計図がないと駄目だし、新しく建てるための手続きも描かれていないのに、ただ暢子が望めば成功するだけだからこのドラマは面白くない
  • なぜ地元で食べられるのにわざわざ店を出すの?
  • いきなり房子に抱きつく野良着姿の暢子
  • 流石に風景がきれい

いよいよ最終週に入った『ちむどんどん』ですが、率直に言ってやっつけ仕事と言った感があります。冒頭で暢子が手紙を朗読するだけで1年間が終わってしまっていますが、本当はその間に何が起こり、それぞれの人生がどう変わったかを、2週間ほどかけて描いてこそのものでしょう。

何よりも暢子が収穫する野菜に泥がついていないのですが、あの畑はどうなっているのでしょうか。それに健彦はまだ5歳(就学前)のはずなのに、ランドセルを背負っているということは、もう小学生なのでしょうか。あとサーターアンダギーは、ジュースか何かと一緒に食べた方がいいのでは。またこういうののお金は、おばあが立て替えているのでしょうか。

歌子、豆腐屋の仕事は体力使うらしいけど大丈夫なのかと思います。そして賢秀ニーニー、「赤ちゃんみたいなパパ」などと言われつつも結構幸せそうです。この両方のシーンを観て思うのですが、比嘉家の暢子以外の兄弟姉妹とその伴侶は、そこそこお似合いなのに、なぜか暢子と和彦は未だに夫婦と言った印象をあまり受けないのです。やはり暢子は矢作がお似合いだったのではと思います。

しかもその和彦、夜中に三線を、しかも子供が寝ている部屋からカーテン一枚隔てた場所で弾いてしまうのですね。マイペースで仕事をしているらしいのですが、どのくらいの報酬を貰えているのでしょうか。暢子は自給自足でお金をあまり使わないと言っていても、野菜を育てるための肥料や農薬も要るでしょうし、服や靴、光熱費に加えて、健彦はこれから成長して行くわけですから、ある程度のお金は蓄えておく必要があるのではないでしょうか。

そして暢子がやっている「地元野菜と郷土料理の勉強会」なるものですが、個人的に、こういうのがどうも「やってます」アピールに見えてしまいます。ならばこのテーブルの上の料理を、暢子自身が作っているのも見せてほしいのですが、そういうシーンはなし。説得力不足ですね。そして農業をしたくて、矢作に店を譲って(これもどういう過程を経たのか不明)やんばるに戻って来て、また「店をやりたい」ですか。

何でもおばあが「こういうのを食べられる店がない」と言ったのがきっかけのようですが、「もっとみんなに食べてほしい」と言いつつ、その「みんな」を特定できていないようです。こういうのは、ビジネスの基本ではないのでしょうか。第一こういう料理は店で食べなくても、地元の人たちは家で食べているかと思います。店を出すのであれば、地元にない料理を出す店を検討してしかるべきで、そこでイタリアンの経験が生きるはず…なのですが。ちなみに、矢作は沖縄料理とイタリアンをうまくコラボさせているようです。

その後和彦が珍しく仕事をしていて、この辺りは大工として出稼ぎに行った人が多いと言い出しますが、要はこれも暢子の、実家を改造したレストラン計画を導き出すためのものでした。で暢子、まあかなり「ちむどんどん」しているようで、大乗り気になるのですが、結局のところ素人の大工仕事で建てるわけで、ちゃんとした設計図もなく、木材も近所から皆が貰って来たようなもので、この増築計画大丈夫なのかと言いたくなります。

そして房子がやんばるにやって来ます。暑い中、和服をきちんと来てバスから降り、日傘をさして歩いて行く房子に、畑仕事帰りの暢子がいきなり抱きつくのですが、そういう格好の時に、和服を着た相手に飛びつくでしょうか。そうでなくてもこのドラマ、人と人が身体を触れ合うシーン多いなと思いますね。そして荷物をまもるちゃんが持ってくれるのはいいのですが、あれは誰かと訊かれて「まもるちゃんです」。いや、そのまもるちゃんがどういう人かを房子は知りたいのですが。

