先日の『はたらく細胞WHITE』の続きです。尚先日投稿分で、意味が通りにくいと思われた部分を修正しています。
<レッツ貪食!>
好中球は細菌を倒した後貪食をするが、桿状核球はこれに馴染めなかった。先輩の1146から、あっさりうまくないと言われてためらいつつも、一口食べてみることにするが、やはりさほど美味しくもない代物だった。そんな彼らをよそに4989はうまいと食べ続け、1146から味音痴だと言われてしまうが、どうも味がわかるわからないという次元の問題ではなかった。
一方好中球の1人2048曰く、4989と1146は食い方が汚いとのことで、「マイ箸」を取り出して食べる。桿状核球は、あるいは2048が食べている部位は美味しいのかと口に入れるが、特に変わりはなかった。しかも細菌はまだ生きているらしく音を立てる。するとどこからかいい匂いがして来て、桿状はその場を離れ、そちらの方へ行く。そこでは2626が、屋外なのに調理設備を持ち込んで獲物を調理していた。
この抗原は体を作るもとだ、俺は食べ物に妥協はしないと2626は言うが、当然ながら、貪食する細菌と白血球の体を作る栄養分とは別々だった。しかし見た目はかなり美味しそうであり、料理を一口食べてみた桿状だが、その場に倒れてしまう。細菌だから美味しくないのは当たり前だった。なぜ料理をするのか桿状に訊かれた2626は
「ただの趣味だ」
と答え、「創作イタリアン 二六」なるボードと暖簾を掲げて客を呼ぼうとしていた。
(キラーT班長も匂いに誘われて、暖簾の前に立っていた)
<迷子の骨髄球>
抗原との戦闘の後、2048と話していた桿状は、彼が新人だった頃の話を聞かされる。若い頃、久々の戦闘で未熟な白血球だった2048と仲間たちは駆り出され(左方移動)、先輩たちの戦いぶりに圧倒される。その後戻ろうとした彼らの前に、まだ幼い骨髄球が現れる。迷子のようだった。
骨髄に戻るから連れて行ってやろうとするものの、2048だけはジムに行くとその場を離れようとする。しかしその子は2048にしがみついて離れないため、やむを得ず彼が面倒を見ることになる。しかもお腹がすいたとその子は言い、2048はアイスクリームを買うはめになる。彼はダイエット中だったが、その子がお兄ちゃんも食べようよと口に入れてくれたため、久々のアイスクリームを楽しむ。その後この骨髄球は、疲れたと座り込んでしまう。
2048はその子を肩車して仲間たちと骨髄まで戻り、マクロファージに引き渡す。戻ろうとした彼にその骨髄球は声をかけ、折り紙で作ったスギ花粉を渡す。俺の魅力は子供にも伝わると、その折り紙を見せながら自慢げに言う2048だが、実はそれを作ったのは桿状自身であった。その骨髄球というのは、他ならぬ子供時代の彼自身であり、2048と別れた後、彼はまだ折れるかなと当時を懐かしむ。
<すり傷>
桿状核球は血小板たちの荷物運搬を手伝ってやる。しかしその直後すさまじい音がして、体が空中に浮く。その彼を引き止めてくれたのは4989だった。外からの衝撃で表皮近くの血管の壁が壊れ、血小板たちが穴をふさぐ間、好中球は外から侵入してくる抗原を防がなければならない。
風に飛ばされて穴に落ちないようにと、桿状核球は慎重になるが、4989は簡単に移動して行く。これは制服についているL-セレクチンのおかげだった。桿状は初めてその存在を知るが、4989も実は電源を入れ忘れていたため、彼自身も飛ばされて来たのだった。
その4989は無謀とも思えるジャンプをして移動し、後からやってくる、いささか頼りない桿状を手伝おうとするが、その時落ちそうになって逆に桿状に助けられる。しかしその後、4989の足元が落下し、桿状は彼が死んだものと思い込む。ところが彼は生きていて、穴の底の方にしがみついているのを発見される。
「レッツ貪食!」、白血球というか好中球は、抗原を捕食するのが仕事ですが、もちろんそれは彼らの栄養分にはなりません。無論美味しいものでもないわけですが、その時流れて来たいい匂いに誘われて、桿状核球はそちらの方へ向かいます。そこでは先輩の2626が倒した細菌で料理を作っており、桿状は食べてみますが、元が細菌であるだけに美味しいはずはありませんでした。しかし2626は自分の趣味だと言って料理を続け、何やらレストランまで出しています。やはり匂いに惹かれて中に入って来そうなキラーT班長が、この料理を口にして何と言うでしょうか。
ところで本編では、マクロファージがやはり捕らえた細菌で料理をしますが、こちらはどんなお味なのでしょう。
それから「迷子の骨髄球」、これは本編の赤色骨髄の話を踏まえているようです。ただこの骨髄球のちび君が、記念として、2048のお兄ちゃんに折り紙のスギ花粉をあげるところが違っています。桿状君、それは自分だとは流石に言わなかったようですね。先輩もあるいは感づいているのかも知れませんが。
ちなみにここで左方移動が出て来ます。本編と違って、こちらは抗原退治に駆り出された桿状核球の4人組が、先輩たち凄かったなと言っており、どういう状況下であったのかがわかりやすくなっています。ところで、なぜ桿状核球が増えた状態を左方移動(左方推移)というのでしょうか。
体内で病原体に感染すると、多くの白血球(好中球)が必要になり、そのためまだ若い桿状核球が血液中に増えます。白血球は赤血球と違って核を持っていますが、桿状核球はその名の通り、棹状の核があるのみです。これが成熟するに従って複数の核に分裂し、分葉核球と呼ばれるようになります。
この状態をグラフにして、縦軸を血液中の白血球の数、横軸を核の数とした場合、非感染時に比べて総体的な核の数が少なくなり、グラフの折れ線の山が左側に来るため、左方移動と呼ばれています。実際これはグラフがないとわかりにくいので、グラフ付きの記事のURLを置いておきます。
好中球の検査値ー左方移動(左方偏移)とは?
https://www.hanakonote.com/kensa/sahoido.html
そして「すり傷」ですが、こちらは本編のすり傷の回を、白血球サイドから見たものと言った方がよさそうです。L-セレクチンはここでは制服についている装置として描かれていますが、実際はもちろん、白血球自身が持つ接着分子です。