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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2021年06月

細胞とブラック・ジャックとBLACK

ほぼ連日この漫画関連で書いていますが、『はたらく細胞』(以下、本編)のコメントで、『ブラック・ジャック』を凌ぐとあり、しかも医療漫画と書かれたものを見たことがあります。一応このコメントから見る限り、医療関係の方のようでしたが、私としては寧ろこれは科学漫画のように思えます。
本編自体は、確かに細胞の役割(すべてが正確というわけではなさそうですが)を描いており、医学に不可欠な知識とは言えます。しかし医療現場を描いたものではないので、医療漫画はちょっと微妙です。寧ろ『はたらく細胞BLACK』(以下、BLACK)の方が、もう少し医療との絡みは大きいかと思われます。

ところで前出の『ブラック・ジャック』ですが、手塚治虫氏の作品を集めた「TEZUKA OSAMU OFFICIAL」で、ドクター・キリコによる主人公ブラック・ジャック(以下、BJ)の名セリフの解説として、以下のようなものがあります。


(前略)
「生きようとする意思」を挫けさせた患者にBJはことのほか厳しい。
なにしろ「生命」こそが神であり、「生きること」こそが、すべての生ある者への至上命令なのだと思ってるのがBJなんだ。
死にたい、とか、もう駄目だ、なんて弱音やあきらめは絶対に許さない。
そんな弱気になった者の、その体の中ではしかし免疫細胞が損傷した部位を直そうと懸命に働いているし、細胞たちは生き延びるためにせっせと新陳代謝を続けている。
その無言の努力はひとえに「もう死にたいよ」などと泣き言を言っている体の持ち主を、それでも生き延びさせるために続けられているのだ。
そんな「からだ」という精密機械の不断不休の重労働に常に敬意を払っているBJだからこそ、生きることを諦める患者は許さないのさ。
(後略)

TEZUKA OSAMU OFFICIAL ブラックジャックSPECIAL BJ名セリフ

「その体の中では」以降の箇所、BLACKの中で、既に心肺停止状態になっているにも関わらず、何とか酸素を届けようとする赤血球の姿が何となくだぶります。正にあれは「生き延びさせるために続けられる」「不断不休の重労働」ではありますね。
あのタイトルのBLACKは、もちろんブラックな労働環境の意味ではありますが、あるいは、このBJへのオマージュも込められているのではと思ってしまいます-あくまでも、個人的感想ですが。

ところでツイッターで見た、恐らくパロディなのでしょうが、BJが熱中症にかかるからと、マントでピノコを直射日光から遮ろうとする漫画があります。しかしピノコは「熱中症」を、「ね、チューしよう」と思い込み、BJにこう言います。
「ピノコがいーっぱいチュウちたげゆっ」

余談ながら、本編の血小板が、ピノコキャラだったらどうだっただろうなとつい思ってしまいます。

飲み物-スミスウィックのスタウト
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[ 2021/06/30 00:30 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

大河ドラマのガイドブックに対する不満点-2

以前、大河ドラマのガイドブックに対する不満点という投稿をしています。この時は、後編や完結編(NHK出版のみ)の発売が遅く、3放送回ほど空白期間ができる点を指摘しています。『青天を衝け』に関して言えば、第17回から第19回の放送時はガイドブックがまだ出ていない状態でした。またNHKをはじめ出版社は、もう少しどうにかできないのかといったことも一応書いています。

ところで大河のガイドブックは、NHK出版の他にも

ニッコームック(産経新聞出版)
TVガイドムック(東京ニュース通信社)

の物があります。しかしながら、今回はこの2社から後編が発売されていません。今現在後編が出ているのは、NHK出版の物のみです。行きつけの書店になかったため、amazonやhontoを探してみたのですが、いずれもありませんでした。

一応産経新聞出版、東京ニュース通信社それぞれに確認してみたところ、出版の予定がない、あるいは延期になっているという回答でした。私はニッコームックのガイドブックを毎年購入しており、場合によってはNHK出版の物も買っています。しかし前編が出ていながら、後編が出ていないのは今回が初めてです。初夏頃に続編が出るとあったのですけどね。仕方ないのでNHK出版のを買いました。オリンピック中継による中断と関係あるのでしょうか。


