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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 19

『武将ジャパン』の大河関連コラムの続きです。
食事のマナーについてですが、先日投稿分で引用した箇所を再度。

このドラマは何かを飲み食いする場面が多い。
・八重に憧れたことを思い出す北条義時。魚を手で持ってかぶりついている
・たったままおにぎりを食べつつ、話す北条時政
・木の実をうれしそうに食べている土肥実平
・酒を盃に注がず直飲みし、こぼれた酒を手で乱暴に拭う上総広常

義時が両手で魚にかぶりつくというのは、第1回のこのシーンでしょうか。

鎌倉殿の13人-義時と魚

ちょっと字幕の陰になっていますが、確かに頭と尾を手で持っています。しかしこの場合、箸で魚肉をせせるのが手に余ったため、このようになったとも考えられます。現にその前の食事のシーンでは、箸を使っています。
第1回では、義時はまだ数えの13歳であり、しかも木簡の字を削りながら回想したこの会食のシーンでは、その3年前ですから、まだ10歳です。ならば、このような食べ方をしたとしても不思議ではありません。それを思うと、このシーンだけでも子役を使った方がよかったかも。

それから時政が握り飯をほおばるシーンは、武田信義の陣に赴いた時ですね。

鎌倉殿の13人-握り飯をほおばる時政

しかし陣中であり、しかも大将とかその側近などでもないのですから、立ち食いしたとしてもそれはそれで納得です。
戦国時代より前だから、マナーがなっていないというのもおかしな話です。というか、何とも無理やりだなと思います。

中世ヨーロッパだって、ナイフやフォークで歯をほじくり出すことが当たり前でした。スープもずりずり啜るし、ともかく豪快。

まず中世ヨーロッパで、フォークを食事に使った国はごく限られています。ビザンチンなどでは使っていたようですが、西欧では殆ど使われていませんでした。その後ルネサンスの時期にイタリアで使われるようになり、16世紀頃にマナーの一環として、フォークが使われるようになっています。カトリーヌ・ド・メディシスがフランスに輿入れする際、フォークを持参し、初めてフランスにフォークが紹介されています。

これからも食事のマナーがなっていない場面に注目したいと思います。
おそらく今後、地位が上がるにつれ、義時たちはお箸を綺麗に使った食事をするようになりますよ。
そしてこのマナーの悪さは、坂東のものであることもご注目。

いや義時は、魚は手づかみですがそれ以外は箸で食べていますし。
食事のマナーがなっていない云々よりも、故意にそういうシーンを探し出して来て、坂東はこの辺りが野蛮だと言っているようにしか見えないのですけど。
それよりも、あれこれ他の映像作品から例を引っ張り出して来て、文章が無駄に長くなっていると思われます。結局同じことの繰り返しになっていますし。

そして、昔の出来事は故意に美化されている、本当はもっと野蛮だったから始まり、『アンという名の少女』だの『三国志』だの、『水滸伝』だのが引き合いに出されています。そして

冷静に考えてみれば、聖書もアーサー王伝説も無茶苦茶暴力的じゃなかったっけ? 今どき英雄建国神話もないよねハハッ!
そう我に返ったんですね。
エンタメにも反映され、ありのままの中世をぶちかました『ゲーム・オブ・スローンズ』がヒットすると、歴史劇はかくあるべきではないかという挑戦が始まります。

お馴染みの『ゲーム・オブ・スローンズ』が出て来ます。これの名前を出したいのでしょうね。
しかし欧米人(の、キリスト教徒)の精神的支柱ともいうべきキリスト教のカラーをあまり削ぐと、それはそれでおかしなことになってしまうのですが。
それと、このコラムくらいであればいいですけど、キリスト教を信仰している人の前で、あまり聖書をディスらない方がいいかと思われます。本気で怒らせてしまいかねません。

そして総評。

今週もありのままの中世で素敵でしたね。
ゲス不倫の描写が笑えるけれども秀逸でした。
従者がゲスなセッテイングをすること。浮気されたら夫が武装して乗り込んでくること。このあたりが重要です。
そして、ゲスい。
何の言い訳も許さないほどゲスでしたね。亀については、こういう擁護がつきものです。
「まぁ政子はキツイもんね。ふんわり美女の亀に癒しを求めてもね」
そういう擁護を吹っ飛ばす。
ただムラムラしただけとしか思えない頼朝がゲスい!

ゲスのオンパレードですが、何かにつけてゲスを連発する武者さんの方がゲスくないかと、この際言いたくもなります。それとこれは大河評のはずなのに、ストーリーにあまり言及されていないのですが。そして

史実にあるゲスな下半身事情を誤魔化す大河には、うんざりでした。

のだそうですが、これも前に書いたように、登場人物の不倫や横恋慕などが、如何にドラマそのものに影響を与えるかというのが重要であり、そうでなければ「下半身事情」がいくらあっても入れるかどうか、微妙だとは思いますが。そういうシーンをただ入れればいいというものでもありませんし。

てかこれもう、武者さんのお遊びコラムになっていないでしょうか。しかしもう少し文章をきちんと書いてほしいものですね。

飲み物-ワインと暖炉の火
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[ 2022/02/28 01:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『臨床犯罪学者 火村英生の推理』第2話「異形の客」

前にも少し書いたことがあるかと思いますが、2016年の1月から3月(2019年にSP放送、セカンドシーズンがHuluで配信)にかけて放送された『臨床犯罪学者 火村英生の推理』の第2話を、ざっとご紹介します。

この第2話にはあの吉沢亮さんが、容疑者の幡多瑛助役で出演しています。『青天を衝け』が放送される5年前のことでした。

火村英生の推理第2話
向かって左から幡多瑛助役の吉沢亮さん、火村英生役の斎藤工さん、アリス役の窪田正孝さん
(『臨床犯罪学者 火村英生の推理』DVDシリーズより)