しかし海と空、そして木々の緑はきれいです、寧ろこちらの方に関心が行きます。

ところで最後の週ということで、今まで特に気になった点を挙げて行きます。

ちむどんどんバースデーケーキ


まずこのケーキですが、とても一流レストランのケーキには見えません。西郷父娘がフォンターナに来店した時のもので、一応イタリア語で「誕生日おめでとう」と書かれてはいるのですが、市販のスポンジケーキを使って、小学生かせめて中学生くらいの、お菓子作りに慣れていない子が、家族のためにデコレーションを頑張ったように見えます。他の料理にも言えますが、このフォンターナの料理、高級レストランの割に今一つな感じもしました。あれなら、『きのう何食べた?』で史朗がクリスマスに作るラザニアの方が、美味しそうに見えましたね。

結局フォンターナでのイタリアン修業も、暢子と房子を引き合わせ、なおかつ暢子に房子の過去を伝えるためのものだったように見えます。沖縄料理店をやるのであれば、最初からあまゆで働いた方がずっとよかったでしょう。そしてこのあまゆも、三郎とか和彦との関係を持たせるためだったようです。純粋に料理をテーマにし、一流の料理人を目指す主人公であれば、沖縄のどこかの料理店で働かせてももよかったし、その後東京に出すということもできたでしょう。

しかし主人公は料理人のはずなのに、料理のキャリアを積むにつれて、料理するシーンが少なくなってしまいましたね。本当は、逆ではないでしょうか。それと黒島結菜さん、やはりもう少し包丁捌きや料理の基本をマスターして、役作りをしてほしかったです。

飲み物-テーブル上のアイスカフェラテ
[ 2022/09/27 00:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』最終週の前のあれやこれや

まず先日ご紹介した分の、1日前の小檜山氏の記事です。(大河関連は次回以降になります)

https://note.com/54seikobi85/n/n0157657c7446
『ちむどんどん』第117回 ちむどんどんし続けることが大事

コメントで指摘していただいていますが、実際の放送回と2回分のずれがあり、この回は本当は第119回です。で、この記事なのですが、

暢子は「和彦くん」といまでも夫を呼ぶんだなと改めて思ったり

この点ですが、私としてはプライベートな関係であればまだしも、お姑さんにまで「和彦君が」と言うのは正直ちょっと解しかねます。

あと、

和彦は反省会界隈からありえないほど無能だと罵倒されていますが、無能有能はさておき、特殊な人物ではある。フリーランスだから東京にこだわらなくてもいい。重子と同居しないことを選んだのも、ここにつながってきます。夫としてやんばるに住んでもいいわけよ。

この和彦がやんばるに住むことに関しては、先日の投稿でも触れています。まだネットも一般に普及せず、しかも東京の出版社から原稿を依頼されているにも関わらず、距離のある沖縄、それもやんばるに住もうとし、しかもそのデメリットを考えないという点に、疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。場合によっては、和彦は連載を打ち切られてもおかしくないと言えます。

またこの和彦はフリーライターではありますが、仕事をしているシーンがきわめて限られていますし、そういう点もまた、ライターとしての彼に疑問符がつく一因とはなっているでしょう。

しかしこのように書くと言うことは、やはり小檜山氏は、自分と異なる意見が多い反省会の存在を、かなり意識しているようにも見えます。かと言って小檜山氏の意見が絶対的なわけではないのだし、人それぞれでいいとは思いますが。

では本題に行きます。
「ちむどんどんできるか」という小見出しで、このような記述があります。

そんなわけで、やんばるに戻る決断というラストへ向かうわけですが。極めて慎重に、2022年らしくしているわけさ。優子の面倒を見るという親孝行でもない。和彦がやんばるでライフワークを完遂したいからでもない。地方で生まれた女性である暢子が、自分がちむどんどんするか、そこで決めています。

まず
「極めて慎重に、2022年らしくしているわけさ」
などとありますが、この朝ドラの今現在の時代設定は1984年であり、2022年から40年近く前なのですが…。

