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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2022年04月

自己愛性パーソナリティ障害とは

まず、先日の『武将ジャパン』関連投稿、当該記事のリンクがなかったので貼っています。また、投稿の数か所を少し直しています。

ところで、今回は自己愛性パーソナリティ障害について書きたいと思います。この自己愛性パーソナリティ障害、所謂パーソナリティ障害の一つですが、とある医学系サイトを見たところ、以下のような特徴があります。

  • 自分の重要性および才能についての誇大な,根拠のない感覚(誇大性)
  • 途方もない業績,影響力,権力,知能,美しさ,または無欠の恋という空想にとらわれている
  • 自分が特別かつ独特であり,最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じている
  • 無条件に賞賛されたいという欲求
  • 特権意識
  • 目標を達成するために他者を利用する
  • 共感の欠如
  • 他者への嫉妬および他者が自分を嫉妬していると信じている
  • 傲慢,横柄

要は「誇大性,賞賛の要求,および共感の欠如の持続的なパターン」が最大の特徴と言えるでしょう。

また人によっては、モラハラをするケースもあります。さらに一般の人で、最大6パーセントがこの障害を持ち、男性に多いとも言われています。他にうつ病、摂食障害や薬物使用が見られることもあり、また、自己を他者からの賞賛に結び付ける能力のある人もいます。その一方で、ガラスのハートの持ち主であり、批判などには敏感で失敗を恐れる傾向があります。

しかしこうして見ると、ちょっと付き合いづらい、あるいは面倒臭い人という印象があります。常に自分が賞賛されていないと気が済まないからでしょう。また上から目線だとか、支配欲が強いといった面もあるようですし、上記の特徴といくらか重複しますが、自慢話とかひけらかし、承認欲求の強さも特徴として挙げられます。

この障害はごく普通の人にも見られるようですし、華やかで賞賛される自分を実現したいという点から考えると、結構有名人とか芸能人にもいるタイプかも知れません。

ところでこの障害を持つ人は、よくいわれるファン活とか推し活に熱心だとも言われます。要は自分の「推し」は優れており、その優れた推しを応援する自分も素晴らしいといった心理状態から来ているようです。実際SNS、特にツイッターなどで、そういう推しう活をしているアカウントを見たこともあります。しかしあまりエスカレートすると、他のファンとの軋轢を生むことにもなり兼ねません。さらにエスカレートすると、ストーカー行為を起こしてしまうということもあるようで、それはやはり問題でしょう。

飲み物-ミルクが注がれる紅茶
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[ 2022/04/30 00:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

過去美化バイアス3-昔との比較のデメリット

「昭和の日」だからと言うわけではありませんが。以前、昭和の大河は本当によかったのかという投稿をしたことがあります。大河に限らずTV番組というのは、放送時点での社会情勢や世論を反映しやすくもあり、そのため昔人気があった作品を今観ても、何となく今一つだなと思うことはあります。

特に昭和後期から末期の大河、このブログでヴィンテージ大河という表現を何度かしていますが、確かにその当時は受けたし、視聴率も高かったでしょう。しかし、今そういう大河を作ろうと思ってももう作れないでしょうし、またその当時と同じものを作る必要が、本当にあるのかと思ってもいます。

しかしやはり昔はよかった、今のはよくないという意見もあるようです。しかしこれは何度も書いていますが、所謂過去美化バイアスもあるかとは思います。昔の映像作品は殊更に今のと比較するのではなく、その時代のものとして楽しむべきでしょう。こう言っては何ですが、昔の作品を今の作品の叩き棒にするべきではないと思うので。

そもそも同じテーマや主人公でも、昔と今とでは内容がかなり異なってもいますし、それぞれの時代を考えれば、描き方が変わるのもある意味致し方ないとも言えます。昔は可能だった表現方法も、今はできないということもあります。それに人気のある作品でも放送当時は、今年の大河はあまり面白くないと周囲が言っているのを耳にしたこともあります。

面白くなかった大河も年月を経て、過去のものとなるにつれて、段々懐かしさを覚えるようにもなって行くのでしょう。その一方で、時を経ても面白くない作品というのも確かに存在します。私の場合、特に女性主人公大河や『いだてん』は、何か演出が奇を衒いすぎている、やたらに創作が多いなどの理由で馴染めませんでした。しかし人によってはそれに面白さを感じることもあるわけで、その辺りの線引きは難しいところでもあります。

実際好きな大河であっても、他の大河ブログにお邪魔したら、あまり評判がよくなかったということもあります。正に人の考えは様々で、その人はそういう考えなのだと割り切るしかないでしょう。他人の記事に対して、自分ならこう思うと言う程度ならまだしも、頭ごなしに否定するのは避けるべきだと思うので。そしてそのような場合であったとしても、別の記事では意見が合うこともあるのです。

飲み物-琥珀のエール
[ 2022/04/29 23:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 39

『武将ジャパン』大河コラムへの疑問点。第16回後半部分です。


鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第16回「伝説の幕開け」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/04/26/167884

1.「もっと近う」と言われてドスドスと近づく義経。(中略)しかし、名を名乗る義経に対し、法皇は怒らぬどころか、何か感じたようではあります。義経は宮中と結構関係があったとか、藤原秀衡人脈とか、色々な要素が絡みあってのことでしょう。

2.辛いことになりそうだと語る全成に対し、政子はハッキリと言い切りる。大丈夫。決して冠者殿を死なせたりはしない――そう決意を固めています。北条政子は悪女だのなんだの言われるけれど(中略)情に篤い。目の前の誰かが困っているのに、権力を求めるなんて性に合わない。まっすぐな人で、彼女にも「義」はあります。