京都のとある温泉旅館中野屋で、大学生相羽徳明が他殺体で見つかる。その旅館には火村の相棒で、作家の有栖川有栖(アリス)が執筆のため滞在していた。その部屋には謎の包帯男が宿泊しており、有栖もその男を実際に目撃していた。

アリスはその前に温泉につかり、TVCMで有名な美容整形外科医、是枝と一緒になり、男性の整形手術について話していた。現場には小野や鍋島ら、京都府警の関係者が駆け付ける。そこにはシャングリラ十字軍の元メンバー、田ノ上や呉も宿泊していた。

容疑者をシャングリラ十字軍に絞ろうと小野は提案するが、火村はそれを止める。その火村は、歯磨きのペーストのキャップが浴室に落ちているのに、不信感を抱いていた。また宿泊客のいずれもがアリバイは成立せず、だからといって殺害動機も見当たらなかった。

火村たちは相羽の家に行くが、この相羽は引きこもりといっていい生活をしており、普段の買い物は友人の幡多瑛助が行っていた。幡多も疑われるが、当日はアリバイがあった。

その頃火村は、大家の篠宮時枝が金庫の暗唱番号を忘れてしまい、謎めいた誌のような文章を手掛かりにその暗号を解いていた。執筆で来ていたはずのアリスも手伝わされるが、火村はそんなアリスを尻目に、灯りを消して寝入ってしまう。火村は、自分がある人物を刺殺する悪夢をまたも見ていた。

結局田ノ上、呉、そして有栖は容疑者でないことが判明した。例の包帯男が、ロビーの能面を見ていたというアリスの証言をもとに、火村はこの事件に関する推理を巡らせる。

幡多は、火村とアリスを呼び、自分が相羽殺しの犯人と見られているのかと問い詰める。鍋島が張り込みをしていたためだった。実は幡多は、この事件の前に起きた通り魔殺人事件の容疑をかけられていた。火村は創作と前置きしたうえで、語り始める。しかしこの創作は、物語が進むにつれて現実味を帯びて来た。

通り魔事件の犯人は幡多であり、それを相羽から目撃されたため、幡多はゆすられることになる。相羽の部屋を見た火村は、アルバイトもしていない彼の部屋に、レアものの高価なレコードがあることに気づく。要は幡多は相羽から「支配」されており、この点からも幡多には殺害動機があってもおかしくなかった。

なおも金をせびられる幡多は、実家の旅館の金を盗むことにし、相羽を包帯男に扮装させ、旅館にチェックインさせた後、深夜に相羽を暗殺するという犯行に及んだ。そして今度は幡多が包帯男に姿を変え、旅館を出た。相羽の部屋の灰皿には、銘柄も消し方も異なる2種類の吸い殻があったが、これは幡多が相羽と、包帯男の件で打ち合わせをしていたためで、二人一役で包帯男になることで、アリバイを成立させようとしたのである。

相羽は醜形恐怖症だった。そのため鏡を見ることができず、風呂場で歯を磨いており、そのため歯磨きのペーストのキャップが浴室に落ちてのだった。また相羽は包帯男の格好をしながらも、かなり鏡の存在を気にしていた。醜形恐怖症による整形希望者は多いということを、アリスは是枝から聞いていた。

話を聞いた幡多は無実を主張する。火村は言う、自首はするなと。怪訝そうな幡多に火村は言う。1人の人間を発作的に殺めており、もう1人は計画的に殺害しておいて白を切り通す人間は、手錠をかけられて引っ立てられるのがお似合いだ。

一方金庫の暗証番号だが、アリスが詩の中で使われていない文字を並べ替えたところ、「円卓の裏」、つまりテーブルの裏の部分にメモが挟まれていたことがわかった。金庫を開けた時枝は、いそいそと中からアルバムを取り出し、若い頃の写真を見せる。どうも時枝は写真を見せたいために、わざと番号のありかを忘れたふりをしたようにも見えた。

また鍋島から、幡多の指紋がついたナイフが発見され、これで容疑者として確定された。彼の刑事としての勘が的中したのである。鍋島は、火村による相羽殺しの推理が正しいことも、証明してみせると断言する。


この「シャングリラ十字軍」、新興宗教を母体としており、テロ行為にも関わるかなり危険な組織で、このシリーズに深く関わっています。また火村も悪夢も、このシリーズに特徴的です。

あと火村が「この犯罪は美しくない」と口にするシーンがありますが、原作には登場しません。

飲み物-湯気の立つ紅茶
[ 2022/02/28 00:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 18

『武将ジャパン』大河関連コラムの続きです。義時がまたも広常に会いに行きます。

前回、広常は酒瓶から直接口をつけてグビグビと飲んでいました。誰かと分け合うつもりがないからこそ、ああいうことができる。
そんな自己中心的な男が、義時に砂金をくれてやる。寛大になったからこそ、素直に受け取って欲しかったのでしょう。
要は、頼朝を担いで坂東を取り戻す案が悪くないと認めてはいる。

「自己中心的」でしょうか。
あの第6回の終盤、確かに広常は甲冑姿で、瓶子からそのまま酒をあおっています。しかし彼の周りには家来しかいません。酒を共に汲みかわす仲間も客もいないわけです。であれば、あの飲み方も当然であろうと思います。

その広常が、勝てるかと義時に尋ねます。

そして必ず勝てると誓えるかと、義時を問い詰める。
「誓えます!」
「言い切ったな」
「ご自分でおっしゃったじゃないですか。上総介殿が加わってくれれば必ず勝てると」
とんちのようでとんちじゃない。確かに広常はそう言っており、義時にそれを指摘され何かを感じています。

