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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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北条氏と御家人の抗争

まず、ここのところラグビー関連の投稿がお休みになっています。今は女子代表(サクラ・フィフティーン)のテストマッチの時期で、その結果、あるいは男子の移籍情報共々近い内に書く予定です。

それから先日の『鎌倉殿の13人』コラム関連で、実衣と朝光と琵琶についての部分で、シェークスピアの作品に、こちらは琵琶ではなく、リュートを習う場面が出て来る作品について書いています。実は『十二夜』ではなく『じゃじゃ馬ならし』でしたので、訂正しています。

その『鎌倉殿の13人』。景時が去り、比企と北条の争いが激しくなりそうです。頼家は比企の娘(若狭局、このドラマではせつ)との間に一幡という男児がいますが、正室の辻殿(ドラマではつつじ)の間にも男児が生まれます。この子が善哉、後の公暁です。さらに頼家の弟千幡(後の実朝)もいて、誰を跡継ぎと決めるかで揺れます。このうち善哉は二男ですが、正室の子です。そして千幡は北条の後ろ盾があります。そうなると、一幡の立場がどうなるか、野心家の比企能員に取っては面白くないでしょう。

ところでこの『鎌倉殿』に関しても少々。まず前回、政子が三幡の死に途方に暮れるところがありますが、この三幡、乙姫は一旦回復した後再び病状が悪化し、亡くなります。政子が気落ちしているのはそれも関係していると思われますが、肝心の三幡の闘病が描かれておらず、その点でやや物足りなさは感じます。

それと実衣と結城朝光、こちらは武将ジャパンの大河コラム関連で書いていますが、琵琶を教わっている時より、朝光が窮地に陥ってからの方が、実衣の朝光によせる思いは大きくなっているかと思われます。無論これも義村が企んだわけですから、彼女はいわば利用されたようなものであり、この点、実衣自身も景時追放に関与したようなものですが、彼女にその累が及ぶことはなく、この点では北条一門であることが幸いしているように見えます。

しかし三浦義村。何を考えているのかわからないところがありますが、その点が他の御家人たちと一線を画しており、面白くまた油断ならない人物ではあります。

あと大河コラムで触れられていた霜月騒動、実はこれが北条氏と御家人の最終構想とも言われており、それを考えると、まだ始まったばかりの北条VS御家人のバトルは、実に80年以上にわたって続いたことになります。これによって北条氏による得宗体制はより強固なものとなるわけですが、しかしこの体制もやがて滅びることになります。

しかし南北朝大河をまた観たいですね。


飲み物-ブランデーグラスのビール
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[ 2022/07/31 01:15 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』和彦の手紙と良子の御三味のシーンについて

先日の『ちむどんどん』関連投稿で、和彦が手紙を書くシーンについて

「しかも鉛筆で縦書きをしていたようなのに、手紙はボールペンで横書きになっています。縦書きは原稿か何かを書いていたのかも知れませんが、紛らわしいです」

と書いていますが、某芸能メディアによればこういうことのようです。

【ちむどんどん】和彦の手紙シーンに編集ミス?ペンもYシャツも変わる謎!
https://www.excite.co.jp/news/article/AsageiMuse_excerpt_14974/
(asageiMUSE)

これによれば、鉛筆を持っているシーンは下書きをしていたか、あるいは別の作業をしていたということになります。実際、着ているシャツも違うわけですから、別々の日ということになるのでしょうが、どうも編集の仕方に疑問を抱かざるを得ません。視聴者にわかりやすく見せる努力をしていないなと思います。

それと良子が御三味を持って、博夫と共に石川家を訪れますが、ここのシーンに関しても、急に曾祖母が出て来て、すべてを解決してしまうのはよくわからないと書いています。実際にはこの曾祖母であるウシが行ったことに、男性陣が従ったと見るべきでしょうか。しかしこのような展開にするよりは、まず良子がこの曾祖母や義母に会って相談をし、今後のことについて話し合うという方法もあったでしょう。

また良子が作った(あまり美味しくない)御三味を男性たちが食べ、うまいと言うシーンですが、別にあそこまでやらなうてよかったと思います。美味しくないけどよくやったとか、今後もっと頑張りなさいとか、そういう形に持ち込めなかったものでしょうか。

しかし御三味と言うのは、お嫁さんが自分で作って持って来るものなのでしょうか。例えば婚家でお姑さんが、やり方を教えながら作るものではないのでしょうか。もし婚家で作るのであれば、あの中の1つか2つを任されて作るという方法もあるでしょう。

何と言うか、婚家と良子が少しずつあゆみよるのではなく、ウシの言葉とあの御三味だけですべてを終わらせてしまうと言うのが、ちょっと説明不足で強引に感じられます。

ちなみに小檜山青氏のnote(無料部分)ではこう書かれています。
https://note.com/54seikobi85/n/n2ea194fbda34

そんな良子が石川本家にいくと、おばぁと姑が仕事をしているのかといい、どこか冷たい目で見るわけですよ。ところが、なんとこのおばぁが頑固な男どもを一喝! 先に逝くものがあとのものを縛るなと言い切り、かつ、そんなにいうなら家事をボイコットする宣言をします!
 やったーーーーーー!
 そうなんです。どんないばったおっさんでも、家事をぶん投げるぞ宣言をすれば勝てませんよね。それを朝ドラで流す意義は大きい。おばぁ最強だ! すごい、なんだこのかつてない爽快感は!
 それもこの作品の特徴である、昭和レトロ展開を進めていった積み重ねだと思う。あえて不快なこと、気持ち悪さを積み、ハッシュタグやネット雑記事で叩かれてもこらえ、そして一気にひっくり返す。技巧が光ります。
このドラマって、スタイリッシュで気取った技巧はないようで、泥臭くれ堅実なひねりがあっていいと思います。どんどん好きになるなぁ。

らしいのですが、こういうのは「爽快感」を味わうためのものなのでしょうか。そして石川家の男性の対応は「不快なこと、気持ち悪さ」なのでしょうか。確かに男性陣がなかなか良子の復職を認めないのは事実ですが、元々がそういう家風であることも関係しているでしょう。

そこへウシが来て、認めないなら家事全般をやれと言う訳ですが、前述のように、この展開そのものが強引な感じがしますし、技巧が光ると言うよりは、何か急場しのぎのために、ウシという「おばぁ」を登場させたようにも取れます。

それと、
「これで良子も石川家に認めてもらえて何よりです」
くらいであればわかるのですが、「技巧が光る」「泥臭くれ(注・泥臭くてのことでしょう)堅実なひねり」「どんどん好きになるなあ」と言った書き方は、武者さんの大河コラムでもそうですが、必要以上に賞賛している感があり、逆に不自然さを感じさせてしまいます。

それから公式サイトのトピックスに、「黒島ラヂオ」と言うのがあります。要は主演の黒島結菜さんが、スタッフと「ゆんたく」(おしゃべり)するコーナーで、例のトマトソースをぶちまけるシーンで、背中を汚したいという狙いがあったと話していたそうですが、これはどうでしょうか。料理がテーマのドラマで、食物をこのように扱うことに、抵抗はなかったのかなと思います。

あと、今BSPで『芋たこなんきん』の再放送をやっています。実はこの朝ドラはリアルタイムでも観ていたのですが、かなり面白いです。作家の田辺聖子氏をモデルにした、花岡町子という作家とその夫の開業医、そして子供たちや近所の人々、義妹(外科医)や秘書や関東煮屋の女将などが繰り広げる物語ですが、こちらの方がわかりやすい展開で、しかも人々の気持ちがきちんと描かれているなと思います。恐らくこれは、同じ家に住む人々がメインになっているせいもあるでしょう。あと出て来る食べ物も、料理メインではないにも関わらずこちらの方が美味しそうです。


飲み物-コーヒーフロート
[ 2022/07/31 00:15 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第16週感想-3

『ちむどんどん』第16週の感想その3、気になった点と疑問点です。


第79回

  • 案の定あまゆで料理を食い散らかす賢秀ニーニー
  • 「何見てるかおばさん、シッシッ」と重子に言うニーニー
  • またも青柳家に弁当を持って来る暢子
  • なぜか「ずっと仕事を続けたい女性は駄目」に方針変更して反対する重子
  • 「母さんみたいな奥さんがほしいわけじゃない」また母親をディスる和彦
  • 「伸子の人生はキラキラ輝いていていつも充実している」その理由は?
  • 新聞社で私用電話の和彦、なぜかもうあまゆにいる暢子
  • 暢子「同じ世界に住んでるんだのに」
  • 突如ぶち込まれる中原中也と母子の朗読
  • スプーンで、しかも鍋の上に身を乗り出して味見をする暢子


第80回
  • 前日になって御三味の準備をする良子
  • ウークイでも登場したのになぜかここで御三味の説明
  • 急に登場するおばあと義母
  • 良子はこんなに料理ができないのに、食事の準備はどうしていたのか
  • 美味しいと言ってあげるおじいたち
  • マヨネーズ味の天ぷら←マヨネーズの味はしないはずですが
  • 和彦「今のぼくがいるのは母さんのおかげです」
  • 青柳家の弁当はどう見ても暢子が作ったのでなくて仕出し弁当

週の後半になっても、突っ込みどころが多いです。

まず、やはりあまゆに黙って入り込み、料理を食べ散らかしていたのは賢秀ニーニーでした。そして和彦がやっと連れて来た母重子をおばさん呼ばわりし、シッシッと犬を追うように言います。重子が「住む世界が違う」と改めて言うのも無理からぬ話ですが、これでニーニーは顰蹙を買い、ついに暢子の結婚式には出ないとまで言い出します。ギャンブルでご祝儀と言うのは平常運転だと思いますが、やはり誰にも言わずに料理を「がっつく」のは非難されて当然でしょう。しかしそれでも暢子はお金を渡すのですね。