3.そのころ、父の死を知っているのか知らないのか、木曽義高は海野幸氏とともに、大姫と遊んでいるのでした。

4.義経が二人の前にやってきて、義時だけを残すと別の策を話し始めました。
法皇に文を出し、平家に対し和議を命じてもらおう!源氏と停戦するように伝えてもらい、その前日に知らぬして一方的に攻め込む――義からどんどん遠ざかる義経です。
それに朝廷の力を利用することは禍根ともなり得ます。彼は自らが地獄へ堕ちる道を踏み始めてしまったかもしれない。
天才的な策にせよ、一つでも間違えたら総崩れとなる危険性がある。この英雄は、一押しで崩れる砂の楼閣のようでもあります。

5.「今度の源氏の御曹司は、法皇様と気が合いそうですこと」
「こういうのが大好きなんじゃあ」
義を軽んじる者同士が連携してゆきます。

1、「義経は宮中と結構関係があったとか、藤原秀衡人脈とか、色々な要素が絡みあってのことでしょう」義経は異父弟に一条長成がいましたし、秀衡の正室は藤原基成の娘ですからこの辺りのパイプは太かったでしょうし、それを明記してもよかったと思います。しかしながら、この大河ではやはりこの2人は抜け目のなさという点でウマが合ったようです。無論、義経の政治的手腕は法皇には遥かに及びませんでした。

2、困っている目の前の誰かに手を差し伸べるのが、必ずしも正しいとも言えません。この義高もそうですが、御家人たちに同情しその待遇に口を出すのは、最早政治の範疇であり、彼女が情のみで判断できることでもありませんから。

3、烏の鳴き声を聞いていますから、何となく察するものはあったでしょう。この鳥がいつもと違った鳴き方をすると、人の死を意味すると言われていますし。大河とは全く関係ありませんが、『ゲゲゲの鬼太郎』では烏が情報伝達の役割を果たしていますね。あと登場人物を運んだり(カラスブランコ)もしていますし。

4、この当時朝廷の力を利用するのは、別に義経だけではなかったと思うのですが。ならば以仁王の令旨はどうなのかと。

5、「義を軽んじる」とありますが、そもそもこの当時、後白河法皇の存在そのものがひとつの「義」であるわけですが、武者さんが言う義というのは、この場合何なのでしょうね。義経の常軌を逸したと思われる策も、戦に勝つための必要悪ではあったでしょうし。

6.「馬を背負ってでもついていきます。末代までの語り草になりそうです」実際そうなります。
畠山重忠の銅像は、馬を担いだ姿。そして上へと登ってゆく。
常識的に考えれば、景時が正しい。義経は兵士の損耗を度外視しすぎ、かつ技量に頼りすぎています。

7.(義経の策について)これは日本の特徴かもしれません。
他の文化圏では、一つの技術なり作戦なりを集団で覚えて底上げする方法が重視されます。
たとえば諸葛弩(しょかつど)――諸葛亮が発明あるいは改良をした弩であり連射ができる、現在で言うところのボーガンです。こんな兵器があれば誰だって矢を連射できる! 流石だ!そんな風に讃えられる一方、坂東武者は扱いが難しい弓術の個人的技量を重視します。

8.相当高度な映像です。まず馬が複数いるし、馬に乗る義盛のアップも映り、弓矢も放っている。大河の合戦でも、ここ数年で屈指であり、予算と手間暇を感じます。アクションもVFXも、かなりレベルが上がってきていますね。

9.そしてしみじみと、義経より景時の方が時代を先んじていて、組織の一員として有能で、実は役立つ人材ではないかと思えてきます。
景時は場の空気を理解している。義経はまったく意に介さない。こういう人間がいるとチームワークがズタズタになり、かえってパフォーマンスが落ちます。
そういうバランスを見ていくと、実は景時の方が上ではないかと痛感できる。景時は先天的な才能ではなく、後天的な学びを使いこなす達人です。

10.演じる役者も素晴らしい。勝手にこう思っていました。
東の染谷将太さんならば、西は菅田将暉さんだと。こういう性格の濃い天才的な武将を演じるうえで、この年代なら東西でこの二人が競い合うだろうと。
まさにその通り。菅田将暉さんはまるで猛獣。得体の知れない何かが突如現れたような感覚があって見ていて飽きない。

6、この重忠の馬を背負う云々、確かにその有様を再現した像もありますが、この逆落とし自体創作ではないかと言われてもいます。そして「実際そうなります」とありますが、この第16回ではそのようなシーンはないのですが(『馬からおりろ』というシーンはありますが)。

7、この時代足軽を中心とした集団戦はないのですから、これは当然でしょう。無論そのような戦では弩も使う機会がなく、逆に長弓が使われたわけです。

8、合戦シーンの描写ですが、こういうのは作品ごとにアップデートしている感もあるので、これも当然でしょう。
ならばもちろん、『麒麟がくる』よりも素晴らしいのですね。
それに「まず馬が複数いるし、馬に乗る義盛のアップも映り、弓矢も放っている」というのは、『平清盛』などでも似たようなものでしょう。何だか、今までブラウン管TVを観ていた人が、急に4Kの映像を観たかのようです。

9、何か非常に今更感があります。景時自身は悪役と見られてもいたようですが、義経自身が無謀なことをしたのも事実ですから。この大河は景時も13人に加わっていることもあり、その意味で景時と義経の対比をそこそこ描いているかとは思います。

10、個人的には染谷さんの信長には違和感がありました。それを考えれば、菅田さんの義経の方がまだ合ってはいますが、テンションが少々高すぎる嫌いがあります。でもそれ以前に信長と義経とは人物のありようが違うのでは。

11.木曽義仲は「義」と口にします。そして後白河法皇はそんなものは手前勝手だと言う。好き勝手に人を操り、騙し討ちの何が悪い!と開き直る義経と気が合っていた。この対比から、「義」のない人間は空っぽなのではないか?と思えてきました。