とんちというか、何やら言葉尻を捕らえたような気がします。実際義盛と共に広常の館へ赴き、景時と顔を合わせた時に、広常はこの言葉を発したわけですが、しかしよく覚えていたなと思います。それにしても、広常が知らぬ存ぜぬを決め込んだら、義時は何と言うつもりだったのでしょうか。

しかしその後長狭常伴の夜討ちの情報を耳にして、義時は不安にかられますが、今度は広常が「天に守られているのなら助かる」と、義時が以前口にした言葉を引用します。

しかも頼朝は、ゲスな目的を夜に遂げるわけであって……どうなることやら。
(中略)
嗚呼、昔の従者は辛い。なぜこんなゲスセッティングのために苦労をしなければならないのか。
義村はあっさりここで引き下がりつつも、頼朝と亀の姿が小屋に消えていく姿を見てニヤけています。今ごろ政子がどうしているのかを考えると、頼朝に怒りが湧いてきますのぅ。
次の場面じゃ、もう小屋で頼朝と亀が隣り合って寝ていますからね。ゲスにもほどがある。

この頼朝の「ゲス」呼ばわり、どうかと思います。この当時、特に都育ちの頼朝にしてみれば、正室以外の女性と関係を持つことにさほど罪の意識はなかったはずです。

亀の夫の権三が仲間たちと迫真の声をあげ、松明を掲げて走ってきます。
「亀! 亀はどこだ、亀ー! うあー!」
もう生々し過ぎて見ちゃいられないよ!
それにしても日本人がおとなしいというのはあてにならない話でして、中世まではこういう襲撃が顕著でした。

なぜここで急に「日本人がおとなしい」云々が出て来るのでしょうか。女房を寝取られたらこういう行動を取るのは当然ですし、しかも法的手段に訴えることも当時はできないはずですから。

『真田丸』でも森林資源をめぐって、村人同士が武器による戦闘をする場面がありました。三谷さんはそういう稗史(はいし・民間の歴史)も取り入れるわけです。
大河の弱点として稗史軽視傾向はあると思います。
『麒麟がくる』には駒のような人物がいるだけで「ファンタジーだ」と批判する記事を見て、残念に感じていました。
海外のドラマではアノ手の人物の存在は珍しくもありませんし、それも歴史フィクションの定番技法です。

他の大河でも民間の歴史は採り入れられています。
それを言うのであれば、『西郷どん』で、役人が不正をして農民が困る様子とか奄美大島の習慣、あるいは『青天を衝け』の序盤での御用金のシーンなども、似たようなものではないでしょうか。それと『麒麟がくる』の駒が批判されるのは、彼女がオリキャラということもあって、殆ど越権行為のようなことをしていたせいもあります。

ほのぼのと残虐が同時展開するこの中世感。それにしても、頼朝が天に守られるって、ムラムラしたらラッキー命拾いということですか?

武者さんのこういう書き方に馴染めませんね。昨年の「ホイホイえっち」と根底の部分は同じですね。

さて、頼朝は千葉常胤に会います。

常胤は、土産があると言い出します。何か嫌な予感がする壺のようなものが……頼朝と盛長の二人が中身を覗いて
「あっ!」
なんでも下総の国衙に平家の目代がいたものだから、館に火を放ち、首を刎ねて土産にしたそうです。
「手にとってご覧ください」
いかにも温厚そうな千葉常胤が恐ろしいことを言い、頼朝たちは「後ほどゆっくりと」と話を逸らしています。
あんなマトモそうなおじいちゃんが生首を土産にするんだからなぁ。
でましたね……期待の遺体損壊。と、なぜ大河に遺体損壊が出ると喜ぶのか?

これもあらすじ関連で書いていますが、平家方の目代の首は、頼朝への忠誠の証ではないでしょうか。それをなぜわざわざ「遺体損壊」などといった、今の時代の、それも刑事事件のような言葉を使うのか理解できません。

「これで平家も終わったぞ」
そうふてぶてしく言う広常は、やっぱり迫力満点。
と、ここでちょっと突っ込みたいのですが、平家も油断しましたね。
二万も擁する武士の首根っこに縄を結んでおかなかったとは、国のシステムに重大なエラーがある。
江戸幕府はそういうエラーを修正すべく、いろいろな制度を整えていったのでしょう。
後年に起きた異国からの脅威は、制度設計時に想定外だったのでしょう。

この上総広常ですが、元々は平氏です。平治の乱では源義朝、つまり頼朝の父に仕えていましたが、源氏の敗退後は平氏に仕えるようになります。その後兄たちをさしおいて家督を継ぐのですが、頼朝挙兵の前年、平氏の家臣である伊藤忠清が上総介となり、本来上総を統治して来たはずの広常は、忠清と対立して清盛から勘当されています。これがその後の彼の行動に影響したと考えられますし、流石に挙兵前年では、清盛もどうしようもなかったのではないかと。

尚江戸幕府の異国からの脅威関連ですが、ちょうど日本がオランダと清国相手にのみ貿易をしていた頃、ヨーロッパでは大航海時代から帝国主義時代の初期に突入しており、日本に取っては正に計算外であったとは考えられます。

終盤の義経が登場するシーン。

そして、そのころ奥州では――。
源義経が奥州を後にしようとしていました。
藤原秀衡に礼を言うと、相手は「止めたとてどうせ行くのであろう」と返してきます。そして時が来れば、兵を送るとも。
「思う存分、戦ってくるがよい」
「行って参ります。参るぞ、武蔵坊、ものども!」
「おー!」
陸奥の緑の中で源義経がそう告げます。
海外のドラマを見ていると、雄大な自然が羨ましくなることがあります。
けれども、日本の景色も素晴らしい。その魅力を伝えるよう、撮影にも工夫をされているのでしょう。