このニーニーの登場シーン、かの『男はつらいよ』のオマージュとも言われているようです。ニーニーの言動にもそれを意識したものがありますが、しかし私が知る限りでは、寅さんはもっと常識人ですし、その寅さんを叱ってくれる人たちもちゃんといました。

また弁当を持って青柳家に現れる暢子。しかも2人分食べて太ったと言う家政婦の波子に、「昆布は太らないしお肌もツルツル」と、何やら健康食品のPRのようなことを言う暢子です。そしてまた和彦は母親と喫茶店で話すも話が合いません。せっかく前日の暴言を詫びたのに、また
「母さんみたいな奥さんがほしいわけじゃない」
などと言い出します。

そして和彦は
「暢子の人生はキラキラ輝いていていつも充実している」
とまで言います。いや、暢子は輝いて充実していると言うより、自分の要求を他人に押し付けているだけのように見えるのですが。そこで重子は、母さんの人生は否定するのねと不機嫌になります。

しかしここで一番わからないのは、当初「住む世界が違う」と言っていた重子が、この時は「ずっと仕事を続けたい女性は駄目」と方針変更していることです。先日のニーニーの醜態を見ても和彦が態度を改めないため、別の理由を持って来たのでしょうか。その辺りのいきさつが描かれていません。その後和彦は、会社から暢子に電話をします。こういう時は、公衆電話(携帯がありませんので)を使うべきかと思いますが…そして暢子はなぜかあまゆにいますが、フォンターナは休みなのでしょうか。

暢子は「同じ世界に住んでいるんだのに」と言いますが、このひたすら前向きとも言える姿勢が、彼女の自分第一主義につながっているように思えます。そして重子は家で「母親なんて空しい」と言いますが、波子は何を勘違いしたのか、「奥様と坊ちゃまのおかげで、私の人生は楽しく充実したものになりました」などと言い出します。その後重子はともかく、なぜか和彦も母親と同じ、中原中也の詩集を超えに出して読む設定になっているのですが、これも何だか唐突です。『おんな事城主 直虎』の、直虎と政次の碁を思い出してしまいます。確かスタッフに『直虎』の人がいましたし。

結局重子は「和彦は渡さない」と決意します。このお母さんが、暢子の態度を批判するのは理解できますが、こういう描き方はやはりステレオタイプだなと思います。その暢子、スプーンで料理の味見をしており、しかもスプーンの中身が鍋にこぼれているのですが、どうもこういうところが不潔に感じられます。

一方で暢子の姉良子は、石川家に持って行く「御三味」を作ります。しかし彼女は料理が下手で、きちんと材料を揃えて本の通りに作っているのにうまく行きません。ここで思うのですが、良子は専業主婦の時代があったはずです。その時、食事はどのようにしていたのでしょう。お惣菜を買っていたのでしょうか。

ともかく準備した御三味を持って良子は別室で待ち、博夫は祖父や父親たちと話しています。そして博夫、昔ながらの考えの祖父たちにうんざりし、良子を認めないと家の敷居をまたがないとまで言い出します。そこで曾祖母のウシと母親の美和子が援護射撃をし、時代は変わった、良子を認めないのなら自分たちで家事をしろと言い、結局良子は御三味を振舞いますが、これがかなりまずく、それでも小太郎たちはうまいとほめ、良子の復職を認めます。

これだけ見ればめでたしめでたしなのですが、よくわからないのが、急にウシのような人物が現れ、すべてを解決してしまうというやり方です。「デクス・エクス・マキナ」と呼ばれるようですが、解決に至るまでを丁寧に描かず、強引に解決に持ち込んでくることを言います。沖縄の場合儒教が強く、男性同士の話し合いが主に登場しますが、少なくともそういう親戚がいたことは良子も知っていたでしょうから、なぜ相談しなかったのでしょうか。

それとこういうのはせめて新婚時代、結婚後数年の間にやっておくべきでした。ならば後々まで問題を引きずることもなく、別に良子も実家に帰ることもなかったのです。この件にしても暢子にしても、問題解決が本人たちの努力と言うよりは
誰かが身を引いてくれる
誰かが自分の代弁者になってくれる
こういうパターンが多いなと思いますし、こういうのが本人たちが成長しない一因のように見えます。

そして青柳家。重子は居間のテーブルの上に、風呂敷に包まれた弁当と手紙があるのを見つけます。手紙は和彦が暢子にす勧められて書いたもので、これまた先日のことを詫び、「今のぼくがいるのは母さんのおかげです」と書かれています。和彦も、何だかその時次第で言うことが変わりますね。しかも鉛筆で縦書きをしていたようなのに、手紙はボールペンで横書きになっています。縦書きは原稿か何かを書いていたのかも知れませんが、紛らわしいです。

そして弁当ですが、どう見ても暢子が作ったようには思えない、仕出しの弁当に見えます。それを重子はおいしくないと言いつつ口に運ぶのですが…一方ニーニー、例の養豚場で生姜焼きをぱくついています。どうもここの主人寛大は、気の進まない娘をニーニーと結婚させたいらしく、男手が必要だと示すために、腰を痛めたふりをしてみせます。しかし、他にもっとちゃんとした男性がいそうなものですが。

あと久々に登場のフォンターナ、店内に男が1人入って来ますが、どうも身なりが堅気ではなさそうです。それは、かつて厨房で働き、突然辞めてしまった矢作でした。矢作は地上げをやっているようですが、その矢作に、かつての同僚がいきなりつかみかかるシーン、あれはちょっとないでしょうね。


飲み物-アイスラテとエスプレッソキューブ
[ 2022/07/30 01:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 65その3

『武将ジャパン』大河コラム後半部分続き(その2)です。


1.「一幡をお助けください!」
そう言われる義時ですが……この構図がゾッとしてしまう。後に酷い展開が待ち受けていますので覚えておくことオススメです。

景時が比企館に立てこもるシーンですが、「後に酷い展開が待ち受けています」て、具体的に何のことでしょうね。

2.そう言いながら、差し出したのは、なんと善児!
義時にとっては兄・宗時だけでなく、舅であり祖父である祐親とその子の祐清、八重の子である千鶴丸の仇になるのですが、それを忘れて使いこなすということでしょうか。
もはや人間というより、何かの象徴のように思えてきます。

「何かの象徴」というのもよくわからないのですが…つまり善児は「人間」ではなく「殺人のための道具」とでも武者さんは言いたいのでしょうか。実際道具と言っていいところはあります。但し義時にしてみれば、単に仇だけではなく、奥州に行った際に同行し、自分を藤原国衡から守ってくれてもいますから、余計複雑な心境でしょう。

3.死後もそうでして、義経を陥れる悪党としてさんざん悪役にされてきました。
それをどう落とし込むのか?
考え抜いた果ての、三谷氏ならではの解釈を見た気がします。
この作品の景時は優れていた。戦略家としては義経より合理的なこともしばしばあった。
景時が嫌われたのは、時代の先を行き過ぎていたのかと思えました。別の時代ならば、ここまで嫌われなかったかもしれない。

この景時ですが、近年は特に「義経を陥れる悪党」という見方は影を潜めています。別に三谷さんだからこういう解釈をしたと言うわけではありません。それと「時代の先を行き過ぎていた」とか「別の時代ならば」とありますが、景時が特に時代の先を行く優れた才能を持っていたのでしょうか。ならばそれをはっきり書いてほしいものです。私としては、彼の性格やものの考えに於いて、他の御家人たちとそりが合わなかっただろうとは思っています。

4.景時はなぜ嫌われたのか? その美点は何か?
そう考えるだけで頭をものすごく使う。それが歴史を学ぶおもしろさだと思える。
そういう歴史を学ぶ醍醐味がみっちり詰まった人物像でした。

「そう考えるだけで頭をものすごく使う」て、他の人物や時代背景に着いても、色々考えることはあると思いますが…。そしてそういう醍醐味は、他の大河でも同じことです。武者さんの嫌いな大河であっても。

5.でも、もっと見たいというのとは違う。
完成度が高いから、これで充分満足です。
すごいものを見られました。大河はこういうものかと圧倒されました。

「なぜ」完成度が高いと感じるのかも、「どのように」すごいのかも書かれていないのですね。特にこのコラムでは、「すごい」という表現がやけに使われますが、何とも幼稚な気がします。

6.今回登場した安達景盛は、頼家と不仲とされます。
その背景として、頼朝落胤説があります。頼家からすれば異母兄にあたるゆえ、対立が激化したというのです。
(中略)
こう考えているのは、実は当時の人々もそうでした。
景盛の孫の代、泰盛のとき、源氏の血を引くとアピールするようなことをして、【霜月騒動】につながり、安達家が破滅する一因となっています。
死後も祟る頼朝の女遊び。

ちなみに、結城朝光も頼朝の子であるという説がありますね。
あと「霜月騒動」といえば、何と言っても『太平記』の最初の方で登場しますが、1991年の大河だから武者さんは観ていないでしょうか。『麒麟がくる』の池端俊策氏の脚本で、個人的にはこちらの方が優れていると思います。

7.えげつない。なんていやらしくてけしからんのだ!
そう呻きたくなるほどの妖艶さが先週からありましたね。
いやらしいというのは、誰かが裸で登場すればいいってもんじゃない。露出度より心の問題で、恋に落ちる瞬間がいやらしいのです。