飲み物-アイスコーヒー2

[ 2021/06/29 23:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

リメイクやスピンオフで世界観が変わるのは当たり前

大河とかその他のドラマ、あるいはアニメなどのリメイクについては、度々書いて来ています。こういう場合、リメイクが面白いと取る人もいれば、リメイクの元になった本作品の方が面白いと言う人もいるでしょう。一概にはどうとはいえませんが、リメイクの元となった作品が好きと言う場合、しばしば、リメイクによって変わる世界観に馴染めないということも多いようです。

しかしリメイクである以上、世界観がある程度変わるのはやむを得ないことかと思います。シリーズ物などでも、時代が変わるにつれて変化する作品の雰囲気に、馴染めないという人もいる一方で、逆にそれが面白い、楽しめると言う人もいます。

その他にスピンオフもあります。このスピンオフというのは実は様々な使われ方をしており、主役が元々の主人公から脇役に変わるのを指すこともあれば、外伝的な物を指すケースもあるようです。アニメもそうですが、ドラマのスピンオフというのも結構多く、朝ドラや海外ドラマのスピンオフは有名です。

この場合、脇役が主役に入れ替わった程度であれば、そこまで違った雰囲気にはなりませんが、場合によってはかなり次元が違った物となるようです。また本家越えと言われるように、元々の作品を凌ぐ人気が出たりもします。

しばしば書いている『はたらく細胞BLACK』もそのパターンと言えそうです。実はこれについてのコメントを目にしたことがありますが、いいという意見と同時にネガティブな声もあります。後者の場合、恐らくは本編の世界観が崩れてしまうのを嫌うからと思われます。しかしどの作品であっても、スピンオフはリメイクと同じかそれ以上に世界観が変わることですから、本編と殊更に比較するのはやや同意し兼ねます。

寧ろスピンオフでこそ描けることもあるので、こういうのを一概に否定はしません。まずスピンオフを見て、それから本編に行きつくということもあるでしょうし、それもまた楽しみ方の1つと言えそうです。

飲み物―アイスコーヒー5
[ 2021/06/29 00:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

幕府方の主人公も多い幕末明治大河

今年の『青天を衝け』に関係することですが、幕末から明治にかけての大河について、とあるコメントで「薩長物が多い」というのを過日目にしたことがありました。私としては、過去には幕府側から描かれた物もかなりあると思っていたので、今まで放送された分を取りあえずリストアップしてみることにしました。
(『獅子の時代』に関しては、1つの作品に会津と薩摩それぞれの人物が出て来るため、また『篤姫』に関しては、薩摩出身で将軍の御台所、ひいては幕府方の人物となっているため、この2作品は両方に入れています)

<幕府方>
三姉妹
勝海舟
獅子の時代(会津)
徳川慶喜
新選組!
篤姫
八重の桜
青天を衝け

<薩長方>(含土佐)
竜馬がゆく
花神
獅子の時代(薩摩)
翔ぶが如く
篤姫
龍馬伝
花燃ゆ
西郷どん

ちょうど8作品ずつで、正に五分五分と言えます。
では、薩長側の作品がなぜ多く感じられるのか。恐らくは

  • どちらをメインにした作品であっても、薩長あるいはそのいずれかの主だった人物(西郷隆盛、大久保利通、桂小五郎など)が必ず登場する
  • 最終的に薩長中心の勢力が明治維新に関わったため、特に後半部分は、こちら側の人物が登場する機会が多くなる
  • 特に『篤姫』のように、幕府方となった人物が主人公であっても、薩摩の人物が多く登場するため、どうしても薩長中心に見えてしまう

こういう点が挙げられるのではないかと思います。また2010年代は特に、坂本龍馬や西郷隆盛など、比較的有名な人物が主人公となった作品もあるため、その影響も少なからずあったかも知れません。しかしこのコメントをした方は、『新選組!』とか『八重の桜』などは観ていなかったのでしょうか。前者は如何にも三谷さんの作品ではありますが、こういった大河、あるいは『徳川慶喜』などであればそこそこ堪能できたかと思います。

過去の大河を振り返ってみると、幕府方目線の作品も多く作られています。また『勝海舟』以後は総集編、あるいは完全版でDVDが出ています。実際私も、『花神』の四境戦争のシーンはDVDのお世話になりました。
(但し『三姉妹』『竜馬がゆく』は、残念ながら映像があまり保存されていないようです)