この「雄大な自然」ですが、義経関連でいえば、やはり『炎立つ』のロケは素晴らしかったと思います。
(武者さんがこれを観ているかどうかはわかりません)
実際の紅葉の中、雪が降りしきる中での収録ですから、リアリティという点では、歴代大河の中でも群を抜いています。
無論これは7月始まりということもあり、その前年の秋から冬にかけて、ロケができたというメリットもあったのでしょう。それを考えると1月始まりで暮れに終わる大河のロケは、意外と制約がかかるのかも知れません。

そして食事のマナーについて。

実は『鎌倉殿の13人』の坂東武者さんたちはマナーがなってません。
ある意味、まだ“人”になりきっていない。
顕著であるのが食事です。このドラマは何かを飲み食いする場面が多い。
・八重に憧れたことを思い出す北条義時。魚を手で持ってかぶりついている
・たったままおにぎりを食べつつ、話す北条時政
・木の実をうれしそうに食べている土肥実平
・酒を盃に注がず直飲みし、こぼれた酒を手で乱暴に拭う上総広常
彼らを誰も「お行儀悪いでしょ!」とは叱りません。
三浦義村が船に乗せていた食料を、北条時政が勝手に食べ始める場面もあります。
義村は「それは佐殿の!」と抗議をしますが、あくまでマナーではなく「誰のものか」という問題でした。
現代人がこういうことをするかというと、抵抗があると思います。手や服が汚れそうだし、行儀悪いし、みっともない。

なぜその当時の食習慣を、現代のマナーに照らし合わせるのでしょうか。
木の実を嬉しそうに食べる実平とありますが、あの時は逃げ隠れする日々で、食物もろくに手に入らなかったからではないでしょうか。しかもなぜそれが”人”になりきっていないのでしょうか。そしてまた『麒麟がくる』。

『麒麟がくる』では、茶席の場面がありました。
長谷川博己さんはじめ皆さん綺麗な所作で、陣内孝則さんは今井宗久を演じるにあたり、かなり練習をしたそうです。
つまり戦国時代はマナーがなっていないと話にならない。
彼らは“人”になっていたのです。

なぜ戦国時代の、しかも茶の湯の作法と比べる必要があるのでしょうか。それを言うのなら、せめてその当時の武士の食生活と比較しないと意味がないでしょう。武者さんのコラムでいつも疑問に思う点のひとつに、この比較対象が挙げられます。

それからもう少し本文が続くので、この後は次回の投稿とします。
(この項続く)

飲み物-ブッシュミルズと暖炉
[ 2022/02/27 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

ビディリ氏の訃報と今後のラグビーワールドカップ開催地

実はまたラグビー関連で訃報です。

トゥイガマラ氏に続き、やはり元オールブラックスのジョエリ・ビディリ氏も先日亡くなったとのこと。以前、ラガーマンは早死にするとネット上で目にしたことがあります。無論80代を過ぎてもまだお元気なOBの方もいるのですが、確かに前出両氏に加え、元オールブラックスのジョナ・ロム―氏、元スプリングボクスのユースト・ファン・デル・ヴエストハイゼン氏、元フランス代表のクリストフ・ドミニシ氏、そして元日本代表で監督も務めた平尾誠二氏など、いずれも40代から50代で世を去っています。なまじ彼らの活躍を目の当たりにして来ただけに、何ともやりきれない気分です。

それから今後のワールドカップ開催地についてです。
2019年の日本大会と2020年(実際は2021年)の東京オリンピック、2023年のフランス大会と2024年のパリオリンピックのように、ここのところ夏季五輪と連動しているかのようなラグビーワールドカップですが、ここに来て多少その傾向が変わりつつあります。

フランス大会の次、2027年大会は豪州が有力視されています。そして2031年大会はアメリカが候補に上がっています。本来ならば2027年アメリカ大会と、2029年ロス五輪となるはずだったのでしょうけどね。そして2032年オリンピックはブリスベンですから、ここに来て夏季五輪開催地とラグビーワールドカップの開催予定地が、ちょうど逆になっています。

2027年W杯開催地はオーストラリアが最優先候補 2031年大会はアメリカが有力に
(ラグビーリパブリック)

アメリカは競技場(アメフト、サッカーのグラウンド)は揃っているものの、国内でのラグビー人気が今一つなだけに、ワールドラグビーも慎重になっている感があります。だからこそ2023年の大会で上位相手に勝利すれば、かなりの起爆剤となりそうです。

飲み物-ギネススタウト
[ 2022/02/27 00:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

海外ラグビー、トゥイガマラ氏そしてブルース関連報道

シックスネーションズ、第3節は今週末と月曜日です。そろそろ優勝候補が出て来ます。今シーズンは、フランスが頭ひとつ抜けています。

一方松島幸太朗選手が所属する、フランスTOP14のクレルモンはラ・ロシェルに27-31の僅差負けでした。

それから元オールブラックスの、ヴァアイガ・トゥイガマラ氏が亡くなりました。合掌。サモア代表としても活躍し、13人制のリーグラグビーでプレイしたこともあります。52歳の若さでした。

それから、先日廃部を検討していると報道された、宗像サニックスブルースですが、ラグビーマガジンのサイト『ラグビーリパブリック』と、『ナンバーウェブ』に、それぞれこれに関する記事がアップされています。

ブルースへのラブレター
(ラグビーリパブリック)

廃部報道に「選手はみなショックを受けました」ラグビーW杯躍進にも貢献した宗像サニックスブルースとはどんなチームだったのか
(ナンバーウェブ)

ところで、このナンバーウェブの大友信彦氏の記事ですが、既に廃部が決まったと取れる箇所があります。但し現時点では、まだ決定はしていません。実際『ラグビーリパブリック』の方では、このように締めくくられています。