妖艶かどうかはともかく、ここでこのように書かれている以上、下ネタ的な「いやらしい」と違うことは察しがつきます。ただそこまで「恋に落ちる」瞬間が素晴らしいとは、私は思いませんでしたが。

8.それが爛れていて崩れているからこそ、どうしようもなかったのが、先週からの実衣ですわ。
既婚者が琵琶を習って心惹かれる。そんなけしからんことがあっていいものか?
いやらしい、なんということかと戸惑いました。
けだるげに琵琶の弦を鳴らす実衣なんてもう、触れたら花びらがホロホロとくずれてきた花のようで。こういう人妻を倫落だのなんだの言うのです。ものすごいエロスがありました。

このシーン、実衣が琵琶を朝光に習っており、その「師匠」である朝光に憎からぬ思いを抱き、それを夫全成が恨めしそうに見ているわけですが、生憎そこまで「エロス」を感じませんでした。朝光を失いたくない実衣の気持ちは寧ろ、例の訴状の陰謀を義村が企てる、そのシーンの方に現れていたように思います。
それと
「触れたら花びらがホロホロとくずれてきた花のよう」
好きな大河ならこういう表現をするものの、嫌いな大河だと一言もこういう表現は使いませんね。昨年のお千代にも、こういう表現をしてほしかったなあ…尤もお千代は実衣よりもっと凛としていますが。
あと琵琶の弾き方と恋心、シェークスピアの『じゃじゃ馬ならし』に、そういうシーンがなかったでしょうか。もちろんあちらの方はリュートです。元々リュートと琵琶は同じですけどね。

9.いま、東洋の伝統楽器を弾く美男はちょっとしたブーム。華流の『陳情令』が代表例です。
そういう流れに乗ったというわけではないでしょう。ともあれ、伝統楽器を奏でる人は美しく魅力的だと示しました。このドラマに琵琶が出て本当によかったと思います。
このドラマには歴史を学ぶ醍醐味を思い出させる要素があまりに多い。
そこがいやらしくて、けしからんのかもしれない。
はっきり言って、今年の大河は面白いのです。

すみません、この『陳情令』、華流ドラマを観ないので何のことだかわかりませんでした。
そして
「このドラマには歴史を学ぶ醍醐味を思い出させる要素があまりに多い」
いやこのドラマだけでなく、昨年のを含め武者さんが嫌いな作品であっても、「歴史を学ぶ醍醐味を思い出させる」作品はあるのですが、それに気づいていないか敢えて書かないかだけでしょう。あと「醍醐味」は一般には「感じる」または「味わう」ものかと思います。
それと
「はっきり言って、今年の大河は面白いのです」
面白ければ、別にここまで強調する必要もないかと思うのですが。こう書くところにちょっと不自然さを感じてしまいます。

あと三浦義村関連でもうひとつ。

10.『麒麟がくる』の織田信長は、プレゼント感覚で生首を箱詰めにしていました。それとは異なるカジュアルな残酷さが三浦義村にはあります。

この生首は、第43回の「闇に光る樹」で登場するものでしょうか。あの生首ですが、箱ではなく、壺に入っていなかったでしょうか。
そして「それとは異なるカジュアルな残酷さ」とは何のことでしょうか。要は、信長は自己顕示欲丸出しといった感じで、光秀と藤孝に相手方の首を見せたわけですが、義村の方は、寧ろそれとは反対に、ひたすら黒子に徹することで、自分の存在が知られることなしに、景時を追い出すことに成功したのだと思いますが。


それからこのコラムで、やけに「政略結婚」的な表現が使われていますが、身分が高い武家の場合は至極当たり前に行われていました。『葵 徳川三代』に関しては先日も書きましたが、まだ年端もゆかぬ娘たちが縁組みさせられ、両親と別れています。無論この鎌倉時代も、他の御家人や公家に嫁ぐということはありましたし、義時も娘を公卿と結婚させています。


飲み物-マグとビール
[ 2022/07/30 00:15 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 65その2

『武将ジャパン』大河コラム後半部分への疑問点続き(その1)です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第28回「名刀の主」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/07/25/169845


1.「弱いな。それじゃあいつには響かねえよ」
人数を集めて訴状にする。そして鎌倉殿に訴える。
坂東武者が新たなフェーズに入りました。もっと前なら即座に殺し合いだった可能性もありましょう。
ここで肝心の実衣が何かを察知し、「胡散臭い」と義村にキッパリ言います。
そんな風に言い切る実衣にしても、そう言われて「あんたの頼みだろ」と怒らない義村も変わっていますね。

もっと前なら殺し合いというのは上総広常の件でしょうか。しかしこの場合、相手が先代頼朝の寵愛を受けていた梶原景時で、景時本人が聡い人物である以上、下手には動けないでしょう。相手が和田義盛ならわかりませんが。それと「あんたの頼みだろ」というセリフはないのですが…。「言うじゃねえか」とは言っていますが。

2.重忠も手伝うと言うと、義村は裏に回るには見栄えが良すぎると返します。
「そうですか……やはり見栄えが」
おっと、自覚はあるようだ。

と言うより、重忠の性格からして向かないであろうこと、そしてこれはあらすじと感想で書いてもいますが、こういう仕事は自分の領分と義村が思っているのも大きいのでは。

3.義時はあまり大事にしたくないから、4~5人でいいと釘を刺します。
いや小四郎さんよ、手加減するなら義村と義盛なんて飛び道具使っちゃダメでしょうよ。

クールな義村と熱い(というか暑苦しい)義盛のコンビは、性格が違う分説得しやすいと言えるかも知れません。それに4,5人程度ではあまり効果がないでしょう。寧ろこれは、御家人をまとめるための策でもあったでしょうし。

4.八田知家が飄々として、景時に話しかけてきます。
なんでも侍所が大変な騒ぎだとか。

「飄々」というのは「とらえどころがない」とか「マイペースである」という意味が強いのですが、この時の知家は、ちょっと違うような気がします。あまり慌てた様子ではないなと思いますが。

5.千葉常胤は戦になるのかとワクワクしています。誉ある戦をするなら乗らない手はないってよ。
こういうわけのわからない賛同者もおり、全部で67人になったとか。

「わけのわからない」と言うより、こういう昔気質の坂東武者をも取り込み、署名させることで意味を持たせようという作戦ではあるわけです。だから義村が、加わってくれたことへの礼を述べているわけですね。

6.「ようやく泰平の世が来たというのに、なぜいがみあう! かようなことをして頼朝様が喜ばれると思うか!」
彼はまともでした。土肥実平は本当に善良です。裏表がない。

善良と言うより、愚直と言うべきでしょうか。この人が13人に加われなかった理由がわかります。

7.腕っ節でどうこうすることが得意だった武士が、自分に逆らう者を黙らせる手段を知りました。しかも知恵はない。極めて危険な兆候です。

義盛のことですが、手段を知ると言うよりは、彼もまた義村に利用されている感もあります。まあ最終的には、この義村に裏切られて和田一族は滅亡しますが。

8.善く行くものは轍迹(てっせき)なし。『老子』
うまく進行するものはかえってあとを残さない。
そういう手段に思えます。

りくが時政の署名を切り取ったという記述の後に、この、武者さんが好きな漢籍が引用されています。
しかしこの言葉は、立派な仕事を成し遂げた人ほど、自分の功績だと自慢しないという意味です。ここでりくは、頼家と景時が同盟した場合、御家人たちを危うくさせないために夫の署名を切り取ったわけですが、寧ろこの場合は時政にババを引かせないように、りくが策を練ったと考えるべきかと。

9.また昨年の大河を持ち出して申し訳ありませんが、あの主人公、特に幕臣時代は何が凄いのか理解できませんでした。
俺が! 俺が! 俺が! 胸がぐるぐるする、おかしれぇ!
そういったアピールを繰り返すだけで、肝心の言動に中身がない。到底、賢いとは思えない、押し付けがましさが目立ち、まるで歩く騒音みたいな人物像でした。

もう1度言わせていただきます。今年の朝ドラを持ち出して申し訳ありませんが、あの主人公、上京してからは何がやりたいのか理解できません。
「うちが!うちが!うちが!まさかやー、わじわじ、アキサミヨーを繰り返す一方で、肝心の料理はうまくならない。到底、相手の気持ちを読めるとは思えない。押しつけがましさが目立ち、視聴者を苛立たせる見本のような人物像です」

10.ここで比奈への答えでも。
景時は、一気に増えた訴訟の影響もあると思います。
自分の訴えが通らない御家人が「梶原が余計なことを鎌倉殿に吹き込んだんじゃねえか!」と憤った可能性があるなぁと。
そうなると単純に景時の性格が悪いとかそうは言い切れない。
ただ、諜報のようなことをして、いちいち御家人の言動監視をすれば嫌われて当然ですよね。

訴訟の影響がないわけではないでしょうが、その前から景時は距離を置かれていたのではないでしょうか。元々坂東の御家人とは肌が合わなさそうですし、煙たがられていたのは確かでしょう。故に御家人たちも、景時を色眼鏡で見ていたとも言えるでしょうが。