飲み物-タンブラーの白ビール

[ 2021/06/28 23:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

第二次長州征伐について少しばかり

『青天を衝け』でも第二次長州征討(長州再征)の時期を迎えています。幕末が舞台の大河では、規模の差こそあれ、基本的に避けては通れないものであり、それだけ長きにわたる幕府の支配に、かなりの影響を与えた事件であるとも言えます。特に四境戦争とも言われるこの戦い、大島口の戦いに始まり、石州口、芸州口及び小倉口それぞれで戦闘が行われ、最終的には小倉城が陥落して、他の地での戦いも停戦となります。

この時豊前小倉藩は優勢だったはずなのですが、長州勢が関門海峡を渡って侵攻し、総督小笠原長行は、家茂薨去後は第一線を退くことになります。また『花神』の主人公である、大村益次郎が指揮した石州口では、濱田藩領へ押し入って浜田城が陥落します。ここの藩主松平武聰は、一橋慶喜の異母弟でした。尚『龍馬伝』で高杉晋作が田野浦に上陸しますが、これは小倉城陥落の一月半ほど前のことです。

そして『西郷どん』では、薩摩がこの長州再征に参加しない理由として、大義のない勅命であるからとしており、大久保一蔵は、老中板倉勝静に対してその旨を伝えます。慶喜がこれを聞かされた時は、大坂で倒れた家茂を見舞っていたのですが、必ず長州を討つ、次は薩摩だと言いつつ去って行きます。またこの時は薩摩以外にも、佐賀、あるいは広島といった藩が出兵を見合わせています。

飲み物-グラスビール
[ 2021/06/28 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『まんがサイエンス』の人体漫画について

学習漫画と言うジャンルがあります。実は『はたらく細胞』シリーズも、このジャンルに区分けされているようです。学習と言うよりは、寧ろ実用漫画のような印象もあるのですが、確かに小学生や中学生に取っては、人体の何たるかを覚えるための物ではあるでしょう。

ちなみに、以前日テレの『世界一受けたい授業』で、『はたらく細胞BLACK』を読んでいる小学生が登場していました。かなり大人向けの内容ではあるのですが、既に本編の方を読み終わったのでしょうね。

ところで人体の内部を扱った漫画として、かつて学研の高学年向け『科学』に連載された、『まんがサイエンス』という作品があります。著者はあさりよしとお氏で、この第12巻に人体防衛軍として、免疫細胞のことが描かれています。

実はこれに関して検索していたところ、ご本人のツイで以下のような画像が見つかったので、1ページ目のリンクを置いておきます。

https://twitter.com/hologon15/status/1048748403784466432/photo/1

尚元ツイには「24年前の、はたらく細胞・免疫編」とありますが、特に
  • 白血球(好中球)が抗原を食べると死んでしまう
  • マクロファージの抗原提示能力
  • B細胞がデータ(抗原記憶)を基に抗体を作る
  • B細胞の抗体が、抗原をブロックするような形になる
  • キラーT細胞が感染細胞を破壊する
などといった点は、きちんと描かれているなと思います。寧ろ白血球が死ぬこと、抗体、キラーT細胞の感染細胞破壊などは、こちらの方がシンプルながら詳しく描かれていると言ってもいいでしょう。

一方で、この中ではサプレッサーT細胞が作戦終了を見届ける、つまり免疫反応をコントロールする存在として描かれていますが、これは今では否定されていて、制御性T細胞がその役割を担うと考えられています。

またマクロファージ同様抗原提示能力があり、T細胞を活性化できる樹状細胞ですが、こちらには登場しません。


飲み物-アイスコーヒー
[ 2021/06/28 00:00 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

西郷どん復習編11-赦免された吉之助は慶喜と京で再会

沖永良部島の人々の薩英戦争への不安から、土持は家人(ヤンチュ)を売って費用を作り、援軍を頼もうとします。しかし吉之助は、人身売買はいかんと思いとどまらせ、島の人々で丸太を黒く塗って砲台に見せかけます。また島抜けを図って薩摩に戻ろうとした川口雪篷は、吉之助と同じ座敷牢に入れられます。雪篷にしてみれば、薩摩の人々が心配でたまらず、また島津斉彬の言葉である「今は異国の強さを学び、日本を異国に負けぬ国にする時で、異国と戦うべきではない」を引き合いに出します。