これからも、いろんなヒントが詰まっているリポートを読者に届けたい。
ブルース、活動継続へ。
その記事を何よりも書きたい。

公式サイトでも、2月18日付でこのような記事があります。

弊クラブに関する報道について

今に至るまで、ブルースの今後についての公式なコメントは発表されていません。
それと思うのですが、これに関してリーグも日本協会も何もアナウンスしていないようです。ディビジョン3とはいえ、リーグワンの一員であるチームの存続、しかもリーグが掲げる地域密着の理念にかかわる問題ではあるのですが。

飲み物-グラスに注がれたエール
[ 2022/02/26 01:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 17

『武将ジャパン』大河関連コラムの続きです。大庭景親が頼朝の宿舎を夜討ちさせるシーンです。それから先日投稿分、一部修正しています。

そこで景親は、所領が頼朝がいる場所に近い長狭常伴に闇討ちをさせると言います。
山内首藤経俊が驚き、かつ不満そうです。
彼は当時の武士らしいフェアプレー精神があります。だから矢に名前を書いて、武芸を自慢していたのですね。
こんな強い弓矢を使うなんて素晴らしい! と、そこには敵でもそう賞賛するという前提があります。

この山内首藤経俊ですが、映像を観る限り、夜討ちというのを考えもしておらず当てが外れてしまい、だから不満そうな顔をしたのでしょう。場合によってはそれも必要なのですけどね。それとこの当時、矢に名前を入れるのは彼に限ったことではありませんでした。誰が敵を討ったのかを明確にするためであるといわれています。
しかし坂東武者が原始的だという武者さんが、「当時の武士らしく」フェアプレイというのも何やら腑に落ちません。

次に八重に関して。

八重がめんどくさいとか、アンチが増えているとか、そんなネットニュースもありました。なぜなのでしょう?
なまじ八重は悲恋伝説があるからなのか。あるいは新垣結衣さんが強気で反論するなんて見たくないからなのか。
(中略)
喪失を乗り越え、彼女は強くなりました。
大切な兄(北条宗時)を失った義時だけでなく、八重もそうなっていることに大きな意義を感じます。今まで見たどんな八重よりも魅力的に映ります。

この八重は元から気が強そうなのですが、頼朝への思いを断ち切れないせいもあり、どこか中途半端なままでいるように見えます。前にも書きましたが、頼朝との別離が決定的になるにつれて、その本性が出てくるのかも知れません。ちなみにアンチ記事ですが、これが嫌いな大河だったら「それ見たことか」と叩きそうな気がします。

そして、伊豆山権現に全成がやって来ます。

政子も安房に行きたいと言い出しますが、生きているだけでもよかったと思うように、とりくが諭します。
と、そこへ僧兵がドカドカ!
(中略)
阿野全成が風を起こすってよ。そんなことできるんですか! 驚くばかりの皆に向かい、醍醐寺で修行を二十年とかなんとか……。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」
大声で九字護身法を唱えると……何も起きない。
今日は難しいとかなんとか言っておりますが、なんなんだ! と、実衣も横から突っ込んでいる。
こういう芝居は『三国志』ものの諸葛亮あたりですと、トリックで説明したりしますが、全部ぶん投げて来た本作が一周回っていいと思います。

私としては、如何にも三谷さんらしいコントシーンだなと思いましたが、別に、こういう形で全成を出さなくてもいいのではとも思いました。

日本の仏僧ってなんなんでしょうね。いや、現役の方にケチをつけるわけではなく、他の国よりも気が荒くないですか?
中国語で書かれた日本史の本に、ものすごく柄の悪い僧兵の挿絵があって唸ったことがあります。
でも冷静に考えてみると、凶暴かもしれない。
中国ですと、少林寺の僧侶もカンフーで色々と暴れますが、一応、大義名分をかざす印象はあるものです。
それと比べても、日本の僧兵って一体なんなのか?

「一体何なのか」と自問自答するのではなく、自分で調べていただきたいのですが。
少林拳(少林寺拳法ではありません)は、世の中が不安定になると、その当時の寺院に被害が及んだことに対する自警方法ですね。しかしその一方で、ヨーロッパにも騎士修道会というものがあり、これも修道士たちによる先頭集団で、エルサレムと巡礼者を守るためのものでした。テンプル騎士団などはその代表例でしょう。

それから頼朝の浮気です。

貴人というのは女を落とすにせよ、自分でやらず側近に頼むことが往々にしてあります。
『源氏物語』では光源氏のそばにいる藤原惟光が色々大活躍でした。情事の最中に夕顔が頓死した時なんか、死体の処理までこなしています。
そんな日本の伝統を大河で描くか、描かないか。ここが重要でしょう。
2021年『青天を衝け』で出てきた平岡円四郎も、京都では主君である徳川慶喜のために、女の斡旋やら交渉業務をしていたわけです。

でもそんなこと知りたくないですかね。
そこなんです。あったことを露悪的でも見せるか、見せないか。その覚悟がちがいます。
要は盛長は出会いのセッティングをしたんですね。そこまでが従者の仕事です。

この当時、従者が逢瀬の手引きをするというのは、ごく当然に行われていたのではないかと思いますが。無論、信用が置ける従者に限られるでしょうが。
武者さんは、盛んにこういう描写があるところがすごいと言いたげですが、こういうのは、メインとなる人物の情事がドラマの中で重要かそうでないか、それによって決まるものかと思われます。ましてこの浮気に関しては、『吾妻鏡』にも記されており、この大河が『吾妻鏡』をベースにしている以上、入れないわけには行かないでしょう。

あと一橋(徳川)慶喜が京滞在中に、平岡円四郎が女性の斡旋をしていたという記述、リンク先の記事を見る限り、どうもゴシップのようなのですが。そういえばやすが渋沢栄一に後妻を紹介するのも、女衒などと書いていましたね武者さん。