11.広元が学んだ中国の政治では、文武両方がいれば文官の判断が重視されます。
武力で解決することはよろしくない。そういうルールが徹底していて、こんな風に義盛みたいな武官がゴリ押ししてきても、止める仕組みが整備されています。
鎌倉時代と同時期の中国は、南宋から元。
宋は文弱過ぎて元に滅ぼされたと指摘されますが、宋代こそ朱子学はじめ、国家を安定させる思想や仕組みが極まった時代といえるのです。
広元ならきっとそんなことをぐるぐる頭の中で回しながら、こんな武官のゴリ押しが通る仕組みを変える手段を見出そうとしているのではないでしょうか。

広元にしてみればそうでしょうが、生憎ここは日本です。儒教国家ではありません。
何と言っても、鎌倉幕府も、この後勃発する承久の乱も、武士が台頭したがゆえの出来事であり、広元は寧ろそういう武家の政権作りを手伝っているわけです。この辺が皮肉と言えばそうですが、逆に下級貴族が出世の糸口をつかんだとも言えます。無論武士の暴走をセーブする手段は必要ですが、武家政権ですから、中国的な文官指導の国家にはどう考えてもならないでしょう。
尚義盛は武士ではありますが武官ではありません。これが律令体制下であれば、武官となるかも知れませんが。

12.ここで頼家は、またしても父の悪いところを真似ます。
景時を許せば66人の御家人が黙っていない。御家人をまとめるために上総広常を斬ったことを踏まえ、景時を解任し、謹慎処分としたのです。

悪いところを真似たかどうかはともかく、鎌倉殿に取っては、御家人をまとめることもまた重要であったのではないでしょうか。「泣いて馬謖を斬る」に近いものがありますね。と言うか、頼家に取って景時は馬謖的な存在であったかどうかはわかりませんが。

13.そう花瓶に活ける枝を切っていた鋏を置く景時。洟をすすり、涙ぐんでいるのでした。

「花瓶に活ける」のではなく、盆栽を剪定していたのではないでしょうか。

14.悪の境地かもしれないけれど、感動しました。タランティーノのことも思い出します。
今ではもう大御所のタランティーノは、ブレイクした時、世間にショックを与えました。
彼の映画に出てくる悪党ともは、いとも簡単にさらっと残酷なことをして、しかも楽しそうにしている。心にひっかかりもしないし、殺したことなんて明日には忘れちまう。
そういう軽妙さやユーモアとともに残酷なことが起きていく。そこが斬新だった。
タランティーノが斬新なんて2020年代に言うべきことでもないだろうけど、大河にもそういう流れはちゃんと来ているんですね。

義村の陰謀家ぶりを、タランティーノの悪党になぞらえているのでしょうが、武者さんは以前もタランティーノを持ち出していましたね。でもこれ、大河コラムですよね。それも
「義村の策士ぶりとタランティーノの悪党の清々しさ、どこか共通するものがあります」
程度に一行で書くのならまだしも、ちょっと書き方がくどい。大河にそういう流れが来ているというのも、武者さんがそうあってほしいと思っているだけではないでしょうか。こういうのこそ個人のサイトとかブログでやってほしいです。

15.正治2年(1200年)正月――景時が竹を斬っています。
中村獅童さんですから、そりゃもう圧倒的に美しい。
こんなに武勇に長けた者が滅びてしまうのか? 見ているだけで胸が苦しくなるような武者ぶり。

このシーンですが、刀身がクローズアップされています。つまり、後で景時自身が言う、名刀となまくらの伏線になっているのではないかと思われます。


この続きはまた改めて。
それから先日そして今回と、武者さんが『青天を衝け』を叩く(もう止めてはどうでしょうか)のに合わせ、こちらも『ちむどんどん』を批判させていただきました。こういうことをやるべきかとも思いましたが、そしてあの朝ドラ、武者さん、もとい小檜山氏は擁護してはいますが、やはりあまりにもおかしな点が多いです。
景時ではありませんが、この朝ドラは「無駄な時でござった」と思っている人もいるのでは。


飲み物-グラスに入ったビール
[ 2022/07/29 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 65その1

『武将ジャパン』大河コラムへの疑問点、前半部分です。今回より疑問点を、原文の次に持って来るスタイルに改めています(度々変わってすみません)

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第28回「名刀の主」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)


1.視聴者の皆様は、まさか十三人の合議制を参考にしたビジネスなんて考えていませんよね? 崩壊しますよ!13人をモチーフにした、大河土産のお菓子などもありますが、思わず「滅びる順に食べるのか?」と突っ込んでしまいますよ。

正直言って大きなお世話だと思います。誰がどういうビジネスを考えようが、13人をモチーフにしたお菓子を食べようがそれぞれの勝手であり、これでは業者や、果ては番組そのものへの誹謗中傷となりかねません。

2.北条頼時が考えすぎだと困惑し、北条時連が止めています。
どうやら頼時は直言する傾向があるようですね。時連は調和タイプ。今後、頼時は父・義時ともぶつかるかもしれません。
源頼家は、風紀を乱す者を取り締まるため、腕の立つものを選んだと言い出します。
そして時連を気遣い、誰よりも若いが臆するなと励まします。存分に暴れていいってよ。
「かしこまりました」
そう返す時連。頼家側近の中ではちょっと歳上だと語っていたのに、最年少扱いをされております。
童顔だからさ。
いや、そんなことより、側近の特徴すら把握していない頼家のヤバさが浮かび上がってきますね。

ここのところですが、まず「さっそく仕事に取りかかってもらう、まずは見回りだ」と言っていますし、彼らに「しっかりやってこい」とも言っていて、頼家は頼家なりに「仕事」に取りかかっている、あるいは取りかかっていると思っていたいのでしょう。それと側近の特徴すら把握していないとありますが、特徴と年齢は違うのではないかと。
あと時連の方が頼時より若く見えるのは事実です。実際は時連の方が8歳上でした。また、瀬戸さんは坂口さんより実年齢では3歳年上です。

3.道を掃除して、迷い犬の飼い主を探すなどをしているようです。当時の野犬は弓の練習台とされ、射殺されかねませんので、まぁ人道的ではありますね。

犬追物のことでしょうか。この場合は、犬を傷つけないために特殊な矢を用いて行われていました。寧ろ、飼い主がいなくて野犬化する方が問題だったとも思えます。

4.源頼家と政子の二女である三幡が亡くなりました。
ショックが大き過ぎたのか。乳母夫であった中原親能は出家し、そのまま鎌倉を離脱。13人のうち早くも一人が脱落してしまいます。

まず「頼家と政子」ではなく、「頼朝と政子」ですね。
そして中原親能ですが、この当時乳母夫、あるいは家人として仕えていた主君(この場合は姫君)が亡くなると、出家することも珍しくなかったのではないでしょうか。安達盛長もその一例かと。

5.政子は、頼朝が亡くなってからどのくらい経過したのか尋ね、義時が半年だというと、(頼朝が三幡を)連れて行かれたのかと言い出します。
そんなふうに考えるのはよしましょうと告げるしかない義時。
中世は迷信が強い時代ですので、下手をすれば大事になってしまいます。

身内を立て続けに失っているわけですから、政子もそう思ってはいるでしょう。それと
「中世は迷信が強い時代ですので、下手をすれば大事になってしまいます」
何が、どのように「大事」になるのでしょうか。

6.頼家は妹を入内させられなかったことを残念がり、自ら朝廷との結びつきを強くすると約束します。
しかし、それは母が欲しかった言葉なのか?
大姫の時点で、政子は入内のことにもう疲れ果てていた。政略結婚の道具にすることに嫌気がさしていた。
そういう気持ちに寄り添わず、政治のことばかりを口にする頼家。
頼家はズレてしまってます。
情理という要素を履き違えている。理屈で考えるべきどころで、感情をむき出しにする。感情を見せるなり、相手の感情に寄り添うべきところで、道理を説く。
不幸なボタンの掛け違えが起きているのです。どうして妹の死を労わる言葉が出てこないのでしょうか。

頼家は「ズレて」いるでしょうか?この場合、三幡を入内させられなかった、兄として、将軍としてすまなかったというのが、彼に取って妹を弔う言葉ではなかったのでしょうか。そして政略結婚云々と言っても、公家や征夷大将軍の娘に取って、それは宿命と言うべきものでした。『葵 徳川三代』の秀忠の娘たちを見れば、とてもそんなことを言ってはいられないのですが、武者さんは10年ルールがあるから観ていないかも知れません。
(その割に、40年ほど前の大河をいきなり引き合いに出したりしていますが)

それから、この部分でひとつ言いたいことがあります。
「情理という要素を履き違えている。理屈で考えるべきどころで、感情をむき出しにする。感情を見せるなり、相手の感情に寄り添うべきところで、道理を説く」
とあるのですが、
「幸せという要素を履き違えている。理屈で考えるべきところで、感情をむき出しにする。感情を見せるなり、相手の感情に寄り添うべきところで、自分を優先させたがる」
のが今の朝ドラの主人公のように見えます。

7.忠常はまだまだ若い鎌倉殿である頼家に期待を寄せるものの

「まだまだ若い鎌倉殿に期待」ではなく、「これからです。鎌倉殿はまだお若い」と言い、もっと長い目で見てあげようというのが忠常の考えのようです。

8.弓を射ながら、そう口にする朝光。それをじっと善児が聞いていました。

「じっと善児が聞いていました」だと、あたかもかなり前から善児が控えている、あるいは隠れているように見えますが、実際のところ画面には不意に登場して、朝光に矢を渡しています。無論景時に言われてのことでしょう。