12.姉の政子は御家人の悩みを聞くと言い切った。これは義のある振る舞いであると、京都人らしい空虚な権力思考を見せるりくとの対比でわかります。
政子の意向に沿えば、義時は義を掲げることはできます。それは金剛を前にして思う迷いでもよい。
頼朝は金剛を源氏の守り神にするつもりだけれども、義時はそうではなく、ただ我が子に幸せな人生を送らせたいと願っています。

13.この父としての純粋な思いに、政子の掲げた御家人を幸せにするという義を振りかざして、亡き兄・北条宗時の遺志、それに上総広常の願い……そうやってモヤモヤと考えていくうちに、義のある勝利が拓けてくるのかもしれません。
この義時は、まるで昭和の中間管理職だと共感する方もいるとか。

14.源義経には大天才のイメージがある。
しかし、実際にそうだったのか、後世のイメージゆえか。そこは慎重になった方がよいと本作は示しています。
義経はヤマトタケルとイメージが重なるとは指摘されるところです。
悲劇の天才戦略家が、新しい国づくりのために戦い、非業のうちに死ぬ。そんなところが重なる。

15.近年の様々な研究成果をふまえ、人格に相当癖があったとされる日本史英雄の定番に入ります。(中略)
義経はこの時代だからこそ英雄となれたのだということもわかる。(中略)
彼自身は巧みな集団戦術を用いる転換点をうまく捉えているけれども、スタンドプレーがあまりに目立つ。
こういうことは軍隊の組織がもっとしっかりした時代にはむしろ嫌われます。
彼の言動が悪質な意味でも目立っていたからこそ、インパクトが強かったのでしょう。(中略)
その時代にピッタリあったからこそ名を成した人物というのはいるものです。

16.昨年大河『青天を衝け』の渋沢栄一も、伝記を手がけた幸田露伴にそう思われています。確かに外国人殺傷思想である攘夷テロ繋がりで人生が開けるなんて、あの時代しか考えられません。そういう人物を過剰に美化するよりも、今年の義経のような描き方にする方が、歴史もののアプローチとして正解だと思えます。

11、この少し前にも書いていますが、後白河法皇そのものが「義」であり、しかも義のあるなしを論じるのではなく、それぞれの「義」の解釈が異なっていると見るべきでしょう。実際義仲も院の御所に火をつけておいて、「義」はどうかと思いますが。皮肉なことに、義経も義仲も名前に「義」が入っています。

12、この辺りの文章、最早大河関連というより武者さんの個人的感想だなと思いますが、ともかくりくの「京都人らしい空虚な権力思考」とは何なのでしょうか。平家のように子を多く産み、様々な家と姻戚関係を結ぶことが「空虚」なのでしょうか。
この当時はそんなものだし、御家人の間だってこういう婚姻は行われていましたが。
それと「頼朝は金剛を源氏の守り神にする」とありますが、頼朝は金剛は仏法の守り神であり、源氏を支えるべくして生まれた者にふさわしいとのみ言っています。

13、いや実際に中間管理職のようなものでしょう。しかも鎌倉殿の義弟であるから立場はなかなかややこしいですし。

14、これも何だか今更感がありますね。確かに戦はうまいが、それ以外に批判されるべき点もあるわけですし。そもそも判官びいきの象徴的存在の義経は、後世の創作ですから。あとヤマトタケル云々、少なくとも「新しい国づくり」のビジョンを持っていたのは、義経でなく頼朝だったのではないでしょうか。

15、この時代だからこその英雄と言うのは、どの時代にも言えることで、三英傑もそうですし、明治以降になりますが、日露戦争時の秋山兄弟などもそれに似たところはあるでしょう。
あと「こういうことは軍隊の組織がもっとしっかりした時代にはむしろ嫌われます」て、この大河の時代はそういうのは確立していなかったのですが。

16、「確かに外国人殺傷思想である攘夷テロ繋がりで人生が開けるなんて、あの時代しか考えられません」
悪意の込められた書き方だなと思います。
しかも
「そういう人物を過剰に美化するよりも、今年の義経のような描き方にする方が、歴史もののアプローチとして正解だと思えます」だそうですが、別に栄一がそこまで美化されていたとは思いません。確かにお妾さんもいたし、近代の実業家として色々やって来てはいるでしょうが。それとそもそものキャラが違うのですから、今回の義経との単純比較はできないでしょう。

飲み物-ウイスキーストレート


[ 2022/04/29 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 38

『武将ジャパン』大河コラムで疑問に思った点について。まず前半部分です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第16回「伝説の幕開け」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
1.あけっぴろげな室内がいかにも寒そうで、この子が冬の生まれだとも示している。

2.頼朝を頂点とする殺伐とした世界……と、ここで確認したいことがあります。頼朝嫌い! ムカつく! 腹立つ!そんなネットの声を集めた記事が盛り上がっていました。しかし(中略)番宣資料で本作のコンセプトを再確認したところ、主人公の北条義時について(中略)「源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男 二代執権・北条義時」(中略)我々も、がんばってこの謀略まみれの世界を呑み込んで参りましょう。

3.(りくは)御家人の面倒を見る暇があるなら、京都で平家のように大きな力を持つ方策を考えるようにと答えます。それにはともかく子を作ること。男なら後継ぎ。女なら公家相手に政略結婚。平家はそうして力をつけました。(中略)
りく自身も北条の後継を産むため頑張ると笑顔になります。(中略)この場面だけでも本作は腹が据わっていると思えます。

4.この発言は「女は産む機械」と同様。まさしく子どもを産むことだけに価値があるとした、一歩間違えれば炎上ものの発言です。しかし、それは言葉尻を捉えて妙な解釈をするからそうなる。こういう考え方がたとえ当時は当然だとしても、どれだけ女性を苦しめたか描けばよい。

5.それに、この会話に参加している女性全員が、そう単純ではない結末を迎えます。子を産んでも簡単に死ぬ仕組みならば、意味がないということでもあるのです。この場面は政子とりくの違いがハッキリと見え、結果的に平家システムは失敗し、北条システムが成功します。りくは古く、政子は一歩先を行くビジョンがあったとわかるのです。