広常は、これみよがしに砂金を見せてきました。陸奥から贈られてきたようで、藤原秀衡とと繋がっているんですね。
どいつもこいつも味方につけたくて必死だな、といささか呆れる様子で、袋に入れた砂金を義時へポンと投げる。
「くれてやるよ」
「いただけません」
「こう言うときは素直に受け取るもんだ」
「いただきます」
結局、受け取ってしまう義時が笑えるようで、なかなか面白い場面ではあります。

砂金が重要ということは感覚的にわかりますよね。
例えば日本が貿易している宋は、北宋ではなく南宋です。金の鉱山は北部にあった。それが金王朝の領土になって採れない。そこで日本から金属や刀剣を輸入した。
それが日宋貿易です。
日本の陸奥から南宋まで、交易で繋がっていると見ることもできるのです。宋代舞台の華流ドラマを並行して見るのもありですね。

「貰えるものは病気以外貰っておけ」は武者さんは連想しなかったようです。ま、それはともかく。
日宋貿易ですが、これは『平清盛』にも一応出て来ますので、まずそれを観てもいいかと思います。それと
「北宋ではなく南宋です。金の鉱山は北部にあった。それが金王朝の領土になって採れない」
とありますが、要は北宋を滅ぼした女真族の王朝が金王朝ということです。
奥州藤原氏は京へ献上品を届けており、アザラシの皮や猛禽類の羽などもありました。こちらは『炎立つ』に出て来ます。後にそれに対して、鎌倉が介入してくるようになり、このことは『吾妻鏡』にも記載されているのですが、それへの言及がありませんね。
(この項続く)

飲み物ー暖炉とお酒
[ 2022/02/26 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 16

『武将ジャパン』大河コラムです。
今回は義経登場回ということで、2週間ぶりに目を通してみましたが、やはり相変わらずだなと思いました。
引用箇所(ブルー)はいずれも原文ママです。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第7回「敵か、あるいは」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)

清盛が頼朝追討を急ぐ件について。

清盛はそのあたりは鋭い。とはいえ、なぜ急ぐのか、そうするのか、もっと宗盛に伝えるべきでしょう。
そもそも平家は仁政を心掛けなかった。
民の不満を押さえつけるのではなく、聞き入れるようにしていれば、運命はちがっていたかもしれません。
そのころ、安房国では――。

「なぜ急ぐのか」についてですが、たかが流人と宗盛が言ったその後でのやりとりです。
清盛「すぐに追討せよ」
  「必ず殺せ」
宗盛「源氏の嫡流とはいえたかが流人。恐るるに足りませぬかと」
清盛「すぐに追討せよ。必ず首を取れ!」
宗盛「直ちに取りかかります」

武者さんもこの前の部分でセリフを引用してはいるのですが、清盛がここまで言うからには、ただならぬ事態であると宗盛も察したのではないでしょうか。だからこそ「直ちに取りかかります」なのでしょう。
それとここでも仁政、『麒麟がくる』が頭から離れないようです。この場合の「不満を押さえつける」は、市中に放った禿のことと思われますが、ただこれが出て来るのは『平家物語』のみとされています。

北条義時と和田義盛が、援軍を頼むため上総広常のもとへ向かっていました。
なんでしょう、この圧倒的な人選ミス感は。
義盛は全ては俺にかかっている、必ず味方につけてみせるとアピールしつつ、「ついでこい!」と走り出す。
と、このドラマは演出が盤石だなぁ。
そんなもん人力で走ってなんの意味あります? やる気アピールをするだけで実質的な意味はなく、消耗するばかりでしょうもない。でも和田義盛なら仕方ない感がある。

あらすじでも書いていますが、和田義盛は『吾妻鏡』によれば、実際に上総広常を訪れています。義時はどうかわかりません。
それと「演出が盤石」云々ですが、義盛的なキャラが体力と気力に任せて走り出すのは「盤石」でしょうか。「盤石な演出」というのは、もっと緻密さが要求される場面で使われるのでは。

ダメな大河は無駄に主人公を走らせるんですね。
心がワクワクしているんだか胸がぐるぐるしているんだか……はっきりいって根性論。無駄な摩耗が肯定的に描かれると、ブラック企業の営業みたいで見る気が減退します。
今年は和田義盛がゴリ押しすることで、馬鹿馬鹿しさが強調される方向になって安心ですね。でかした!

ここでまた『青天を衝け』を貶めていますね。
あれはそもそも根性論でも無駄な摩耗でもなく、若い栄一の意気込みと取るべきなのですが、それはやりたくないのでしょう。そして和田義盛もさりげなくディスっているように見えます。三谷大河は好きだけど坂東武者は嫌いという、二面性が表れているように見えて仕方ありません。

その義盛や広常の服装について。

その辺に鶏がいるあたりが素朴ですし、派手な服も義時たちよりは高級そうだけどなんだか田舎っぽい。平安末期版のドン・キホーテで買った服と言いましょうか。

和田義盛なんか無駄に派手だし、袖を雑にまくっているし、義盛らしさ満点じゃないですか。広常もセンスが派手。義時は地味。

まず「服」でなく直垂と言ってほしいですね。しかも
「平安末期版のドン・キホーテで買った服」
とは何なのでしょう。『西郷どん』で遊郭をキャバクラ呼ばわりした武者さんらしい表現ではありますが。
あと鶏は卵や肉のために飼育していたでしょうし、場合によっては闘鶏目的ということもあるようです。尚軍鶏が闘鶏に使われるのは江戸時代に入ってからで、その前は小国という種類の鶏が使われていました。

ところで義盛の服装について。この画像の向かって右が義盛ですが、「無駄に派手」でしょうか。『麒麟がくる』の農民や市井の人々の、ショッキングピンクの着物の方がよほど派手に見えるのですが。(鎌倉殿の13人公式サイトより)

鎌倉殿の13人第7回義時と義盛


義時はオーラがありません。主人公補正がない。あいつはすごいと誰もがはっきり言わない。
聡明であることは、頼朝も政子も認めてはいるけれども、その辺の機微を小栗旬さんはうまく使い分けていると思います。