9.忠臣は二君に仕えず――この言葉は昨年の大河でも聞きたかった。
明治になったぞ、さあ維新政府に仕えよう!
と、幕臣たちがそう簡単にホイホイできなかったのは、こういう道徳規範が叩き込まれていたからです。
せめて渋沢栄一が眉をしかめ、苦渋の決断の末、そう言いながら自分の道を進めばよかった。
「胸がぐるぐるする!」とか「おかしれぇ!」を行動原理にしてしまうと、幼稚な青少年を見ているようで、恥ずかしい気持ちにさせられてしまったものです。

武者さん、この言葉に反応してくるだろうなと思っていました。
この栄一観
「『胸がぐるぐるする!』とか『おかしれぇ!』を行動原理にしてしまうと、幼稚な青少年を見ているようで、恥ずかしい気持ちにさせられてしまったものです」
にももちろん疑問ありですが、今回はもう1度、これを引き合いに出させていただきます。
「『アキサミヨー」とか『まさかやー」ばかりで行動してしまうと、幼稚な女の子を見ているようで、恥ずかしいというよりは、苛々した気持ちにさせられます」

10.「鎌倉殿はご存じなのか」と聞き、最後に「冷めてから食べると気持ち悪くならない」と一応の助言はします。今週もマウンティングに忙しい正室と側室ですのぅ。

せつのセリフですが、ここでも先輩風を吹かせると同時に、もし子供が男だったらと思ったかも知れませんね。あと正室のつつじの方は、別にマウンティングはしていないと思います。

11.義経が政子の膝枕をしていた時とはワケが違います。
相手は人妻。狩りは武士の力を示す機会と言いつつ、人妻の膝枕とはいったい何事なんでしょうか。
頼家は武士としてのふるまいという理論武装だけはしているけれども、自分の感情にひきずられて女とこうしています。本音と建前の薄寒い使い分けが露わになっていてきついものがある。
むしろ頼家がわかりやすく人妻に襲い掛かっている方が、愚かだと強調できます。

「狩りは武士の力を示す機会と言いつつ、人妻の膝枕とはいったい何事なんでしょうか。
頼家は武士としてのふるまいという理論武装だけはしているけれども、自分の感情にひきずられて女とこうしています」
とありますが、この当時ある程度権力のある武士なら、そこまでおかしな行動にも見えません。
そして頼家としては、例の宿老=13人に仕事を取られたようで、やり場のなさをこういう形で埋めているとも考えられます。あとこのゆうは、ここで既に安達景盛の妻と紹介されていますね。

12.義時は、八重への思いを秘めたまま、持ち続けていた。義時ならば、思うだけで実力行使はしない。
義村は、さっさと切り替えができる。義村ならばこんなめんどくさいことになったら諦めるでしょう。

頼家は征夷大将軍です。彼ら御家人とはまた立場が違うし、寧ろ将軍だからこそ面倒なことにもなりつつあるのでしょう。やり方はよくないとは思いますが。

13.いずれにせよ「大事にするから譲れ」と頼む頼家。時連は傍観するだけ。頼時とは違うようです。
「できませぬ!」
そう断られた頼家は、外堀を埋めるために父・盛長に頼み込みます。
盛長は自分が伊豆に頼朝が来てから仕えていることを淡々と語り、鎌倉殿に異を唱えることはないと言います。
「しかしながらこればかりは、承服するわけには参りません!」
「わしに背くは父に背くことぞ!」
そう脅す頼家に、力づくで人妻を奪うことの不利を諭す盛長。
(後略)

「外堀を埋める」とありますが、これは目標達成のために周辺の問題から片付けるという意味で、この場合ちょっと意味が違うように思えます。父頼朝の腹心であった盛長に、弁護を願い出たというところでしょう。しかし盛長は、これだけは承服しなかったわけですね。

14.ちなみに『御成敗式目』では不倫が禁止されます。まだそのあたりは明文化されていないのがそれ以前の坂東なのでしょう。

この後でも
「坂東武者にルールを教えた『御成敗式目』の制定って、実に偉大なことだとわかります」
とあります。武者さんの「御成敗式目」好きはわかりますが、このドラマに出て来る時代は生憎それ以前の時代です。それが冒頭の13人の合議の紛糾にもつながっているとも言えますし、御成敗式目について書くなら、まず冒頭の部分で出してもいいかと思うのですが。

15.頼朝の女遊びは確かにひどい。
けれども夫が生きている人妻は選んでいなかった。しかも忠臣親子の妻と知った上で奪い取るような真似などしていない。
たしかに亀は夫が生きておりましたが、関係を持った当初は頼朝本人も知りませんでした。亀は漁民の娘ですので、身辺事情など知らなくて当然ですし。
さらに、思いを遂げられなかった比奈については、比企側が選んで差し出そうとしていたほどで、鎌倉殿の相手としては安全です。

逆に言えば、頼朝はまだ将軍になる以前、どころか挙兵の初期の段階で亀の前と関係を持ったわけです。身分も低いし、そこまで騒がれることもありませんでした。また挙兵がこの先どうなるかもわからず、自分の子を残したいという思いもあったかも知れません。それぞれの立場の違いが、女性に対して同じように接する(これは頼朝が言っていましたね)父子でありながら、咎められるかそうでないかが、かなりはっきりと分かれてしまいます。
そして
「これは来年の大河でも覚えておきたいところでしょう。
秀吉と家康を比較すると、どちらも女性関係は派手に見えます」
とあり、
「しかし家康は、手をつけても問題ない安全な相手を選んでいる。
秀吉は伝説化している部分もあるとはいえ、大名の夫人や姫に手出ししようとした話がいくつもあります」
とも書かれていますが、家康は未亡人で経産婦を主に選んでいます。これは子供を残すことと大きな関連があります。逆に秀吉は、自分に箔をつけるため、高位の女性に接したという見方がされていますね。

あと「夫が生きている人妻」とはちょっと妙です。夫と死別した場合は寧ろ、後家とか未亡人という呼び方になるのではないでしょうか。

16.英雄色を好むだの、女遊びは本能だの、とは言われますが、理性でコントロールできる部分もあるわけです。
そういうことを踏まえてか、景時は「困ったお人よ」とこぼすのでした。

景時が「困ったお人よ」と言ったのは、頼家が景盛の妻を奪い取ろうとした件ばかりではなく、自分が「覚えておきまする」と言って去ろうとした際、近習たちに当たり散らした(部下を大事にしない)ことで、上に立つ者の器でないと考えたせいもあるかと思われます。

続きは次の投稿にて。

飲み物-テーブル上のマグのビール
[ 2022/07/28 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第16週感想-2

『ちむどんどん』、先日も投稿していますが、何とも不可解なシーンが多いですね。今日の気づいた点と疑問点です。

  • 頼まれもしないのに、重子に弁当を作って持って行く暢子
  • 重子の許可を得ずに弁当を食べる家政婦の波子
  • 母親の喫茶店行きを知っているのに教えない和彦
  • 母親に一言謝りもしない和彦
  • 父親も女性軽視だった?
  • あまゆに重子を一方的に招待する暢子
  • なぜフォンターナにまず招待しない?
  • そのフォンターナの厨房が最近少しも描かれない

まず暢子。弁当を作って持って行くと言っても、相手に取ってはいい迷惑でしょう。無駄にやる気があるとしか見えませんね。第一フォンターナでは、スタッフが足りない中仕込みもしなければならないのに、なぜ弁当を作り、持って行くだけの時間があるのか不思議です。

しかも「絶対においしいと思います」て…そういう時はせめて「お口に合えば」とか「お口汚し」とかいう言葉を使うものでしょう-まあそういう言葉が使えるような人であれば、こういう強引なことはやらないと思いますが。それと波子さん、いくら奥様が食べないからと言って、黙って2人分食べるのもどうかと思います。

そして和彦ですが、喫茶店に入ってきているのだから、重子が朝外食しているのを知らないわけはないでしょう。ただそれを暢子に教えると、あの店に弁当を持って入って来て押し付けることになりそうだから、敢えて黙っていたのでしょうか。確かにああいう店でそのようなことをされると、店側も迷惑でしょう。

また和彦が重子と言い合いのようになっていますが、あのような会話も、雰囲気重視の店ならあまりやらない方がいいでしょうね。それと、母さんの子供に生まれたことを後悔しているという和彦のセリフ、あれは一言詫びるべきかと思います。

あと和彦のお父さんも、お母さんとはしっくり行っていなかったようですね。どちらにもそれぞれ問題はあったかも知れません。しかしそれをきちんと話し合ったようには見えないし、お父さんもちょっと身勝手だったかと思います。和彦は、そういうお父さんを反面教師にできているのでしょうか。また母さんと話したいと言いつつ、あまゆに来てくれと言うのはちょっと疑問です。

なぜ疑問なのか。重子は夫との確執もあって、沖縄にいい思いを抱いていないのに、沖縄料理というのはやはり気が進まないでしょう。暢子にしてみれば、みんなで美味しいものを食べようと考えているのでしょうが、それは暢子個人の考えであり、寧ろ重子は1人で外で朝食をするところから見ても、知らない人たちと群れるのを好まないタイプのようです。こういうのも、和彦が本来忠告するべきでしょう。

重子が承諾してもいないのに、なぜ暢子が意気揚々としているのか不明です。今までもそうですが、暢子はいつも相手の立場に立たず、自分の要求を飲ませることこそが「幸せ」だと思っているふしがあります。あるいはこれは、比嘉家の人すべてに言えるのかも知れません。