まず1です。あけっぴろげも何も、この当時の館はそういう作りなのですが。

そして2、頼朝嫌い云々は第15回の、上総広常謀殺に対する反応と思われます。確かにこれはあくどいとも思われますが、そのことと、義時が頼朝の背中を追いながら成長するのとはまた違うのではないでしょうか。

3、恐らく嫌いな大河であれば、女性蔑視だ何だのと、武者さん自らが炎上させたのではないか、そう思えてしまいます。

4、これも3と同様です。「しかし、それは言葉尻を捉えて妙な解釈をするからそうなる」とは、具体的にどのようなことでしょうか。その後の「どれだけ女性を苦しめたか描けばよい」もそうですが、本来武者さん的にこういうシーンは受け入れられないにも関わらず、一応好きな(評価している)大河ということで、何か無理している感があります。

5、「結果的に平家システムは失敗し、北条システムが成功します」、これも具体的に何を言いたいのでしょう。実は北条家はかなり多くの子孫を残しており、後に足利尊氏の正室となる赤橋登子も、義時の三男である重時の子孫に当たります。

6.それでも義経は無反省で、あちらが挑発したと答えれば、範頼も「鎌倉殿には私が命じたことにする」とフォローしている。そして景時がやんわりと嗜める。
義経:暴走する
範頼:暴走する奴をかばう
景時:庇うことを嗜める
三者三様の性格が浮かんできますね。
こんなとき、兄の義円ならこう言えたでしょう。
将、外にあっては、君命も奉ぜざるあり――。
『孫子』の引用で「前線の将軍は君命であっても受け入れられないことはある」という意味ですね。
利発な義円ならそうしてことをスムーズに運べたはず。

7.こういう人物には、何らかの戦略を駆使する暇つぶしがあればよいのです。
現代ならばスポーツ、あるいはテレビゲームやスマホでも。せいせいガチャに金をぶち込むくらいで済んだかもしれないのに、乱世に生まれたからこそ義経は“伝説”となります。
今週の義経を「バーサーカー」と呼ぶトレンドや記事も見かけますが、わざわざ北欧神話由来の単語を持って来なくてもよいのではありませんか。そもそも狂戦士とは、和田義盛のように矢に向かって馬を走らせるような武士でしょう。義経はもっと精密です。(中略)東洋の言葉で表すなら、奸雄とか梟雄、はたまた豺狼(さいろう)でもよろしいかと存じます。

8.一方、義経サイドでは、軍議が開かれ、京を攻めるなら勢多と宇治だと言い切ります。作戦は無事に進むようでいて、義盛が景時の指示を聞きたがらずに止まってしまう。(中略)
それを諌める義時は、今週も苦労が尽きません。景時は、あくまで頼朝の命令で上総広常を斬ったことを再確認。恨むのならば鎌倉殿を恨むのが筋! と叫ぶのですが、ここで景時が止めに入ります。(中略)
そして和田義盛に斬首を命じます。この義経の人選センスもいいですね。この場にいる中で、何の疑問やわだかまりもなく出来るのは義盛ぐらいのものでしょう。邪悪という意味ではなく単純ですので。

9.畠山重忠が「あれほど生き生きとした九郎殿は初めて見ます」と少し驚いていると、土肥実平も「引き絞られた矢だ」と返す。
しかし、この場面のこの策、『麒麟がくる』ならば通じないでしょう。
使者殺害は最悪の行為で、こじれにこじれるため、戦場では絶対的な禁忌です。戦国時代になると、家中の掟で禁じられたことも多い。ところが鎌倉時代は徹底されていません。

10.そんな昔のコト……と思うかもしれませんが、モンゴル出身の大相撲力士たちは、しばしば神奈川県藤沢市にある常立寺(じょうりゅうじ)を訪れます。ここに「元使五人塚」があるのです。これまた、後世であれば起こりにくい事態といえます。(中略)
しかし橋を外すことは、義経には予想済みでした。その上で畠山重忠に先手を率いて川を渡れと命じます。敵の矢に狙われ、格好の的になると躊躇する重忠。彼は自軍の損耗を嫌う言動が多く、兵を愛する将ですね。
義経は次のもう一手を明かします。強者を二人選び、川岸で先陣争いをさせる。そこに敵の目が注がれている隙に、畠山が川を渡るのだ。先陣争いも兵を乱す原因であり、戦国時代では禁止している家もあるほどでした。

11.「義だのなんだの……手前勝手は平家と変わらんわ」
そう吐き捨てる後白河法皇。
本作は、義を理解しない人間が、どれだけ浅ましく醜いのかを描いてくる。主人公周辺がやたらと「義だ!」と叫ぶのではなく、それを捨てた人間の醜さを描くことで浮かび上がらせる。結局のところ、後白河法皇に政治のビジョンなどありません。彼の人生ははこれでしょう。
遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん。
『梁塵秘抄』(中略)
そういう仁義のなさ、薄っぺらさが持ち味でしょう。

6、性格というより、このままでは鎌倉に言い訳が立たないから、自分がやったことにしておくと範頼は言ったのではないでしょうか。恐らくこの中では、一番の常識人とでも言うべきこの人物らしく、うまく取り計らっています。それとなぜここで、思い出したように義円が出て来るのでしょうか。単に『孫子』を出したいのでしょうか。

7、何も現代を持ち出さなくても、戦がなかったら義経はどのような生涯を送ったか、それで十分だと思います。そしてバーサーカー、ベルセルクはそもそもオーディンの神通力を受けたとされており、義経も景時が「八幡大菩薩」と呼んでいる以上、こう呼ばれても不思議ではないと思います。言っては何ですが、アニメの影響もあり、あまり馴染みのない「豺狼」などよりも、より親しみのある表現かも知れません。