オーラのあるなしはともかく、そもそも『吾妻鏡』では行っていないはずの上総の屋敷に行くこと自体、主人公補正であるかと思うのですが。それに『青天を衝け』関連コラムで

「人と人が出会わないと歴史イベントが盛り上がらない」という思考に陥っている
映像にしない部分を如何に表現するか-という視点が肝要になる

と武者さんは書いていますが、この時の義時の描かれ方も
「『人と人が出会わないと歴史イベントが盛り上がらない』という思考に陥っている」
のではないでしょうか。しかしそもそもドラマとは、まず複数の人間の出会いがあり、それが進展して行くものではないかとは思いますが。

俺は素直な男だ。素直な男は損得で動く。頼朝につけばどんな得があるか?
広常は原始的であり、さらに、味方につけたいのは頼朝だけじゃないと語ります。

「損得で動く」のが原始的なら、戦国時代の武将たちの多くも原始的ではないのでしょうか。

この作品は、説得力のない奴ほど自信満々で素晴らしい。ダニング=クルーガー効果ってやつです。
大して説得力もないのに「俺がなんとかする!」と目をキラキラさせ、それで上手くいってしまう安易な展開は見どころがありません。

また某大河のことを言いたいのでしょうか。しかしこう頻繁に出て来る辺り、武者さんが意識しているのは事実かと思われます。それとこの場合、ダニング・クルーガー効果というよりは彼の性格によるものなのでは。

「刀は斬り手によって名刀にもなれば、なまくらにもなる。決めるのは斬り手の腕次第……御免」
思わずキョトンとする義盛。
「今のわかったか?」
揶揄が理解できないんですね。義時は無言。
どうにも恐ろしいことになってきました。広常も頼朝を利用する気が満々で、景時もそう。
頼朝という刀を名刀として世に出す策を、馬に揺られながら考えているのでしょう。
そうやって心に火をつけたのは北条義時であり、景時の性格をちょっと考察してみたいと思います。
天皇は、神か? そうでないか?
日本史を学ぶ上で、必ずつきあたるこの問題。信仰心があつい景時にとっては、神聖であることは確かでしょう。

この刀云々はいいでしょう。しかし不思議なのが、なぜ途中で唐突に、しかもあまり関連性があると言い難い景時の性格、そして天皇や朝廷に飛んでしまうのかです。それと広常も景時も、この段階では頼朝を利用しようとしていたとしても、特に不思議ではありません。

この眉剃りコントで笑ってしまいますが、結構重要なところだと思います。
『真田丸』でも「理に頼りすぎるばかりではいけない」という趣旨のセリフが出てきました。
これは何も三谷さんだけでなく、大河チームでそれができる人がいると私は推測しているのですが。
【情】と【理】の両方が必要である――それを意識して取り組まれている方がいるのでしょう。

個人的に、この眉剃りも何か唐突感がありました。義盛という人物をよく表しているとは思いますが、それだけであそこまで尺を取るべきなのでしょうか。それにどの大河でも「情」と「理」は使い分けているかと思うのですが、嫌いな大河になるとそれが見えなくなってしまうのが武者さんなのでしょう。で、ここでまた『青天を衝け』批判。

胸がぐるぐるとか、ムベムベとか。この手の言葉は【情】だけに突っ走っていて、説得力に欠ける。
むろん、ドラマは心に訴えかけるものですから、仕方ない一面はあれど、そこに偏って近道を走ろうとする脚本と演出はいかがなものでしょうか。
SNSの言葉が拾われ、ネットニュースで拡散する時代なら、なおさらそういう傾向も強くなります。
物事は【情】だけではダメで【理】がなくては説得力がありません。
このドラマの義時は【理】詰めで感【情】を動かす才能がある。そこがよいのです。

「そこに偏って近道を走ろうとする脚本と演出はいかがなものでしょうか。」
『青天を衝け』は、別に情の部分だけに偏っていなかったと思います。栄一の考え、天狗党を説得するシーンなどもちゃんと描かれていましたし。
また
「SNSの言葉が拾われ、ネットニュースで拡散する時代なら、なおさらそういう傾向も強くなります」
所謂エコーチェンバー的なものなのでしょうが、武者さんのコラムとコメント(削除されていない分)も似たような雰囲気であるかと思います。

そして千葉常胤。

こんなおじいちゃんにそこまで言われたら、そりゃ、広常も心は動きますよね……と、言いたいところですが、野蛮だとも思います。
武士は暴力集団、戦闘集団だと断言されました。それでいいのでしょうか。武士はそれだけなんですか。
大事な問い掛け。このドラマを見ながらそこは考えたい。戦うしか使命がない集団って、危険ですからね。

まず「断言された」の主語が不明です。
それとやけに武士は暴力集団などと書かれていますが、この当時の坂東の武者たちが、何を守ろうとして戦っていたのか、それはご存知なのでしょうか。結局ここでも坂東武者に対して批判的ではあるようです。彼らはこの大河の根幹を成す存在であるかとも思うのですが。
(この項続く)

飲み物-トディ


[ 2022/02/25 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

冬季オリンピックあれやこれや-5

冬季オリンピック関連はひとまずこれで終わりです。
選手の皆さんお疲れ様でした。
今回を以て第一線から去り、指導者や解説者となる選手もいるでしょうし、さらなる高みを目指して、4年後を目指す選手もいるでしょう。
そのような中、フィギュア選手の年齢制限を、17歳へ引き上げる提案がなされるようです。例の、ワリエワ選手のドーピング問題を受けてのことと思われます。
あと閉会式、まあこれは当然ではありますが、色々な意味で中国的だなと思いました。