どなたかのツイにありましたが、なぜここでフォンターナに招待しないのでしょう。フォンターナならイタリア料理(創作イタリアン?)だし、一応は高級レストランだし、暢子が自分で作った料理を提供できるのですが。しかし最近フォンターナの厨房のシーンが出て来ませんね。本来は主人公がフォンターナで仕事に打ち込みつつ、結婚へむけて着々と準備を重ねているのを描くべきであって、弁当の押しかけ宅配?などは要らないとは思います。

それと最後の不審な音ですが、あれはやはりニーニーです。先週金曜日の予告で、料理をつまみ食いし、暢子が慌てて走り寄るシーンがありましたので。

しかし暢子、あまり料理が上手になっているようにも見えません、残念ながら。この回でも、実際に料理するシーンが殆どありません。『天皇の料理番』の佐藤健さんは、料理学校に通っていたからプロレベルのうまさで、如何にも料理人を演じるにふさわしかったですし、『きのう何食べた?』の史朗も暢子よりはよほど手際がよく、包丁の使い方も自然です。別にこの史朗はプロの料理人ではなく、同居している賢二と2人分の食事を毎日作る弁護士ですが、史朗を演じる西島秀俊さんは、このドラマを機会に料理を始めたとのこと(きのう何食べた?シロさんの簡単レシピP29)。



飲み物-アイスティーバック白2







[ 2022/07/28 00:15 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第16週感想-1

『ちむどんどん』の第16週の気になった点、疑問に思った点その1です。

第76回
  • 仕事も一人前と言えないのに、仕事と結婚の両方をつかむことにしたと平気で言う暢子
  • 家事と仕事の両立は大変良子は言うが、自分は両立させられずに失敗したのでは
  • 先方の親がOKしているかどうか何も訊かない優子
  • 「花嫁の父として祝いたかった」と言う善一だが、早苗の結婚式の時は「花嫁の父」だったのでは
  • 和彦に電話をかけさせ、その会話をチェックし、善一に挨拶もせずに帰り支度をする暢子
  • 2人をあまゆで祝福するのはいいが、その店には最近まで愛が来ていなかったか
  • 智が仕入れ先を増やすと言っているが、前にもあったように、この頃は植物防疫法で仕入れができなかったのでは
  • 和彦は話を録音もしていないのに取材レポートが書けたのだろうか
  • 田良島デスク「母親の一番の不幸は息子と結婚できないこと」このセリフも気持ち悪い。ツイッターで「息子と結婚」としてトレンドになっていた由
  • 良子がまた3人で住むことになっているが、どのような話し合いが行われたのか
  • 暢子が結婚すると聞いて給料を前借りしたがる賢秀
  • 家の前に着いてから母親の趣味を言い出す和彦
  • 「暢子は詩なんて読まないでしょ」このセリフはいただけない
  • 相手の母親に自己紹介をする前にサーターアンダギーを渡そうとする暢子

第77回
  • 興信所に依頼して比嘉家のすべてを調べ上げる重子
  • 和彦の「小さい頃からよく知っている」は理由になるのか
  • ニーニーが牛飼いの仕事?
  • 一人称に「うち」を使う暢子
  • 「結婚に必要なのは愛情だろう」愛を捨てた和彦がそれを言うか
  • 結婚を許されていないのに、重子をお義母さんと呼ぶ暢子
  • 「母もきょうだいも仲よしで」←それはこの場合理由にならない
  • 帰ろうと言って自分だけ部屋を出る和彦
  • 「母さんの子供に生まれたこと」を後悔していると和彦、それはないでしょう
  • 帰り際に失礼しますも言わない暢子
  • 和彦の家庭事情が後付け過ぎる
  • また暢子の「諦めないで」
  • 歌子も「諦めたくありません」
  • 良子がやっと石川家に行くが今更感がある、そしてまた「私は諦めません」
  • さらに「石川家の家族です、働くことに誇りを持っています、仕事は辞めません」←いや、それここで言っても答えになっていないから
  • 賢秀「諦めます」で、また危ない商売に手を出しそう
  • 祝福されるためには和彦がお母さんと仲直りしないとと言い出す暢子
  • 「相手を好きになる」が、おいしいものを食べてもらうという発想になぜなるのか、それは善意の押し付けではないのか

今週も突っ込みどころが多いです。
和彦と結婚するにしても、普通ある程度付き合ってから決めないでしょうか。どう考えても、愛と智がいなくなったからチャンスと思っているように取れるのですが。そして周囲が勝手に結婚式で浮かれている感があるのですが、その前に
結婚して、本当にうまく行くのか考えるシーンがあってもいいかと思います。ただこの朝ドラは、そういうのを無視した所で成立しているようです。

そして田良島デスクの
「母親の一番の不幸は息子と結婚できないこと」
前出のようにトレンド入りもしたようで、かなり視聴者からクレームが行きそうなセリフではあります。それから良子がまた親子3人で住むことになるも、どのような話し合いが行われたかも描かれない。またニーニーの給料前借りはいつものこととしても、暢子が和彦と2人で母親に会うことになるところ、この時の手土産がサーターアンダギーというのには、ちょっと違和感があります。

相手の家族に初めて会うわけで、しかも息子の結婚相手ということで行くわけですから、やはり老舗の和菓子か洋菓子を持って行ってしかるべきでしょう。一流レストランで働いているはずの暢子が、そういうこともわからないのはやはり不自然です。それとステッチがかかったノースリーブの服は、ちょっとカジュアルで、こういう時の格好ではないなと思います。いつも思うのですが、本人がわからないのであれば、誰かアドバイスしてくれる人はいないのでしょうか。

そして和彦の母親重子。このお母さんもちょっとステレオタイプな描かれ方ですが、暢子に批判的なこと、愛について触れたことは評価できそうです。無論暢子が仕事もきちんとこなし、相手の母親に対してもそつのない振舞いで、しかも万人受けするお土産を持って行ったのであれば、暢子に同情するところでしょうが、実際の暢子はそうではなく、礼儀もわきまえず、自分のことばかり話そうとしているわけですから、ここは重子の態度の方がまともに見えてしまいます。

そして和彦の「母さんの子供に生まれたことを後悔している」
それはないでしょう。確かに両親の仲が悪く、お嬢様育ちの重子が実家のことを鼻にかける、それが許せないというのはわかりますが、「諦めないで」と暢子に言われる前に、本当は和彦の方が、
「母さんがうんと言ってくれるまで僕は諦めない」
と言うべきでしょう。あと暢子も部屋を出て行くのであれば、いくら重子に嫌なことを言われようが、失礼しますくらいは言ってしかるべきでしょうし、そもそも和彦の家庭事情も、この朝ドラらしく後付けになっているため、色々なことをセリフで説明するのもどうかと思います。

その「諦めない」がこの回は多く、かなりくどく感じられます。『あさイチ』の朝ドラ受けで、「朝ドラ受けを諦めない」なる発言が飛び出すのも、むべなるかなです。
歌子が三線でしくじっても「諦めない」。こういう教室は時間的制約もあるから、彼女1人に何分も時間を割くわけには行かないでしょう。そして良子、石川家にやっと出向いたと思ったら、御三味を作ってくれと言われ、ここでも「諦めない」、そして「仕事は辞めません」などと論点をすり替えてしまいます。こういう時は、料理はあまり得意ではありませんが、石川家の一員として認められるよう一生懸命作りますと言うべきでしょう。そうすることが彼女自身の、婚家に於ける名誉回復になるはずなのですが。なぜ彼女たちはこういうキャラ設定なのでしょうか。

再び暢子。相手に好かれたいのなら、まず相手を好きになることだと亡き父の教えを引き合いに出すのはいいのですが、まず和彦君がお母さんと仲直りしないととは、ちょっと強引ではないでしょうか。暢子らしいとも言えますが。そして、それがなぜ「おいしいものを食べてもらう」ことになるのか、ちょっと飛躍していませんか。あと暢子が、自分の家の台所のようにあまゆの厨房を使うのは感心できません。

最後に和彦。以前この和彦についても、人格を疑いたくなると書きましたが、ここでも「詩なんて読んだことがないだろう」と訊いてみたり、自分だけ先に席を立ったり、本当の意味で相手を大事にしているのか疑問です。この朝ドラはおじさん目線といった意味のツイートを見たことがありますが、要は暢子のような女性にマウントを取りたい、そういう願望が何やら込められているようにも見えてしまいます。無論この場合、仕事も気配りもできる愛では駄目なのですね。モラハラというか、所謂マンスプレイニングなのかとも思います。


飲み物-アイスコーヒー5
[ 2022/07/27 01:15 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第28回「名刀の主」あらすじと感想-2

第28回後半部分です。


頼家は近習たちをうるさいと怒鳴りつけ、景時は困ったお人よと口にしつつ廊下を去って行く。そして景時は義時に、謀反は思い描いただけで既に謀反と、朝光を死罪にする考えを明らかにする。その旨を訴状にして鎌倉殿に見せると言うが、広元がそれに待ったをかける。

安達殿の一件が尾を引いているのかと尋ねる義時。景時はあれ以来頼家が御家人の信用を損ね、厳しく当たらなければ鎌倉は割れると言い、義時は、その見せしめのために朝光が利用されると悟る。さらに景時は、御家人への見せしめは頼朝様の頃からのならいであると言い、不満を持つ者を一掃するにはよい機会であるとも言う。

実衣は、朝光を助けるよう三浦義村に懇願するが、これは朝光一人の問題ではなかった。実際景時の手の者が鎌倉のあちこちに潜んでおり、義盛も、朝光以外に取り締まりを受けた者を何人も知っていると口を挟む。そして義時は13人衆でない義村に、景時のところへ行って、御家人たちの気持ちを伝えるように頼む。しかしそれでは弱いと見た義村は、人数を集めて訴状に名を連ね、鎌倉殿に処分を訴えることを勧める。