それからこの少し前の方で
「フリーランスだから東京にこだわらなくてもいい」
「夫としてやんばるに住んでもいいわけよ」
とあるのですが、ここでは
「和彦がやんばるでライフワークを完遂したいからでもない」
となっています。どこか食い違っていますね。

また
「地方で生まれた女性である暢子が、自分がちむどんどんするか、そこで決めています」
「朝ドラもここまで到達しましたね。いや、近年の朝ドラの流れかな。女性が自分の意思で人生を決める。そういう流れがきっちりある」
と言うことなのですが、これもおかしな話です。

まず暢子が、ちむどんどんするかしないかを判断基準としている点ですが、それと「女性が自分の意思で人生を決める」のは違うのではないでしょうか。暢子の場合は極めて感覚的なものであり、周囲のことを顧みず、自分がちむどんどんすればそれでよしとしているわけで、如何にも身勝手で子供じみた基準でしかありません。それと「近年の朝ドラの流れ」と言うのであれば、あれだけ叩いた『カムカムエヴリバディ』も『まんぷく』も、女性が自分の意思で人生を決めたということでいいのですね。

それと「地方で生まれた女性である暢子が、自分がちむどんどんするか、そこで決める」と言うよりは、「沖縄(またはやんばる)で生まれた女性である暢子に取って、ちむどんどんできるかできないか、それもまた重要な決め手であった」とでも書いてほしいです。

そしてこの後も反省会が登場しています。この反省会の存在、または嫌いな朝ドラor大河の存在は、ご本人にはかなり心理的負荷となっていて、このnoteや大河コラムでの反発につながっているように見えますが、そこまで敵視することもないかと思います。何よりも、好き嫌いで価値を決めたがる小檜山氏または武者さんの姿勢もまた問題です。

それと前出の時代設定ですが、この朝ドラは、離婚歴があるもののまだ付き合ってもいない清恵に、なぜそのことを隠していたと賢秀が詰め寄る一方で、和彦が沖縄でも仕事はできると、まるで今の時代のようなことを言ってみたり、設定基準がかなりあいまいであると思われます。清恵が、離婚歴を黙っているのが責められるのが当時の価値観であるのなら、和彦も、沖縄には行きたいが東京から離れている、仕事をどうするか問題だなどと悩むシーンが欲しいところです。

もうひとつ、暢子の出産シーンについて。まず破水、それから病院に行って、かなりあっさりとお産が終わったことになっています。これで思い出すのが『ER』の看護師長、キャロル・ハサウェイが雪の中を出勤する途中で産気づき、何とかもちこたえて病院でお産をするシーンです。あれは、お産に至るまでの様子がかなり詳しく描かれていました。もう一度DVDを観てみようと考えています。少なくとも制作サイドが「一人の女の子の何十年という歳月を濃く描きたい」と言うのであれば、あれくらいの描き方を心掛けてほしいものです。

それにしてもこの「一人の女の子」、「女性」でないのが気になりますね。



食べ物‐コーヒーゼリー
[ 2022/09/26 01:00 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

NZと日本の男女代表

ラグビー関連情報です。
いずれもNZ代表の情報ですが、ワールドカップ本番を前に、女子代表がNZ代表と対戦しましたが、95-12で完敗でした。

女子日本代表、強豪NZに95失点の大敗。南主将、悔しさかみしめ「この経験をW杯で活かす」

かつて男子代表が通った道ですが、女子も同じ経験をし、そこから学ぶことになるのでしょう。尚NZの女子代表の愛称は「ブラックファーンズ」です。

一方男子代表オールブラックスは、

オールブラックスが来日前に快勝締め 南半球4か国対抗優勝争い最終戦で貴重なBP獲得

南半球4か国対抗を、いい形で締めています。さて迎え撃つ日本の仕上がりや如何に。

その他にも地域リーグと大学の試合が行われており、またリーグワンの各クラブもプレシーズンマッチ(プロ野球のオープン戦に相当)が行われています。

記事はいずれもラグビーリパブリックより。

飲み物-黄金色のビール
[ 2022/09/25 01:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)
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aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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