ところで早くも、大会の特集号あるいは総決算号が発売されています。その中で、現在Amazonで予約受付中のBBM(ベースボール・マガジン社)の北京オリンピック総決算号、表紙が平野歩夢選手でインパクトがあります。

それからロシアがウクライナの軍事施設を破壊した件ですが、これは政治ブログではないのであまり詳しくは書きません。ただ中立を謳っていて、しかもパラリンピックを控えた中国が、今後どのようにロシアにアプローチするのかなとは思います。

飲み物-ホットココア
[ 2022/02/25 00:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

リーグワン第6節結果とブルースのチーム存続署名のお知らせ

ラグビー関連情報です。

リーグワンの結果です。しかし前節はディビジョン1のチームのうち、ブラックラムズ東京、神戸、東京ベイ浦安、東葛の4チームで新型コロナ陽性者が出たため、行われた試合は全体の3分の1の2試合のみでした。
赤文字勝利チーム、青文字不戦勝チーム)

ディビジョン1(第6節)
静岡ブルーレヴズ 18 - 28 横浜キヤノンイーグルス
(ヤマハスタジアム)
ブラックラムズ東京 - クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
(駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場)
トヨタヴェルブリッツ - コベルコ神戸スティーラーズ
(パロマ瑞穂ラグビー場) 
埼玉ワイルドナイツ 30 - 18 東芝ブレイブルーパス東京
(熊谷スポーツ文化公園ラグビー場)
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪シャイニングアークス東京ベイ浦安
(ヤンマースタジアム長居)
グリーンロケッツ東葛東京サンゴリアス
(柏の葉公園総合競技場)

ディビジョン2(第5節)
花園近鉄ライナーズ 61 - 21 釜石シーウェイブス
(東大阪市花園ラグビー場) 
日野レッドドルフィンズ 7 - 33 三菱重工相模原ダイナボアーズ
(上柚木公園陸上競技場) 
スカイアクティブズ広島 11- 45 三重ホンダヒート
(Balcom BMW Stadium) 

ディビジョン3(第5節)
中国電力レッドレグリオンズ 3 - 27 九州電力キューデンヴォルテクス
(Balcom BMW Rugby Stadium)
宗像サニックスブルース 37 - 7 クリタウォーターガッシュ昭島
(北九州市立本城陸上競技場)
豊田自動織機シャトルズ愛知 17 - 12 清水建設江東ブルーシャークス
(パロマ瑞穂ラグビー場 )

廃部を検討されているディビジョン3の宗像サニックスブルースは、昭島に圧勝しています。そしてそのブルースのチーム存続を求める署名を、現在募集しています。用紙は下記のツイートからダウンロードできます。都合でオンライン署名を都合により行うことができなかったとのことで、FAXまたは郵送となります(3月10日必着)。
またこのことに関するnote記事もありますので、いずれもURLのみ置いておきます。

https://twitter.com/BBS_BLUES_FAN/status/1494689586794012675

宗像サニックスブルースを守るために-署名などの活動の今後の方向は
https://note.com/clutchman/n/n2226fe2635b9


飲み物-琥珀のエール

[ 2022/02/24 01:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』「敵か、あるいは」あらすじと感想-2

引き続き、『鎌倉殿の13人』第7回の感想です。

まず思うのですが、義時があちこちに出没しています。和田義盛は実際に上総広常の館に足を運んではいますが、義時は行かなったとされています-無論この場合、主人公だということもあるにはありますが、場合によっては義時を、敢えて出さないという選択肢もあっていいかと思います。それに加えてもちろん頼朝も出て来るし、政子も八重も出て来る。そして、それぞれのパートで会話劇が繰り広げられているため、やはりちょっとごちゃごちゃした印象があります。

それと伊豆山権現のシーンと八重のシーン、この2つは入れるべきだったのでしょうか。伊豆山権現の全成の秘技?のシーンは、如何にも三谷流コントですし、ああいう形で全成を登場させなくてもよかったかとも思います。このへんがやはり舞台的なのでしょうか。それと新納さん、坊主頭のせいか『風雲児たち』の杉田玄白を思い出します。あと僧兵がちょっと貫禄なさすぎです。また八重のシーンも、何かの伏線となるのかも知れませんが、つまるところ、鶴丸を殺したのは父祐親である、そのことの再確認といった感じです。

ところで幻でない後白河法皇と、久々の清盛の対面ですが、福原遷都関連をもう少し描いてほしいとは思います。それにしても清盛、院宣の件を薄々気づいているのではないでしょうか。一方坂東武者での千葉常胤、当時としては高齢なのでしょうが、平家方の下総の目代の首を取ったのは、頼朝への忠誠心の証でしょう。無論頼朝もこの人の兵力が欲しかったのですが。

それから時政が再び甲斐に向かいます。確か信義から、頼朝への院宣を持って来てくれと頼まれていたはずなのですが、結局あの件はどうなったのでしょうね。それから亀の夫が押し掛けて来ます。実は頼朝が亀といい仲になったため、政子が亀の家を奇襲させるのですが、この夫がやってくるというのはそれの伏線でしょうか。

しかしこのこの大河、どう見ても
平清盛
藤原秀衡
上総広常
の3名に貫録があり過ぎるように思います。
一方で頼朝には今のところ、まだそこまでの貫禄はついていませんが、実際の頼朝も、あるいはこのような感じだったのかもしれません。特に2010年代以降、大河ドラマの人物はヒーロー然とした描き方ではなくなっていますし。

そういえば先日の「貰えるものは病気以外貰っておけ」、確かこれも大泉さん演じる信幸が官職を貰うものの、何となく違和感をおぼえている時に、昌幸がかけた言葉でした。ちなみにこの官職名は「伊豆守」でした。今回大泉さんが頼朝を演じるのは、このせいもあったのでしょうか。

飲み物-ホットビール
[ 2022/02/24 00:15 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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