これで署名が集まるかと実衣は心配するが、義村は裏に回ると言う。重忠もその役を買って出るが、お前は裏に回るには見栄えがよすぎると言われて引っ込まざるを得なかった。義時は4~5人程度の署名で十分だと考えていた。義村は時政にまず署名を依頼する。りくの、これを機会に梶原を引きずり降ろしましょうとの言葉に、時政は自分も、御家人で一番のような顔をする梶原には頭に来ていたと乗り気だった。

さらにりくは、時政が署名することで他の御家人たちの重しになると言い、一番最後の部分に署名するように勧める。比企能員も梶原をよく思っていなかったが、時政が最後に書いたのを訝る。義村は、最初を比企殿にお譲りしたのだと言い、能員は最初の部分に署名をする。そして当の景時には、広家が、侍所で大変な騒ぎになっていると知らせを持ち込んできた。義村は、どうだ集まっただろうと得意げだった。

大ごとにするなと言ったではないかと義時は言うが、義村は思ったよりも、梶原のおっさん嫌われていたようだと勝ち誇ったように言い、さらに千葉常胤は、梶原と一戦交えることまで考えていた。戦はないと義時は言うが、義村は如才なく、加わってくれたことへの礼を述べる。常胤は、危うくお迎えの支度を始めるところであった、またもや誉ある戦をせぬかと声がかかれば、乗らない手はないと自信ありげに話す。

そこへ義盛が皆書き終わった、八幡宮へ誓いを立てに行こうと言う。集まった数は67にも上り、義時が多すぎると不満を洩らしたところ、そこへ土肥実平が現れて、泰平の世になったのになぜまたいがみ合う、頼朝様がお喜びになるとお思いかと憤る。すると義盛が、いいんだぜ、一緒に土肥実平殿への訴状をこしらえてもと凄んだため、実平はこの先鎌倉はどうなると言いつつ、引き下がるしかなかった。その時一同は、庭を隔てた廊下に景時がいるのを見つける。

義村は署名を時政に見せ、明日広元に預け、鎌倉殿に披露して貰うことを伝える。するとその時りくが小刀で、最後の時政の署名を切り取ってしまう。義盛が大声を上げるが、りくは夫は関わらなかったこにさせて貰うと紙片を破り、火鉢にくべてしまう。もし鎌倉殿と景時が結託したら、名を連ねた御家人たちは根こそぎやっつけられると言い、時政は、なぜ最後に署名させたのかの意味を理解する。義村は小柄で訴状を割こうとするが、りくがすばやく訴状を引っ込める。義村は言う。
「あんた、やるな」

比奈は食事中の義時に、なぜ景時がそこまで嫌われているのか尋ねる。あまり心を開く人物ではないので、誤解もされやすいと答える義時。比奈は夫の身を案じる。肝に銘じておくと義時。比奈は頼時にも、鎌倉殿の側を離れないように、父に不都合なことがあったら知らせるようにと言い聞かせる。坂東武者は内輪の争いが好きだと言う比奈。義時はこれで終わりにしたいと言うものの、比奈は新たな始まりでなければいいがと心配げだった。

しかし頼家はまだ訴状を見ていなかった。これはあくまでも最終手段であり、事を穏便に済ませる方法がないか考えておると広元は答える。梶原がそんなに怖いかと義盛は尋ねるが、恐れているのではなく、不憫に思っていると広元は答える。しかし義盛は、これだけの御家人の声を封じ込めるつもりか、渡すか渡さないかここで返答せいと襟をつかむ義盛の手を、広元はつかみ返す。

政子の部屋にいる景時に、鎌倉殿のご沙汰があると義時が呼びに行く。しかし政子はその必要はない、自分が頼家と話すと言う。それには及ばないと景時は言うが、政子は、貴方は欲得で動く人物ではないと頼朝から聞いており、おかしなことになると取り返しがつかないと注意する。景時は、鎌倉殿は賢いお方、某を手放すようなことは決してございませぬと答える。

頼家は2通の訴状を文官と御家人たちに見せる。1つは景時の結城朝光に関する訴状、もう1つはその景時自身への書状だった。康信は朝光の謀反の疑いはないと見ていいようだと述べ、景時も疑いが晴れれば、これに越したことはないと言う。頼家はそれを引き裂き、今度は景時への訴状を手に取る。まず能員が景時のやり方は目に余ると言い、時政も確固たる処分を要請する。

義時は、景時は鎌倉を守りたい一心であったと言うが、義盛が異論を唱える。そして景時は、恥じ入るところはただの一転もないと言い、それを聞いた頼家はしばしの沈黙の後、父は御家人たちをまとめるために上総の介広常を斬った、お前を許せばこの66人の御家人が黙ってはいるまいと述べる。そして頼家は景時にこう告げる。
「役目を解き、謹慎を申しつける」

このことは京にも知らされた。頼朝が死んで、早速仲たがいが始まったかと後鳥羽上皇は言い、それほど有能かと土御門通に尋ねる。通親はかねてより誼があり、頼朝に気に入られ、鎌倉では最も力のある御家人であると答える。上皇は、それほどの男なら手中に置きとうなったと言い、探りを入れさせる。その後景時の館には義時が趣き、残念であると言うと、景時は盆栽に手を入れながら、自分の間違いは己の過信にある、鎌倉殿と御家人、どちらも意のままに操れると思い込んだがどちらからも疎まれたと話す。

義時は復帰できるよう動いていると言うが、景時は、捨てる神あれば拾う神ありと、義時に上皇からの文を見せる。京へ来るように、通親が伝えたのだった。鎌倉にいても先は見えたと言う景時に、義時はいてもらわねば困ると言い、何かを諦めたかのようなそぶりを見せる景時に、行ってはなりませぬと再度念を押す。景時は涙を流す。

実衣は琵琶を傍らにおき、憂鬱そうな表情を浮かべていた。そして矢場では義村が朝光に、しばらく姿を隠せ、全てはこちらの思い通りに運んだと言い、さらに例のことは他言無用で、実衣殿に相談を持ちかけたのは、あくまでもおぬしの一存とも言って報酬を渡す。朝光はそんなに梶原殿が難いかと尋ねるが、義村は別にと答え、ただ、景時にいられると何かと話が進まないと答えてそこを去る。

そして頼家は、わが手の者から聞いたと言って、京から誘いがあったそうだなと景時に尋ねる。わしに伝えなかったということは、その気があると考えて間違いないなと言い、結構でございますと言う景時に、「忠臣は二君に仕えず」を頼家は引用する。お前は自分が忠臣でないことを認めた、そして忠義を誓わぬ者はこの鎌倉に入らぬと言い、奥州外ヶ浜への流罪を申し渡す。

正治2年正月。景時は太刀を抜き、邸内の竹を伐る。その頃義時は、あることを聞きつけて比企館に出向いた。せつが一幡を助けてくれと言い、能員は穏便に、鎌倉殿の耳には入れるなと念を押す。奥には武装した景時とその家人がいて、一幡を連れ出そうとしていたのである。景時は、我らはこれより京へ向かい、向こうに着いたら一幡様は送り返すと言うが、京へ無事にたどり着けるように自分が手配すると義時は言う。

しかし景時は、そなたを信じるわけには行かぬと言う、上皇からの誘いの件、鎌倉殿に流したのはそなたであろうと言い、義時はうなずいて、京に行けば鎌倉殿は決して貴方を許さない、討ち取ろうとして朝廷との争いの火種となると言い、鎌倉を守るのが自分の役目であると答える。ひけらかすものではないなと景時、破り捨てるべきだったと義時。景時は、刀は斬りようによって名刀にもなまくらにもなり、なまくらで終わりとうはなかったと囁くように言う。

一幡はせつの手に戻り、頼家の近習たちが景時に刀を向けるが、景時はこれより外ヶ浜へ参ると言い、義時は景時を通すように家人たちに命じる。景時は義時に、そなたは広常の前でこう申した、我らは坂東武者のために立ち上がったのだ、源氏は飾りに過ぎぬと。その言葉に義時はうなずく。景時は己の道を突き進めと言い、置き土産として善児を義時に譲った。

景時が出て行った後で、義時は頼時に兵を調えるように言う。必ず西へ向かうであろう景時を、東海道で討ち取るつもりだった。義時は、景時が武士らしく華々しく戦死しようとしていることを見抜いていたのである。外は雪が舞っていた。


景時の厳しいとも取れるやり方(源平合戦の頃からそうですが)に、御家人が反発します。そこで、13人に加わっていない義村が動くことになります。重忠は自分もと言いますが、お前は見栄えがするからと外されます。しかし義村は、こういう仕事は単独でやるべきであり、しかも自分でなければできないということを熟知しているようです-重忠はその点愚直なところもありますし。そして景時に対する市場に、多くの御家人の署名を集めさせます。

しかし義村よりもうわての人物がいました。それは他ならぬりくでした。りくはまず、夫時政に訴状の最後の部分に署名させます。それをきっかけに多くの御家人が署名をし、その数67人にもなります。いくら何でもやり過ぎだと義時は思うものの、義村は得意げです。そしてこれには、千葉義胤も名を連ねます。この人は昔ながらの坂東武者で、無論合議などには向かない、義村の言う「じいさん」でしたが、その「じいさん」も大いに役に立てたわけです。