8、まずここの部分、
「景時は、あくまで頼朝の命令で上総広常を斬ったことを再確認。恨むのならば鎌倉殿を恨むのが筋! と叫ぶのですが」
とありますが、これは景時ではなく義時ですね。そして和田義盛に使者の斬首を命じるシーン、
「この場にいる中で、何の疑問やわだかまりもなく出来るのは義盛ぐらいのものでしょう」
いや、義盛は俺がやるのかと不満そうな顔をしていますが。

9、そしてここでまた『麒麟がくる』。一度くらい『麒麟がくる』も、「戦国時代では…」もないレビューを見てみたいものです。あと
「使者殺害は最悪の行為で、こじれにこじれるため、戦場では絶対的な禁忌です」
なのですが、『真田丸』第10回「妙手」で、矢沢の叔父上が北条(後北条氏)の使者を殺したことをちょっと思い出しました。

10、モンゴル出身力士が元使五人塚に行くのは、かなり前にネット記事で知ったことがあります。そしてせっかくの先陣争いなら、生月と磨墨、そして佐々木と梶原にも少し触れてほしいです。

11、これはまた後白河法皇に対して随分な言い方ですね。今様好きではありましたが、決してそれにのめり込んでいたわけではなく、様々な策を弄して武士たちをうまく動かした人物で、決して「薄っぺらい」存在ではないのですが。寧ろこの法皇を、このような人物としてしか見られない方が、正直言って「薄っぺらい」のではないでしょうか。

飲み物-バーのラテフロート
[ 2022/04/28 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

リーグワン第14節結果とD2&3順位決定戦、そして国際ラグビー関連

ラグビー関連情報です。
まずリーグワンの結果です(赤文字勝利チーム)。

ディビジョン1(第14節)
東芝ブレイブルーパス東京 35 - 7 NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
(秩父宮ラグビー場) 
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 40 - 32 コベルコ神戸スティーラーズ
(江戸川区陸上競技場)
横浜キヤノンイーグルス 24 - 33 埼玉ワイルドナイツ
(日産スタジアム)
静岡ブルーレヴズ 15 - 18 トヨタヴェルブリッツ
(エコパスタジアム)
グリーンロケッツ東葛 34 - 38 シャイニングアークス東京ベイ浦安
(柏の葉公園総合競技場)
東京サンゴリアス 30 - 3 ブラックラムズ東京
(秩父宮ラグビー場)

ディビジョン2(順位決定戦1位~3位第1節)
三菱重工相模原ダイナボアーズ 17 - 19 三重ホンダヒート
(相模原ギオンスタジアム)
(順位決定戦4位~6位第1節)
日野レッドドルフィンズ 43 - 17 スカイアクティブズ広島
(武蔵野市立武蔵野陸上競技場)

ディビジョン3(順位決定戦1位~3位第1節)
豊田自動織機シャトルズ愛知 37 - 10 清水建設江東ブルーシャークス
(順位決定戦4位~6位第1節)
九州電力キューデンヴォルテクス 43 - 10 中国電力レッドレグリオンズ

ところでディビジョン3の中国レッドレグリオンズと、クリタウォーターガッシュ昭島の試合ですが、昭島に新型コロナ陽性者が出たため試合は中止となりました。

ジャパンラグビー リーグワン2022 D3 順位決定戦 第2節 中国電力レッドレグリオンズ vs クリタウォーターガッシュ昭島 開催中止のお知らせ
(リーグワン公式サイト)

そしてこの試合が行われる予定だった30日は、ディビジョン3のもう一つの決定戦、宗像サニックスブルースと清水建設江東ブルーシャークスとの試合が行われます。このブルースの活動休止については、『ラグビーマガジン』6月号で特集記事が組まれています。前にも書きましたが、当初の地域密着の予定が、予算の関係で活動休止、クラブ組織の編成など初年度から問題を抱え、結局親会社が大きなクラブのみが生き残る形になりかねず、これはリーグとしても協会としても再検討の余地ありでしょう。

それからトンガでの大噴火の被害を受け、復興支援のチャリティマッチが6月に行われます。日本側のチームは、ナショナル・ディベロップメント・スコッドの選手たちが中心となったエマージング・ブロッサムズ、そしてトンガの方は、リーグワンのトンガ出身、またはトンガにルーツを持つ選手で結成されたトンガサムライフィフティーンが出場します。
このトンガサムライフィフティーン、フォムリ・タウモエフォラウ氏が団長で、ラトゥ ウィリアム志南利(しなり)氏が監督と、80年代から90年代の日本ラグビーを知る人に取っては、懐かしい顔ぶれとなります。

6月にトンガ復興支援チャリティーマッチ開催 エマージングブロッサムズ対トンガサムライXV
(ラグビーリパブリック)

最後になりましたが、松島幸太朗選手所属のクレルモンは、先週末カストルに12-0で敗れました。その松島選手、あと500日となったワールドカップに向けてコメントしています。

【松島幸太朗インタビュー】W杯まで500日「僕らが勝てるか、は大きい」フランスで準備に最善
(日刊スポーツ)

飲み物-ブラックベルベット
[ 2022/04/28 00:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

小栗旬さん出演CM『プレモルの最高峰誕生』

大河では金剛が誕生しましたが、最近小栗さんと「誕生」と言えば、やはりこのCMですね。サントリー公式チャンネルにあったので、シェアしたいと思います。

Shun Oguri who acts HŌJŌ Yoshitoki in 2022 Taiga Drama "Kamakura-dono no Jūsan-nin" appears on a CM of Suntory Premium Malts.