西郷どん25吉之助を送る雪篷
「革命」の旗を振る川口雪篷

雪篷は子供たちにナポレオンが、世の中を変え、民を苦しめる体制を終わらせたと教えます。その後吉之助は薩摩に戻されることになり、弟の信吾が船で迎えに来ます。雪篷は「革命」と大書した旗を振って見送り、その後喜界島で村田新八を乗せ、さらに奄美大島に立ち寄ります。久々に愛加那に会う吉之助ですが、これは信吾の思いやりでした。

そして元治元(1864)年2月、薩摩に戻った吉之助は、隣町に転居した西郷家に戻り、訪ねて来た大山格之助や海江田武次、村田新八らに上申書を見せます。参与会議で京に滞在中の久光に、島の窮状を訴えるための物でしたが、しかしそれには一蔵の力を必要としました。この時吉之助は、薩英戦争の様子を彼等から聞き出します。

西郷どん26吉之助と糸
糸(右)と出会う吉之助

吉之助は結局上洛することになりますが、その途中糸に会い、薩英戦争で家が被害を受けた彼女に、何かあれば頼れと言って去って行きます。しかしその京では、長州が散々に薩摩をののしっており、鍵屋もその被害を受けていました。しかも参与会議も、一橋慶喜と久光の関係がうまく行かず、一蔵は慶喜の家臣平岡円四郎、土佐の後藤象二郎や、福井藩の中根雪江をもてなすために、畳回しの芸まで披露する有様でした。

吉之助は薩摩藩邸を去って若州屋敷の慶喜に会いに行きます。しかし慶喜は不在で、周囲には物乞いの男が一人座っています。慶喜は屋敷が狙われていることを知り、こっそり繁の家に行って、そこで吉之助と会うつもりでした。また物乞いの男は、桂小五郎の変装でした。ようやく吉之助は、慶喜の側女となったふき(およし)を通して、慶喜と会い、開国か攘夷かで悩む慶喜に対し、逃げてはいけないと提言します。将軍後見職である慶喜こそ、この急場を凌げる人物であると考えていたのです。

西郷どん26慶喜の酌をする吉之助
慶喜(右)の酌をする吉之助
[ 2021/06/27 00:00 ] 大河ドラマ 西郷どん | TB(-) | CM(0)

擬人化漫画について思ったこと

先日の続きのようになりますが、やはり擬人化漫画であるということは、そこにストーリーがないと成り立ちません。でないと、どうも教科書的な乗りになってしまいます。

寧ろ学習漫画のように、この細胞はどのような働きをすると、役割のみを教える方法もあるでしょう。それはそれで役に立つからです。ただ商業漫画誌に連載する以上は、やはりそれでは済まされないところもあります。それを考えると、もう少し色々な点で、工夫がなされてもよかったかとも思ってしまいます。

私の場合、特に第1巻は最初と言うこともあり、面白く感じましたし(それ以降も無論面白いのはあります)、

肺炎球菌
スギ花粉アレルギー
インフルエンザ
すり傷

というラインアップは、色々な細胞が活躍することもあって楽しめたのですが、徐々に

いつまでも迷う赤血球
とにかく細菌を殺す、あるいは血小板といる白血球

が、テーマを問わず入って来るのはやや違和感を覚えるようになっています。

元々清水さんが、妹さんの勉強のために描いた漫画が発端ということもあり、どこかお勉強的になるのはやむを得ないのかとも思いますが、ならば細胞の役割をもう少しきちんとさせてほしいですね。赤血球は迷子になることはないし、免疫細胞を呼びに行く細胞でもありません。もちろん他の細胞もしかりです。

原作にも「学術的な事実とは異なります」とお断りはしてあるし、当然学術的な事実に則っていたら擬人化などできません。しかしやはりある程度、この一線を越えてはいけないというのもあるし、学術的事実とかなり違うのであれば、それはそれで、もっとディープな形でのドラマを展開してほしいものです。