しかも一応署名が集まったところで、りくは最後の部分を切り取り、燃やしてしまいます。頼家と景時が同盟でもすれば、署名した御家人が危うくなると思った彼女は、敢えて夫に最後に署名させ、最終的にその部分を切り取るという手段に出たのです。これには義村も一本取られた格好になります。しかし義村とりく、『きのう何食べた?』SPの小日向さんとまみちゃんを思い出します。

政子は景時は人格者と信じており、景時も頼家は、自分に何もすまいと踏んでいたわけですが、ことは思いがけない方向に向かいます。頼家は景時の役目を解き、謹慎を申し付けたのです。景時は己の考えの甘さを思い知らされますが、ことはそれだけでは終わりませんでした。後鳥羽上皇が景時に声をかけており、しかも屋敷に来ていた義時にそのことを喋ってしまいます。これはちょっと脇が甘かったと言わざるを得ません。義時は頼家に近い人物であり、このことを伝えたとしても無理からぬ話です。

そして最後のシーン、比企館に景時が乗り込み、一幡を人質にしようとします。しかしこれも、景時が流罪になるのであればと一芝居打ったように思われます。義時が、景時は武士らしく華々しく戦死したがっていると見たのはこのためでしょう。

飲み物-ビールと夕日2
[ 2022/07/26 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第28回「名刀の主」あらすじと感想-1

第28回「名刀の主」前半部分です。

13人の合議による訴訟の評議が行われる。常陸の御家人大谷太郎と次郎の相続を巡っての評議は、基準がないため最初から意見が割れ、果ては次郎の妻が比企氏の出身であることから、私情を挟むなと時政が言い、和田義盛は能員に表に出ろとまで言い出す始末だった。その時八田知家が、米を作らせていたのは次郎の方だと言い、太郎は代替わりを狙って、次郎の土地を奪おうとしているように見えた。また書記の中原親能は記録が追い付かない始末で、義時も困惑していた。

そこで梶原景時は、御家人たちに一喝する。誼を挟むのは今後やめにしろと言い、頼家にはこのことは伝えず評議をやり直すと言い出す。無駄な時でござったと景時は言い捨てて立ち去り、後には気まずい空気が流れた。

頼家は、13人が補佐役というのは建前で、自分は除外されていると近習たちの前で洩らす。そして彼らに、鎌倉の見廻りを命じるが、時連にはこの中で一番若い、存分に暴れて来いと言う。しかし政子は義時と景時から事情を聞き、その者たちで何ができるのかと言う。取りあえずの彼らの仕事は道の掃除、犬の飼い主探しなど他愛のないことばかりだった。無論後々彼らにも力を持たせるつもりでいたが、当面は好きにさせ、鎌倉殿へのそしりを防ぐことに心血を注ぐと景時。

正治と改元されたこの年の6月、政子は二女の三幡を病で失う。乳母夫であった中原親能は出家して鎌倉を離れた。半年前に世を去った夫が、娘を連れて行ったのかと義時に問う政子だが、そのように考える姉を義時は諫める。そこへ頼家が狩りから戻って来る。いつも肝心な時にいないと不平を洩らす政子だが、入内させてやれなかったのは残念だったと言い、さらに政子の手を取り、朝廷と結びついて鎌倉をゆるぎないものにしてみせると断言する。

実衣は結城朝光の指導のもと、琵琶の稽古をしていた。その朝光に実衣は、一休みしないか、美味しい瓜があると持ちかける。その様子を見ていた全成は、ひどく苛立ちを覚えていた。実衣は朝光に、姉は立派だが自分も陰ながら支えて来た、少しは感謝してもいいと不満をぶつけるものの、すぐそれを修正する。そして夫の全成はこういう話には姿を消すと不満げであった。朝光は相手をすると言うが、実衣はご迷惑ですねと話を遮り瓜を勧める。

実衣が琵琶を始めたのは、何かで政子を超えたかったからだった。超えてみせましょうと言う朝光は、彼自身にも悩みがあるようだった。以前仁田忠常と雑談をしていて、話題が頼家のことになり、忠常がこれからである、鎌倉殿はまだお若いと言うのに対し、朝光は宿老の声に耳を貸さず、蹴鞠にふける姿は、鎌倉を率いるにふさわしいとは思えないと話していた。そして頼朝にはまだ生きていてほしかったと言い、忠臣は二君に仕えずと口にする。その朝光のそばには善児がいた。

このことが景時の耳にも入る。今の鎌倉殿を蔑み、もっと頼朝に仕えたかったとは何事かと景時は尋ね、忠臣は二君に仕えずのもととなった唐(から)の王燭は自ら命を絶った例を持ち出し、頼家に仕えるくらいなら死んだ方がいいかと問われ、謹慎を命じられてしまう。実衣はそれを聞き、自分が何とかすると言う。

頼家の側室で一幡の母せつは、頼家を探してつつじの部屋にやって来るが、不在であった。しかもつつじは悪阻のため者が食べられず、頼家もそのことを知っていた。せつはつつじに、冷めてから食べると気持ち悪くならないと言い、つつじは礼を述べる。その頃頼家は安達景盛の妻、ゆうと親しくなっていた。頼家はゆうを狩りに誘い、戦のない世では、狩りこそが武士の力を締める一番の機会だと言う。

狩りは10日ほどだと聞いて、夫をごまかす算段を考えるゆう。そして頼家は、頼時から諫められたにもかかわらず、盛長と景盛の前で、ゆうを自分にくれと言い出す。頼家は生涯かけてゆうを大切にすると時連が言うものの、景盛にはその気はなかった。そこで頼家は、盛長に息子を説得するように言うが、盛長も、自分は流人時代から頼朝に仕え、そのお子である鎌倉殿にも異を唱えるなどもっての外と言いつつも、これだけは承服するわけには行かないと言う。

自分にそむくのは父にそむくことぞと言う頼家だが、力ずくで人妻を奪えば、鎌倉殿の名に傷がつくと盛長は言い、家を焼き払われてもよいのかと頼家は声を荒げる。しかし盛長は、家を焼き払われようが鎌倉を追われようが、たとえ首を刎ねられても自分の心は変わらぬと言い、お父上を悲しませてはなりませぬと頼家に言い聞かせる。

よう申したと頼家は言うが、その直後に安達親子の首を刎ねるよう近習に命じる。しかし景時はお待ちくださりませ、これは大きな分かれ道にございまする、このようなことで安達親子を討てば、御家人たちが黙っていないと忠告する。その言葉を意に介しようとしない頼家の前に、政子と義時が現れる。政子は、自分のやっていることがわかっているのかと頼家を戒め、思い合っていれば。誰の妻であろうが関わりないと言い返す頼家に、せつやつつじの前で同じことを言えるのかと政子は問い詰める。

義時は、盛長ほど頼朝様や鎌倉殿に忠義の心を持つお方を私は知らぬと言い、このようなことで首を刎ねるなど許されないと一喝する。政子は頭を冷やすようにと言う。頼家は政子を担ぎ出したことで景時をなじるが、他に手がなかったと景時は答え、覚えておけと言う頼家にこう答える。
「覚えておきまする」
実は景時は、事前に頼時から相談を受けていたのであった。父上も、同じようなことをして来たではないかとの頼家の言葉を無視して、景時は立ち去る。


早速協議が始まるわけですが、おおもととなる法律が定まらない中での協議ですから、めいめいが勝手なことを言い出します。しかも血縁関係による身びいきとまで取られかねない発言もあり、そのような中、八田知家の一言で、どちらに分があるかが明らかになり、協議のやり直しとなります。相変わらず、工事中の現場から抜け出してきたような、どこかよれよれな印象のある知家ですが、核心を突いたことをずばりと言って来ます。

そして三幡。あまりにも出番が少ない人物でした。彼女も入内は決まっていたようですが病気になり、都から時長という医師が来て、朱砂丸を処方します。これにより一旦は回復するのですが、その後危篤症状に陥って亡くなります。ところでこの朱砂丸、実は辰砂(硫化水銀)のことで、かなり毒性が強いのですが、その後も薬として用いられていたようです。かつは、阿片が薬として用いられていたこともあったし、今では考えられなくても、その当時はそれが当たり前だったのでしょう。

それから実衣、政子を超えたいという思いで始めた琵琶ですが、指南役の結城朝光、何か裏がありそうです。景時に対して恨みがあるようで、実は謹慎中だと言い、実衣が力を貸す展開になりそうですが、あまり気軽に引き受けない方がよさそうな気もするのですが。以前も書きましたが、実衣の、思ったことをすぐ口にする性格は、身内の間でこそ受け入れられ、許されもして来たわけで、これが他人である朝光に向けられた場合、どのようなことがあっても不思議ではなさそうです。

あと、「忠臣は二君に仕えず」ですが、如何にも儒教国家的な発想であると言えます。ただこれが、武家政権下の日本に於いてどのくらい受け入れられていたのでしょうか。

せつ。何かと妊娠・出産に於いて、つつじに先輩風を吹かせます。今回も悪阻で気持ちが悪いのなら、冷めてから食べたらいいでしょうなどと言っており、嫌われキャラと言えますが、これは後の比企能員の変で、一族もろとも死んでしまうことを踏まえてのことでしょうか。

そして人妻といい関係になった頼家、普段は父頼朝と比較されるのを嫌がるのに、こういう時だけ父上もそうだったと言ったり、はたまた自分に背くのは父に背くことだと言ってみたり、結構ダブスタですね。それにしても時連、甥である頼家の目にも若く見えるようです。


飲み物-ロックグラスカクテル
[ 2022/07/25 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
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まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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