[ 2022/04/27 01:45 ] その他/others | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第16回「伝説の幕開け」あらすじと感想-2

第16回「伝説の幕開け」後半です。


義仲たちは近江に向かうが、そこには範頼の軍がいて窮地に立たされる。義仲は巴に落ち延びるように命じ、義高への文を託し、わざと捕らえられて鎌倉へ行くように言う。巴は反発するが、女は殺されない、ただし手向かいはするなと義仲は忠告し、彼女は一人鎌倉を目指す。するとそこへ、義経軍の兵が行く手を阻み、巴は戦うも組み伏される。彼らは義盛の兵たちだった。

義仲は今井兼平と共に落ちて行ったが、ここにも武者たちが行く手を阻んでいた。兼平は自分が盾となり、義仲を彼方の松原へ逃がそうとする。自害にはもってこいの場所だと笑う義仲は、やるだけのことはやったが、ただひとつ心残りなことがあると言いかけたところで、額に矢を受ける。同じ頃鎌倉では、大姫、義高そして幸氏の3人が、烏の鳴き声を耳にしていた。

京からの便りが鎌倉に続々と届く。土肥実平の文は悪筆で読めたものではなく、義盛は絵入りであったがこれも悪筆だった。義時の文は字はまともだが内容が細かすぎ、梶原景時のは簡潔で要点を押さえた書き方だった。しかし頼朝は既に、朝一番に届いた義経からの手紙でことの次第を知っていた。それには「木曾討果」と大書きされていたのである。

これは全成、実衣、そして政子の知るところとなる。政子は義高を守ると決心する。その義高は大姫や幸氏と毬遊びをしていたが、どこか心ここにあらずといった感じだった。

範頼の陣では、福原の平家をどのように倒すかで軍議が開かれていた。景時は味方の損失を防ぐためにも、北から山を下りて攻める方法を提案する。軍勢を二分し、生田口から範頼が攻めて敵を引きつけ、その間に義経が山側から敵の脇を突くのである。しかし義経は、まず福原の北の三草山の平家軍を攻める方法を採る。それでは手の内を晒すも同然と景時は言うが、意表を突いて山から攻めるのは子供でも、敵でも思いつく、ならば手の内を見せてやれと義経は主張する。

他の者たちはこのやり方に納得が行かず、義経は面倒くさそうに、敵の力を散らすためだと説明する。そのうえで予想外の所から攻めるつもりだが、それはその場をこの目で見て決めるつもりだった。さらに義経は、もう翌日三草山に夜討ちをかけるつもりでいた。三草山までは2日はかかり、しかも平坦な道ではないと言われるも、義経は声を張り上げる。
「何だ何だ、坂東武者は口だけか」

義時は景時の意見を聞いてみるが、景時も義経が正しいと認める。義経は我が意を得たりといった顔をし、範頼もこの策に乗ることにした。その後景時は義時に、あの策は本来は自分が思いつくべきなのに、その前で止まってしまったのが腹立たしいと本音を洩らす。戦をするために生まれて来たような人だと義時は言い、八幡台菩薩の化身のようだと景時も言う。

その2人の背後に義経が現れ、景時を行かせた後、義時に、後白河法皇に文を届けるように命じる。つまりは平家との和議だった。2日後の6日には先方に伝わるのがいいと義経は言う。そして自分たちは何も知らなかったような顔で、翌7日に油断した平家軍に攻め込むのである。義経はこうも言った。
「だまし討ちの何が悪い」

法皇は平知康に命じ、平宗盛に文を遅らせる。丹後局は、今度の源氏の御曹司は法皇様と気が合いそうだと言い、法皇もこの手のことに興味を示す人物だった。一方宗盛は和議の知らせを受けて悩む。そしてその頃、三草山の平家軍に夜討ちをかけた義経軍は、福原へと向かっていた。この地の者と一帯を観て来た景時は、ここから先は断崖絶壁だが、一か所だけ鵯越という、なだらかな場所があると教える。

しかし義経はそこを降りるのは不満そうで、さらに険しい鉢伏山の蟻の戸を降りようとする。景時は、貴殿にできても兵にできなければ、多くの兵たちが無駄死にする、大将ならそこまで考えていただきたいと諫める。すると義経は、まず馬を、次に人を行かせればいいと反論する。

景時が、坂東武者にさような不様な真似はできないと言うが、大量の兵を無駄死にさせられないと義経は言って、自分の軍だけで行こうとする。畠山重忠はこれに乗り、義経について行くことにする。あとは義時と景時だけが残った。景時はつぶやく。
「何故、あの男にだけ思いつくことができるのか」

江間の館では、八重が金剛をあやしていた。その時三浦義村が、やはり赤ん坊を抱いて入ってくる。後詰めであったため、まだ鎌倉にいたのである。義村はその赤ん坊の母親が、肥立ちが悪く死んでしまい、ここで預かってほしいと言い、着替えと食物は後で届けさせると言って去って行く。

2月7日早朝。義経は鉢伏山の上にいた。その辺りには鹿の糞が落ちており、鹿が下りられるなら馬も大丈夫だと嬉しそうな顔をする。そして範頼の軍は生田口で平知盛の軍とぶつかる。宗盛は、生田では味方劣勢との知らせを受けるものの、この一ノ谷の陣は大丈夫だと思っていた。

しかしそこに意表を突いて義経軍が現れる。浜辺で平家軍を相手に勢いづく義経を観て、景時はまたも言う。
「八幡大菩薩の化身じゃ」


戦闘が本格化し、不利な状況に立たされた義仲は北陸へ逃れようとしますが、近江に既に範頼の軍がいるため、巴を逃がすことにします。この巴のその後には諸説あり、一説には和田義盛の妾になったともいわれています。ところでこの時義仲は、彼女に義高への手紙を託していますが、仮に捕らえられて鎌倉へ連行されたとしても、内容次第では彼女も死罪を免れなかったのではないでしょうか。

義仲が討ち取られた件を知った政子は、義高を死なせないと決心しますが、問題はこれでどのようなメリットあるいはデメリットがあるかです。生かしておいた場合、義高が今後頼朝や万寿に矛先を向ける可能性がなきにしもあらずです。それにしても実衣はまだあの赤い着物なのですね。義時も直垂が変わったし、そろそろ彼女も色はそのままで、新しいのを着てはどうでしょう。