『はたらく細胞BLACK』も、学術的事実とは違う部分は無論ありますが、それがそこまで気にならないのは、やはり作品そのものの、ドラマとしての描写が違うせいでもあるでしょう。私もスピンオフをすべて読んでいるわけではありませんが、このBLACK、そして趣が全く異なるものの、『はたらく細胞フレンド』に面白さを感じるのは、本編にないものを持ち込んでいるせいもあります。実際フレンドなんてかなり遊んでいますが、それはそれでまたいいかと。

あとキラーT細胞やNK細胞などの、リンパ球が武器にするパーフォリンとグランザイムについて。ますパーフォリンで相手の細胞を破壊し、グランザイムでアポトーシスを起こすわけですが、実際がん細胞をやっつけるリンパ球の映像を見ていると、相手の細胞の核の部分が、壊れているのがはっきりわかります。実際どのようなものであるのか見たいという方は、「リンパ球  攻撃」などで動画検索をしてみることをお勧めします。

飲み物-アイリッシュコーヒー
[ 2021/06/26 23:45 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

『はたらく細胞』本編とBLACKの比較3

まず、この投稿が書きかけの状態で公開されてしまっていたようです。恐らく、何のことやらお分かりにならなかったかも知れません。失礼いたしました。

では今回の比較ですが、まず本編(以下、本編)の場合

キャラ設定はそこそこできているのに、ストーリーにそれを生かせない

という点が挙げられると思います。主だった細胞が、一応どのような設定であるのかはわかるのですが、それがあまり掘り下げられておらず、赤血球が酸素を運んでいて道に迷うとか、時々危ない目に遭って悲鳴を上げるとか、白血球が細菌を殺してばかりいるとか、そういう展開がどうしても多くなります。ストーリーがどこか単調になるのはやはり、体内にドラマがないということもあるのでしょうか。『はたらく細胞BLACK』(以下、BLACK)の方が面白く感じる所以です。

作者の清水茜さんは、「読者に『自分の体内のことかもしれない』と思ってほしい」から、年齢や性別が特定されないものを描いたと、コミックナタリーのインタビュー(2ページ目)で語っていますが、逆に体内を特定しないということは、感情移入しにくい側面もあります。これなら若い男性の体内で、病気やケガをしても比較的早く回復すると設定されていた方が、こちらもそのつもりで読むことができ、行動とダメージの因果関係もわかりやすいのです。

『コミックナタリー』インタビュー

誰の体内であるか特定しないのは、どこか曖昧な印象をも与えかねません。BLACKで、ああいう体内だからこういうことが起こる、どのような行動を取ったから細胞がダメージを受けるというのが、かなりわかりやすく描かれているのとは寧ろ対照的と言えるかも知れません。この場合タバコを吸ったから赤血球がダメージを受け、不潔にしていたから水虫になるといった形になっており、それが感情移入できる一因となってもいるでしょう。

それから本編の場合、「暗さ」がないのも寧ろデメリットではないかと思います。まず細胞たちが死ぬ場面が登場せず。常に同じ顔触れによって話が進んで行きます。しかし免疫細胞が中心であるのなら、多少主だった細胞が、犠牲になるところがもう少し描かれてもいいでしょう。でないと「自分の体内」どころか、どこか全く別人の、パラレルワールド的な体内という印象を受けてしまいかねません。無論BLACKのように、細菌との戦いで白血球が大勢犠牲になるとか、赤血球たちが、仲間の死骸である血栓に追いかけられるなどという展開はなくてもいいので、出会いと別れはきちんと描いてほしいですね。それが本来の姿ではないでしょうか。

それと出番が多すぎやしないかと思われる白血球ですが、このキャラの場合、ウイルス感染した細胞は、元は同じ細胞だからということで後ろめたさを感じ、一方で細菌を殺す場面がやけに登場するのもどうかなと思います。抗原としては、どちらも同じなのですが…。それとウイルス感染細胞なのに、ムンプスウイルスに対しては同じ細胞という見方をしていなさそうで、ちょっとダブスタではないかと思います。また細菌を殺す場面も、相手によって多少違った形にしてもいいのではないでしょうか。