それから畠山重忠の妻の件、実際これは義時の妹の一人が輿入れすることになります。しかし実衣以外の妹があまりにも登城しませんね。一方で時房の出番はいつ頃になるのでしょう。あと義村の子供の初、どうもこの子は北条(江間)家の子として育てられそうです。

義仲がいなくなり、義経たちの標的は平家に絞られます。しかし義経も敢えて人がやらない方法を採るのは、戦国期の武将を思わせるものがあります。しかもこの人の場合、後白河法皇を動かして偽の和議をさせたりもしていますし。そして法皇もこういうのが大好きじゃなどと言うあたり、丹後局のセリフにもあるように、両名はどこか通じ合うものがあったようです。

その義経の、率先して新しいことをやる姿勢に景時はたじたじです。見方を変えれば、自分こそ軍奉行として名を上げたいと思っていた矢先に、突拍子もないことをやる人物が上に立ったことで、手柄を立てられないという焦りのようなものも感じます。ちなみに八幡大菩薩というのは、元々の八幡大明神に朝廷より菩薩号が贈られたもので、神仏習合の先駆的な存在とされています。

飲み物-グラスに入った黒ビール
[ 2022/04/27 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第16回「伝説の幕開け」あらすじと感想-1

『鎌倉殿の13人』第16回「伝説の幕開け」前半部分です。


頼朝は義時と八重の子に、源氏を支えるべくして生まれた者にふさわしいとして、仏法を守る神に由来する金剛という名を与える。一方で頼朝は安達盛長を遣わし、時政を鎌倉へ戻した。上総広常の件で、既に御家人たちが馴れ合わなくなっており。これも時政が戻った理由のひとつだった。また時政は、北条の採るべき道はこれまで以上に源氏に取り入り、付き従うしかないとも義時に話す。

政子は鎌倉殿と御家人の間をつなぎたいという思いでいた。先日の岡崎義実と三浦義澄のように、御家人たちは自分にしか話せないこともあるからと考えたのである。しかしりくは既にそのことでは、夫時政が戻って来ているからとたからとそっけなかった。

りくは今後は内より外に目を向け、どうすれば平家のような力を持てるか、まず子を作り、男児は跡取りに、女児は公家への輿入れを考えるようにと政子に言う。政子は万寿がいると言うが、何かあったらどうするのか、あと3人は欲しいとりくは諭す。さらに実衣には10人産むようにと言い、自らも立派な北条の跡継ぎを産む決意をしていた。

その一方で、後白河法皇が頼朝追討の院宣を出す。頼朝は、背後に義仲がいるのは明らかと言い、成敗のため、御家人たちを送ることにする、総大将は範頼、軍(いくさ)奉行は梶原景時だった。頼朝は秀衡の南下に備えて鎌倉に留まり、留守居役は北条と比企に委ねられた。

義仲を討てば義仲の所領が、平家を討てば平家の所領が手に入る。和田義盛はやる気満々だった。そして義時は従軍することになる。八重は金剛のおかげで、もう一度誰かのために生きようという気持ちになっており、義時は、金剛が大人になる頃には、安寧な世の中になっているだろうかと口にする。すべては小四郎殿次第と八重は答え、夫を送り出す。

寿永3(1184)年が開け、範頼軍は墨俣で義経軍と合流した。義盛は、広常を斬った景時に未だ複雑な感情を覚えていたが、そこへ中原親能、そして義経がやって来る。実は義経は木曾の兵と小競り合いをしていたが、兄頼朝には、自分がそれを命じたことにしておいた、範頼に取っても、義経が引き戻されては困るのである。義経は範頼に、義仲の首を取ることを誓う。

義経軍は近江まで迫っていたため、義仲も油断はならなかった。しかし義仲は共に平家を討つことを諦めておらず、義経に文を送る。一方義経は、範頼には勢多から京へ入るように指示し、自分は宇治から攻め込むことにする。攻め手を二分することで、義仲軍を混乱させる作戦だった。

景時が各軍の動きについて説明するも、義盛は聞き入れず、結局義時があれは鎌倉殿の命令、道理がわからぬ方は鎌倉へ戻るようにと諫める。そこへ弁慶が義仲の文を持って現れる。文には共に平家を倒す旨がしたためられており、義経を怒らせる。さらに義経は使者の首をはねて送り返し、義仲の頭に血を上らせろ、戦は平静さを失った方が負けだと愉快そうに言う。

しかも義仲は義経軍を敵と思っていないのか、兵の数さえ把握していないようで、義経は義時に命じ、自軍の兵を実際よりも少ない1000と偽って噂を流すように言う。畠山重忠や土肥実平は、義経の策に感心し、実平は引き絞られた矢が放たれたかのようだと言う。

使者の首を渡された義仲は激高するが、こちらを挑発するということは向こうも小細工があるということであり、攻め手を分けるつもりではないかと勘づく。案の定、義経たちが南に向かったとの連絡が入る。しかも兵の数はわずか1000という罠に、義仲は嵌ってしまう。

義仲は、秀衡に備えて鎌倉に多くの兵をとどめたと思い込む。しかし1月20日早朝の宇治川。実際の軍勢を目の当たりにした義仲たちは、義経の計略に引っ掛かったことを知る。義仲は今井兼平に橋板を外させ、既に京を捨てる覚悟であることを巴に打ち明けた。無論義経は、相手が橋を壊すのは計算済みであり、まず畠山軍に先手を率いて川を渡るように命じる。しかも重忠たちを敵軍の的にしないために、強者を2人に先陣争いをさせ、そちらに目を引きつける作戦だった。