この本編は、『鬼灯の冷徹』に似ているという意見を目にしたこともあります。実は私はこのアニメについてはよく知らないのですが、地獄が舞台で様々なキャラが登場するようです。確かに構成としては似ているとも言えます。また、本編に『ゲゲゲの鬼太郎』と似た部分があるのと何度か書いていますが、この『鬼灯の冷徹』はかなり鬼太郎の影響を受けているようです。元々が妖怪漫画ですからね。

無論本編も面白い作品はあるのですが、BLACKのような大筋がないため、細切れで、面白いのとそうでないのがはっきりしがちな傾向があります。あと
熱中症
血液循環
にきび
などは、免疫細胞の活躍とは必ずしも言い切れないものもありますし、特に熱中症などは、外部からの治療が必要な状態なので、付録という形にした方がよかったかも知れません。BLACKのシリウス出張版(第4巻と第5巻の巻末)のような形ですね。

飲み物-アイスカフェラテ
[ 2021/06/26 01:00 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

『青天を衝け』徒然その4(公式アカウントの解説ツイに関して)

今回は先日も書きましたが、『青天を衝け』の公式アカウントの、解説ツイートに関してです。サムネイルなので、見づらい場合はクリックをお願いします。

【公式】大河ドラマ「青天を衝け」_ ツイートその2

まず引っ掛かる箇所がいくつか出て来ます。

  1. 京の薩摩藩邸
  2. 坂本龍馬の仲介
  3. 西郷隆盛

1に関しては、既に小松帯刀の寓居であったお花畑屋敷という説が有力です。現に『西郷どん』ではこちらの説を採用しています。2については、龍馬の仲介というのは必ずしも事実とは言えなくなっています。また3ですが、これはもちろん小松帯刀も名を連ねています。しかしこの大河は、なぜここまで小松帯刀を否定するのでしょうね。

そして木戸孝允(桂小五郎)も、この当時は木戸貫治の方があるいは正しいかも知れません。無論軍事的援助以外に、幕府への圧力や朝廷工作などの密約も交わされていました。

また最後の方で、家茂と側近の会話に出て来る鉄砲。ゲベールだミニエーだと言っており、一応このアカウントでも解説のツイがあります。


ちょっと解説としては物足りなく映ります。ゲベールは前装式、つまり先端から弾を込める銃で、銃身の内部に条(すじ)がありません。ミニエー銃も前装式ですが、銃身の内部に条があるため、飛距離、そして命中精度がゲベール銃と比較にならないほど高くなっています。

ちなみに『西郷どん』で、小銃栗旬さん扮する龍馬がミニエー銃を撃つシーンですが、この時はゲベール銃と撃ち比べており、ミニエー銃の方が遥かに破壊力が大きく、桂小五郎がそれを見て驚いています(『西郷どん』公式サイトより)。

西郷どん銃を構える龍馬

それから薩長同盟ですが、本来は周囲に怪しまれないため、表向きは琵琶の稽古ということで、関係者が御花畑屋敷に集まったと言われています。これに関しては、「西郷どん第32回『薩長同盟』」に書いています。


またこの少し後にも、「西郷どんの歴史的背景25-小松帯刀が愛した薩摩琵琶」という投稿で、薩摩琵琶についてちょっと触れています。

今回は結局龍馬も小松帯刀も登場しませんでした(小松はまだわかりませんが、既に薩長同盟も終わっており、このまま行きそうです)。無論主人公がどのような人物であるかを考えれば、殊更に出す必要はないかも知れません。ただその割に幕府関係者などが、やけに出て来る印象があります。せめて薩摩を描くのなら、繰り返すようですが、小松は出してしかるべきでした。

また幕末史に尺が割けないのなら、まず脚本を再検討し、ドラマ中で紹介するべきものと、そうでないものをはっきり分けるべきでしょう。本来ドラマの中に盛り込んでしかるべき事柄を、文字数が少ないツイッターで、不完全な形で解説するのは、ミスリードになりかねません。

こういうのは公式サイトで、文字数の多いコラムでもう少し詳しく書いてほしいものです。何よりこのやり方、後でツイッターで解説するから、中途半端な描き方をしてもいいと考えているようにさえ見えますが、先日も書いたように本末転倒です。ドラマできちんと描いていて、なおかつちょっとした豆知識を付け加えるのなら、それもありかと思いますが。

飲み物-ウイスキーストレート
[ 2021/06/26 00:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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