義仲は院御所へ向かったが、後白河法皇と丹後局、そして平知康は物陰に隠れていた。一見無人の御所へ向かって、義仲は京を捨て北陸へ戻ること、平家追討をできなかったのは断腸の思いであると言い、いっそ法皇をも北陸へお連れすることを考えたが、それに義はないこと、そして自分ができなかったことは頼朝が引き継ぎ、平家が滅び、三種の神器が戻ること、最後に一目お会いしたかったことなどを伝え、その場を離れた。

丹後局はかわいそうな人だったと言うが、法皇は義だのなんだの、手前勝手は平家と変わらぬとつぶやく。そして京へ入った鎌倉軍は、家を失った者、物乞い達がひしめく大和大路を通り、義経は法皇に拝謁する。法皇は義経に、体を休めよと義仲の時と同じ言葉をかける。しかし義経はそれはできない、これから義仲の首を取り、平家を滅ぼすのでその暇はないときっぱり答え、法皇はよう申したと笑う。

重忠と義時は御所の庭に控えていた。重忠は戦が落ち着いたら嫁探しをしたいと言う。そんな重忠に、義時は自分の未婚の妹2人のうちの1人を勧める。義盛も、今の妻はおとなしくて物足りないので、新しい妻がほしいと言いつつ、そこに来た女房達にちょっかいを出す。


義時と八重の子の名が金剛と決まります。無論この時の頼朝にしてみれば、源氏を支えてくれる者なのでしょう。実は彼こそ、源氏が滅んで得宗体制となった鎌倉の、その実権を握ることになるのですが…。そして父義時が願ったように、彼の時代には世の中が安定し、御成敗式目が作られることになります。

時政が戻って来ます。実際御家人と頼朝のパイプ役はこの人なので、最早政子が御家人たちの相談に乗ってあげる必要もなくなり、寧ろもっと子供を産むという、それとは違った役割を背負うことになります。りくが北条の後継者にこだわるのには、義時と八重の子金剛の存在も大きく関わっているようで、第15回冒頭はその伏線でしょう。そして時政は義時に、北条が鎌倉に於いて如何にあるべきかを教えます。

さて義仲追討です。ここで義経が、戦に関する天才的な冴えを見せます。というより、この人は戦があってこその人物で、平時には欲求不満の塊のようになっており、そのギャップはきわめて大きいと言えます。この点、平時であろうが戦時であろうがさほど変わらない範頼と対照的です。それはさておき、まず攻め手を2つに分け、しかも兵の数をわざと少なく言って、有利な状況を作り出そうとするのはなかなかのものです。

そして義仲。「やっと」義経軍が敵であることを思い知るのですが、相手が自分を攪乱させるのではと気づいていながら、兵1000人の噂に飛びついたのはうかつでした。この大河では義仲は「いい奴」になっているようですが、それがちょっと物足りない印象もあります。この間の御家人蜂起の尺の半分くらいを使って、彼が都で起こしたことをもっと描いてもいいかなとは思いますが。どう見ても義高の方が出番が多く見えますし。

宇治川の先陣争い。生月に跨った佐々木高綱と、磨墨に乗った梶原景季の争いですね。その後京に入った義経は、体を休めよと後白河法皇に言われ、その暇はありませぬと答えるのですが、同じ源氏でありながら、義仲とはかなり違った人物として法皇の目に映ったことでしょう。

飲み物-ブランデーグラスのビール
[ 2022/04/26 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』の三谷カラーその他

詳しいことはまたあらすじと感想で書きますが、『鎌倉殿の13人』、やっと本格的な合戦シーンが出て来ました。というか、この大河らしく会話が多いせいもあり、合戦と言うよりは軍議シーンと呼ぶべきでしょうか。これで義経も本領発揮といったところですが、それとは反対に、義仲の最期はいささか呆気なかった気がします。それと合戦シーン、平家の弱々しく無能な部分のみがクローズアップされているように見え、これはどうかなと思います。

ところで手紙のシーン、これがまた三谷モード全開といったところでしょうか。恐らく前回の上総広常の、「子供のような筆跡」を踏まえているのでしょう。坂東武者は実平も義盛も悪筆だが、義盛の絵は面白い、義時はまあ読めるがまとまりがない、梶原景時は流石に要点を押さえているものの、結局のところ義経の書状に勝るものはなかったわけで、彼らの、特に義経と景時の、戦場に於ける立ち位置が反映されている感もあります。この手紙や絵に関しては、三谷さんの人形劇をどこか思わせもします。

それと次回予告で、恐らく義高討伐関連でしょう、大姫が短刀を持って自害しようとするシーンが紹介されていましたが、何だか『江』の第1回の茶々を連想してしまいます。これに関しては、「『江』に見る大河のバランス感覚の欠如」という投稿で書いたことがありますが、お市がお腹の子(実はそれが江)を流そうとしているのを茶々が知っており、赤ん坊を流すのなら、自分も初も死ぬと言って妹の首に刀を押し当てるシーンです。あれはちょっと怖かったですが、今度の大姫のはどう描かれるのでしょう。

飲み物-赤いカクテル
[ 2022/04/25 01:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

聖ゲオルキスの日

先日の投稿にも書きましたが、4月23日は聖ゲオルキス(聖ジョージ)の日です。竜(ドラゴン)の日であるともいえるでしょう。槍を持った馬上の騎士として描かれる聖人と竜、そして美女あるいは姫君にまつわる様々な伝説があります。聖ジョージはイングランド他多くの国の守護聖人でもありますが、そもそもはカッパドキアの人でした。

イングランドの国旗と言うべき聖ジョージ旗は、白に赤の十字があしらわれています。イングランド代表の試合にはこれがスタンドを埋め尽くします。尤も聖ジョージ旗にはドラゴンの姿はなく、お隣のウェールズの旗の方に、レッドドラゴンが描かれています。

ところでサンジョルディの日、我が国では子ども読書の日でもありますが、本に関しては聖人とは関係なく、セルバンテスとシェークスピアの命日にあやかったとの由。

飲み物-アイスコーヒー
[ 2022/04/24 01:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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